赤いスパイダーマンと青い春の物語   作:はふはふサドンデス

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スパイダーマンのコミックファンの方は満足いかないどころか不愉快になる方がいるかも知れないです。そこをご了承ください


退屈かつ地獄

 

学園都市キヴォトス、そこの三大学園の一つのトリニティ学園。そこの一つの教室の端っこ。そこの机に一人の生徒が座っていた。それが私、山城ベニだ

これは私がそこから、スーパーヒーロー… …いや親愛なる隣人として…成長していく物語だ

 

 

 

 

 

 

____________________

 

 

 

私はあぶれ者だ

 

学校は憂鬱だ。友達もいない私には青春という言葉が理解できない。

だから教室では顔を突っ伏して寝ているフリをしている。そうしていても憂鬱が消えるわけじゃない。ヘイローがついてるから起きてることもバレる。けど、誰も視界に入らなければ、みじめさをこれ以上感じずに済む。

せめて少しでも平穏な時間を過ごせるように私はここでひとりで眠るふりをする。

 

 

コツン…コツン…

 

 

「ねーやめなってー」

 

「バレちゃうよー」

 

頭に何かが当たった感触がした。それと同時に何人かの笑い声も聞こえた

 

(ああ、またか……)

 

「次、トウコ〜」

 

「え〜?バレないかな?」

 

だいたい何が起こっているのか分かっている。たぶん今私の頭が銃か何かで突かれている。犯人も分かっている。

このクラスのカースト最上位の女王様、瞬木トウコとその取り巻きたち。トリニティを体現したかのような集団だ。

私は彼女たちの遊びのターゲットになったわけだ。あぶれ者の私を怒らせて反応を見たいんだろう。前にもこういうことをやられた。その時は感情に任せて怒ったら、なぜか私だけが特別指導を喰らうはめになった。

 

だから今はどんな嫌がらせをされてもこのまま寝たフリをして耐えるのが最善だ。

 

「えいっ!」

 

ゴッ!

 

トウコが銃床で私の頭を思いっきり叩いた。

 

「うっ……」

 

あんまりに痛いのでうめき声が出てしまった。

 

「はは、いいとこ入った…」

 

「やっぱ寝たフリしてんじゃん…ふふ…」

 

待ちわびたような声が聞こえる。けど起きちゃだめだ。彼女たちに餌を与えれば嫌がらせはさらにエスカレートしていく。

 

(耐えるんだ……!)

 

ゴンっ…ゴンっ…

 

どんどん叩く強さが強くなっていく。痛みと恐怖に耐えられなくなって顔を上げてしまった。

 

「あ…」

 

強烈な笑みを浮かべたトウコがコチラに銃身を振りかぶっているのが目に映った。

 

「いやっ…!」

 

咄嗟に手で頭を守る。

 

 

「……………。、、、、、、…?」

 

何も衝撃が来ない。手をどけて見てみると

 

「…何してるんですか…!」

 

誰かがトウコの銃を抑えているのが見えた。

 

「あなたは…」

 

トウコが気に食わないといった顔で銃を下げる。

 

その生徒が私の方に振り返る。

彼女は阿慈谷ヒフミだった。

栗色の長い髪。まっすぐでキレイな瞳。彼女はいわば天使のような女の子だ。自分を普通の女の子だと言っているらしいが、あの純真無垢さと強い正義感を併せ持つ人間は少ない。

そんなに話したことないけど、何度か好きになりそうになった。てか好きだ。

 

 

「大丈夫ですか?」

 

ヒフミが私の頭をさすりながら心配してくれた

 

「え?!あ…あ…えっと、大丈夫。慣れてるから…へへ」

 

「慣れてるって……あなたたちいつもこんなことしてるんですか?」

 

ヒフミがトウコ達を睨む。私は不味いことを口走ったなと思った。

 

「…はは……そうだよ。あたしたちは同意の上で、遊びで、仲良くやってるんだよ?私たち仲いいもんね?だから慣れてるんだよね?だから問題ないよね〜?ね??」

 

トウコは軽く受け流し、私に冷たい視線を送る

 

「え……。あ、もちろん…そうだよ。だから慣れてる…んだよ」

 

空気を読んだ発言をしたつもりだったが

トウコは私の手を銃で軽く小突く。

 

「イテッ!」

 

余計な事を言うなと言う意味だろう。

 

「こら!叩かないでください!」

 

ヒフミが素早く私の手を掴む。手が暖かいし柔らかい。好きになりそうだ。

 

「………」

 

トウコが不満そうな顔をしている。

 

「わかったよ…ティーパーティーから寵愛を受けた子を敵に回したら怖いもんね〜。

みんなもう行こ」

 

トウコたちが教室から出ていった。

 

「本当に大丈夫でしたか?ベニちゃん」

 

ヒフミはまだ手を握ってくれている。

 

「うん、大丈夫だよ…ヒ、ヒフミさん。

…え、てか私の名前を覚えて…」

 

「もちろん覚えていますよ。何回か話しましたよね?」

 

「は、話した、、、」

 

ヒフミと話した、と言っても教科の事務連絡とか消しゴムを拾ったとかくらいのはずだ。名前を覚えてもらえるほど仲良くなれたつもりはなかった

 

「…あ、そういえば手を握りっぱなしでしたね、えへへ」

 

ヒフミが少し笑って私から手を離す。かわいい。けどもうちょっと触っていたかった。

 

「ヒフミー!早く来ないと置いていくぞ!」

 

銀色の長い髪の子が教室のドアから入ってきてヒフミを呼ぶ。おそらく部活かなにかの友達だろう

 

「はーい。今行きます!

じゃあ、私は用事があるのでこれで。またあの子たちと何かあったら私に相談してくださいね」

 

ヒフミが教室から出ていった。その姿を目で追う。

 

 

 

 

ヒフミとそんなに話したことないのに、私の名前を覚えてて、私を庇ってくれて、私の相談乗ってくれるなんて…………もしかして

 

 

 

 

 

 

(ヒフミは私のことが好きなんじゃ…?)

 

 

 

 






山城ベニ:主人公。陰キャ。
名前の由来は東映版スパイダーマンの主人公「山城拓也」とスパイダーバースのペニー・パーカーから半分ずつとった

瞬木トウコ:いじめっ子。トリニティ適合者
元ネタと名前の由来はスパイダーマンのフラッシュ
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