Re.ありふれない錬成師で最高最善の魔王、世界最強を超越する   作:天元突破クローズエボルハザード

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今回は事情説明で使い切ります。他ハウリア達の登場は次回をお待ちください。


00:16/彼女は何故狙われたのか

シア「兎に角お願いです!お願いします、私の家族を助けて下さい!」

ハジメ「あ~もうわかったから!分かったからとりあえず落ち着け。そして、事情を説明してくれ。

家族が心配なのはわかるが、事情もわからない状態じゃ対処のしようもないだろ。」

峡谷にシアの叫ぶ様な懇願の言葉が響く。そんな彼女を宥めつつ、事情を聞き出そうと試みる。

 

シア「でも早く行かないと!間に合わなくなるんですっ!

…って言うか、普通私みたいな美少女のお願いなら一も二も無く了承しませんか!?」

それ、自分で言っちゃう?いや、そうじゃなくて。

ハジメ「急がば回れっていうでしょ。焦っているのは分かったから説明はよ。じゃないと余計時間かかるって。」

しかし、彼女はとんでもないことを言い出した。

 

シア「ハッ!もしや殿方同士の恋愛にご興味がアダッ!?」

ハジメ「勝手にモーホー疑惑をかけるんじゃあない。というか、初対面の人に何言ってんのさ。」

勝手にゲイ扱いをしてくる残念なウサギさんにデコピンを喰らわせ、一旦落ち着かせる。

 

いや、確かに雫の妹を名乗る不審者(ソウルシスターズ)がよく俺と光輝のBLを広めようとしてた時期はあったけれども!

事実無根だっての!おかげで暫く香織の機嫌を直すのに時間かかったわ!

その後、話を聞いた雫のおかげで事なきを得たが……ホント勘弁してよそういうの。

 

シア「うぅぅ……い、いきなりデコピンするなんてぇ……こんな幼気な美少女に何てことしやがるですかぁ!」

ユエ「……残念美人ならぬ残念ウサギ。」

シア「んなっ!?」

とはいえ、改めてみれば確かに美少女だ……静かにしていれば、の話だけど。

 

少し青みがかったロングストレートの白髪に、蒼穹の瞳。

眉や睫毛まで白く、肌の白さとも相まって黙っていれば神秘的な容姿とも言えるだろう。

手足もスラリと長く、ウサミミやウサ尻尾がふりふりと揺れる様は何とも愛らしい。

ケモナー達が見れば感動して思わず滂沱の涙を流すに違いない。

 

何より、シアは大変立派なものをお持ち(な巨乳の持ち主)だった。

ボロボロの布切れの様な物を纏っているだけなので殊更強調されてしまっているソレ(凶器)は、固定もされていないのだろう。

彼女が動く度にぶるんぶるんと揺れ激しく自己を主張している。ぷるんぷるんではなくぶるんぶるんだ。

 

確かに、彼女が自分の容姿やスタイルに自信を持っていても何らおかしくはない。

実際、俺もモフモフ娘は好きだ。それも美少女なら尚の事。しかし、俺はどっかの善性妄信勇者とは違う。

か弱い体を装った罠かもしれないからな、警戒するに越したことはない。

とはいえ、何故こうも頑なに訳を話したがらないのだろうか?なんて思っていると、

 

シア「なんですか!そっちの子みたいなぺったんこがいいんですか!?」

 

 

 

―――――ぺったんこがいいんですか!?

―――――ぺったんこがいいんですか!?

―――――ぺったんこがいいんですか!?

 

 

 

……峡谷に残念な兎娘の、命知らずな発言が響き渡った。正直惜しい命だったとは思う。

そんなことを思いながら心の中で合掌する俺。

そして、比較されていた本人(いつの間にかバイクから降りて来ていた)はというと……

体中から魔力が溢れ出していた。

 

アレは不味い……止めようものなら殺されるかもしれない。

因みに、ユエは着痩せするが、それなりにある。断じてライセン大峡谷の如く絶壁ではない。

後、俺はスタイルよりも性格を重視している。断じて胸がある女性のハーレムを形成しているわけではない。

ぷるぷると狼を前にした小動物の様に震えるシアに、囁くようなユエの声がやけに明瞭に響いた。

 

ユエ「お祈りは済んだ?

