Re.ありふれない錬成師で最高最善の魔王、世界最強を超越する 作:天元突破クローズエボルハザード
そして目撃せよ、正しき時の預言者の誕生を!
尚、次回と次々回は話の都合上、3話ずつの投稿になりますので、お楽しみに!
追記:六課さん、誤字報告ありがとうございます。
カッ!
香織の登場と共に、いつの間にか展開されていた10枚の輝く障壁が雫を守る様に取り囲んだ。
そして、その内の数枚がニアと騎士達の眼前に移動し、光を爆ぜた。
バリアバースト擬きとでも言うべきか、障壁に内包された魔力を敢えて暴発させて光と障壁の残骸を撒き散らす技だ。
雫を抑えていたニアや騎士達は、その閃光に怯んでバランスを崩した瞬間に砕け散った障壁の残骸に打ち付けられて後方へとひっくり返る
しかし、直ぐ様起き上がって雫を拘束しようとするものの……
香織「──"縛煌鎖"ッ!」
直後、光の縄が地面から伸び一瞬で縛り付けられてしまった。
雫が突然の事態に唖然としつつも、自分の名を呼んだ声の方へ顔を向ける。
そして周囲を包囲する騎士達の隙間から、ここにいる筈の無い親友の姿を捉えた。
夢幻ではない。確かに、そこにいた。親友が──香織が泣きそうな表情で雫を見つめていた。
きっと雫達の惨状と、間に合った事への安堵で涙腺が緩んでしまったのだろう。
雫「香織!」
香織「雫ちゃん!待ってて!直ぐに助けるから!"聖典"!」
広場の入口から、兵士達に囲まれる雫達へ必死に声を張り上げる香織。
そして、クラスメイト達の状態と周囲の状況から、一気に全員を癒す必要があると判断し、光系最上級回復魔法"聖典"を発動した。
すると、香織を中心に光の波紋が広がった。
それは瞬く間に広場を駆け抜け、傷ついた者達に強力な癒しをもたらした。
突き刺さされた剣が、癒しの光に押されて抜け落ちていく。
それを見た周囲の傀儡兵達は、指揮系統である恵里が命令していないにも拘らず、一斉に香織へと襲いかかった。
しかし、彼等の振るった騎士剣は光の障壁に阻まれ、香織を傷つける事は叶わない。
それどころか、香織の発動した"聖典"により、動きも鈍くなっていった。
リリアーナ「皆さん!一体、どうしたのですか!正気に戻って!これは一体どういう事です!?」
最上級回復魔法を行使する香織を守ったのは、香織のすぐ後ろにいたリリアーナだった。
騎士や兵士達が光輝達を殺そうとしている状況に酷く混乱するも、リリアーナは自分と香織を包む様に球状の障壁を張りながら、説明を求めて声を張り上げる。
リリアーナはこの世界の術師として、相当優秀な部類に入る。
モットーの隊商を全て覆い尽くす障壁を張り、賊40人以上の攻撃を凌ぎ切れる程度には。
なので、たとえ騎士達がリミッターの外れた猛烈な攻撃を行ったところで、香織の治療が完了する迄持ち堪える事は十分に可能だった。
???「白崎!リリアーナ姫!無事か!」
すると突如、リリアーナの目の前で障壁に騎士剣を振るっていた騎士の1人が首を落とされて崩れ落ちた。
その倒れた騎士の後ろから姿を見せたのは──檜山大介だった。
リリアーナ「檜山さん!?あなたこそ、そんな酷い怪我で!?」
その様子を見てリリアーナは顔を蒼褪めさせる。それもその筈、檜山の胸元は夥しい血で染りきっていたのだから。
どうみても、無理をして拘束を抜け出して来たという様子だ。
ぐらりとよろめき障壁に手をついて息も絶え絶えといった様子の檜山に、リリアーナは慌てて障壁の一部を解いて檜山を中に入れようとした。
しかしその瞬間――
ドゴォッ!パァンッ!
