彗星と悪魔に見出された彫金師はホロにじのメンバーを兼任するようです   作:んな~~~~~

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再会する星街と天星

土曜日、体内時計でいつものように午前5時に俺は目を覚ました。

 

──────…まだ時間あるな

 

待ち合わせは午前9時に駅前の広場で。4時間ほど時間がある。

 

──────え、めっちゃディスコで話来てるんだけど

 

放置していたディスコでは800件以上の未読がついていた。大体が初配信お疲れ様、とかそういったもので一安心する。

 

個別でコラボしたいという方が何人か送ってきていたので、そこは後で返信する旨を伝える。

 

──────うい先生からも来てる

 

俺のイラストを担当してくれたしぐれうい先生からもラインで連絡が来ていた。

 

うい先生

 

配信アーカイブ見ました! うまく動いているようでよかったです

 

今度大空家でコラボしましょうね。というかもう大空家ですよね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────たしかに。うい先生の手で生まれたから俺も大空家か

 

そんなことを考えながら冷蔵庫から朝食の材料を取り出し調理を始める。

 

──────…すいちゃん、来てくれるかな?

 

あちらが誘ってきたのに、こちらが来るか心配するのも変な話だが、そのくらい俺は心配だった。

 

幼稚園の頃は、よく歌を聞かせてもらってたっけ。

 

一緒に歌ったりもしたけど、やっぱり俺は彼女が歌っている姿を見るのが好きだったな。

 

──────あ、やべ

 

そんな思い出に耽っていると、いつの間にか黒焦げになったベーコンが出来上がった。

 

慌てて火を止めて皿に盛りつける。

 

──────いただきます

 

さっさと朝食を食べ終えて時間は6時前。

 

──────長いな……

 

こんなにも待ち遠しくなるものだとは……

 

──────もう行くか

 

集合時間の3時間前だが、もう行くことにした。早すぎるということはないしね。

 

 

 


 

 

 

「…」

 

──────………

 

何でいるんだ?

 

腕時計を見ると午前7時。

 

──────えっと……お早いですね

 

「……」

 

ん?

 

──────…あのー、星街さん?

 

「……」

 

いや、まさか

 

──────えーっと、もしかして怒ってます?

 

「……」

 

いや、まさか、まさかな?

 

──────…はぁ……機嫌治してよ『すいちゃん』

 

「…っ!」

 

星街さん、いや、すいちゃんが俺の腰に抱き着いてきた。

 

──────悪かったって。今まで連絡しなくて

 

「…ほんとだよ、ばか」

 

すいちゃんの頭をポンポンと撫でる。

 

すいせい「それで、話してくれるの? どうして名前が違うのか」

 

──────とりあえず離れてくれない? 周りからの視線が痛い

 

出勤ラッシュが始まったころの時刻なので、主にスーツ姿の男性からの視線が痛い。

 

 

~~少年少女移動中~~

 

 

場所を変えて近くのカフェにやってきた。

 

──────さて、こう見ると……

 

カフェのテラス席に座ったすいちゃんを頭のてっぺんからつま先まで観察する。

 

──────あんまり変わらないね

 

「どこ見て言ってんだゴラァ」

 

思いっきり耳をつねられた。痛い。

 

──────いたいいたい離して。ちゃんと変わったところもあるから

 

「…どこ?」

 

──────身長が伸びた

 

すいちゃんの右手が伸びる。

 

──────あと全体的にとてもかわいくなりました本当に

 

「…及第点」

 

──────いだっ

 

伸びてきた手で額を弾かれた。そんなご無体な……

 

「……まったく、嬉しいこと言ってくれるようになったね」

 

──────何か言った?

 

すいちゃんが何かぼそぼそとつぶやいたが聞き取れなかった。

 

「なんでもない」

 

──────昔は元気いっぱいな感じだったけど、今は落ち着きのある雰囲気になった

 

「そう、まあいいけど。さくは……」

 

今度は俺が頭のてっぺんからつま先まで見られる。

 

「イ、イケメンに、なったね?」

 

──────疑問形傷つくから止めて?

