赤いスパイダーマンと青い春の物語   作:はふはふサドンデス

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クロール、ジャンプ、スイング

 

 

 

「よし、ここらへんでいいか…」

 

ここはブラックマーケットに近い廃ビル群。人もあまり来ない場所であり、万が一人が来たとしてもトリニティの生徒は絶対に来ない。なぜならここらへんのブラックマーケット周辺は学校から近づくのを禁じられているからだ。

わざわざブラックマーケットに来るようなトリニティの生徒なんているわけがない。ここなら好き放題能力を調べられる

 

「さて、まずは…手にくっつくやつだな」

 

ミレニアムでネルに尋問されたときに銃が手から離れなかったり、天井に引っ付いた時に発動していたであろう能力

コントロールできなければ流石に不便すぎる。

 

「これでいいか…」

 

近くに落ちていたコンクリートのブロック片を掴む。

力を込めてから手を開いてみると、ブロック片は手にくっついたままだ。手を上下させても離れない

 

「おお…」

 

手の力を抜くとブロック片は手から離れて落ちた

 

「やっぱ手のひらに何かあるのかな…?」

 

手のひらを見つめてみると何かトゲのようなとても小さなものがあるのを見つけた。

力を込めると生え、力を抜くと引っ込んだ。

 

「これか…?」

 

ミレニアムの時は緊張とストレスで力がこもり過ぎていて常時トゲが生えていたのだろう。

 

「どのくらいまでいけるんだろう?」

 

重たそうな鉄筋コンクリートの柱を見つけて持ち上げてみる

 

「ふぅん…!」

 

見た目通り重い。がそこまで苦ではない。以前の私では動かすことすらできなかったであろう。振り回してみても手から離れることはない。

力を抜いて柱を落とすとズドンと大きな音がした。割とどんなに重たくてもくっついていられそうである。

 

「あのときは天井にひっついても問題なかったんだ…。もしかしたら……」

 

廃ビルの壁に手を置く。手に力を込めたら腕を曲げて自分を持ち上げる。反対の手でも同じことをやる。それを繰り返していき

 

「はは……すご…」

 

私は壁を伝って登っていた。地面からは自分の背丈の三倍ほどは離れている。

自分に吹く風が心地いい。揺れるようななビル群の景色が目に入ってくる。

 

とりあえず頂上まで登った。絶景だ。

 

「最高……」

 

もっと高いところに登りたくなって、隣のビルに飛び移った。ジャンプ力も強化されていて軽々と飛び移れた。

また頂上まで来ると、いったん座って景色を見渡した。誰も見られない景色。私だけが見られる景色

 

「ふふ…」

 

しばらく見とれていた。

 

その次に私は糸のことを調べることにした

手首から出て掃除のバケツがくっついていた時のあれ。おそらく手首のあたりから出ていたはずだ。しかし性質はおろか、どうやったら出てくるのか分からない。蜘蛛に噛まれたことが原因ならあれは蜘蛛の糸ということでいいのだろうか。

とりあえずやれることは試さなければ

 

「糸よ出ろ!」

空に向けて握り拳を突き出す。ダメだ

 

「糸ビーム!」

手のひらを突き出す。ダメだ

 

「ウェブシューター!!」

手と手を合わせて合掌する。ダメだ

 

「来い!」「どりゃあ!」「コン!」「カモン!!」「波ぁ!」

 

色んな掛け声と手の形を試すが糸は出てこない

 

「はぁ………。手首だよな…?」

 

糸が出た時のことを思い出し、指を折り曲げて手首の周りを見ようとしたとき、

 

ピシュ!

 

「むごぉ…!」

 

顔に大量の糸がかかった。

急いで糸を払いのけて、先ほどの手の形を思い出す。中指と薬指を折り曲げて手のひらを押した。

 

ピシュ!

 

手首から短い糸が出て、隣のビルに張り付いた

 

「こ、これだ!」

 

今度は長めに糸を出してみた。飛んでいった糸は隣のビルの放置されたクレーンに引っかかった。

 

「……………。」

 

昔見たアニメを思い出す。森の中でターザンがツタを掴んでスイングしジャングルの中を縦横無尽に飛び回る。そんな内容だった気がする。

今ならそれができる気がした

 

「や、やってやる…!」

 

両手で糸をしっかりと掴み、ビルの屋上から踏み出した。

 

「ひいいいいいいい!」

 

体が落ちたかと思うとすぐに横に引っ張られる。

動きを制御できない。このままではビルにぶつかる

 

「う、うわ!うああ!止まれ!止まれ止まれ!」

 

ドシャ!

 

壁に叩きつけられて、その後地面に叩きつけられる。

 

「……クソ……クソクソクソ…」

 

痛い、が不思議とすぐに痛みが引いた。これも能力のおかげなのだろうか。すぐに起き上がって服の汚れをはらった。

 

 

「………もうちょっと練習していこう」

 

息を整え、助走をつけたあと、壁に向かってジャンプし高く登って跳び上がる。

 

(ここ…!)

 

高層ビルの先端に狙いを定めて糸を放つ。

糸を起点に振り子のように加速したあと、少し上に上がる。そこで糸を手放してもう一度糸を放つ。

 

「よっしゃ!」

 

ビルからビルへ飛び移りスイングする。

羽がないなんて嘘みたいに飛び回る。気分は爽快だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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