檜山「!?ギィャアァァァァァァァァァァァァァァァ!?!?!?」
なんと、突如飛んできた鉄球が、檜山の股間に直撃してしまった。
その断末魔のように響いた絶叫は、王都の外にまで届くほどの大きさだった、らしい……(笑)。
飛んできたのは跳弾だったので肉は抉らなかったものの、先程響いた音からして檜山の息子()は……
その悲しい結末(笑)を察してしまった男性陣は、治療済みにも拘らず顔を青くして内股で震えていた。
幸利「なんつーとこに当ててんだ、あのバカ……まぁいい、取り敢えず園部や八重樫辺りから解放していくか。」
そして、奇襲に備えて檜山の背後を取っていた幸利は、先程の鉄球を飛ばした人物の作戦に、思わずドン引きするも、気を取り直してクラスメイトの解放へと向かうのであった。
トネリコ(……さっき、あの檜山という男……香織さんを殺すつもりだったみたいですね。
でも彼は……成程、だから……それでハジメさんは時間稼ぎを……。)
一方、万が一の時に備えて、入り口近くにいたトネリコは、自身の眼で檜山の思惑を見抜いており、先程ハジメがとっていた行動の真意を理解していた。
――檜山の近くに転がっていた、妖しくも黒いオーラを内包した宝玉を、警戒しながら。
と、原作を既に読んでいる人々にとっては蛇足だが、先程の展開について解説をさせていただこう。
尚メタ発言などが多い事は、ご了承いただきたい。
あの時、ボロボロの状態に見えていた檜山だが、あれはフェイクだ。
本当の狙いは、香織を一度殺して、恵里の"縛魂"で自分にとって都合の良い人形にすることだったのだ。
原作では一度殺されてしまったものの、原作ハジメの介入によって、ギリギリのタイミングで防がれ、檜山はぶっ飛ばされて魔物に食われるのであった。
しかし、この世界線のハジメは、殺害処か触れる事すら許さなかった。
その理由は、前話後半にてハジメが飛ばした2発の鉄球にある。
1発目は恵里を油断させてから直撃させ、その動きを封じるのが目的だった。
そして2発目は、先程の檜山の行動を見越した、ハジメの罠だったのだ!
檜山がリリアーナの結界に入る寸前を狙ったその一撃は、本来であれば檜山の鳩尾辺りを直撃するはずだった。
しかし、ハジメにも予想外だったことが一つ。それは、ハジメが予知した瞬間と、実際の瞬間の誤差である。
ハジメが予知した弾道は、確かに鳩尾一直線だった。
だが、鉄球の勢いが僅かに強すぎたせいか、弾道は僅かに下方向――つまり、股間へと定まっていたのだ。
その結果、本来の作戦よりも敵に予想外のダメージを与えることとなった、というわけだ。
そして、ハジメは檜山がこの騒動の元凶でもあることを既に理解していた。
香織への執着は勿論のこと、ミュウと自身の関係の情報源、そしてゴチゾウからの連絡。
これら全てを加味し、雫達のいる広場に転移する前から、檜山への警戒をMaxにして、作戦を考えていたのだ。
無論、香織自身も檜山の視線には気づいており、いざとなったらハジメが"宝物庫"に用意していた"アイディオン"を使って、奇襲に備えるつもりだった。
それがダメでも、近くでスタンバイしていた幸利やトネリコが対処する計画だった。
尤も、それらは先程の鉄球によって、必要がなくなってしまったが……。
以上が、先程の展開の解説である!
トネリコ「伏せて!"風壁"!」
兎にも角にも、目下の警戒対象であった檜山の無力化に(結果的に)成功したので、トネリコは比較的低威力で敵を押し出せる風魔法で傀儡兵を吹き飛ばしていく。
幸利「動くなよっ、とぉ!」
その間に幸利が駆け寄り、解放された生徒の枷を片っ端から壊しては、途中で拾ったアーティファクトを各自に渡していく。
すると、最初に解放されて魔力を使える様になった優花が、直ちにアーティファクトの能力を発動させた。
天職"投術師"の彼女のアーティファクトには、1本でも手元にある限り、何度でも放った他のナイフを呼び戻せる能力があるのだ。
投擲用ナイフ自体には大した力は無くとも、この呼び戻しの能力は強力だ。
優花の狙い通り、進路上にいた妙子や奈々を拘束している騎士達を吹き飛ばしながら戻って来る。
その間に、いつの間にか解放されていた淳史も、昇と明人を解放する事に成功し、それを確認した幸利も雫や光輝といった前線組の開放に向かおうとした時だった。
ハジメ「だらしゃあぁぁいッ!!!」
『!?』
突如、ハジメの野太い声が響いたかと思えば、恵里の精神世界に入っていたハジメが、黄金と漆黒の鎧を身に纏いながら何かを殴り飛ばし、こちらに戻ってきた。
