Re.ありふれない錬成師で最高最善の魔王、世界最強を超越する 作:天元突破クローズエボルハザード
遠目に【ハルツィナ樹海】が見えてきた時。そこに残された爪痕を見て、シアは思わずといった様子で息を呑んだ。
帝国の近くから逸れる事無く、一直線に飛んできたからだろう。
どうやら、帝国軍が樹海に進軍したルートと被ったらしく、奴等の強引極まりない進軍経路がまざまざと残されていた。
香織「……酷い。」
ティオ「自然軽視の考えは、少々頭にくるものがあるのぅ。」
炭化し、黒く染まった道筋。幅100m超のブラックロードが、樹海の負った傷の様に奥へと続いている。
一応、延焼はしない様に配慮した様だが、そこにあった動植物が根こそぎ灰燼に帰した様子は悲惨で、香織やティオが表情を歪めている。
良い思い出ばかりではなかったものの、それでも生まれ故郷の有様に、シアのウサミミもションボリと垂れてしまった。
そんなシアの手を、傍らのユエとミュウがそっと握った。
ハジメ「フェアベルゲンが露出している、という訳ではない様だな。
奥地の方は、焼けてはいても霧は充満しているのだろう。」
水晶ディスプレイの拡大映像を見ながら、俺は告げる。
その言葉に、そろそろ樹海に到着すると言われてブリッジに来ていたアルテナ嬢が答えた。
アルテナ「疲弊していたとは言え、流石にフェアベルゲンに直接手がかかるまで気が付かなかった訳ではありません。
少数の戦士達が迎撃に出た時点で、彼等は樹海へ火をかけるのを止めたのです。
恐らく、攫うつもりの私達が炎に巻かれて死んでしまうのを避ける為でしょう。」
ハジメ「成程。そこまでの道のりは、大方魔人族の侵攻跡を辿られたのだろうな。
パルの話ではフェアベルゲンまで進軍された様だし、奴等も惨状に気づいていたという訳だ。違うか?」
アルテナ「その通りです。……よくお分かりになりましたね?まるで見てきたかの様に的中しています。」
ハジメ「索敵における基本だからな。」
ま、【フェアベルゲン】周辺まで燃やし尽くされたわけではなさそうだが……それでも度し難いものだ。
そう思いながら、俺は"ノア・エルーナ"を霧がかかっている手前の、炭化して開けた場所に着陸した。
流石に生い茂った樹海の樹々で隠された都の位置までは把握できないし、他の亜人族にいらぬ警戒をさせてしまうのは御免だしな。
タラップが下り、俺達に続いて捕らわれていた亜人族達が恐る恐る降りてくる。
故郷に戻って来られた喜びを浮かべつつも、樹海に刻まれた傷跡に悲しそうな眼差しを向ける。
そんな彼等を見て、光輝達も帝国への憤りを見せるが、だからと言ってどうする事も出来ない。
が、同じく憤りつつも、どうにか出来てしまう者がいるのだよなぁ。
香織「ねぇねぇハジメくん、ちょっといいかな?」
ハジメ「あぁ、再生魔法で治すなら皆が通った後にしてくれ。万が一逸れてしまっては大変だしな。」
神の造形たる美貌にやる気を漲らせた香織を制止し、俺も近くの樹々に手を翳すと、再生能力を発動させた。
パァァァ……
すると、大地があっという間に黒から緑に色を変え、倒壊した樹々を元の姿へと変えていく。
しかもそれだけでなく、より葉が生い茂るように分厚くなっており、何処か瑞々しさも感じられる。
が、同時に周囲に少し霧が出始めてきた。まぁ、今回は場所を絞ったから、濃霧よりはマシだが。
