Re.ありふれない錬成師で最高最善の魔王、世界最強を超越する 作:天元突破クローズエボルハザード
ガハルド「っ!?なんだ、今のは!」
カム「なに、大したことではない。各所に設置した爆弾を一斉に起動させただけだ。」
ガハルド「爆弾だと!?まさか……!」
その言葉に、先程まで余裕の表情を浮かべていたガハルドも顔色を変える。
カム「爆破したのは……跳ね橋と奴隷の監視用兵舎、それと治療院か。」
ガハルド「なっ、てめぇ!」
カム「大勢の兵士と軍医が逝ったな……可哀想に、偏に国の長が無能な所為だが。」
ガハルド「貴様のやった事だろうが!」
どうやら、アラクネボムの連鎖爆発は十分な威力を発揮している様だ。
カム「否、お前の判断が無駄な犠牲を増やしたのだ。この調子なら、帝都の全てが紅蓮の炎に沈むだろう。
先程の場所の他に、一般の治療院、宿、住宅街、娼館、先の魔人族襲撃で住宅を失った者達の仮設住宅区にも、既に仕掛けはしてある。
さて、何処から消し飛ばされたい?」
ガハルド「一般人に手を出してんじゃねぇぞ!堕ちるところまで堕ちたかハウリア!」
綺麗なブーメランですね分かります。
カム「……貴様等は、亜人というだけで迫害してきただろうに。立場が変わればその言い様か……やれ。」
ガハルド「まっ――『ドガァァァァン!!』ッ!」
亜人族を帝国全体で迫害しておいて、今更関係のない一般人はないだろう?と若干、呆れ気味の声を出すと、カムは容赦なく命令を下した。
結果、更なる爆発音。ガハルドの言葉も虚しく、増える火の手。
尚、さっきの爆発はフェイクだ。
ただし、帝城に火がかけられているのは本当の様で、煙の臭いが微かに風に乗って漂って来ている。
そうとも知らないガハルドは大きな歯ぎしりをしているが……どうでも良いか。
更に言えば、カムの言葉は半ばハッタリで、軍と関係のない場所に爆弾を仕掛けたりはしていない。
それは、帝国人と同じにはならない、という1つの矜持だ。
必要なら何だろうとするが、そうでないなら嘘でもハッタリでも詐術でも、使えるものは何でも使って相手を打倒する。
それこそが今の彼等、我が精鋭ハウリア達なのだ。
カム「貴様が誓約しないというのなら、仕方あるまい。
仕掛けた全ての爆弾で帝都の全てを吹き飛ばし、炎と貴様等の生首を以て、この国の人間を根絶やしにしよう。
何、数千か数万規模のお供が付くのだ。悪く無い最期だろう?」
最後の審判もクライマックスか……まぁ、帝国が潰れた時はフェアベルゲンの領土にすればいいだけだしな。
容赦ない要求に、即断できず沈黙するガハルド。
その頭の中は目まぐるしく状況の打開方法を探っているのだろうが……妙案は一向に出てこないだろう。
苦みばしった表情と流れる冷や汗が、追い詰められている事を如実に物語っていた。
そして、そんな状態でもカムは全く容赦しない。返答が遅いと言わんばかりに命令を下す。
カム「や――「待てっ!待ってくれぇっ!」……。」
それに慌てたガハルドは、咄嗟に制止を懇願すると、苛立ちと悔しさを発散する様に頭を数度地面に打ち付けると、吹っ切った様に顔を上げた。
ガハルド「かぁ――、ちくしょうが!わーったよっ!俺の負けだ!要求を全て呑む!
だから、これ以上、無差別に爆破すんのは止めろ!」
カム「それは重畳。では誓約の言葉を。」
要求が通っても尚、淡々と返すカム。
それにガハルドは苦い表情のまま、フッと肩の力を抜くと、会場にいる生き残り達に向かって語りかけた。
ガハルド「お前等、すまんな。今回ばかりはしてやられた。帝国は強さこそが至上。
こいつら兎人族ハウリアは、それを"帝城を落とす"ことで示した。民の命も握られている。故に――」
生き残り達が、ガハルドの言葉を聞いて悔しそうに震えている。
そんな彼等を目に焼き付ける様に見て、ガハルドは声を張り上げた。
ガハルド「――"ヘルシャーを代表してここに誓う!全ての亜人奴隷を解放する!ハルツィナ樹海には一切干渉しない!
今、この時より亜人に対する奴隷化と迫害を禁止する!これを破った者には帝国が厳罰に処す!