シア「あ、謝ったら許してくれたりは……?」

ユエ「…………。」スッ(魔力をためて、上級魔法で吹っ飛ばすつもり)

シア「イヤァー!死にたくなぁい!死にたくなぁい!」

ユエ「――"嵐帝"。」

シア「アッ――――!!

 

突如発生した竜巻に巻き上げられ錐揉みしながら天に打ち上げられるシア。

彼女の悲鳴が峡谷に木霊し、きっかり10秒後、ズシャッ!という音と共に直ぐ近くに墜落した。

まるで犬〇家のように頭部を地面に埋もれさせビクンッビクンッと痙攣している……ギャグマンガかな?

 

最初、ありゃあもう助からねぇなって思ってたけど、この感じなら直ぐ復活しそうだし大丈夫か。

……いや、着ているもの?がボロボロ過ぎて、全然大丈夫じゃねぇな。表現的に。

逆さまだから見えちゃダメな部分も丸見えだし……どうしてこうも見た目と相反するほどの残念さなのだろうか。

 

そしてそんな状態にしたユエ(本人)は「というと、いい仕事した!」と言う様に掻いてもいない汗を拭うフリをすると、トコトコとこちらに戻って俺を下からジッと見上げて言った。

 

ユエ「……おっきい方が好き?」

ハジメ「俺、スタイルより内面の方を見るからなぁ……てか、毎回風呂場で押し付けておいて、それ聞く?」

ふわっとした回答と一緒に、遠回しに「目のやり場に困るから、スキンシップをもう少し抑えてくれ。」と言ってみる。

 

ユエ「……………………ん。」

すると、ユエはスっと目を細めたものの一応の納得をしたのか、後席に腰掛けた。

ユエ「……はむっ。」

ハジメ「ふぉぉっ!?」

と思いきや、唐突のかぷちゅー。……まぁ、必要経費だしこれはしゃーない。

 

ズボッ

 

とその時、攣していたシアの両手がガッと地面を掴み、ぷるぷると震えながら懸命に踏ん張り、泥だらけの頭を引き抜きだした。

 

シア「うぅ~、ひどい目に遭いました。こんな場面見えてなかったのに……。」

……彼女の体は超合金か何かで出来ているのか?てか、這いよってくる姿が地味に怖い。

 

ハジメ「取り敢えず……落ち着いたなら、事情を一から説明してくれる?」

シア「!ハ、ハイッ!改めまして。私は兎人族ハウリアの長の娘、シア・ハウリアと言います。実は……。」

語り始めたシアの話を要約するとこうだ。

 

シア達ハウリアと名乗る兎人族達は、【ハルツィナ樹海】にて数百人規模の集落を作りひっそりと暮らしていたらしい。

 

兎人族は聴覚や隠密行動に優れているものの、それ以外の能力値では他種族から見れば貧弱らしく、突出したものが無いので亜人族の中でも格下と見られる傾向が強いらしい。

加えて性格は総じて温厚で争いを嫌い、一つの集落全体を家族として扱う仲間同士の絆が深い種族だ。

そして見事に全員美形で可愛らしく、エルフ同様、帝国にとっては愛玩奴隷としての人気が高い。

 

そんなある日、兎人族の一つ――ハウリア族に普通ではない女の子が生まれた。

兎人族は基本的に濃紺の髪をしているのだが、その子の髪は青みがかった白髪だった。

しかも、亜人族には無い筈の魔力まで有しており、直接魔力を操る術と、とある固有魔法まで使えた。

それはつまり、少女は魔物と同様の力を有しているのだ。それが目の前の少女――シアだったという訳か。

 

当然、一族は大いに困惑した。兎人族としても亜人族としても、有り得ない子が生まれたのだ。

普通なら迫害の対象となる。が、彼女が生まれたのは亜人族一家族の情が深い種族である兎人族だ。

百数十人全員を一つの家族と称する種族の彼等は、女の子を見捨てるという選択肢を持たなかった。

しかし、樹海深部に存在する亜人族の国【フェアベルゲン】に少女の存在がバレれば間違いなく処刑される。

 