そんな光景を目の当たりにして、アルテナ嬢を始めとした亜人達は勿論、光輝達も目を見開いて硬直していた。
ハジメ「こうなるから、気を付けてね。」
香織「う、うん……。」
そうして戦闘の痕跡を辿りながら、再生魔法で治して進むことにした。
俺とユエが前に此処を訪れたのは……大体、半年位前だったか。
あの時よりも更に強くなり、7つの神代魔法も残すところ2つだ。
だが、やはり感覚を狂わせる濃霧の世界には慣れない。ユエも相変わらず鬱陶しいとはねのける仕草を見せている。
まぁ、ハウリア達の護衛もあり、道中は問題なさそうだ。案内もシアがしてくれるし。
そして、その後ろをぞろぞろと歩く亜人達は、俺達が自分達に対する悪意や偏見が欠片も無い事を理解したのか、かなり気を許し始めており、自ら先導を名乗り出てくれる者までいた。
特に子供達が、俺、香織、ミュウに好意的になっており、先程からちょろちょろと足下をうろついている。
香織がニコッと微笑むと顔を真っ赤にし、俺には抱っこやおんぶ、肩車を強請ってきた。
勿論、律儀に1人1人に応えました。そして尚の事、子供達も集まって来た。
そして何時の間にか、ミュウは全員をお友達にしてた。ウチの娘、コミュ力お化け過ぎね?天才かよ。
尚、何故かそれに便乗する様に、或いは先導しているシアに対抗するかのように、アルテナ嬢が前に出ており、チラチラこちらを見ては、傍にいるユエに無機質な眼差しを向けられてビクッと震えて視線を戻していた。
まぁ、ノーリアクションは流石に可哀想なので、自作のお菓子を幾つかあげておいた。
そうして進む事1時間程。
表情はいつも通りでも、どこか萎れた様子のシアのウサミミがピコピコと反応すると、ハッとしてウサミミを立てたシアは、霧の向こうを見通す様に見つめ始めた。
シア「ハジメさん、武装した集団が正面から来ますよ。」
その言葉に、周囲の亜人族が驚いたようにシアの方を向いた。
彼等の中には当然、攫われていた兎人族も含まれており、どうやら自分達ではまるで察知できない気配をしっかり捉えているシアに驚いているようだ。
そのシアの言葉の正しさを証明する様に、霧を掻き分けて、いつか見た虎人族の集団が現れた。
全員、険しい表情で、正に臨戦態勢といった様子で武器に手をかけている。
とはいえ、彼等も亜人族が多数いる気配を掴んでいた様で、いきなり襲いかかるという事は無さそうだった。
するとその時、彼等のうち、リーダーらしき虎人族の視線が俺達に止まった直後、驚愕に目を見開いた。
ギル「お前達は、あの時の……。」
ハジメ「あぁ、久しいな。確か……ギル、だったか。」
なんと、俺達が初めて【フェアベルゲン】を訪れた際、警備隊の隊長として相対した男――ギルだった。
パル達からの話には聞いていたが、どうやら襲撃を生き延びていたらしい。
ギル「一体、今度は何の……って、アルテナ様ぁ!?ご無事だったのですか!?」
アルテナ「あ、はい。彼等とハウリア族の方々に助けて頂きました。」
と、そんな彼が目的を尋ねようとして、俺の傍らにいたアルテナ嬢に気がつき、素っ頓狂な声を上げた。
そして、アルテナ嬢の「助けてもらった」という言葉に、安堵と呆れを含んだ深い溜息を吐いた。
ギル「それはよかったです。アルフレリック様も大変お辛そうでした。
早く、元気なお姿を見せて差しあげて下さい。……少年。
お前は、ここに来る時は我等の同胞を助けてから、というポリシーでもあるのか?