その旨を帝国の新たな法として制定する!"」
誓約は成された。その証拠に、首輪に施された宝石が輝きを放つ。そしてガハルドは、最後に皇帝として宣言した。
ガハルド「この決断に文句がある奴は、俺の所に来い!俺に勝てば帝国をくれてやる!後は好きにしろ!」
亜人族を今まで通り奴隷扱いしたければ、ヘルシャーの血を絶やせ!受けて立つ!そういう宣言か。
ま、別の奴が亜人支配に乗り出そうものなら、今度は俺も本気で潰しに行くが。
カム「ふむ、正しく発動したようだ。」
その言葉と共に、会場の一角にスポットライトが降り注ぎ、並んでいた皇帝一族の姿が映し出された。
本来なら会場にいない筈のまだ幼い皇太孫もおり、全員が既に"誓約の首輪"を身に着けている。
カム「ヘルシャーの血を絶やしたくなければ、誓約は違えない事だ。」
ガハルド「わかっている。」
カム「明日には誓約の内容を公表し、少なくとも帝都にいる奴隷は明日中に全て解放しろ。」
ガハルド「明日中だと?一体、帝都にどれだけの奴隷が「や――」くそったれ!やりゃあいいんだろう、やりゃあ!」
……後0.02秒惜しかったな。
カム「解放した奴隷は樹海へ向かわせる。ガハルド。貴様はフェアベルゲンまで同行しろ。
そして、長老衆の眼前にて誓約を復唱しろ。」
ガハルド「1人でか?普通に殺されるんじゃねぇのか?」
カム「我等が無事に送り返す。貴様が死んでは色々と面倒だろう?」
ガハルド「はぁ、わかったよ。お前等が脱獄した時から何となく嫌な予感はしてたんだ。
それが、ここまで良い様にやられるとはな……。
なぁ、俺が、或いは帝国が、そこまで気に入らなかったのかよ――南雲ハジメ。」
ハジメ「私に当たるな。それで?我が国の王女は何処だ?」
そう言って私が肩を竦めれば、ガハルドは盛大に舌打ちし、カムは指を鳴らした。
すると、闇の中からスポットライトに2人の人影が近づいてきた。
女性の兎人族と、その兎人族に連れられたリリィだ。しかもドレスは破られたままの状態で、だ。
リリアーナ「は、ハジメさん!」
ハジメ「リリィ!」
姿が見えると、リリィは直ぐに解放された。私は咄嗟に駆け寄り、何時ものコートをリリィにかけた。
ハジメ「リリィ、大丈夫か!?怪我はしていないか!?奴等に何かされなかったか!?」
リリアーナ「えぇ、えぇ、それはもう……とっっっても怖かったです!
いきなり婚約者の皇太子に襲われたかと思えば、今度は兎人族に攫われて……リリィは寂しうございました……!」
ハジメ「そうか、とても辛い思いをさせてしまったな……やはり婚約については考え直さねば。」
流石はリリィ、悲劇の姫を演じるのが上手い。そう思いながら、リリィを連れて皆の元へと戻った。
何やら帝国側から妙な視線を感じる気がするが……どうでも良いか。
カム「ガハルド、警告しておこう。確かに我々は、我々を変えてくれた恩人から助力を得た。
しかし、その力は既に我等専用の物として掌握している。
やろうと思えば、何時でも帝城内に侵入出来、欲しいだけ情報を得られる。寝首を掻く事等容易い。
法の網を掻い潜ろうものなら、御仁の力なくとも我々の刃が貴様等の首を刈ると思え。」
ガハルド「専用かよ。羨ましいこって。
魔力のない亜人にどうやって大層なアーティファクトを使わせてんだか……。」
ガハルドが苦虫を噛み潰した様な表情をするのも無理はない。
何故なら、亜人と他種族に格差をもたらしているのが戦闘における魔法行使の有無だからだ。
その前提を覆す亜人族によるアーティファクトの使用という事態は、帝国にとって由々しき事なのだろう。
尤も、ハウリア達は全員"魔力操作"を習得済みなので、今更止めさせる事も出来ないので、精々こっそり悪態を吐くしかないのが関の山だが。
何やら「全く、何て事してくれたんだ!」と、
それに、私はアーティファクト提供とトラップ解除位しかしていない。
まぁ、私特製のアラクネ*1が優秀過ぎたのもあるか。
何せ、無数のアラクネでトラップを解除し、そのまま帝城内に潜ませて監視カメラ代わりとして、帝都外のハウリア族司令部に映像を送ると同時に、念話石通信を併用する事で最大効率の制圧戦を可能にしたのだから。
原理は、リリィにも送った念話石と同じで至極単純。