ぶっ飛ばされた何かは、広場の上座に激突し、ハジメはそれを意にも留めず、後ろで倒れそうになった恵里を支えると、周囲の状況をすぐに把握した。
……何故か、檜山が股間を押さえたまま、泡を吹いて倒れているのは思わず二度見したものの、直ぐに無視を決め込んだが。
ドサッ、ドサッ、ドサッ……
『!?』
すると、突如として傀儡兵達がその場に倒れこみ、動かなくなっていた。
何人かが恐る恐る触ってみるも、返ってきたのは冷たい感触だけで、無反応だった。
ハジメ「皆!一先ず恵里の洗脳は解除した!命が惜しけりゃ、死体を無視してさっさと避難しろ!」
そう言ってハジメは、先程ぶっ飛ばした何かの方を睨みつける。
光輝達もその方向を見るが、直ぐに顔を蒼褪めさせた。何故ならそこには……悍ましい形の何かがいたのだから。
???「フシュゥゥゥ……!!」
それは、先程ハジメにぶっ飛ばされた、恵里に寄生していた魔物だった。
言い表すなら、見ているだけで正気を削られそうなフォルムのゲテモノは、広場の上部にて咆哮をあげる。
幸利「あいつが恵里を……ハジメ。」
ハジメ「あぁ、任せる。香織、トネリコ、皆の回復を頼む!」
香織「うん!あ、でも檜山君は?」
ハジメ「ほっとけ!玉が潰れた程度だろう!」
『いやいやいや!』
トネリコ「……一応、拘束しておきますねー。」
しかし、以前にも相対したハジメや幸利は動じない。
幸利にゲテモノの対処を任せると、ハジメは宝玉を即座に封印し、香織達に指示を出した。
一部、何やらツッコミが入ったものの、ハジメは気にせずスルーした。
すると、そのタイミングを見計らったのか、神山にいたティオから念話が入った。
ティオ『もしもし、ご主人様。先程、全員習得が完了したのじゃ。』
ハジメ『!丁度いいタイミングだな、直ぐに迎えに行く。』
そう言ってハジメは額に手を当て、瞬間移動で一時離脱した。
残された者達も、解放された前線組や香織達のサポートもあり、どうにか一箇所に固まって避難に動いていた。
グール「フシュルルルルルルゥゥゥ……!!」
幸利「さてと……お前の相手は俺がしてやるよ!」
そして、一人グールの前に立ちはだかる幸利は、緑と黒を基調としたバックルのようなものを取り出し、それを腰に当てた。
すると、独りでにベルトが飛び出て、腰に巻き付いていく。
『ビヨンドライバー!』
「!あれって……!」
何かに気づいたのか、誰かの呟きが聞こえた。
幸利はそのまま、ハジメの使うライドウォッチに酷似した時計型アイテム――"ウォズミライドウォッチ"を取り出し、上部にあるスイッチ"ミライドオンスターター"を押した。
『ウォズ!』
音声が流れると、幸利はウォッチをドライバーの右端にあるスロット"マッピングスロット"に装填し、セットしたミライドウォッチのボタンを再び押した。
『アクション!』
すると、ミライドウォッチのカバーが開き、未来的な音楽が広場に響き渡る。
ゆっくりと右腕を大きく1周させる幸利の背後に、巨大なスマートウォッチの画面のようなエフェクトが出現したかと思えば、その画面に様々な数字が表示される。
同時に、幸利の周りに幾つもの線で繋がった光が浮かび上がり、変身者である幸利を照らしだした。
幸利「……変身。」
そして、ハジメ同様にお決まりの言葉を口にした幸利は、ドライバーの入力装置"クランクインハンドル"を、1周して戻ってきた右手で前に向けた。
瞬間、世界が
『投影!』
その音声と共に、ミライドウォッチのデータを受信した投影機構"ミライドスコープ"と、背後のスマートウォッチ型の画面に、セットしたウォッチに描かれていたライダーのマスクが映し出され、背後の画面の中から複眼と同じ、巨大な「ライダー」の文字が飛び出した。
『フューチャータイム!』
そして、幸利の周りに浮かぶ光は、ウォッチのデータを受信したドライバーの理論具現化装置"ビヨンドフューチャーライザー"によって現実に浮き出でて、光の円となりて幸利を包みこむ。
『スゴイ!ジダイ!ミライ!』
やがて、収束した光は、銀色と緑を基調としたスーツへと生まれ変わり、幸利の全身を纏うように装着された。
『仮面ライダーウォズ!ウォズ!』
最後に、飛び出した「ライダー」の文字が複眼となってマスクにピタリと収まっていく。
その場所にいたのは、ハジメが変身するジオウとは違った風貌の仮面ライダー。
しかしながら、その力は光輝達はおろか、ゲテモノにも匹敵する強さであることが見て取れる。
ハジメ「祝え!我が戦友にして、正しき歴史を記す者の生誕を!その名も仮面ライダーウォズ!