傲岸不遜なお前には全く似合わんが……まぁ、礼は言わせてもらう。」
ハジメ「一言余計だっつーの。まぁ、人助けは一応ポリシーではあるが、今回も偶然そうなっただけだ。」
何やら知り合いらしい雰囲気に、光輝達が疑問顔になっていたので、シアがこっそり何があったのかを簡潔に説明してくれた。
勿論、シアが俺と恋仲である理由も分かるというもので、全員納得して頷いた。
ハジメ「ところで、フェアベルゲンにハウリア族はいるか?或いは、今の集落がある場所を知っている奴は?」
ギル「む?ハウリア族の者なら数名、フェアベルゲンにいるぞ。
聞いているかもしれないが、襲撃があってな。帝国が去った後から、数名常駐するようになったんだ。」
ハジメ「そうか、ではフェアベルゲンに向かうとしよう。前みたいに待たせてはくれるなよ?」
そんなジョークを口にしながら、俺は先を促した。
すると何故か、相変わらず態度がでかいなと言わんばかりの呆れ顔をしながら、ギルは部下達に武器を収めさせて先導を務め始めた。
人間族からの襲撃があったばかりだというのに、見知らぬ人間の混じる俺達に対して以前のような敵意を感じないのは、俺に鍛えられたハウリア族に救われたからなのか、或いは長老衆から何か言われているのか……それとも、俺の恐ろしさを理解しているのか。
何れにしろ、揉めなくて済むのは好都合であるので、俺はユエ達を促して歩を進めた。
辿り着いた【フェアベルゲン】は、予想に違わず大きく様変わりしていた。まず、威容を示していた巨大な門。
話には聞いていたが見事に崩壊しており、その残骸が未だ処理されずに放置されたままだった。
門の内側には大きなクレーターと、その中心に岩石群が埋もれている。
そして、俺達を魅了した幻想的で自然の美しさに満ちた木と水の都は、そこかしこに破壊された跡が残っており、木の幹で出来た空中回廊や水路もボロボロに途切れてしまって用を成していなかった。
「酷い……。」
誰かがそう呟いた。全く以てその通りだ。ユエ達も同感のようだ。
【フェアベルゲン】そのものも、どこか暗く冷たい風が吹いているようで、どんよりした雰囲気を漂わせている。
と、その時。
通りがかった【フェアベルゲン】の人々がアルテナ嬢達を見つけ信じられないといった表情で硬直した。
かと思えば次の瞬間、喜びを爆発させる様に駆け寄ってきた。
傍に人間族がいる事に気がついて、一瞬、表情を強ばらせるものの、アルテナ嬢達が口々助けられた事を伝えると、警戒心を残しつつも抱き合って喜びを露わにした。
連れ去られていた亜人達の中には、俺達に礼をいうと家に向かって一目散に駆けていく者もいる。
次第に俺達を囲む輪は大きくなり、気が付けば周囲は【フェアベルゲン】の人々で完全に埋め尽くされていた。
暫くその状態が続いた後、不意に人垣が割れ始める。
その先には、フェアベルゲン長老衆の一人──アルフレリック・ハイピストがいた。
アルテナ「お祖父様!」
アルフレリック「おぉ、おお、アルテナ!よくぞ、無事で……!」
祖父の存在に気づいたアルテナ嬢は、目の端に涙を溜めながら一目散に駆け出し、アルフレリックの胸に勢いよく飛び込んだ。
以前、アルフレリック自身も言っていたな……
樹海の外に連れ去られた者は死んだものと見做すのだと。後を追って、被害が拡大するのを防ぐ為に。
故に、もう二度と会えないと思っていたに違いない。
祖父と孫娘の再会に、周囲の人々も涙ぐんで抱きしめ合う2人を眺めている。
暫くして、アルフレリックは孫娘から身を話して優しげに頭を撫でると、俺に視線を向けた。
その表情には苦笑いが浮かんでいる。
アルフレリック「……とんだ再会になったな、南雲ハジメ。まさか、孫娘を救われるとは思いもしなかった。
縁というのはわからないものだ。……心から感謝する、ありがとう。」
ハジメ「何、俺は送り届けたに過ぎん。礼ならハウリア達に言ってくれ。
それに……悪縁奇縁も縁の内だ、生きていればこういう事だってある。」