魔力を溜め込む性質の鉱石*2に"高速魔力回復"を付与、同時に"魔力放射"を付与する事で常に自然の魔力の収集と放出を繰り返す仕様にする。
そして、魔法陣を敢えて一部欠けた状態にし、スライド式スイッチで魔法陣を完成させ、魔法を発動させる、という訳だ。
更に改良の余地はありそうだが……今はまだこの程度で十分だろう。
ステータスプレートの血に反応する機能も盛り込んであるので、登録者の血にしか反応しない様にもしてあるし。
出来ればクラスの皆の武器にも、この機能を付与してやりたかったが……生憎、時間が無かったからなぁ。
光輝達には既に
後は、ミュウとレミアが使い易い様に出来たらいいなぁ。
カム「案ずるな、ガハルド。ハウリア族以外の亜人族にアーティファクトが渡る事は無い。
お前が誓約を宣誓した所で、調子に乗って帝国を攻める事等有り得んよ。
もしそうなったら、我々ハウリア族の刃はフェアベルゲンの愚か者に振るわれるだろう。」
その言葉で、ガハルドはハウリア族がフェアベルゲンとも独立して、ただひたすら亜人族(実際には兎人族だが)の不遇改善と戦争の回避を望んでいると、漸く理解出来た様だ。
気が付くのが遅いというか……いや、そもそも分かり辛かったな。ハウリアの言動的に。
ガハルド「そうかい。よーく分かった。だから、いい加減解放しやがれ。
明日中なんて無茶な要求してくれたんだ。直ぐにでも動かなきゃ間に合わねぇだろうが。」
カム「……いいだろう。我々ハウリア族は何時でも貴様等を見ている。そのことをゆめゆめ忘れるな。」
その言葉を最後に、スポットライトが消え、会場を静寂が包み込んだ。
シア「ハジメさん。」
ハジメ「!」
俺が隣を見れば、シアが戻ってきていた。先程、決着がついたと念話で知らせておいたのだ。
何処か、雰囲気が変わった様な、一皮剥けた様なシアの微笑みに、俺は一瞬、見惚れてしまった。
シア「全部、終わりましたよ。」
ハジメ「そうか、良く頑張ったな。」
その言葉にどれ程の意味が含まれているのか、正確な所は分からない。
だが、私がフッと笑い返して、言葉を贈れば、シアの笑顔はとびっきりに輝いた。
同時に、念話石を通じて通信が入った。
カム『陛下。こちら
ハジメ『当然だ、お前達は俺の民にして精鋭、何より……シアの家族だからな。気にするな。だが、油断もするな。
寧ろ、ここからが本番だ。"皇族を排してでも"等と愚策に奔る阿呆はきっと出るからな。』
カム『心得てますよ、陛下。元より、戦い続ける覚悟は出来ています。
この道が、新生ハウリア族が歩むと決めた道ですから。』
覚悟と覇気に満ちたカムの言葉に、思わず口元が吊り上がる。
ハジメ『そうか……そうだな。その覚悟、しかと見せて貰った。
――全ハウリア族へ告ぐ。見事だったぞ、我が精鋭達よ!』
一拍。そして、混じりけのない純粋な称賛を贈った。
すると、自分達を導いた敬愛する魔王の、掛け値なしの賛辞に、全ハウリア族のウサミミがピンッ!と毛を逆立てながら真っ直ぐ伸びた。
噛み締めるような間が一拍。その次の瞬間には、念話石を通して、盛大な雄叫びが上がった。
『オォオオオオオオオオオオオ!!!!』
それは勝利の雄叫び。
数百年の間、苦汁を舐め続けた敗北者の中の敗北者が、初めて巨大な敵を逆にねじ伏せてみせた歓喜の叫びだ。
正直、樹海への不可侵・不干渉や亜人の奴隷化・迫害禁止が、この先どこまで守られるかは微妙だ。
先程言った通り、皇族を排してでも亜人の奴隷化を望む者達は出てくる上、ただでさえ抽象的な誓約の穴を見つけ出して帝国が亜人族を再び虐げる可能性は大いにある。
だからこそ、ハウリア族の戦いはここからだというのが適切だ。
少なくとも、誓約を課す事が出来たので、今すぐ帝国が樹海に攻め入ったり、ハウリア族を追ったりする事はない。
この稼いだ時間で、ハウリア族は数と力を蓄えて、より高レベルの
それこそ、帝国が誓約を克服したり、誓約解除後に万全の態勢になろうとも、二度と手が出せない程に。
そう、今回の作戦の要は、
よって、確かに、今回の戦いは亜人族最弱の種族である兎人族ハウリアの紛れもない勝利なのである。
さて、次は私の番だな。という訳で、早速ヘリーナに念話を入れた。
ハジメ『ヘリーナ、ルルアリア殿に連絡しておいてくれ。
