Re.ありふれない錬成師で最高最善の魔王、世界最強を超越する   作:天元突破クローズエボルハザード

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クリスマス特別編です。
今回もアンケート結果を反映させておりますので、楽しんで読み進めてください!
尚、前作の様なオリキャラ登場がなかったり、ちょっと短めなのは予めご了承ください。


【聖夜】星を宿した少女

これは、俺がまだ異世界転移する前のお話だ。

生憎時期はクリスマスじゃあないが……折角なので、聞いて行ってほしい。

 


 

ハジメ「うわぁ、めっちゃ雨降ってんじゃん……。」

孤児院のボランティアに必要なものを買いに出かけていた日の事だった。

その日は雨が降って、とっても冷え込みそうな天気だった。

幸いにも大きめの傘を持っていたので、いつもの道をゆっくり通っていた時だった。

 

ハジメ「……ん?あの女の子、元気がないみたいだが……どうしたんだろ?」

ふと、公園の方を見れば、紫がかった黒髪の少女が、悲しげな表情でブランコに座っていた。

しかも、こんな雨の中で傘もささずに。何故だか、俺はその子から目が離せなかった。

今思えば、これもまた仕組まれた縁の一つだったのかも知れない。

そんなことを知る由もない俺は、少女の事が気になって声を掛けてみたのだった。

 


 

???「はぁっ……はぁっ……!」

信じたくなかった。認めたくなかった。お母さんが私を捨てた――それが事実だと思いたくなかった。

きゅっと、胸が締め付けられる感じがした。走った苦しさより、足をくじいた痛みよりも苦しかった。

目の奥から、じんわりと熱い何かがこみ上げてくる。拭っても拭っても次々と涙が溢れ出ていた。

その現実から逃げたくて、雨でべちゃべちゃに濡れた道を、我武者羅に走っていた。

 

気づけば私は、学校の通り道にある公園にいた。

胸の苦しみにも、脇腹の痛みにも気づかないほどに、私は焦っていたのだろう。

いつの間にか降ってきた雨音を遮るように、耳に響く心臓の鼓動が頭に響いて痛かった。

汗がぼたぼたと零れて、前髪が顔に張り付いている。熱くなる体を、冷たい雨が打ち付けていた。

 

そして漸く、自分の息が上がっていることに気づいた。

どうやら胸の苦しみにも、脇腹の痛みにも気づかないほどに、私は焦っていたのだろう。

いつの間にか降ってきた雨音を遮るように、耳に響く心臓の鼓動が頭に響いて痛かった。

 

履いていたスリッパはとっくに脱げていて、裸足のままアスファルトの上に立っていた。

何度も転んだから、手の平も、膝も、腕も擦り傷だらけだ。足の裏も真っ赤になっているだろう。

一歩一歩、歩くたびに頭にまで響くような痛みが、足裏から伝わってくる。

 

???「私……捨てられたんだ。」

ふと口から漏れ出た言葉で漸く実感した――ずっと待っていたのに、お母さんは私を捨てたことを。

きゅっと、胸が締め付けられる感じがした。走った苦しさより、足をくじいた痛みよりも苦しかった。

目の奥から、じんわりと熱い何かがこみ上げてくる。拭っても拭ってもただただ涙があふれ出ていた。

 

濡れたブランコに座って、私は地面の一点ををぼーっと見つめる。……これからどうしよっか。

もう、何もする気力も起きなかった。ぐちゃぐちゃだった頭の中が、真っ暗になった。

もうお母さん以外に家族はいなかったし、お母さんは私を捨てたし、私の居場所はあの養護施設しかない。

でも養護施設にずっとお世話になれるわけじゃないと聞いたことがある。

 

誰からも愛して貰えないままの私は、施設を出れば一人ぼっちになっちゃう。

ただ、愛して貰いたかっただけなのに。ただ、側に居て欲しかっただけなのに。

それは悪いこと、だったのかな?私なんかが望んじゃいけなかったのかな?