アルフレリック「そのハウリア族をあそこまで変えたのもお前さんだろうに。
巡り巡って、お前さんのなした事が孫娘のみならず我等をも救った。それが事実だ。
この莫大な恩、どう返すべきか迷うところでな。せめて礼くらいは受け取ってくれ。」
ハジメ「むぅ……。」
大袈裟とは思いつつも、そう言われては仕方ないと、俺は若干困ったように頬を掻きつつ、肩を竦めた。
そんな俺を、皆して微笑ましげに、そして誇らしげに見つめていた。
すると、アルフレリックがチラリと、面識の無い光輝達に視線を向けつつ、俺に言った。
アルフレリック「ハウリア族の事だが、タイミングが悪かった様だ。
丁度都の外に出ていてな、直ぐに戻ると思うが……。」
ハジメ「そう、それなら少し、待たせてもらうとしよう。
見返りと言っては何だが……ウチの癒し手達がさっきから、怪我人を治したくてソワソワしているんだ。
良かったら治療に向かわせてやってくれ。」
アルフレリック「待つ位で見返りなんぞ求めんよ。我が家に招待しよう。
ハウリア族については、戻り次第知らせを寄越すよう、門番達にも言っておく。」
ハジメ「そうか、それは助かるな。」
そういう訳で、俺達はアルフレリックの招待を快く受けるのであった。
尚、アルテナ嬢が案内するつもりなのか、俺の手を取ろうとしてシアにペシッとインターセプトされた。
森人族のお姫様とバグウサギがバチッと視線を交わすのを見て、何をやっているのかと呆れた俺は、溜息をつきながら香織に視線を移す。
すると香織は、自分の意を汲んでくれた事に嬉しそうに笑い、我慢できないとばかりに抱き着いてきたので、仕方ないなぁと言わんばかりに、俺はその頭をナデナデするのであった。
当然、撫でられた香織の表情はふにゃぁっとなる。
そんな香織を見て、羨ましそうな視線を向けるシアとアルテナ嬢を無視し、俺はアルフレリックの後について行くのであった。
アルフレリックの家に招かれた俺達は、ハウリア達が戻ってくるのを待っている間、アルテナ嬢が手ずから入れたお茶をご馳走になっていた。
……とはいえ、妙に頬を染めて、俺の周囲をチョロチョロと動き回り、世話を焼こうとするのは何なんだ。
そんな孫娘の様子に、アルフレリックも何とも難しそうな顔をしている。
なんか面倒事になりそうなので、いつもより多めにシアのウサミミを愛でておいた。あぁ、癒される……。
と、そんなこんなでお茶を飲み干し、ある程度の近況をアルフレリックと共有した頃、パタパタッと銀翼を羽搏かせた香織が、トネリコをお姫様抱っこしながら窓から入って来た。
因みに、アルフレリックの招いた部屋は、地上から10m程高い場所にある。
ハジメ「どったの?休憩?」
トネリコ「いえ、外傷がある人は全員、治療できました。もう皆さん、元気いっぱいです。」
香織「後、門も含めて都の中心周辺も全部復元出来たよ。
練習にもなるし、いっそ飛び回りながら他の場所も全部直しちゃおうと思ったんだけど……。」
手を差し伸べつつ窓から入れてあげながら問うと、2人は困った様な表情で言葉を濁す。
ふと耳を澄ますと、「香織様!」「トネリコ様!」という住民達の熱烈なコールが聞こえてきた。
アルフレリック共々、窓から身を乗り出して下を見れば、多数の亜人族が顔を紅潮させて興奮気味に2人を讃えていた。
ハジメ「長老衆までいるとは……そのうち、聖女信仰が生まれそうだな。」
香織「怖いこと言わないでよ、ハジメ君!」
トネリコ「言霊だって相当力があるんですよ!?特にハジメさんの場合、本当に実現しそうじゃないですか!」
アルフレリック「……ゼルにグゼ、あいつら何をしとるんだ。」
どうやら2人は、亜人族の間に新しい宗教が起こりそうな程の熱気に、少々恐怖を感じて逃げてきたらしい。
何とはなしに呟いた俺の言葉に、2人が頭を抱え、アルフレリックが頭痛を堪える様に眉間を揉んだ。
取り敢えず2人に"鎮魂"をかけて落ち着かせ、新しく茶を持ってきてもらおうとした。
──ドドドドドドッ!!