亜人族にとって魔物は不倶戴天の敵、存在そのものが忌み嫌われている。

国の規律でも魔物はサーチ→キルと制定されており、魔物を逃がした人物は追放処分を受けるらしい。

また、被差別種族という事もあり、自分達を迫害する人間族や魔人族に対してもいい感情など持っていない。

樹海に侵入した魔力持ちの他種族は、即殲滅が暗黙の了解となっている程だ。

まぁ、これは仕方がないというか……ほぼ、魔人族の馬鹿どもと蛮族皇族の仕業じゃねぇか。

 

そんなわけで、ハウリア族は少女を隠し、16年もの間ひっそりと育ててきた。

だが、先日とうとう彼女の存在がばれてしまった為、ハウリア族はフェアベルゲンから一族ごと樹海を脱出した。

なので、行く宛もない彼等は、一先ず北の山脈地帯を目指し、山の幸で食い繋ぐことにした。

未開地ではあるものの、帝国や奴隷商に捕まり奴隷に堕とされてしまうよりはマシだと考えたらしい。

 

しかし、それを試みるべく樹海を出て直ぐに、運悪く帝国兵に見つかってしまった。

巡回中だったのか訓練だったのかは分からないが、一個中隊規模と出くわしたハウリア族は南に逃げるしかなかった。

女子供を逃がす為男達が追っ手の妨害を試みるが、元々温厚で平和的な兎人族と魔法を使える訓練された帝国兵では比べるまでもない歴然とした戦力差があり、気がつけば半数以上が捕らわれてしまった。

 

全滅を避ける為に必死に逃げ続け、ライセン大峡谷に辿り着いた彼等は、苦肉の策として峡谷へと逃げ込んだ。

流石に、魔法の使えない峡谷までは帝国兵も追って来ないだろうと考え、帝国兵がいなくなるのを待とうとした。

が、奴等も執念深いのか悪質なのか、峡谷の出入り口である階段状に加工された崖の入口に陣取り、兎人族が魔物に襲われ出てくるのを待つ事にしたらしい。

 

おかげで、襲来した魔物から追われることになった上に、回り込んだ魔物のせいで峡谷の奥へと追いやられるわ、運よく魔物から逃げ切ったものの、帝国に捕まるわと散々な目に遭っているそうだ。

 

シア「……気がつけば、60人はいた家族も、今は40人程しかいません。このままでは全滅です。

どうか助けて下さい!」

ハジメ「……ふむ。」

最初の残念な印象とは打って変わって悲痛な表情で懇願するシア。

 

話を一通り聞いた俺はと言うと、性格上「分かった、任せとけ!」と口にしそうになるのを抑え、考え込む。

シアはユエ同様の先祖返りの可能性があるな……それなら、固有魔法が使えるってことも説明がつく。

そういえば、さっき「やっと見つけた」と言っていたな。俺達は初対面のはずなんだが……例の固有魔法か?

ということは、彼女がわざわざ仲間の元を離れて単独行動をしていたのかも気になるな……まさか。

 

ハジメ「ねぇ、シア。その固有魔法って、もしかして予知とかの類?」

試しにそう聞いてみると、シアは驚愕の表情でウサ耳をピコン!と立てると、これはチャンスだと身振り手振りを加えて一生懸命話し出す。

 

シア「は、はい!"未来視"といいまして、仮定した未来が見えます。

もしこれを選択したら、その先どうなるか?みたいな……。後、危険が迫っている時は勝手に見えたりします。まぁ、見えた未来が絶対というわけではないですけど……そ、そうです!私、役に立ちますよ!

"未来視"があれば危険とかも分かりやすいですし!少し前に見たんです!貴方が私達を助けてくれている姿が!

