Re.ありふれない錬成師で最高最善の魔王、世界最強を超越する 作:天元突破クローズエボルハザード
そして、一番気になる香織の状況は……。
ハジメが反逆者の住処で一服していた時から時間は戻り、勇者一行はハイリヒ王国の王宮に戻って来ていた。
迷宮で死闘と喪失を味わったあの日から既に5日が過ぎ、各々はそれぞれの行動をとっていた。
ある者は心が折れて引き籠り,ある者はリベンジの為鍛錬を続けていた。
迷宮から命からがら生還を果たした一行は、宿場町ホルアドで一泊し、早朝には高速馬車に乗って王国へと戻ると、早速これまでのことについての報告が始まった。
今の状態では、とても迷宮内で実戦訓練を続行できる雰囲気ではなかったし、勇者の同胞が死んだ以上、国王にも教会にも報告は必要だった。
それに厳しくはあるが、こんな所で折れてしまっては困るという騎士団側の意図もあった。
致命的な障害が発生する前に、勇者一行のケアが必要だと判断されたのだ。
そしてハジメの死亡が伝えられた時、王国側の人間は誰も彼もが愕然とした。
メルドの話や宮廷魔法使いの話でハジメの優秀さは聞いていたのだから。
それも高ステータスな上に技能も豊富、魔法も武術も剣術も勇者一行の頂点に位置していたからだ。
また、彼はその才を他者の為に使うのが大半で、手が空いている時には次のようなことまで行っていた。
●魔法適性のある者に魔法上達の手ほどきをした。
●素晴らしい出来栄えの硝子細工を、貴族令嬢らに献上した。
●何処からか工面したのか、侍女たちに化粧品を贈与した。
●孤児院や困窮している下級貴族らに大量の金貨を寄付していた。
●下水道の清掃兼潜んでいた魔物退治、序にコーティングによる錆防止技術の伝授
●庭師、コック、メイド等の業務のちょっとした手伝い、勿論無給
●救護院にて治癒魔法を無償でかけ、たった数時間で全員を完治させた。
●一部の貴族令嬢の恋路を助け、夫婦円満の秘訣について色々と手を貸していた。
●ダイヤモンドで作られたアクセサリーを、一部の貴族に献上。その中にはリリアーナ姫もいたという。
●疫病防止、死亡率・病床使用率低下の為に、"洗剤"なるものの作成過程についての伝授
以上の功績から、彼の死を嘆き悲しむ者も多く、非常に残念がられていた。
しかし、中には嫉妬心からか悪意を持つ者もおり、やれ「錬成師と言う戦えない生産系職業を持っているハジメが落ちたのは仕方ない」だの、やれ「死んだのがただの生産職如きでよかった」だの、やれ「神の使徒でありながら役に立とうともせず、遊び呆けているなど死んで当然」だの、それはもう好き放題に貶していた。
勿論公の場で発言したのではなく、物陰でこそこそと貴族同士の世間話という感じではあるが、それを耳にした勇者たちも流石に黙ってはいられなかった。
真っ先に飛び出した光輝や、ハジメの努力を良く知っている香織達が激しく怒り、自分たちを守り抜いて死んだ人物に鞭打つような行為をした者達に対して抗議した上、勝手に呼び出しておいてその死を悔やまない傲慢さを指摘し、一触即発の状態にまで陥ってしまったのだ。
これを受けて、さしもの国王や教会も悪い印象を持たれては拙いと判断したのか、、罵った人物達に処分を下し、ハジメに対するイメージ改善を図った。
しかし、クラスメイト達は図った様に、あの時の誤爆の話をしない。
自分の魔法は把握していた筈だが、あの時は無数の魔法が嵐の如く吹き荒れており、「万一自分の魔法だったら」と思うと、どうしても話題に出せないのだ。
それは、自分が人殺しである事を示してしまうから。
結果、現実逃避をする様にあれはハジメとベヒモスの死闘による柱の崩壊が原因だと思う様にしている様だ。
死人に口なし。無闇に犯人探しをするより、それだけ戦闘が激しかった事にしておけば誰もが悩まなくて済む。
クラスメイト達の意見は意思の疎通を図る事も無く一致していた。
一方メルドは、あの時の経緯を明らかにする為生徒達に事情聴取をする必要があると考えていた。
生徒達の様に現実逃避して単純な誤爆であるとは考え難かった事もあるし、仮に過失だったのだとしても白黒はっきりさせた上で心理的ケアをした方が生徒達の為になると確信していたからだ。
こういう事は有耶無耶にした方が、後で問題になるものなのである。
何よりメルド自身、自分が敵わなかったとはいえ、相手を任せっきりにしていたハジメを救えなかったことに、心を痛めているのはメルド団長も同様だったからだ。
しかし、メルド団長が行動する事は叶わなかった。イシュタルが、生徒達への詮索を禁止したからだ。
メルド団長は食い下がったが、国王にまで禁じられては堪えるしかなかった。
そんな中、ハジメの死に対して一番衝撃を受けていた香織は――
???「―――♪」
香織「あっ!雫ちゃん、グミちゃんがすり寄ってくれたよ!」
雫「ふふっ、本当に可愛いわね……。」
グミのパッケージの様な形の何かと、戯れていた。
時は更に遡り、オルクス大迷宮からの帰還後――
香織「……ハジメ君。」
奈落に落ちて死亡扱いとなったハジメの荷物を取りに、香織はハジメのいた部屋を訪れた。
昨夜、月夜の下で誓った部屋へ、と。その隣には、香織が心配で付き添いにきた雫がいる。