と、その時。何やら騒がしい足音が聞こえ始めた。
全員が何事かと扉の方を見ると同時に、その扉がズバンッと勢いよく開いた。
衝撃で扉に亀裂が入り、アルフレリックが悲し気な顔になる。
ハウリアA「陛下ァ!!お久しぶりですっ!!」
ハウリアB「お待ちしておりましたっ!!陛下ァ!!」
ハウリアC「お、お会いできて光栄ですっ!Load!!」
ハウリアD「うぉい!新入りぃ!陛下のご帰還だぁ!他の野郎共に伝えてこい!30秒でな!」
新入りハウリアE「りょ、了解でありますっ!!」
飛び込んできたのはハウリア族の集団だった。
余りの剣幕に、パル達でハウリアの反応を予想していた筈の光輝達が「ブフゥー!?」とお茶を噴き出した。
ボタボタと垂れるお茶を拭いながら全員がそちらを見ると、そんな光輝達もお構いなしにビシッ!と踵を揃えて直立不動し、見事な敬礼を決めているハウリア達。
俺にも見覚えの無い者が何人かおり、先程の言動も踏まえると、どうやらハウリア族は他の兎人族の部族を取り込んで自ら訓練を施し、勢力を拡大している様だ。
ハジメ「お前達、もう少し静かにしろ。後、敬礼は毎回やらなくていい。」
『Sir,Yes,Sir!!!』
「樹海全体に響け!」と言わんばかりに張り上げた、自分達の王への久しぶりの掛け声に、とても満足そうなハウリア族。
そして、初めて経験した本物の掛け声に「俺達もついに……」と感動しているハウリアでない兎人族達。
多分、俺達が樹海を出て行った後も、ハートマ○軍曹式の怒声が響いていたのだろう。
ハジメ「ここに来るまでにパル達と会って大体の事情は聞いている。カム達のいない間、よく頑張った。」
ハウリア's「「「「「「きょ、恐縮でありまずっ、Sirッ!!!」」」」」」」
最後が涙声になっているのはご愛嬌なので、感動に震えるハウリア達にパル達から預かったメッセージ
――カム達が侵入した帝都に自分達も侵入するつもりであることと、応援の要請を伝える。
ハウリアI「成程。……"必滅のバルドフェルド"達からの伝言は確かに受け取りました。
態々有難うございます、陛下。」
ハジメ「あぁ……それで?お前にも二つ名があるんだろ?」
ハウリアI「は?俺ですか?……ふっ、勿論です。落ちる雷の如く、予測不能かつ迅雷の斬撃を繰り出す!
"雷刃のイオルニクス"!です!」
ハジメ「……一度パルにはキッチリ言い聞かせないとあかんなぁ。」
完全に感染してしまった、このパンデミックの元凶をシバくことを視野に入れつつ、俺はイオに訊ねた。
ハジメ「そういえば、ハウリア族以外の奴等も訓練させていたみたいだが……現状、どれ位いる?」
イオ「確か……ハウリア族と懇意にしていた一族と、バントン族を倒した噂が広まったことで訓練志願しに来た奇特な若者達が加わりましたので……実戦可能なのは総勢122名になります。」
ふむ、随分と増加したものだな。その情報に、俺のみならずシアやユエも驚きを露わにする。
質問の意図がわからず疑問顔を浮かべるイオを尻目に、俺は頷いた。
ハジメ「まぁ、全員運ぶ事は可能か。イオ、帝都に行く奴等を選別しろ。序に、全員纏めて送ってやる。」
イオ「は?…はっ!了解であります!直ちに!」
一瞬、何を言われているのか分からなかったようで間抜け顔で聞き返すイオだったが、直ぐに俺が帝都に同行してくれるという意味だと察し、敬礼をすると、仲間を引き連れて他のハウリア族を呼びに急いで出て行った。
俺が大迷宮の為に戻って来たのであって、自分達を手伝ってくれるとは思っていなかったのだろう。
意外すぎる言葉に動揺してしまった様だ。それはイオだけでなく、俺の傍にいたシアも例外ではなかった。
寧ろ彼女が一番驚いており、その大きな瞳をまん丸に見開き、ウサミミをピンッ!と立てて、こちらを凝視している。
シア「ハ、ハジメさん……大迷宮に行くんじゃ……。」
ハジメ「なに、これから全種族の存亡がかかってくるという時にいじめっ子ぶってる間抜け共に、うちの部下が攫われた以上、奪い返すのは当然だ。
それに……カム達が心配なんだろ?何時までもそんな無理した笑顔じゃあ、折角の美人が台無しだぜ?」
シア「っ……それは……その……でも……。」
俺に図星を突かれて口籠るシア。
確かに目的は大迷宮だし、カム達が自分達から向かった以上、自己責任ではある。
だが、別に部下の捜索、それもシアの身内である以上、面倒もクソもない。
それに、今回は俺達にも帝国に行かねばいけない理由がある。
抑々、別々の道を歩むと決めようとも、家族の行方が分からないと知れば、心配する気持ちは自然と湧き上がるもので、そう簡単に割り切れるものではない。
それが憂いとなって顔に出たために、俺にもユエ達にもシアの心情は筒抜けだった。
俺は、余計な手間を取らせていると委縮して口籠るシアの傍に寄り、そっと優しく抱き締めた。
シア「ふぇ?」
突然の俺の行動に、シアがポカンと口を開けて間抜け顔を晒す。
そんなシアに、俺は可笑しそうに笑みを浮かべながら、真っ直ぐ目を合わせて言い聞かせるように言葉を紡いだ。
ハジメ「家族が心配な時くらい、無理して大丈夫だなんて言ってないで、ちゃんと心配だって言おう?」
シア「で、でも……。」
ハジメ「"でも"も"だって"もないよ。今更、遠慮なんてしなくていいよ。
いつもみたいに、思ったことを思った通りに言えばいいんだよ。
初めて会った時の図々しさはどこにいったのさ?第一、シアがちゃんと笑ってないと……俺達の調子が狂うでしょ?」
シア「ハジメさん……。」
ちょっとぶっきらぼうではあるが、これは紛れもなくシアを気遣う言葉、シアを想っての言葉だ。