実際、ちゃんと貴方に会えて助けられました!」

成程……過程した未来、か。それも自動発動時は直接・間接に関係なくってのは、第6感のようなものか。

 

どうやら、任意と自動では消費魔力量が違うらしく、任意だと一回で枯渇寸前になる程だが、自働の場合だと3分の1程度になるらしく、シアは元いた場所で俺達がいる方へ行けばどうなるか?という仮定選択をし、結果自分と家族を守る俺の姿が見えてきたから、俺達を探しに来た、というわけか。

にしても、こんな危険な場所で単独行動って……温厚にしては、大した度胸だなぁ。

 

ハジメ「でも、そんなに凄い魔法なら、何でバレたの?

危険を察知できるなら他の奴らにもバレなかったはずだし。」

そう指摘すると、シアは何とも表現し難い表情を見せた。

苦笑いとも強がりとも、或いは酷く悲しんでいるとも取れる、そんな不思議な表情。声音も同様だ。

 

シア「……未来は、一生懸命頑張れば変えられます。少なくとも、私はそう信じています。

でも、頑張りが足りなくて、変えられなかった未来も……。

いつも後になって思うんです、私が本当に変えたいと願った未来が変えられなかった時、もっともっと頑張っていればよかったのにって……。

でも、だからこそ!私は、貴方達との未来を、皆の明日を、諦めたくないんです……!」

ハジメ「……へぇ。」

自分の望む未来のために足搔く、か……いいねぇ、そういう考え嫌いじゃないよ。

 

俺自身、未来予知も持ってはいるが、目の前の少女の様に非力ではない。

だからこそ、未来を変える為にとれる行動は複数ある。しかし、彼女はどうだろうか。

 

希望に満ちた未来であれば、迎える夜と明ける朝を指折り数えて心躍らせていればいい。

だが、見えた未来が悲劇なら?刻一刻と迫るタイムリミットに、心は悲鳴を上げずにいられるだろうか?

そんな悲鳴を今も上げているのかもしれない。今までも幾度となく上げてきたのかもしれない。

目の前のウサミミ少女は。

 

実際、一族は樹海を追われ。多くの家族が傷つき、倒れ、捕われた。

死に物狂いで助力を懇願する姿は、文字通り"一生懸命"なのだろう。

シア・ハウリアは、一族の命運を賭けて俺達という未来を掴もうとしている。

流石にここまで覚悟を見せられたら……なぁ?

 

ハジメ「ユエ、君はどう思う?」

ユエ「……連れて行った方がいいと思う。」

ハジメ「そう……じゃあ決まりだな。」

シア「!?最初から貴女の事、良い人だと思ってました!ペッタンコって言ってゴメンなッあふんっ!」

 

興奮して目をキラキラさせて調子のいい事と、余計な事も言ったシアは、ユエにビンタを食らって頬を抑えながら崩れ落ちた。

さっきまでのシリアスを返してほしい。めそっとしながら頬を押さえるシアを尻目に、ユエは理由を告げる。

 

ユエ「……樹海の案内に丁度いい。」

あぁ、そっちか。いや、確かにそれも理由の一つだけれども。

確かに【ハルツィナ樹海】は充満する濃霧のせいで、亜人族以外は必ず迷子になるらしいし……。

まぁ、霧を全部吹っ飛ばせば良いって思ってたけど、案内役がいた方が手間が少なくて済みそうだ。

それに、解放者の説明からして、亜人族との交流は必要不可欠だと思われるしな。

 

ハジメ「じゃあ、そういうわけだから、案内宜しく。」

シア「あ、ありがとうございます!うぅ~、よがっだよぉ~ほんどによがったよぉ~!」

望んだ未来への分岐点を無事に進む事が出来たと確信したシアは、飛び上がらんばかりに喜びを露わにし、ぐしぐしと嬉し泣きする。

しかし、仲間の為にもグズグズしていられないと直ぐに立ち上がる。

 

シア「それで、皆さんのことは何と呼べば……」

ハジメ「あ~……そういえば、名乗ってなかったな。我が名はハジメ、最高最善の魔王となる男だ。」

ユエ「……私はユエ。魔王の妻になる女。」

シア「ハジメさんと、ユエちゃんですね。」

ユエちゃんて……いや、確かに女の子だし可愛いけれども。意外と図太いのか?

