彗星と悪魔に見出された彫金師はホロにじのメンバーを兼任するようです 作:んな~~~~~
さて、すいちゃんとのショッピングを無事に終え(俺のSAN値はもう0だぁ!)、レストランで昼食を食べてカラオケに向かった。
──────俺カラオケ行くの初めてなんだよね
「そうなの?」
──────すいちゃんは歌の練習でよく行くんでしょ?
「そのとーり」
一室に案内されてひとまずドリンクとその他諸々を注文する。
──────さくらさんは?
「んーもうすぐ来るはずなんだけど。そういえばさくはみこちのことどのくらい知ってるの?」
──────んー、非公式wikiの情報くらいかな。誕生日が3月5日で、すいちゃんと同期のさくら神社の巫女さん。身長は152㎝
「そそ、たまにこうやってカラオケ行ったりするんだけど――さく」
──────ん? なに?
俺が疑問符を投げかけるとスッとスマホの画面を見せてきた。
| たすけて |
──────どこにいるかは?
「多分まだモールの中には入ってないと思う」
──────徹底的に出入り口付近を探してみる
「いってらっしゃい」
──────え。すいちゃんは?
「私、方向音痴だし」
──────ああもう……行ってくる
突如としてさくらさんから来た救援要請に、俺は脱兎のごとく外に出た。
にゃっはろー! さくらみこだよ~! と、明るい雰囲気を出そうにも目の前の人たちが怖すぎて声が出せない。
「なあなあ、俺達と遊ぼうよ」
「…ぁ…ぇと……」
私、さくらみこは現在、ナンパに遭っております……
「おいおい怖がってんじゃんw だいじょーぶだよ俺ら危ないことなんてしないから」
すいちゃんの待ち合わせのカラオケに行こうとしたら急に声をかけられてしまい、この状況になっている。
(だれかぁ……たすけて……)
通り過ぎる人はいるが誰も見て見ぬふりをして助けてくれない。
ふと、こういう時に助けてくれる人を白馬の王子様というんだろうか、なんて考えてしまった。
完全な現実逃避である。
──────あー、いた。囲まれてるわ。大丈夫、さっきナンパかけてきた奴だから。人数増えてるけど問題ない
ふと、そんな声が聞こえてきた。しかも、近づいてきている。
俯いていた顔を上げるのと、声の主が私と男の人たちの間に割って入って来たのが同時だった。
──────すみません。この子俺の連れなんで。離れてもらってもいいですか?
──────あー、いた。囲まれてるわ。大丈夫、さっきナンパかけてきた奴だから。人数増えてるけど問題ない
出入り口を探していた俺は運よくさくらさんと思しき人を発見。
5人に増えたナンパ男たちとさくらさんの間に体を滑り込ませた。
──────すみません。この子俺の連れなんで。離れてもらってもいいですか?
「は?」
「げ……さっきの」
──────やあやあ先ほどはどうも。で、人数増やしてまたナンパですか?
「誰だ」
「さっき話した人です」
どうやらすいちゃんをナンパしていた奴らは舎弟のようなものらしい。ガラの悪そうな人に説明をし
ていた。
「ちっ…たかが拳の一発で日和ってんじゃねぇよ」
そう言って無造作に拳を振ってきた。
──────…危ないので、暴力は止めてください
「やめてくださいだぁ? お前が邪魔してきたからこっちは迷惑してんだよ」
そう言って腕を掴まれる。
「ちょっとあっちで、話でもしようや。おい、お前らはここで待ってろ」
「あ……」
不安げなまなざしでさくらさんがこちらを見てくる。
──────大丈夫です。すこし話すだけなんで
そう言って俺と舎弟以外の3人で人目のつかない場所に移動した。
「あのな? こっちは迷惑なんだよお前みたいなのがいると」
──────迷惑なのはこっちなんですけど
「調子こいてると殺すぞ?」
──────おーおー、すごいすごい。弱い奴ほどよく吠えるってホントなんだぁ
「…もういい、そろそろぶち殺したくなってきた」
──────……さっさと来いよ、殺すんだったら
「死ね!」
お粗末な拳が俺の顔面をめがけて飛んでくる。しかしそれは──────
遅いんだよ
──────俺の顔に到達する前に横方向に吹き飛んだ。
相手の拳が到達する前に、ハイキックを相手の顔に叩きつけただけ。ただ脳をまともに揺らしたので立っているのも困難だろう。
……前見た映画のアクションの真似したら思ったよりうまくいっただけというのは内緒
「うっ……」
「え…」
──────おいおい、何驚いてんだ?
右足で相手の鳩尾を蹴り込み、くずれて差し出された顔面に左の膝を叩き込む。
残り一人の手を掴み、理合を使って壁に顔面を激突させる。動かないように後頭部を左足で抑え、拘束。
──────おいおいおい、殺し合いしてんだぜ? そんなんで殺せると本気で思っていたのか?
押さえつけた男の耳元に口を近づける。
──────警告だ。もし今後彼女たちに近づいたら、今度は本当に殺す。いいな?
「が……ァ…」
──────うんうん。分かってくれたようで何より♪ 踵落としで勘弁してあげよう
右手を離し、頭を押さえていた左足を背中に乗せ、踏み台にして軽く跳ぶ。
ズガン!という音が響き、白目をむきながら最後の一人が倒れた。
──────ふう……久しぶりに動いた
パンパンと服をはたき、俺はさくらさんがいるところに戻る。
「え……」
「うそだろ…」
──────殺しはしてない。さっさと行ってやれ
舎弟の2人に3人の介抱を任せ、さくらさんを開放する。
──────大丈夫でしたか?
「う、うん。みこは大丈夫だけど、槭は」
心配そうに俺の体をペタペタと触り無事かを確認する。
──────大丈夫です。これでも腕っぷしには自信があるんです
オーバーリアクションで無事をアピールする。
──────早く行きましょう。すいちゃんも待ってるので
「…うん!」
──────………なんで腕組むんですか?
──────戻ったよー
「あ、おかえ…みこち?」
「すいちゃん、遅れてごめ~ん」
「うん、無事で何よりなんだけどさ、さくのこと、離してくれない?」
あれ……戻ったらすいちゃんを中心に禍々しいオーラが……。
「二人は知り合いなの?」
──────はい、幼馴染なんですよ
「ふーん」
そう言ってさくらさんは俺の腕から離れてソファに座った。
「誰から歌うー?」
「みこちからでいいよ」
「おっし、90出すか……ねえ」
マイクを持ったさくらさんが俺達に向かって質問する。
「なんですいちゃんは槭の上に乗ってるの?」
「いや、特等席だから」
──────と言っております
「…槭、すいちゃんが歌ってるときみこにもやってね」
──────え……別にいいですけど
そう答えたらすいちゃんから脇腹をつねられた。なんで?
「じゃあ行くよー」
その後、約束通りさくらさんを膝にのっけてすいちゃんの歌を聞いたり、俺が歌ったりした。
「え、上手いじゃん」
──────本当ですか? ありがとうございます
「……」
俺がさくらさんと話しているときはなぜかすいちゃんが不服そうだったが。
楽しい時間はあっという間に過ぎて、3人でモールを出る。
「あ、槭」
──────はい、なんですか? さくらさん
「これから私のことは「みこ」って呼んで。あと敬語も禁止」
──────……なぜ?
「槭はみこのことを助けてくれたからね。それに年齢も離れてるわけでもないし」
──────ん、わかった
「それじゃ連絡先交換するにぇ~」
「あ、私も!」
二人と連絡先を交換して、帰路に着いた。
前出てきたメッセージ画面がline風なのは気にしないでちょ★