それを理解して、シアは嬉しさと愛しさで瞳を潤ませ始める。
ハジメ「それに、家の家訓にはこんなことがある。――大切なもんの為なら、全力を使う事を躊躇わない、ってね。」
シア「ハジメさん、私……。」
ハジメ「だからさ……遠慮なくぶつけて来い!全部受け止めて、聞いてやるさ。」
抱きしめてくる腕から伝わる優しくも熱い感触と、真っ直ぐ見つめてくる俺の眼差しに、シアは言葉を詰まらせつつも、湧き上がる気持ちのままに思いを言葉にした。
シア「……私、父様達が心配ですぅ。……一目でいいから、無事な姿を見たいですぅ……。」
ハジメ「それでいいんだよ。それじゃあ、会いに行こっか!」
シア「!はい!」
その瞳はキラキラと星が瞬き、頬はバラ色に染まっていて、恋する乙女を通り越して完全に愛しい男を見る女の顔だった。
贈られた言葉に、幸せで堪らないという気持ちが全身から溢れ出ている。
ユエ「……ん。元気になって良かった。シア、かわゆす。」
ティオ「ふむ、これはこれでよいのぉ~。」
香織「うぅ~、羨ましいよぉ~。」
雫「まぁ、惚れた男にあんな風に言われれば嬉しいでしょうね……。」
ミュウ「シアお姉ちゃん、とっても可愛いの~!」
レミア「あらあら、おモテになる理由が分かりますね、ア・ナ・タ?」
トネリコ「もう、ハジメさんも本当は心配なのに、素直じゃないですね~♪」
恵里「兄さんはまたそうやって……これで墜ちた女の子が何人いたことやら。」
鈴「そんなにいたの!?ハジメン、完全にドンファンじゃん……鈴はびっくりだよ。」
アルテナ「シアさん……妬ましい、羨ましい。私もハジメ様に……。」
微笑ましげにシアを見守る、完全にお姉さん思考のユエを始めとした女性陣(何故かアルテナ嬢までいる)のコメントに、漸く周囲に大勢いることを認識したシアが、真っ赤になって両手で顔を隠してしまった。
しかし、羞恥以上に嬉しさが抑えきれないのか、ウサミミがワッサワッサ、ウサシッポがパタパタと動きまくり気持ちをこれでもかと代弁している。
その時、丁度良いタイミングでイオが戻って来た。どうやらハウリア族の準備が整ったようだ。
滅茶苦茶迅速な対応である。
そうして俺達は、アルフレリックとアルテナ達の見送りを受けながら樹海を抜け、ハウリア達と共に帝都に向けて再び"ノア・エルーナ"を飛ばしたのであった。
今作のトネリコが褒められる事に慣れていない理由は……知っている方なら分かるかと。
ハジメさんがライダー以外の能力を手に入れるとしたら?
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全スーパー戦隊の力
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全ウルトラマンの力
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その他全特撮ヒーローの力
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全サーヴァントを召喚、使役する能力
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全てのスタンドを扱える力
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全ての魔術・魔法を扱える力
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全ジャンプ作品の力を扱える
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全サンデー作品の力を扱える
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全コロコロ作品の力を扱える
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全マガジン作品の力を扱える
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全てのラノベ作品の力を扱える
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別の世界に能力そのままで転生できる能力
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一億年ボタン
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全てのロボットを操縦できる能力
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無限残基
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女難に巻き込まれなくなる
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倒した敵の全能力を得る能力
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全スマブラキャラの力
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その他全ゲームキャラの力
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その他(活動報告でリクエスト)