同盟締結は、帝国からランデルの婚約者を貰う方針に変更する様に、と。』
ヘリーナ『!承知致しました。早急に手筈を整えておきます、
よし、これでリリィが山猿に嫁がなくて済むな!漸く、万事解決だ。
ガハルド「くそっ、アイツ等、放置して行きやがったな。誰か、光を……あぁ、そうだ誰もいねぇ……
って、ゴラァ!南雲ハジメ!何時まで知らんふりしてやがる!無傷なんだから、この状況を何とかしやがれ!」
……だっっっるぅぅぅぅぅ~~~。
折角、通信越しに聞こえてくるハウリア達の歓声に目を細め、同じく作戦の成功に涙ぐみながら飛びついてきたシアを抱き締めて、反対側にいたリリィと一緒にモフモフしていたのに……。
というか、転がり回っている癖に態度だけはデカいな……
まぁ、流石にこのままでは話が進まないので、"宝物庫"から発行する鉱石を取り出し、天井に飛ばしてやった。
鉱石は、天井付近で浮遊すると一気に宵闇を払い、昼間と変わらない明るさをパーティー会場にもたらした。
全体が明らかになったパーティー会場は、正に"凄惨"という言葉がぴったりな有様だった。
至る所に夥しい量の血が飛び散り、無数の生首が転がっている。
胴と頭がお別れしていない者でも無事な者は1人もおらず、全員が手足の腱を切られて痛みに呻きながら床に這いつくばっていた。
貴族の令嬢方は、恐怖と痛みで失禁している者も少なくない。
明るくなって会場の惨状を見た瞬間、ショックで意識を失ったのは、ある意味僥倖だろう。
辛うじて意識を保っていた気丈な一部の令嬢達も、視界の端に映ったシアのウサミミを見た瞬間、声にならない悲鳴を上げて白目を剥きながら気絶した。
男でも少なくない者が失禁しながらシアに怯えた目を向けている。
どうやら、ハウリア族の恐怖はしっかりと刻み込まれた様だ。
当然、そんな中でも完全に無傷な我々は明らかに浮いていたが。
最後まで戦闘を行っていた者達は射殺しそうな程に憎しみの籠った眼で睨んできている。
完全にグルだと思われている様だ。やれやれ、濡れ衣にも程がある。
ガハルド「おい、こら、南雲ハジメ。いい加減いちゃついてないで手を貸せ。
この状況で女――しかも兎人族の女を愛でるって、どれだけ図太い神経してんだよ。」
ハジメ「なに、シアはか弱いウサギだから、先程の襲撃で怯えてしまってな……可哀想に。
それに、灯り位は付けてやったんだ。後は自分達でどうにかしろ。それとも……自分のおしめも変えられないのか?」
そんな戯けた事を言いながら、わざとらしく肩を竦めてみせる。
というか、リリィが危うく辱められそうになった事への詫びも無いとか、神経も逝かれたか?
勿論、シアは怯えているどころか、これでもかという位幸せそうな表情だが。
すると、ガハルドの額に青筋が浮かぶ。
詠唱封じに口を裂かれた為話せない者達も、倒れたまま「視線だけで殺してやる!」と言わんばかりの凶悪な眼差しを向けている。
そんな光景に仲間達からは、神経が太すぎると苦笑いの視線を向けられていた。
ガハルド「いけしゃあしゃあと……。とにかく、無傷である事に変わりねぇだろ。
お前等に帝国に対する害意がないというなら、治療するなり、人を呼ぶなりしてくれてもいいんじゃねぇか?」
ハジメ「断る。
こちらの王女に辛い思いをさせておいて、自分達は悪くないと抜かす恥知らずを、何故助けねばならん。
寧ろ、戦場で華々しく散る事が出来たのだし、お前達にとって本望だろう?諦めてさっさと逝ったらどうだ?」
その言葉に光輝達がギョッとなるが、構わず人差し指を下に向ける。答えは当然、DO☆GE☆ZA☆だ。
ガハルド「テメェ、いい加減に「あぁ、そういえばサプライズに花火を少々……」だぁッ―畜生!分かったよ!
ウチの皇太子がリリアーナ姫に危害を加えようとした事は謝罪するし、賠償でも要求でも聞いてやる!
だからさっさと助けろ!」
ハジメ「助けろ?助けろ、ねぇ……。」
ガハルド「お助けしやがってくださいこの野郎!!」
……まぁ、良いか。面白かったし。
ハジメ「良かろう。だが、貴様の部下達が治療した瞬間に襲いかかってきそうな殺気を放っている。
最悪の場合、連帯責任で全員に死んでもらっても構わんよな?」
ガハルド「いいわけ無いだろ!?おい、お前ら!そこの化け物魔王と周りの奴等には絶対手を出すなよ!
