成人向け世界にTS転生した俺はどうすれば生き残れますか!?   作:本田直之

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相伝って何ですか?

佳苗の鍛錬に気合を入れてのぞむようになってから暫くして、俺は朝に伏見の家の執務室に呼び出された。そこには今世の両親の姿があり、何かやらかしたかとビクビクしていたが、鍛錬が次の段階に進むことになったという告知だった。ついに伏見の相伝の術を教えてもらえるらしい。確か相伝の術は通常10歳から始めるものではなかったか。実際聞くと、鍛錬の進みが早いので特例で教えるとのこと。そういうことなら特に文句を言うこともない。凌辱ENDを避ける為にも、そういった術の鍛錬は出来るだけ長く続けたい。

 

 

 

「それで、相伝の鍛錬は誰がつけてくださるのですか?」

 

 

 

「日和だ」

 

 

 

常に先を見据えるような目をした父宗旦は隣に座る母日和を指差した。そういえば実際に今世の親に直々に指導してもらうのは初めてだ。やはり相伝というものはそれだけの重みがあるということなのか。ニコニコ笑う母はこちらに近づいて俺の肩に手を置く。その目には確かな決意のようなものが感じられた。

 

 

 

「イズナ、一緒に頑張りましょうね」

 

 

 

「はい母上。」

 

 

 

返事を聞いた母は満足そうに頷き、俺の手を取って歩き出した。なんでも着替える必要があるとか。言われるままに通された更衣室には誰もいない。装束とおぼしきものが机の上に並べられている。これに着替えろということなのだろう。俺はそこそこ慣れてきた手つきで運動着を脱ぎ、装束を身に纏っていく。そして苦戦しながらも着終わったのだが、装束の違和感に気づく。

 

 

 

「これ…露出度無駄に高くない?」

 

 

 

俺が着たのは巫女服だ。大まかなデザインは前世の巫女さんと変わらない、白の上着と赤の袴。問題なのは異様に露出度が高いこと。袴はスカート状なのだが、太ももの中程までしか覆えない。激しく動けばパンツが見えそうだ。そして、一番の問題である上半身。…あるべき所に布がない。初めから着崩すのが前提かのように胸元と肩と背中が丸見えだ。露出度度合いでいえばバニーガールの衣装に近いだろうか。胸部の布をめくれば乳首が御開帳だ。成人向け作品でよく見るタイプのドスケベ衣装である。

 

 

 

「あの…母上…?これもう少し露出度を減らすことって可能…ですか?」

 

 

 

「駄目よ。相伝の術を効率よく使うためには、肌が外気に多く触れる状態じゃなきゃいけないの」

 

 

 

暫く着れば慣れるわと笑う母。彼女も俺と同じ装束を着ているのだが、破壊力がえげつない。美人としかいいようがない感じだ。俺と同じ金色の長髪に緑の瞳。時々ピクピクと動く狐の耳と尻尾。目元の泣きぼくろは妖艶さすら感じる。そして、経産婦とは思えないボンキュッボンのナイスバディ。たわわに実ってこぼれ落ちそうな双丘。ハイソックスをいじめるムチムチの太もも。もし俺が元の性別のままだったら股間がやばいことになっただろう。母には失礼だが、雌堕ちしそう感がある。退魔系の母親は娘を人質に取られて犯されるという構図をそこそこ見るし。とはいえ鍛錬は始まったばかりだ。余計な事は気にしないで次の行動を促そう。

 

 

 

「…分かりました」

 

 

 

「よろしい」

 

 

 

満足そうに頷いた母は俺を屋敷から連れ出した。いつの間にか

、手には大麻(おおぬさ)とタオルや水筒の入ったカゴが握られている。徒歩で集落の外れにあるあぜ道から森の中に入る。木の根っこやら小石やらを踏みつけながら十分ほど歩くと急に視界が開けた。森の中心に木のない広場があったのだ。ここは伏見家が代々使っている鍛錬場らしい。俺は促されるまま開けた広場の中心で母と向き合う。

 

 

 

「では、鍛錬を始めましょうか。相伝については…見せた方が早いわね」

 

 

 

母はそう言うと胸の前に大麻を構え、空いているほう片方の手を添える。すると母の全身から黄金色のオーラのようなものが現れた。その輝きは大麻の先端に集中していく。大麻はゆっくりと添えられた手を離れ、私の方に向く。瞬間、俺の眼前に長方形で半透明の巨大な壁が出現した。