早朝には出発するので、あまり時間はないものの、香織の気持ちを汲んだメルドが特別に許可してくれたのだ。
雫「香織……気持ちはわかるわ。でも……。」
香織「……うん、わかってる。」
雫の言う通り、いつまでも立ち尽くしているわけにはいかないので、香織は部屋の荷物を纏めようとしていた。
香織「?手紙……?」
と、その時。机の引き出しに入っていた一枚の封筒に、香織の目が留まった。
手に取ってその中身を確認してみると、ハジメの筆跡で書かれていた手紙と、一本の鍵が入っていた。
『私がここに戻らなかったら、王宮にある私の部屋を探してごらん。きっと、君たちの助けになるだろう。
この鍵は、その時まで大事に取っておいてほしい。決してなくしてはいけない。』
香織「!ハジメ君……!」
雫「香織……?」
香織「雫ちゃん、これ!」
雫「?これは……!?」
差し出された手紙の内容を見て、香織の様子に気づいた雫。
その後二人は、他のクラスメイト達にはこの内容は伏せ、自分たちで確かめることにした。
そして王宮への帰還後――
周りに誰もいないことを確認し、怪しまれないように部屋を抜け出した二人は、ハジメの部屋へと向かった。
早速部屋に入ると、鍵のついた引き出しが見つかった。香織は恐る恐る鍵を差し込み、その引き出しを開けた。
すると、その中には――
香織「大きな、袋……?」
雫「!手紙も一緒ね、えっと……。」
パンパンの大袋の上にあった手紙を、二人は読むことにした。
『香織へ
この手紙を読んでいるということは、やはり私の身に何かあったのだろう。
本来であれば、この手紙の内容は他の皆にも伝えたかったが、今後のことを考えて君にだけ伝えることにした。
勿論、君を心配している雫も同席していることだろうが、想定内なので何ら問題はない。
だからどうか、今から話すことは他の皆には勿論、恵里たちにも内密にしてほしい。
――私は、大迷宮について調べようと思っている。大迷宮には、何かが隠されていると思われる。
それも、王国や教会の知らない何かが。もしかしたら、元の世界に帰る手掛かりが見つかるかもしれない。
オルクスでそれを確かめに行くつもりだ。少々寂しい思いをさせてしまうことは、申し訳なく思っている。
とはいえ、香織は待ちきれずに迷宮攻略を進めると思うからね。この中にある物を存分に使ってくれ。
それと、愛ちゃん先生が私のことで落ち込んでいたら、どうか彼女を支えてあげてほしい。
彼女の天職があれば、戦闘に参加できなくなってしまったクラスメイト達の手助けになるかもしれない。
私が生きている可能性を信じている君達の言葉なら、きっと彼女は直ぐに立ち直れるはずだ。
もしかしたら、また連絡できる時が来るかもしれない。その時までどうか、私の部屋はそのままにしてほしい。
健闘と幸運を祈る。ハジメ』
香織「ハジメ君……!」
自分たちの為に行動し続けていたハジメに、香織は思わず胸が暖かくなるのを感じていた。
雫「……そろそろ行きましょうか、誰かが来るかもしれないし。」
自分も同じように感じつつも、いつまでもここにいては怪しまれると思った雫は、香織を促し部屋を後にした。
そして、自分たちの部屋へと戻り、袋の中身を調べることにした。
意外にもずっしりしており、二人がかりで何とか持ってこれた。そして、最初に目についたのは、1枚の紙。
『内容物――
(保存食+水)×5人分×3日間、少量のダイヤモンド、特製毒消し、浄化済み魔物肉の燻製、魔石少量、ホッピングミゴチゾウ一匹、ガヴフォン1台』
香織「水や魔石はわかるけど……ゴチゾウ?」
雫「……浄化した魔物の肉とか、ダイヤモンドとか、色々と気になるけど……先ずはそっちよね。」
と、その時。ゴチゾウは独りでに飛び出し、赤い大口のようなスマホ――ガヴフォンのスロットにセットされた。
ヴォン……
香織「えっ!?何これ!?」
雫「何、かしらね……!?」
すると、画面が浮かび上がり、映像が映し出された。そこには――
ハジメ『やぁ、二人とも。この映像を見ているかい?』
香織「ハジメ君!?」
雫「映像、みたいね……。」
そこに映っていたのは、我らがハジメさんだった。香織は思わず驚き、雫は驚きつつも冷静に映像を見ていた。
ハジメ『このゴチゾウは、私がメッセンジャーとして残したものだ。
もし、こちらに余裕が出来て戻れそうなときは、別のゴチゾウをそちらに送ることにしている。
何か伝えたいことがある時は、そのゴチゾウをカメラとして伝えてくれ。
私も別のゴチゾウで現状について逐一報告するつもりだ。勿論、ゴチゾウについても、皆には内密に頼む。
それでは、また今度。』
ハジメがそう言って手を振り、映像は途切れてしまった。それを見た香織は、新たに決意を胸にする。
香織「雫ちゃん、私、もっと強くなるよ。大切な人たちを、守れるくらいに。
だから、雫ちゃん……私に、力を貸してください。」
雫「香織……勿論よ、納得するまでとことん付き合うわ。そして、こっちから迎えに行きましょう!」
香織「雫ちゃん!」
頼れる親友の胸に香織は抱きつき「ありがとう!」と何度も礼をいう。
「礼なんて不要よ、親友でしょ?」と、どこまでも男前な雫。現代のサムライガールの称号は伊達ではなかった。