たとえ、クソ生意気で、確実にハウリア族とグルで、いい女ばっか侍らしてるいけすかねぇクソガキでも、無駄死には許さねぇぞ!」
生き残ったガハルドの部下達は、自分達の主からの生き残れという命令に悔しそうに目元を歪める。
ガハルド「ほれ、お前のことを殺したくても、実際に化け物の顎門に飛び込む様な馬鹿はここにはいねぇ。
俺がさせねぇ。そろそろ出血がヤバイ奴もいるんだ。頼むぜ、南雲ハジメ。」
ハジメ「……分かった。但し、今度クソガキとか言ったら……。」
ガハルド「何だ!?全員殺すってか!?」
ハジメ「いや、10年間は耳元で延々と泣き喚く声が聞こえる呪いを、帝国民全員にかける。」*3
ガハルド「割と洒落にならない位のえげつない仕打ちじゃねぇか!?あぁ、分かったよ!
もうクソガキだとか言わねぇから早くしてくれぇぇぇ!!」
ククッ、冗談で言ったつもりだったのに、意外と必死だなぁ(笑)と、そろそろ弄るのは止めにしよう。
ハジメ「……香織、手伝いを頼む。」
香織「うんっ、任せて!――"聖典"!」
詠唱なし。魔法陣なし。魔法名だけで即時発動した回復系最上級魔法。
光り輝く波動が、パーティー会場全体に波紋する。そして、傷ついた者達を瞬く間に治癒していった。
ハジメ「"光あれ"。」
そして、俺がそう唱えて手を翳せば、傷ついていた者達の体から、大量に出血した後がきれいさっぱりなくなり、青白く褪めた顔に、血色が戻っていった。
序でに、面倒だったが失禁の後も消しておいた。
ガハルド「回復まで化け物クラスかよ。……やってられねぇな。」
香織の回復魔法の尋常でない技量と、俺の特殊な技能に、ガハルドが何処か疲れた表情でぼやいた。
みるみるうちに癒えていく体に、ガハルドの部下達も唖然としている。
最上級魔法の即時発動など、一般的な認識では不可能事なのだから当然だろう。
と、その時。
回復しても意識を閉ざしたままの令嬢方や腰を抜かしたままの貴族達を尻目に、戦闘可能な者は即時にガハルドの周囲に固まり、こちらに向けて警戒心丸出しの険しい表情を向けた。
ガハルド「だから、よせっての。殺気なんか叩きつけて反撃くらったらマジで全滅すんぞ。」
部下1「しかし、陛下!奴等は明らかに手引きを!」
部下2「そうです!皇太子殿下まで……放ってはおけません!」
部下3「このままでは帝国の威信は地に落ちますぞ!」
嗜めるガハルドに部下達が次々と言い募る。というか、既に威信もクソもねぇけどな。
ハジメ「別に私は構わん。なんなら各国と協力して貿易封鎖も辞さないぞ?」
『!?』
面倒そうに呟いた私の発言に、ガハルド達は勿論、光輝達までもがビックリした様な表情になった。
そもそも、香織の規格外の回復魔法でその実力の一端を感じ取っていても、身の程を弁えられないのだ。
ならば、実際に圧力をかけてしまえば、嫌でも認めざるを得ないだろう。
基準対象はどうせ、王国でガハルドと模擬戦した時の光輝だろう。
その程度の微妙な分析で"或いは"と考えてしまう辺り、余程の低能差が伺える。
すると、息巻く部下達に対して、ガハルドが嘆息しつつ覇気を叩きつけた。
思わず呻き声を上げてふらつく彼等に、ガハルドは彼等以外の会場にいる者達にも向けて威厳に満ちた声を発した。
ガハルド「ガタガタ騒ぐな!言った筈だぞ、お前等を無駄死にさせるつもりはないと。
いいか、あの白髪の魔王は正真正銘の化け物だ。たった1人で世界1つ滅ぼす位どうって事ない、そういう手合いだ。
……強ぇんだよ。影を踏めないだとか、そういう次元じゃねぇ程にな。
奴に従えとは言わねぇが、力こそ至上と掲げる帝国人なら、実力差に駄々を捏ねる様な無様は晒すな!」
ビリビリと震える様な怒声に、部下達も会場の貴族達もその身を強ばらせる。
ガハルド「それはハウリア族に対しても同じだ。最弱の筈の奴等が力をつけて、帝国の本丸に挑みやがったんだ。
良い様にしてやられたのは、それだけ俺達が弱く間抜けだったってだけの話だろう?
無論、このままで済ますつもりはねぇし、奴等もそうは思っていないだろうが……先ずは認めろ。
俺達は敗けたんだ。敗者は勝者に従う。それが帝国のルールだ!それでもまだ文句があるなら俺に言え!