私は──いらない子だったのかな。

 

雨は今でも降り続けている。このままだと風邪をひいちゃうかもしれない。

人間って風邪でも悪くなれば死んじゃうこともあるって、どこかで聞いたことがある。

……もう、このまま死んじゃおうかな。あぁ、でもそれだとエースが悲しむかも。

でも、いらない子は消えたほうが迷惑かからないし。お母さんも悲しんでくれるかもしれない。

そう思っていた時、地面がビシャビシャ鳴る音がした。誰かが私に近づいて来るのが分かった。

 

ハジメ「えっと……大丈夫?」

やって来たのは、私より年上の男の人だった。

彼はさしていた傘とは別に、折り畳み式の傘を取り出し、それを開いて渡してきた。

どうすればいいのか分からないけど、取り敢えず受け取っておく。

 

ハジメ「何があったかは聞かないけど……こんなとこにいると、風邪をひいちゃうよ?」

???「……。」

目の前の人はこちらにしゃがんで、優しく聞いてきた。でも、どうしよう。

私にとって、年上の男の人はあまりいい思い出がない。施設に入る前に、お母さんの恋人の男性に私は狙われた。

とても怖かった。今でもたまに夢に出てくる。だから今でも男の人は苦手だ。

でも、この人からは悪い感じはしなさそうだし信じてもみたい、でも怖くて何を話せばいいのか分からない。

 

 

クピィ~……

 

 

???「ッ……!」///

ハジメ「……ちょいと、待ってな。」

その時、朝ごはん前に施設を飛び出したので、お腹から音が鳴った。

すると、それを聞いた男の人は、カバンの中から一枚のパンを取り出し、こちらに渡した。

 

ハジメ「えっと……一応聞くけど、何かアレルギー、じゃなくて、食べられないものとかはないよね?」

???「……お米。」

ハジメ「ゑぇぇっ!?」

私がそう答えると、男の人はとても驚いた表情をしていた。

でも、それが何処かおかしくて、思わず「フッ」と、声が出てしまった。

 

ハジメ「!漸く笑ってくれたか……。」

それでも男の人は怒るどころか、嬉しそうに笑っていた。それを見た私も、何故か温かい気持ちを感じていた。

取り敢えず私は、目の前の差し出されたパンを手に取り、ゆっくりと口に運んだ。

中に入っていたのはお魚とマヨネーズだったみたいだ。でも、家で食べた時よりも、とっても美味しかった。

……お母さんと、一緒に食べたかったなぁ。

 

ポロ……

 

ハジメ「!?」

なんでだろ、どうして私は泣いているのかな。どうして、こんなにも悲しい気持ちなのかな。

わからない、分かりたくない。こんな時、どうしたらいいの?もう、何もわかんないよ。

 

ハジメ「……寂しい、のか?」

???「ッ!」

思わずハッとなってみれば、男の人が心配そうにこちらを見ていた。……そっか、私、寂しいんだ。

 

ハジメ「別に寂しいなら寂しいって言ってもいいんだよ、子供の内は上手く話せないことだってあるし。

自分の気持ちに素直になっても、誰も文句は言わないさ。そうやって失敗しても、成長できるんだから。」

男の人はそういうと、優しそうに私の頭を撫でた。それがなんでか、とっても嬉しく感じた。

 

アイ「お母さんに叩かれて痛かった。」

ハジメ「!それは……。」

アイ「ずっと夜が怖かった。」

ハジメ「……そうか。」

アイ「一人の時が、寂しかった。」

ハジメ「……頑張ったな。」

話している内に、私は止まらなくなっていた。心の奥に溜まっていた、私の気持ちが溢れだした。

 

???「……会いたいよ。」

ハジメ「……。」

???「会いたいよぉっ!おがあざんっ!ねぇ、どうじて!?どうじで私をずてだの!?やだよぉ!

私、もうひどりぼっじだよ!?、おがあざんっ!会いだいよ!?いいごにずるがらぁっ!

わがままいわないがらぁっ!がえっでぎでよぉ!

ハジメ「……。」

アイ「ごめんなざい……ごめんなざい……おがあざん……おがあざんっ……。」

 

雨が降りしきる静寂の中、嗚咽交じりに私は願い続けた。私のせいでもないのに、ただ謝り続けた。

そうすればお母さんが戻ってくると思って。わかっていた、お母さんはもう帰ってこないって。

それでも信じたかった、抱きしめてほしかった、もう一度、家族と暮らしたかったんだって。

 

ハジメ「……スゥ……ハッ!」

すると突然、男の人が上に手を上げだした。何事かと思って、上を見れば……

 

パァァァ……!

