赤いスパイダーマンと青い春の物語   作:はふはふサドンデス

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スパイダーマンのゲーム買ってハマりすぎて、ニヤを逃した


友達の友達

 

 

 

 

 

翌日

 

「……ヒフミ…」

 

私、山城ベニはそれなりに元気に登校。8割方ヒフミと会うことだけを目的に学校に来た。

別にそれ以外に話す人なんていないし、今日の授業はつまらないものばかりだと退屈していたら、いつの間にか放課後を迎えていた。いつも通りの無意味な学園生活を送ってしまっている。

ただ、いつもとは一つ違う点があった。

 

「あ、トウコ」

 

「ひ…!」

 

瞬木 トウコ。今まで目を合わせるたびに何か嫌がらせをしてきた彼女が、私を見るとそそくさと逃げ出すようになった。いつも周りにいた取り巻きたちは1人もいなくなっているし、彼女はまるで別人のように萎れていた。

 

「待ってトウコ!」

 

逃げようとしていた彼女を呼び止めた

 

「な、何、…なにする気…?」

 

あちこちにヒビが入っていて、それらをテープで無理やり止められた銃。その銃を私に対して弱々しく突きつけてきた。

 

「…別に何もしないって…。私はただヒフミがどこにいるか聞きたいだけ。知ってる?」

 

突き付けられた銃を手で押さえて下げさせた。トウコはすくめていた肩を下ろし、銃をしまった。

 

「……ヒフミ?えっと、確か今日は休みだって聞いたけど…」

 

「え、あ、そうなの?…休み…なんだ…」

 

「……………。」

 

「じゃ、ありがとう。またね。」

 

「え…うん……」

 

私はその場をあとにした。

 

それにしても、トウコがあんなに弱々しくなるなんて考えたこともなかった。あれならまだ私にちょっかいかけてくる時のほうが居心地がいい気がしてしまう気がする。

 

「………」

 

私はそれくらいの恐怖を与えた。そう深く思い知らされた

 

 

 

「それにしても休みか……会えるのは早くても明日。それだって確実じゃないし…」

 

できるだけ早くヒフミと会いたかった。

昨日はあんな立ち去り方をして。なにか謝罪をしたり言い訳をしたいわけじゃない。ただ彼女と会って話したい。彼女とこれからも友達でいるために。

 

 

 

 

 

「今日どこに行ってたの?」

 

何人かのグループの話し声が聞こえてきた。咄嗟の本能で柱の裏に隠れた。別にそうする必要はないが、そうしないと気が気でなくなってしまう性なのだ。

 

「そうだ、ヒフミ。授業はサボってよかったのか?」

 

「ダメ…ですけど……仕方なかったんです。シルクハットペロロ人形が販売されてるって言う情報が流れてきて……」

 

「そうか……なら仕方ないな…」

 

「仕方なくないでしょ!」

 

 

(あれは…ヒフミ……)

 

ヒフミとその他2人が一緒に歩いていた。1人は白銀の長髪と翼を持つ子で、もう1人は正義実現委員会の制服を着ているピンク髪の子だった。

 

(ヒフミの……友達……)

 

当たり前だ。当たり前にいるに決まっている。私みたいな卑屈な人間じゃないんだ。なのになんだ。なぜ私の心はモヤモヤとしているのか。自分でも分からない。

 

(話しかけようか……)

 

いや、なしだ。あの2人と私はお互いに知らない。その初対面の壁を壊せるほどのコミュニケーション能力は私にはない。

 

 

「そういえば、ハナコはどうしたんだ?」

 

「少し遅れるから先に行ってて、だって。シスターフッドの手伝いでもしてるんじゃない?」

 

「そういうことなら先に行ってしまいましょうか」

 

三人はそのままどこかへ歩いていく

 

 

「はぁ……」

 

三人の後ろ姿が視界から消えそうになり、ため息が出てしまう。

なんでこんなに苦しいんだ?私は何が不満なんだ?

ヒフミに友達がいることか?私といるときより何倍も楽しそうにしていたからか?

私は……

 

 

 

 

 

「!!」

 

なにか後ろから気配を感じて振り返る。

振り返るとそこには一人の生徒がいた

 

 

「覗き、ですか?いい趣味してますね」

 

「…………」

 

その人は桃色の長い髪の毛を揺らして佇み、優しい目でこちらを見ている。

だが、どこかに、ほんの少しだけ、敵意を感じた

 

「あ、いや覗きってわけじゃなくて…」

 

「じゃあ、ストーカーですか?あの子たちに何かイケナイことをしようと…?」

 

正義実現委員会か?それともヒフミの知り合いか?どっちにせよ怪しいって思われてるんだ。誤解を解かないと。

 

「ち、違います…!ちょっと…その…ヒフミに……その…用事があって」

 

「あら、ヒフミちゃんのお知り合いでしたか…。あなた、お名前は?」

 

「…山城ベニ、です。」

 

「ベニさん。私は浦和ハナコ。よろしくお願いしますね」

 

警戒が解けたようだった。彼女の目が少し緩み、声色からも緊張感が抜け出していた。

 

 

「なにか伝言があればヒフミちゃんに伝えておきましょうか?このあとヒフミちゃんたちとスイーツを食べるので…」

 

「あ、いや伝言はいいです。直接会って話したいので……。なんかすみません…ハナコさん。」

 

「そうですか。じゃあ、ヒフミちゃんには、あなたが会いたがっていた、と伝えておきますね」

 

「え?それは……」

 

それはちょっと話が違うぞ。

こう、もっと、こう、自然に行きたいっていうか。

 

「冗談ですよ。ヒフミちゃんには明日学校をサボらないように言っておきますね。」

 

「………あ、え…ははは……なんだ…冗談……」

 

「ふふ、ではこれで」

 

ハナコさんはそのままヒフミたちが行った方向に歩いていった。

 

「………………。」

 

本当にこのままでいいのか。振り返ると、今までの変なこだわりが私の交友関係を著しく狭めたんだろう。

自然に行きたいだとか、拘泥してられない。せっかくの機会があるのなら、やっぱり伝言をお願いしておこうか。

 

「あ、ハナコさん」

 

既に歩き出していたハナコさんを呼び止める

 

「?…どうされましたか?」

 

「ヒフミに、明日学校で会おうって、山城ベニからの伝言をお願いできますか?」

 

「…………。……ええ、伝えておきます。

ではまたお会いましょう、ベニさん」

 

「……ありがとうございます。」

 

 

ハナコさんを見送った私は、そのまま学校を出た

 

______________________

 

 

 

 

 

「明日って言っちゃったからな……。…暇だな」

 

別に、今日の友達との用事が終わったら会いたい、でよかった気がする。

けど、友達と過ごすってことがどういうことかよくわからない。放課後にメシを食べてそれで終いになるのか。それともそのままカラオケにでも行くのか。それを私の都合で、それらをぶっちぎっていいものなのか。

何もわからない

 

今までは一人で過ごしていてもなんにも感じることはなかった。今ではこの暇な時間が少し苦痛になっている

 

「………」

 

まぁ、また廃墟で遊んだりして時間を潰すか。

 

 

 

 

 

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