力で俺を屈服させ、従わせてみろ!奴等がそうした様にな!」
ガハルドの怒声がパーティー会場に木霊する。
腰を抜かしていた者達は視線すら向けられず、ガハルドの周囲の部下達は僅かに逡巡した後、ガハルドの前で頭を垂れた。
自分達が早々にやられた中で、最後まで戦い抜いたのは主の言葉は、主従関係以上に重かったのだろう。
ハジメ「……ふむ、その潔さに免じて猿扱いは止めてやろう。では、これにて一件落着という事で。」
私が満足気にそう言うと、何故かその場の全員が一斉にこちらを睨んできた。
その眼差しは、まるで「お前が言うなっ!この疫病神!」とでも言う様に、言葉以上に雄弁に物語っていた。
ハジメ達に対する敵対心を胸に秘めつつも、無駄死に確定の現実を前に手を出せず歯噛みする帝国の生き残り達が、ガハルドによって纏められ落ち着きを取り戻して少し。
破壊された跳ね橋に梃子摺ったものの何とか沈黙する帝城に乗り込んできた帝国兵達がパーティー会場に到着して再び色々騒動になりつつも、迅速に事態の収拾が図られた。
生き残りの重鎮達が集められ、夜中にも関わらず急遽開かれた緊急会議で誓約を果たす為の段取りが決められる途中、会場にいなかった重鎮の1人が誓約内容を聞いて何を馬鹿なと嗤ったのだが……
その瞬間、会議室の明かりが数瞬消えて、再び明かりが戻った時には反対した男の部下の生首がテーブルに乗っているというホラーが発生。
男は青褪めたままただ頷くしかなかった。他の重鎮達もパーティーの悪夢を思い出しガクブルと震える。
その後の話は実に迅速に纏まった様だ。
各所から被害報告を纏めつつ、亜人に対する法律を急ピッチで作成していく*4中、ガハルドは、実はハウリア族が一般人には手を出していない事を漸く知った。
しかし、誰もいない公共施設が爆破解体されている事実から、何時でも爆破できるという無言のメッセージを受け取った事で、他にもどれだけの施設に爆発物が仕掛けられているのかと、更に頭を抱える事になった。
そして、夜中の内に、爆発騒ぎで叩き起こされていた兵士達によって、個人所有の亜人奴隷達が、先の魔物騒ぎで更地となった場所に急遽立てられた無数の仮設テントへと案内される事になった。
復興に駆り出されていた亜人奴隷達が収容されている建物のすぐ隣だ。
夜中に突然叩き起されたかと思ったら、所有している奴隷を強制的に没収されるのだ。当然、猛反発が起きる。
特に、奴隷商会においては、商会が潰れるのと同義である。
金銭的補償は後からなされる上に、皇帝の勅命であるとはいえ、容易には納得出来ない事だ。
それでも、国からの命令である以上、最後は折れなければならない訳だが……
あの手この手で時間を引き伸ばし、駄々を捏ねて従わない者もそれなりにおり、そういう者は大体、翌朝に生首で見つかる事になった。
そして、約束の1日が過ぎた翌昼過ぎ、帝都中の亜人奴隷が一箇所に集まるという異常事態に何事かと集まる帝都民を前にして、帝国側からの発表がなされた。
曰く、全亜人族の解放と今後の奴隷化の禁止。
簡潔に言えば、そんな皇帝陛下の勅命が、全帝国民を対象に布告されたのだ。
個人所有も、奴隷商も関係ない。一切の例外を許さない強権の発動。
当然、それを聞いた民達には激震が走り、困惑と同時に少なくない反発が起きた。
帝城の前には、突然の事態にどういう事かと問い詰める民で溢れかえった。
それもそうだろう。今まで身近にあって、当然の如く便利な道具扱いしてきたものが一気になくなるというのだから。
しかも今後は、手に入れる事も禁止される。正直、訳が分からないといった様子だった。
その内、文句を叫ぶ輩が出て、それが一気に伝播し猛反発のうねりへとなった。
暴動になるのではと、亜人奴隷達を民衆から守る帝国兵達が冷や汗を流し始めた時、ハジメとガハルドが、帝城のテラスから帝国民達に姿を曝した。
そして、ハジメが圧倒的な圧を以て民衆を黙らせると、ガハルドは微妙に引き攣った表情で叫んだ。
ガハルド「民達よ!此度の命令には、ハイリヒ王国新国王南雲ハジメ殿から重大な発表がある!心して聞いて欲しい!」
真剣な表情で叫ぶガハルドの覇気に、国民達は国の存亡に関する事か!?と身構えた。
そして、ハジメから語られたのは、既に王国で周知されたこの世界の真実。
反逆者と呼ばれた"解放者"達の歴史、エヒトの正体、繰り返されてきた歴史の陰謀、そして自分達が長い間奴隷扱いしてきた亜人族の根源について……。
どれもこれも信じがたいものばかりであった。
特に一番最後に至っては、帝国の在り方を疑わせるものだった。
しかし、ハジメは遠慮なく帝国が兎人族に負けた事を暴露し、ハウリア族を呼びつければ、帝城の屋根に大量のウサミミが出現し、否が応でもそれが真実である事を、帝国民は突き付けられたのであった。
まさか自分達の王がたかが亜人族、それもその中でも最弱の兎人族に敗れた等と、信じ切れる訳がない。
だが、彼等が手に持っていた物――最後までごねた奴隷商人達の首を目にして、その現実を認識せざるを得なかった。
ハジメ「我が国はアンカジやエリセン、そしてフェアベルゲンといった各国と共に、打倒エヒトの同盟を締結した。