 

???「!綺麗……!」

降り出した雨が、虹色の光に変わっていた。その光景は、私の涙を吹き飛ばすには十分だった。

 


 

やっぱり曇天相手にはレインボーだよなぁ!!

なんか、急に泣き出しちまったし、どうしようかと思っていたが、そこは正義のヒーローの集大成の力。

雨のように流れた涙を、虹色の光で一粒の宝石に錬成してみせたぜ!

 

ハジメ「お嬢ちゃん、よく聞いてくれ。この先の人生、生きていれば、辛いことはいっぱいある。

それでも幸せを諦めない限り、人は誰だって幸せを掴むことが出来る。この空の様に、ね。」

そう言って俺が手を空に向けて翳せば、だんだんと雨が止んでいき、雲が晴れて太陽が空に顔を出した

――鮮やかな虹を添えて。

 

???「!凄い凄い……!」

ハジメ「はっはっはっ、それよりもまずお風呂に入ろうか。そのままだと風邪ひいちゃうし。」

というわけで、俺はその少女を連れて、バイト先の店長の所に向かった。

孤児院だと少し遠いし、かといって少女のいた施設の場所も分からない以上、一番近い知り合いの方が良いだろうと判断したのだ。

 

……後、このままずぶ濡れの服で返すわけにもいかなかったので、その辺も何とかしてもらおうと思ったのだ。

それと少女の名前だが、星野アイという名前らしく、如何にもアイドルっぽい名前だった。

まぁ、人の良い店長の事だ。案外、アイのことをプロデュースしたりして。

 

アイ「これが、私……!?」

その予想は正しかったようで、事情を聴いた店長がアイを見るや、張り切ってコーディネートを開始したのだ。

勿論、温かいお風呂に入れた上で、髪もサラサラに乾かし、更には何故かコスメまで使う始末だ。

 

エリザベス「ン~~!さいっこうダッキャブル!!やっぱりヴァターシの見立てに狂いはなかった!!

この子こそ正に、一番星級の逸材よ!!!」

ハジメ「店長、落ち着いて。でも確かに、とっても可愛いな!似合っているぞ!」

アイ「……!」///

 

うん?何やらフラグが立ったような……?

それはともかく、アイの身元引受についてだが、何故か店長が申し出た。

しかも、アイのいた施設の責任者と知り合いだったらしく、「平和的に解決したわ☆」とだけ言っていた。

……あまり深く聞かないことにする、俺だって命が惜しいから。

 


 

アイ「久しぶり、あの時のお兄さん!」

そして何故か、俺のボランティア先の孤児院に住むようになった。どうしてこうなった。

ハジメ「まぁ、元気そうで何よりだよ。」

そう言って頭をなでると、アイは嬉しそうに頭を擦り付けてきた。猫か。

ところで、何故だろうか。後ろの香織から般若を感じるのは……。

 


 

こうして、孤児院に一人の少女が加わったのであった。

だが、この時の俺は、まだ知らなかった。アイが本気で、俺の嫁さんになる覚悟ガンギマリだったことを。

俺が異世界に行っている間、アイがスカウトを受けてアイドルグループに入ったことを。

そして、アイドルになった後も尚、俺に恋をし続けていたことを。




はい、というわけで少女の正体は、アンケートで逆転勝利を修めた星野アイでした!
異世界から帰った後の、彼女との再会も、アフター辺りで描けたらいいなと思っています!
それでは、メリークリスマス!

アンケートその1の結果以外で、追加で登場させてほしいキャラは?

  • ボボボーボ・ボーボボ
  • 五条悟
  • ディアボロ(黄金の風)
  • 銀さん
  • ブロリー
  • ユウキ(SAO)
  • カービィ
  • ヨシヒコ
  • 鬼灯様
  • アインズ・ウール・ゴウン
  • シャドウ(影の実力者)
  • エボルト
  • 篠ノ之束
  • ルフィ(風船で飛んできた)
  • エスデス(アカメが斬る)
  • フリーレン
  • リムル
  • サーヴァントの誰か(活動報告で入力)
  • 東方キャラ(リクは活動報告へ)
  • その他(活動報告でリクエスト受付)
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