新たなる歴史の1ページである!」
ミュウ「である、なの!」
『!?』
そして、いつの間にかティオや愛子等を連れて戻って来ていたハジメが、誇らしげに祝福を述べていた。
……肩に乗っているミュウが真似しているのも、拍車をかけているのかもしれない。
愛子「皆さん!大丈夫ですか!?」
雫「!先生!無事だったんですね!」
そんな彼をほっぽりだして、真っ先に生徒の下へと向かう愛子。
愛子の安否を案じていた香織や優花等は、ハジメと一緒にいたことに驚くも、その無事を喜んだのであった。
浩介「あの~……俺もいるんだけど。」
『うわっ、何時の間に!?』
……
ハジメ「感動の再会は後にしろ。今は避難と民衆の救助が最優先だ。」
そんな彼等に対し、何時の間にか山積みにした傀儡兵を端っこに移動させながら、ハジメは風魔法と空間魔法で毒ガスを上空へと逃がしていた。
因みに、恵里は浩介が背負っており、依然として気絶したままだ。
鈴「ハジメン!恵里は大丈夫なの!?」
ハジメ「安心しろ、恵里がおかしくなった原因は既に切除した。じきに正気に戻って目を覚ます。
それよりも時間がない、さっさと避難しないと魔人族の軍勢と鉢合わせるぞ?」
『!?』
心配そうに尋ねる鈴にそう返しつつ、ミュウをレミアに預けたハジメは、予知でフリードがこちらに向かっていることを察知し、それを伝える。
その情報に、雫や光輝達は勿論、愛子やリリアーナも驚いていた。
ハジメ「兎に角急げ。俺とトシの2人ならどうとでもなる。先生、リリィ、早く皆に指示を。」
愛子「わ、わかりました!」
リリアーナ「皆さん、早くこちらへ!」
ハジメ「ティオ、トネリコ、ミュウとレミアを頼む。」
ティオ「承知!」
トネリコ「任せてください!」
ハジメ「香織、浩介、先生達のサポートを頼む。」
香織「うん!」
浩介「わかった。」
しかし、あくまで冷静に状況を見ているハジメの的確な指示で、各々が自身の役割をこなそうと動き出せた。
尚、光輝は「それなら俺達も!」と言いたげだったが、余計なことを口にする前に雫に思いっきり鎧の首元を引かれて止められ、避難している皆の先頭に立つよう言われたのか、しぶしぶ引き下がった。
檜山?ぐるぐる巻きのまま、遺体の山の近くに置き去りにされているが、誰も気に留めていなかった。
グール「フシュルルルルルルゥゥゥ……!!」
幸利「おっと!」
一方、グールと戦闘を開始した幸利は、溶解液とスライムを警戒しながら、触手攻撃を避け続け、反撃の機会を窺っていた。
『シノビ!』
幸利「こー言う時にはっ、忍者だよな!あらよっと!」
しかし、接近しようにも溢れ続けるそれらが一向に止まらない上、魔法や飛び道具も溶かされてしまうので、埒が明かないと悟った幸利は、ミライドウォッチの1つ――
仮面ライダーシノビの力を宿した、"シノビミライドウォッチ"をセットする。
『アクション!』
幸利「フッ!」
そして先程同様、そのデータを投影させる。
『投影!』
すると、再び幸利の周囲に光の円が出来る。が、その色は緑から紫へと変色していった。
『フューチャータイム!』
やがて、複眼・アンテナ・胸部装甲・両肩のアーマーが消えたかと思えば、何処からか紫の光が投影され、手裏剣の意匠を施したアンテナ・胸部装甲・両肩に変化し、新たに装着された。
『誰じゃ?俺じゃ?忍者!』
それと同時に、首元に紫色のマフラーが出現し、そのまま巻きついて行った。
最後に、紫色の「シノビ」というカタカナが複眼にはめ込まれ、新たなる形態へと仮面ライダーウォズを変化させた。
『フューチャーリングシノビ!シノビ!』
これぞ、フューチャーリング・シノビ。忍術を扱える、多彩な技を得意とした形態だ。
ハジメ「トシ、手ェ貸そうか?」
と、そこへ、先程クラスメイトの避難誘導とティオ達への支持を終えたハジメが合流した。
幸利「おう、そっちはもういいのか?」
ハジメ「ほぼ完壁だ、バカ勇者を除いてだが。」
幸利「アイツまだ勘違いしてんのか。」