無論、帝国にもその同盟に入ってもらう為に、亜人への価値観を改めて貰おうと思っていたのだが……この通りでな。
だが、帝国の民達よ。案ずる事は無い。何故ならこれは……この世界の、本当の主神たる女神の啓示なのだから。」
それだけ言うとハジメは、ガハルドに視線で促した。
ガハルド「その通り!此度の亜人解放は、真なる創世神"ウーア・アルト"様からの神託である!見よ、帝国の民よ!
女神様は、帝国に勇者様と使徒様を遣わされた!」
ガハルドがそう叫んだ途端、空より無数の光が降り注ぎ、そこから銀の翼を広げた
眩く輝き、銀の羽がふわりふわりと天上より落ちてくる。
世界が煌めき、
そこへ、ガハルドの隣に光輝が姿を見せ、聖剣を掲げた。
聖剣はそれに呼応するかの様に、いつもより強く輝き、白く眩しい光を纏ったかと思えば、青空目掛け光の柱を奔らせた。
ガハルド「亜人の解放は、帝国が更に繁栄する為に必要な事だと女神様はおっしゃった!
困惑もあるだろうが案ずるな!奴隷を失った者には帝国より補償がある!
私は、帝国の皇帝として、帝国民の愛国心と信仰心を信じる!」
舞い落ちる女神の使徒の証――銀の羽。
それらを手にした帝都民は、一拍、歓声を上げて使徒と勇者と皇帝陛下を称えた。
補償の程に不安の顔を隠せない者達もいたが、そこは今後のガハルド次第だろう。
ハジメ「まぁ、先ず先ずと言ったところか。この後も頑張れよ、皇帝。」
引き攣った笑顔を浮かべるガハルドに、部屋の中にいたハジメから声がかけられた。
勿論、ユエ達も一緒だ。香織と光輝を神々しく見せる演出要員達でもある。
世界は輝き、神の威光が降り注ぐ。――ハジメ監督の手によって。当然、ガハルドのセリフもハジメの台本だ。
昨夜の内に、軍部や執政部等、帝国の主要機関を担う者達には現状が伝達された。
殆どの重鎮がパーティーに出席していたので、情報の共有は速かった。
奴隷解放の為には、帝国民への命令と奴隷達を集める場所がいる。
帝都以外の町にいる奴隷は後々の対応になるにしても、帝都の奴隷だけは約定通り翌日には解放しなければ物理的に首が飛ぶのだ。
……実は皇族の1人が、「そんな馬鹿な話があるか!俺は首飾りを外すぞ!」と喚き、本当に首飾りを外してしまった結果、突然発狂して暴れまわった挙句、糸が切れた様に絶命したという事実があり、これが彼等を必死にさせている原因の一つだったりする。
故に、自分達の命もかかっているので、帝国上層部の対応は迅速だった。とはいえ、問題はある。
帝国民にどうやって真実を伝えるか、だ。
いきなり、奴隷という財産を没収と言われれば、個人所有はともかく、奴隷商等は路頭に迷う事になる。
それに、暴動が起きないとも限らない上、その過程でもし、奴隷達に傷の1つでもあろうものなら、物理的に首が飛ぶ。
と、そんな感じで頭を抱えるガハルド達に救いを齎したのは、爽やかな笑顔のハジメだった。
ハジメ「これも全部、エヒトルジュエって奴の仕業なんだ☆」
そんな恐ろしい発言をさらりとかまして、ハジメは"この世界の真実の伝達&本当の神様の使徒と選ばれし勇者様降臨!銀の羽あげるから奴隷を解放しようキャンペーン!"というシナリオを、ガハルド達に提示したのである。
帝国民も、まさか思いもしないだろう。
「ありがたや~!」と手にしている銀の羽が、実は使徒様の気持ち1つで全てを分解する最凶の兵器に変わるとは。
尚、先程の香織の回復魔法の波紋は、彼等を心地よくする以外に、心身共に傷ついているだろう亜人奴隷達を纏めて癒す為である。
帝国兵達の手によって次々と回収され、奴隷の首輪を外されていく亜人奴隷達が、今この瞬間もコロシアム跡地の方に見える。
それを横目に、ガハルドはハジメの方へ振り返った。そして、
ガハルド「クソガキなんてもんじゃなかったな……お前は、悪魔だっ!」
ハジメ「……だから、俺は魔王だって。」
テラスで聖剣を掲げたままの光輝を含め、龍太郎達も、それどころかユエ達も強く頷くのだった。
それに対して、天然なのか狙って言ったのかよくわからない返しをするハジメであった。
それから後、帝国兵総出で奴隷解放に当たった為、全ての亜人達から枷が外されるまで、さほど時間はかからなかった。
数千人規模の亜人達は、未だ何が起きているのか理解出来ない、理解出来ても信じられないといった様子だ。
ただ、呆然としたまま帝都の外に先導する光輝に従っている。
帝都の外に出ても、何度も帝都を振り返り、「これは帝国側の新たな遊びか何かでは?」「逃げ出した途端、酷い目に遭うのでは?」と、戦々恐々としている。
そんな亜人達の度肝を抜く事態が発生。
空から、巨大な船が降りてきた。巨大なコンテナが甲板に増設された"ノア・エルーナ"だ。
ポカンッと口を開けて硬直する彼等は、直後、甲板の上で元気に手を振る1人の兎人族の少女を見た。
彼女――シアは、凜と響く声で、亜人達が心の奥で期待していた言葉を叫んだ。
シア「皆さぁ~~~ん!助けに来ましたよぉ!皆でっ、お家にっ、フェアベルゲンにっ、帰りましょう~~~~~!!」