 

ユエ「……さんを付けろ、残念ウサギ。」

シア「ふぇ!?」

ハジメ「あぁ、言っておくけどユエは吸血鬼族だから。俺や君よりも長生きだよ。」

シア「えぇぇっ!?ごっ、ごめんなさい~!」

突然の命令口調に戸惑うものの、ユエが吸血鬼族で遥に年上だと知ると、シアは土下座する勢いで謝罪した。

……ユエ、さっきからシアの胸ばっか睨んでない?いや、気のせいなら別にいいけどさ。

 

ハジメ「となると、ちょっとマシンを変えるか。」

そう言って一旦ブロンを解除し、ライドストライカーをしまうと、今度は宝物庫から魔力駆動二輪"シュタイフ"を呼び出す。

すると、ブロンがシュタイフに合体した。名付けて、"ブロン・シュタイファー"だ。

何で変えたのかって?単純な話、こっちの方が座席が広めだからだ。

 

ハジメ「二人とも早く乗って。」

そう言ってシュタイファーに跨り、二人を促す。ユエは慣れた様子で、俺の後ろに跨った。

が、シアは少し戸惑っている様だ。まぁ、無理もないか。この世界にバイクなんて乗り物はないし。

とはいえ、何らかの乗り物である事は分かったようで、シアは恐る恐るユエの後ろに跨った。

すると、シートの柔らかさに驚きつつ、シアは前方に座るユエに捕まった。

 

ユエ「ッ!」ビクッ

結果、そのたわわな凶器が押し付けられるわけで、ユエはその感触に驚いて、器用に俺の前に潜り込んだ。

まぁ、ユエは小柄だからすっぽり入りますけど……そんなに驚くものなのか。

なんか猫っぽい反応だなぁ。なんて思いつつ、苦い表情で俺に体重を預けるユエに、苦笑いする俺であった。

 

一方、当のシアはというと「え?何で?」と何も分かっていない様子だった。

が、いそいそと前方にズレると俺の腰、にィ!?

 

たゆんっ

 

……思ってた以上でした。そりゃユエも驚くわな。とはいえ、流石にこのままではいけないので運転に集中する。

そんな俺達の微妙な内心には微塵も気づかずに、シアが肩越しに疑問をぶつけてきた。

 

 

シア「あ、あの。助けてもらうのに必死で、つい流してしまったのですが……この乗り物?

何なのでしょう?それにハジメさんもユエさんも魔法使いましたよね?ここでは使えない筈なのに……」

ハジメ「HAHAHA!常識とは常に塗り替えるものさ。まぁ、それは道中で話そう。だから、口しっかり閉めてね。」

そういって、俺はシュタイファーを一気に加速させて発進した。

悪路をものともせず爆走する乗り物に、シアが肩越しに「きゃぁああ~!」と悲鳴を上げた。

 

シア「ヒャッハー!です!」

地面も壁も、流れる様に後ろへ飛んでいく。

谷底では有り得ない速度に目を瞑ってギュッとしがみついていたシアも、暫くして慣れてきたのか、次第に興奮して来たようだ。

カーブを曲がったり、大きめの岩を破壊する度にきゃっきゃっと騒いでいる。

 

なのでそろそろ頃合いかと思い、魔力駆動二輪の事やユエが魔法を使える理由、俺の武器がアーティファクトの様な物だと簡潔に説明した。

すると、シアは目を見開いて驚愕を表にした。

 

シア「え、それじゃあ、お二人とも魔力を直接操れたり、固有魔法が使えると……。」

ハジメ「あぁ、その代わり人間は辞めたけどね。」

ユエ「……ん。」

暫く呆然としていたシアだったが、突然何かを堪える様に俺の肩に顔を埋め、何故か泣きべそをかき始めた。

 

ハジメ「……いきなりどうしたの?騒いだり落ち込んだり泣きだしたり……谷底で、変なもの拾い食いした?」

ユエ「……手遅れ?」

シア「手遅れって何ですか、手遅れって!私は至って正常ですぅ!