なんて軽口を叩き合いながら、グールに対して向かい合う2人。
グール「フシュルルルゥゥ!!!」
ハジメ「フリードがこっちに向かってやがる。もって3分ってとこだ。」
幸利「おk、それまでに倒せばいいってわけだな!」
それだけ言葉を交わす2人へと、グールは溶解液とスライムを発射する。
ハジメ「木偶人形共の分解に比べれば、どうってことはないな。」
グール「フシュラッ!?」
が、即座にハジメの放った光弾で吹き飛ばされ、それどころか逆に口元に衝撃を食らわされる。
その上、序と言わんばかりに、腕を振るった衝撃で発生した複数の鎌鼬が、器用にも管と指先を切り裂いた。
『ジカンデスピアー!』
『カマシスギィ!』
幸利「成程、これで近づけるってわけか!」
それを好機と捉えた幸利は、ドライバーから*1長物の武器"ジカンデスピア"を出現させ、タッチパネルを操作し始める。
『ビヨンドザタイム!』
グール「フシュゥゥゥ!!!」
幸利「よっ!はっ!ほいっ!」
残った触手群で抵抗を試みるグールに対し、幸利は冷静にジカンデスピアーを振るい、斬撃と鎌で切り裂きながら急迫する。
『忍法 時間縛りの術!!』
幸利「そらよっとぉっ!」
グール「フシュッ!?」
そして、幸利はグールの胴体に鎌をひっかけ、そのまま勢いよくかち上げた。
宙に浮いたグールは、そのまま空中に張り付けられたように動きを止められ、必死に藻掻いていた。
『タイムチャージ!5・4・3・2・1…ゼロタイム!!』
『ジオウサイキョウ!!』
幸利「分身、か~ら~の~!」
ハジメ「細切れにしてやるぜ~!」
そんなグールへと、いつの間にか分身していたハジメと幸利が斬りかかる。
ハジメはジカンギレード*2とサイキョーギレード*3の二刀流、幸利はジカンデスピアーのカマモードで、それぞれ10人以上で。
『ギリギリ斬り!!』
『覇王斬り!!』
『一撃カマーン!!』
ズババババババババッ!!!!!
グール「フシュラァァ……!?」
2人のコンビネーションによる高速の連撃により、グールはあっという間に細切れとなっていった。
その断末魔はあっけなく、風に攫われるほどの小ささだった。
幸利「……あれ?こいつ、前みたいに再生しないぞ?」
ハジメ「ふぅむ……寄生中と排出後では、違いがあるのかもしれんな。」
グールの血を払い落とし、変身を解除するハジメと幸利。そうして香織達の所へと向かおうとした時だった。
ゴォォォォォ!!!
幸利「!お前の予想通りだな。」
ハジメ「あぁ、――"
空から2人目掛けて、極光が襲いかかった。が、ハジメはそれを空間魔法とブラックホールであっさり呑み込んだ。
その直後、極光は消え去り、空から白竜に騎乗したフリードが降りてきた。
フリード「……そこまでだ、イレギュラー。
大切な同胞達と王都の民達を、これ以上失いたくなければ大人しくすることだ。」
どうやらフリードは、ハジメを光輝達や王国のために戦っているのだと誤解しているようである。
尚、魔人族の襲撃に関してハジメは「さっさと大人しく帰ってくれないかなぁ。」としか思っていないのだが……。
香織『大変だよハジメ君!王城の周りに魔物がいっぱいいる!今、皆で防衛に出てるけど……ちょっと厳しいかも。』
すると、香織から緊急の念話が入る。
その内容を聞いたハジメが王城周辺の気配を探れば、いつの間にか魔物が取り囲んでいることがわかった。
ハジメ達が本気で戦えば、甚大な被害が出ることを理解しているため人質作戦に出たのだろう。
ユエに手酷くやられ、ハジメ達には敵わないと悟ったフリードの苦肉の策だ。
尚、ユエに負わされた傷は、完治にはほど遠いものの、白鴉の魔物の固有魔法により癒されつつある。
ハジメ「……その程度で俺が臆するとでも?」
しかし、こんな状況であろうとハジメは余裕を崩さずに呟く。
それはまるで、「知ったことか。」とでも言うような表情だった。
フリード「ッ!どういうつもりだ?同胞の命が惜しくないのか?