はい!というわけで、香織さんはメンタルも回復しました!
この時点で既にハジメ君は迷宮を踏破しているわけでありまして、もう次回の連絡分のアーティファクトの製造にも取り掛かっています。
さて、今回の偉業に関してですが、簡単に説明します。
●魔法適性のある者に魔法上達の手ほどきをした。
→魔法=イメージだと思わせることで、魔法の幅を広がらせた。特に闇属性や光属性。
●素晴らしい出来栄えの硝子細工を、貴族令嬢らに献上した。
→暇つぶしに作ってたら、なんかクリエイター魂が暴走して止まんねぇ状態になった。だからほぼタダで譲った。
●何処からか工面したのか、侍女たちに化粧品を贈与した。
→ダイヤモンド、後カジノで稼いだ金を使った。
●孤児院や困窮している下級貴族らに大量の金貨を寄付していた。
→上と同様、稼いだ金で払った。
●下水道の清掃兼潜んでいた魔物退治、序にコーティングによる錆防止技術の伝授
→下水道掃除=以来の基本だという認識でやってた。後、どぶさらいの円滑化に貢献しようと思ってやった。
●庭師、コック、メイド等の業務のちょっとした手伝い、勿論無給
→王宮の庭が芸術展並みの出来栄えになった、でも出来ればお米や醤油が欲しかった……。
●救護院にて治癒魔法を無償でかけ、たった数時間で全員を完治させた。
→職員さん達は定時で帰り、家庭で思い思いの時間を過ごしたらしい。
●一部の貴族令嬢の恋路を助け、夫婦円満の秘訣について色々と手を貸していた。
→後、モラハラやDVを行う奴等とは全員O☆HA☆NA☆SHI☆した。だからアフターフォローもバッチリ。
●ダイヤモンドで作られたアクセサリーを、一部の貴族に献上。その中にはリリアーナ姫もいたという。
→上の令嬢等にもプレゼントした。後、この時点でリリィとのフラグが立った。
●疫病防止、死亡率・病床使用率低下の為に、"洗剤"なるものの作成過程についての伝授
→予防概念のない国家なんて、流行病が来たら死んでしまいます!なので、頑張って作って教えた。
詳しくは前作同様、閑話で語ることが出来たらいいなぁと思ってます。それでは、また次回。
アンケートその1の結果以外で、追加で登場させてほしいキャラは?
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ボボボーボ・ボーボボ
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五条悟
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ディアボロ(黄金の風)
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銀さん
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ブロリー
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ユウキ(SAO)
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カービィ
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ヨシヒコ
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鬼灯様
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アインズ・ウール・ゴウン
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シャドウ(影の実力者)
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エボルト
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篠ノ之束
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ルフィ(風船で飛んできた)
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エスデス(アカメが斬る)
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フリーレン
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リムル
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サーヴァントの誰か(活動報告で入力)
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東方キャラ(リクは活動報告へ)
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その他(活動報告でリクエスト受付)