……ただ、一人じゃなかったんだな、と思ったら……何だか嬉しくなってしまって……。」

ハジメ・ユエ「「……。」」

……どうやら、魔物と同じ性質や能力を持つ自分が、この世界では普通でないという事に孤独を感じていた様だ。

 

家族だと言っても16年間も危険を背負ってくれた一族、シア一人の為に故郷である樹海までも捨てて共にいてくれる家族に囲まれていた以上、きっと多くの愛情を感じていた筈だ。

だからこそ、他とは違う自分に余計孤独を感じていたのかもしれない。

 

シアの言葉に、ユエは思うところがあるのか考え込む様に押し黙ってしまった。

いつもの無表情がより色を失っている様に見える。多分、自分とシアの境遇を重ねているんだろうな。

共に、魔力の直接操作や固有魔法という異質な力を持ち、その時代において同類というべき存在は持たなかった。

 

違いがあるとすれば、アレの介入があったことくらいだろう。

アレの介入さえなければ、ユエは今頃女王として君臨し、愛する人々に囲まれて幸せに暮らせていただろう。

そんなありふれた幸せを奪ったアレだけは、ヘルライズすら生温い(なまぬるい)天罰を下してくれよう。

なんて、黒い思いをそっとしまいつつ、俺はユエを気遣うように頭をそっと撫でた。

 

すると、自分を慰めようという不器用ながらも心の籠った気遣いの気持ちが伝わったのか、ユエは無意識に入っていた体の力を抜いて、より一層こちらに背を預けた。

ゴロゴロと喉を鳴らしながら主人に甘える猫の様に。どうしよう、すっごく撫でたい……!

 

シア「あの~、私の事忘れてませんか?

ここは『大変だったね。もう一人じゃないよ。傍にいてあげるから』とか言って慰めるところでは?」

……いや、だからそれ、自分で言ったら意味なくね?」

 

シア「私、コロっと堕ちゃいますよ?チョロインですよ?

なのに、折角のチャンスをスルーして、何でいきなり二人の世界を作っているんですか!寂しいです!

私も仲間に入れて下さい!大体、お二人は……。」

ユエ「黙れ残念ウサギ。」

シア「……はい……ぐすっ……。」

……や~れやれだぜ。

 

まぁ、泣いている女の子を放置して二人の世界を作るのも流石に酷すぎるか。その上、逆ギレと罵倒はキツイ。

ただ、シアは相当打たれ強いのか、それでもめげずに話しかけ続けている。

多分、内心では「せっかく見つけたお仲間です。逃しませんからねぇ~!」と新たな目標に向けて闘志を燃やしているのだろう。

と、そんなこんなでシアが騒いでユエに怒鳴られるという事を繰り返していると、遠くで魔物の咆哮が聞こえた。

どうやら相当な数の魔物が騒いでいる様だ。

 

シア「ッ!ハジメさん!もう直ぐ皆がいる場所です!あの魔物の声……ち、近いです!父様達がいる場所に近いです!」

ハジメ「分かった分かったから!一気に飛ばすから、しっかり掴まってて!」

魔力を更に注ぎ、シュタイファーを一気に加速させた。壁や地面が物凄い勢いで後ろへ流れていく。

多大な魔力供給によりシュタイファーが紅と黄金の燐光を放ちながら走る事20秒。

ドリフトしながら最後の大岩を迂回した先には、今正に襲われようとしている数十人の兎人族達がいた。

見た感じ、空を迂回している魔物に狙われているようだ。




原作通りのシュタイフを、折角なのでアレンジしてみました♪
マテリアル生成は出来ればライセンクリア後にある条件を満たしてからやりたいですねぇ……。

アンケートその1の結果以外で、追加で登場させてほしいキャラは?

  • ボボボーボ・ボーボボ
  • 五条悟
  • ディアボロ(黄金の風)
  • 銀さん
  • ブロリー
  • ユウキ(SAO)
  • カービィ
  • ヨシヒコ
  • 鬼灯様
  • アインズ・ウール・ゴウン
  • シャドウ(影の実力者)
  • エボルト
  • 篠ノ之束
  • ルフィ(風船で飛んできた)
  • エスデス(アカメが斬る)
  • フリーレン
  • リムル
  • サーヴァントの誰か(活動報告で入力)
  • 東方キャラ(リクは活動報告へ)
  • その他(活動報告でリクエスト受付)
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