お前達が抵抗すればするほど、王都の民も傷ついていくのだぞ!」
ハジメ「その前に倒せば問題なかろう。」
そう言うとハジメは、一瞬でフリードと同じ高度に転移した。
フリード「無駄だ!外壁の外には10万の魔物、そしてゲートの向こう側には更に100万の魔物が控えている。
お前達がいくら強くとも、全てを守りながら戦い続けることが「その必要はない。」……な、なんだと!?」
フリードの言葉を遮ったハジメは、王都の外――王都内に侵入しようとしている10万の大軍がいる方へと手を翳した。
カッ!ズォォォォォ……!!!
――漆黒の裁き。
その瞬間、そう表現する他ない漆黒の球体が出現し、近くにいる全てを一切吞み込んだ。
逃げ出そうとしても、強力な重力場がそれを許さない上に、それ自体が敵に向かって移動しているので、猶更逃げようがなかった。
ハジメ「俺達を相手にするなら、その100倍はもってこい。そうでもなければ、ハンデにもならん。」
そう言ってハジメが指を鳴らせば、100人ものハジメの分身が出現し、一斉にペガサスボウガンとオーインバスター50を構えると、ベルトを操作しながら、王宮周辺や王都内の軍勢に向けて引き金を引いた。
フリード「ッ!全員退避ッ!!」
ハジメ「――"
その一連の行動に、猛烈に嫌な予感がしたフリードは、周囲の部下達にも危機を伝えるように大声で叫ぶ。
しかし、それと同時に、スタンプ型の光弾と矢の形をした弾丸が、豪雨の様に魔物や魔人族へと降り注いだ。
先ず、スタンプ弾が先に魔物や魔人に着弾し、そこに悪魔が嗤ったような紋章が浮かび上がる。
しかし、何故か不思議と痛みを感じず、被弾した者達は一斉に首を傾げた。
そんな彼等の様子を気にせず、封印エネルギーが込められた弾丸がその箇所へと吸い込まれるように向かい、当たった途端に紋章へ溶け込むように消えていった。
その瞬間だった。
ズドドドドドドドドォォォォォォォォォォンンン!!!!!
一斉に連鎖するように被弾した者達が爆ぜ、凄絶な衝撃と熱波が周囲に破壊と焼滅を撒き散らす。
それも、一人が爆ぜればその衝撃で感染したかのように、急速に周りに広がっていく程の早さだった。
防御も回避も予測も出来ない、一瞬の殲滅。その圧倒的な強さに、フリードはただ呆然と佇むことしか出来なかった。
ハジメ「どうする?生き残りと共に大人しく去って生き延びるか……このまま全員死んで何も残さず逝くか!」
大勢の同胞を一瞬にして殲滅した挙句撤退を迫る物言いに、フリードの瞳が憎悪と憤怒の色に染まる。
しかし、たとえ特殊な方法で大軍を転移させるゲートを発動させているとはいえ、目の前の男がいる以上、二の舞、三の舞である。
それだけは、何としても避けねばならない。
ハジメとしては、「これで帰ってくれないなら、仕方がない。」という感覚だったが、「ちょっとやりすぎたかも?」と内心反省しているのだ。
思ってたよりも封印エネルギーの爆発が強すぎたせいか、あの爆発を生き残った魔人族は軒並み瀕死状態なのだ。
とはいえ、仲間の命がかかっている以上、これ以上侵攻させるわけにはいかないのだ。
が、そうとは知らないフリードは、唇を噛み切り、握った拳から血を垂れ流すほど内心荒れ狂っていた。
だがしかし、魔人族側の犠牲をこれ以上増やすわけにはいかないと、怨嗟の篭った捨て台詞を吐いてゲートを開いた。
フリード「……この借りは必ず返すっ……貴様だけは、
ハジメ「!……そうか、ならばその宣戦布告、受けてたとう。持ちうる手全てを使って、俺を殺しに来るがいい。」
その台詞に、狂信者のそれを感じなかったハジメは、フリードに少しの好感を持てたのか、自信満々に返し、生き残った魔人族の傷を回復させた。
それを見てフリードは、一瞬呆気にとられるも、直ぐに彼等を促し、踵を返したのであった。