癒やされた傷、背後の帝都、外れた枷、先導する勇者、未知の乗り物、そしてそんな乗り物の上で、迎えに来たという同族の少女。
現実が、あり得ないと諦めたはずの未来が、彼等の心に押し寄せた。一拍。
『――ワァアアアアアアアアアアッ!』
大地を揺るがす程の大歓声が上がった。誰も彼もが涙を流し、隣の者同士抱き合って喜びを露わにしている。
その中には心身共に酷い傷を負っている者達も多くいたが、再生魔法と魂魄魔法によって大抵治っている。
記憶をピンポイントで消すような細かい事を数千人規模で行うことは流石にユエ達は勿論、ハジメですらそう簡単には出来ないので、酷い記憶との折り合い等は周りの家族や友人による長期的なケアが必要だろう。
また、帝都以外の町にもまだまだ奴隷となっている亜人達はおり、彼等に対する治癒までは、残念ながらハジメ達は請け負えない。
ハジメ達にも迷宮攻略に割かねばならないという使命もあり、何時エヒトが仕掛けてきても返り討ちに出来る様に備えておかなければならない。
だから彼等もまた、樹海に帰還した後、周囲の助けを借りて心身を癒していくしかない。
それでも、生きて再び故郷の地を踏める、生き別れた大切な人達と再会出来るという事は……
本当なら"奇跡"と呼ぶに相応しい出来事だ。
ハジメ「家に帰る、か……。」
ブリッジで、ディスプレイ越しにその光景を眺めていたハジメが小さく呟いた。
とても一言では表現できないその表情にあったのは、羨望か、共感か、或いは寂しさか……
なんであれ、それは魔王として過ごした中でも、とても人間味のある表情だった。
そんなハジメの手が、そっと握られた。隣には、ジッと優しげな眼差しで見つめるユエがいる。
膝の上には頑張っているパパを励まそうと、ミュウがヒシッと抱き着いている。
そして、ハジメの背を、香織達が何処か温かい眼差しで見つめていた。
頼もしくも優し気な彼女達の気遣いを感じ取ったのか、ハジメは小さく微笑むと、亜人達を迎える為"ノア・エルーナ"の操縦に集中するのであった。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
後2話程、別サイドのお話を挟んだら、第7章はおしまいです。
もし、ハジメさん以外の別キャラ視点でオリジナル番外長編(web 原作アフターを除く)を作るとしたら、誰を主人公にする?
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ユエ
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シア
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ティオ
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レミア
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ミュウ
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香織
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雫
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トネリコ
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リリアーナ
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愛子
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星野アイ
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幸利
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恵里
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光輝
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浩介
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龍太郎&鈴
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優花
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両親サイド
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良いから本編プリーズ
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その他(活動報告でリクエスト)