 

すごいお世辞言われたことがわかる。

 

「いや、ほんとに、背も伸びたし、大人びた印象になったし。こ、高校でモテモテなんじゃない?」

 

──────あー、それなんだけど

 

俺は口を濁しながら伝える。

──────俺、高校は行ってないんだ

 

「え、そうなの?」

 

運ばれてきたアイスティーでのどを潤しながら

 

──────中学の時にいじめみたいなことを受けてさ、その弊害で悪評が出まわっちゃって、どの高校も入学拒否してきたんだ。名前を変えたものそれが理由

 

「天星ってさ」

 

──────前の名前に入ってた『天』と、すいちゃんの『星』。名前は…春に咲く『桜』から秋に色づく『槭』。いいと思わない?」

 

名前の方はもう一つ理由があったりもするのだが。

 

「うん、いいと思うけど……私は前の名前のほうがよかったかな」

 

──────まあでも、今の俺は『天星槭』として生きているから

 

「前みたいにさくって呼んじゃダメ?」

 

──────うーん、別に大丈夫かな。今更本名変えたことバレてもあんまり影響なさそうだし

 

「やったぁ!」

 

──────それでさ、こんなに早く集まって、本題も話し終えたけど、これからどうするの?

 

「ふふん、それもう考えてあるとも」

 

無い胸w「あ?」……胸を張ってすいちゃんが今後の予定を話し始めた。

 

「とりあえず今日の午後にみこちとカラオケ行く予定入れてるんだよね。さくも一緒に行こうよ」

 

──────……俺が行ってもいいの?

 

「もともとダメもとでさくを誘おうって話だったから。みこちが配信終わった後すぐに『歌おう歌おう』ってうるさかったんだよ」

 

──────それなら行かせてもらおうかな

 

「午前の時間はね、私と一緒にショッピングデートに付き合ってもらおう」

 

──────了解

 

というわけで急遽、すいちゃんと買い物に行くことになったのだった。

 

 

 


 

 

 

で、いざショッピングモールに来てみたのだが……

 

──────すいちゃん、方向音痴なのにトイレの場所分かるのかな?

 

到着早々すいちゃんがお手洗いに行ってしまったためこうして一人待機中なのだよ(緑間風)

 

──────……というか、長くない?

 

かれこれ30分。女性のお手洗いは長いと聞いたことがあるが、ここまで長いものだろうか?

 

──────…少し心配だな

 

俺は看板に導かれ最寄りのトイレに到着。すると案の定。

 

「なあ、俺達と遊ばね? いい店知ってんだよ、俺」

 

「あの、やめてください。待ち合わせしてる人がいるんです」

 

「そんな奴ほっといて俺たちと遊ぼうよ」

 

──────すみません、どいてもらってもいいですか?

 

ナンパされてた。まあ当然じゃない? すいちゃんだし。

 

「何だよお前」

 

「邪魔すんなよ」

 

──────…もう一度言いますね……どいてもらっていいですか?

 

「あぁ? てめぇ調子こいてんじゃねーぞ」

 

「痛い目見たいのか?」

 

シュッシュ…いや、ヘロヘロとへたくそなシャドーボクシングで威嚇してくる。

 

──────はぁ……

 

男たちの間に踵落としを放つ。振り下ろした足に遅れて風が男たちの髪を揺らした。

 

──────……どいてくれますか??

 

「……お、おい、もう行こうぜ」

 

「……そ、そうだな、ココじゃなくても…な」

 

歯切れ悪く男たちは去っていった。

 

──────…行ったか、すいちゃん、大じょ――

 

男たちの後ろ姿を見送って振り向こうとすると、腰に軽い衝撃が。

 

──────……怖かった?

 

「……うん、死んじゃうかと思った」

 

本日二度目の頭なでなでタイム。ポンポンと頭を撫でると、すいちゃんは離れた。

 

「さく、カッコよくなりすぎじゃない?」

 

──────ん? 元からカッコいいだろ俺

 

「それもそっか!」

 

そう言いながらすいちゃんが腕を絡めてくる。

 

──────いや冗談だから。俺よりカッコいい人なんてこの世にごまんといるから

 

「うんうん。でもさくもカッコいいよ?」

 

──────ありがとうございます…というか離してくれません?

 

「やーでーすー」

 

このあと服とかをこの状態のまま買い続け、周りからの視線に俺が耐えきれなくなるのに1時間もかからなかった。

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