ハジメ(ふぅ……漸く行ってくれたか。)
フリード達の撤退を見届けた俺は、広場に降り立って変身を解除した。
そして、彼等がゲートの奥に消えると同時に、上空に光の魔弾が3発、上がって派手に爆ぜた。
おそらく、撤退命令だろう。それと同時に、ユエとシアが上空から物凄い勢いで飛び降りてきた。
ユエ「……ん、ハジメ。あのブ男は?」
シア「ハジメさん!あの野郎は?」
ハジメ「……君達、何時からそんなに血の気が多くなったんだね。」
幸利「大体お前の影響じゃね?」
ハジメ「解せぬ……。」
王都の防衛を任せたつもりが、何時の間にか「フリード絶対殺すウーマン」になりかけている2人に、思わず頭を抱えたくなった。
が、今は時間が無いので、直ぐに念話で皆に指示を出した。
ハジメ「明朝まで時間が無い。リリィ、今すぐ死んだ人達の遺体を王城前に集めるよう、号令をかけてくれ。」
リリアーナ『へ?今からですか?』
ハジメ「あぁ、それと大結界の発生地点の場所も教えてくれ。頼む。」
リリアーナ『わ、わかりました。』
何故明朝かって?すまんがそれは次回にしてくれ。*4
光輝『待ってくれ、一体どういう事「黙ってろバカ勇者!今、時間が無いって言ってんだろ!!」ッ!?』
すると、念話の内容が聞こえていたのか、光輝が割り込んできたが、悠長に説明している時間は無いので、一喝して黙らせた。
すると今度は、雫が話しかけてきた。
雫『ハジメ君、何か私達にできることはある?』
ハジメ「動ける奴等を総動員して、民衆の救助を頼む。香織、治療は任せる。」
香織『うん!わかった!』
やれやれ、全く世話の焼ける奴等だ。
ハジメ「ユエ、シア、疲れて……いるとは思うが、手伝いに行ってやってくれ。」
ユエ「んっ!」
シア「はいっ!」
ふぅ、これで少しは大丈夫だろう。さて、次だ次。
ハジメ「ティオはミュウとレミアを連れて俺の部屋で待機しててくれ。何かあったらすぐに連絡を頼む。」
ティオ『承知したのじゃ。』
ハジメ「ミュウ、レミア、少し騒がしくなるが、明日の朝には戻る。」
ミュウ『はいなの!』
レミア『わかりました。』
そして、これで最後ッと。
ハジメ「浩介は恵里を背負ってトシと合流してくれ。場所は、皆の部屋の前がいいだろう。
トネリコも念の為、経過観察を頼む。用事が済み次第、各場所に俺も手伝いに行くから……皆、頼んだぞ。」
浩介『わ、わかった。』
トネリコ『任せてください!』
幸利「りょーかいっと。」
こうして、指示を受けた全員が各自動き出した。
ハジメ「さてと、時間とリソースがどこまで持つか……。」
そして、俺はそう呟きながら、近くに積んであった傀儡兵の遺体を、オーロラカーテンで王城前に転移させると、リリィから報告を受けた場所へと急いで向かったのであった。
次回
ハジメ「おっす、おらハジメ。
どうにか敵を撤退させたはいいが、事後処理に追われている今日この頃。
国って治めたり建て直したりするのも大変だけど、一番大変なのはやっぱり一から建てる事だなぁとつくづく思うよ。
さて次回は、
●まおうのくになおし
●けんかおおいちばん
●ゆうしゃがたつ
の3本です。
来週も見てくれるかな?じゃんけん【ピー】!」
ハジメさんがライダー以外の能力を手に入れるとしたら?
-
全スーパー戦隊の力
-
全ウルトラマンの力
-
その他全特撮ヒーローの力
-
全サーヴァントを召喚、使役する能力
-
全てのスタンドを扱える力
-
全ての魔術・魔法を扱える力
-
全ジャンプ作品の力を扱える
-
全サンデー作品の力を扱える
-
全コロコロ作品の力を扱える
-
全マガジン作品の力を扱える
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