 

 

 

「…!!」

 

 

 

「これが伏見の相伝…【障壁】よ」

 

 

 

伏見の家はこの障壁を駆使して長い間この国の中枢を助けてきたとか。余程この相伝は優秀らしい。

 

 

 

「この障壁の効果は使用者がある程度自由に設定できる。任意のものを通すかどうかとかね。伏見の集落を囲んでいる障壁も似たようなもので、うちの一族の者以外は入れないようになっているわ。」

 

 

 

なるほど、それは拡張性のありそうな能力だ。特定の条件の障壁を自由に生成出来るようになれば、多くの状況に対応することも可能だろう。しかし、応用を考える前にまずは基礎から。俺は母とマンツーマンで障壁を出す練習を始めた。

 

 

 

「彼我の境界をイメージするの。分かりやすいのは、自分の皮膚と外気ね。自分と外界を区切るものを思い浮かべて」

 

 

 

「はい…」

 

 

 

なるほど、この痴女みたいな露出度は相伝のイメージの為なのか。俺は早速風を肌で感じながら障壁を生成しようと気合をこめた。ただこれが一筋縄ではいかない。体内に湧き上がる力で障壁を生成するのは難しく、中々出現しない。これは長くなりそうだ。

 

 

 

「意識を集中…余計なことは考えないこと」

 

 

 

「……」

 

 

 

鍛錬を始めて1時間を過ぎたあたりで、ようやくジジッと捻くれた障壁のようなものを出せるようになった。しかし、求める水準にはまるで足りない。

 

 

 

「そう…力に指向性を与えるのよ。どういう障壁を作りたいのかを念じて」

 

 

 

「こう…ですか…?」

 

 

 

繰り返すうちに時間はどんどん過ぎていく。そして、空が赤く染まり日が沈もうとする頃になって。

 

 

 

「はぁ……!」

 

 

 

「初めてにしては上出来ね」

 

 

 

正方形の障壁を生成できるようになった。ただ、拳で握り潰せそうなミニサイズで、母が出した障壁には届かない。もうすぐ夜ということで、その日はお開き。以降は母の指導の元に障壁の水準を上げることになった。

 

 

 

「イズナの飲み込みが早くて助かるわ」

 

 

 

母は俺の頭を撫でながら微笑む。比較対象が無いので分からないが、進みは良い方らしい。この調子で相伝を鍛え続けよう。成人向け世界を生き抜いていくために絶対必要になる筈だ。

 

 

 

「集中力が切れてきてるわよ!」

 

 

 

「はい!」

 

 

 

来る日も来る日も、ひたすら相伝の鍛錬。俺としても気合を入れて努力をし続けた。そして、おおよそ一ヶ月の時が過ぎたある日。母に見守られながら障壁の生成を始める。自分の内の力に意識を集中し、隔てるものをイメージして…

 

 

 

「ふっ……………!」

 

 

 

足元に光の帯が出現し、それは天に伸びて巨大な長方形を形作った。

 

 

 

「大きさも十分。…合格よ!」

 

 

 

とうとう俺は障壁の生成ができるようになったらしい。母は酷く喜び、俺に抱きついてくる。

 

 

 

「流石私達の子供ね!」

 

 

 

「わぷっ!」

 

 

 

身長差でたわわに実った果実に顔を埋める形になる。息が苦しい。なんとかそこから顔だけ抜け出す。嬉しいのは十分分かるのだが、恥ずかしいので外ではしないでほしい。

 

 

 

「母上…くるし…」

 

 

 

「…あら!…ごめんなさいね」

 

 

 

すぐに距離を取り、バツが悪そうに微笑む母。年甲斐もなくはしゃいでしまった自覚はあるようだった。

 

 

 

「コホン…まだまだ基礎の基礎が完成しただけ。これからはそれの応用について二人で進めていきましょう」

 

 

 

「はい!」

 

 

 

ひとまずはこの女に厳しい世界において、抵抗できそうな手段が見つかったのは良かった。自分のフィジカルも大事ではあるが、それは最終手段。まずは相手にそんな状況を作らせない為の方法を磨くのが一番の安牌だ。その点伏見の相伝は手数が多く幅広い応用が可能なように見える。ひとまずはこの相伝を鍛錬しまくり、妖魔を近づく暇も与えずに消し炭にできるようにならないと。頑張れ俺!俺の将来の安息は今の努力にかかっている!

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