Re.ありふれない錬成師で最高最善の魔王、世界最強を超越する   作:天元突破クローズエボルハザード

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マイルドにと言ったな……あれは嘘だ。それはさておき、いよいよ特訓開始です!
タイトルから分かる通り、ワイルドに行きます。後、今回他種族の出演はありません。展開の事情で。


00:21/「V」orpal Bunnies

ハジメ「さぁ、特訓を始めようか。」

大樹近くの拠点についてからの第一声は、特訓開始の合図だった。

それを聞いたハウリア達は未だにポカーンとしている

シア「え、えっと……ハジメさん。特訓というのは……?」

が、それを聞いてもただポカーンと困惑しているハウリア達。そんな彼等を代表して、シアが尋ねる。

いや、流石にこれは分かってほしいんだけどなぁ……。

 

ハジメ「そのままの意味だよ。

どうせ暫くこっちに滞在するんだし、時間を有効活用して色々やっておこうか、って訳さ。

少なくとも、俺無しでも他の獣人は勿論、帝国の蛮族風情一方的に蹂躙できるレベルにはなってもらう。

言っておくが拒否権はない、というかそれ以外にお前達が生き残る選択肢はない。何故か、分かるか?」

シア「え、えぇ~っと……?」

……ここまで残念なウサギさんだったとは。

 

ハジメ「良いか、俺との契約は大樹の下に着くまでのはずだ。

その後の自分達の境遇について、お前等何も考えてないのか?

フェアベルゲンにはもう帰れない、その上自分達以外は同胞だった亜人どころか、魔人も人間も魔物も全員敵。

どいつもこいつも容赦なく襲い掛かってくる中で、貧弱モヤシなお前等じゃあ瞬殺される。

悪意や害意から逃げたり隠れたりするしかできない今のままじゃ、全滅する日を待つだけになるんだぞ?」

ハウリア『……。』

その正論に何も言い返せず、ハウリア達は皆一様に暗い表情で俯く。だが、俺の話はまだ終わらない。

 

ハジメ「だからこそ、今ここで強くならねぇと折角拾った命どころか、散っていった他のハウリア達も無駄死にになるんだぞ。

お前等、本当にそれでいいんだな?弱いままだから淘汰され、奪われ続ける。本当にそれだけの一生で良いのか?」

すると、あちらこちらからポツリと誰かか零した言葉が響いた。

 

「そんなの……言い訳が無い……!」

「そうだ……ただ奪われて終わるなんて、そんな惨めな生き方は嫌だ……!」

「もう苦しい思いをするのは……沢山だ……!」

「自由が欲しい……自分たちの生き方を決める自由が……!」

それらの言葉に触発された様にハウリア族が顔を上げ始める。特にシアは、既に決然とした表情だ。

 

ハジメ「あぁ、その通りだ!生命は生まれながらにして、戦う権利がある!自由を求める権利がある!

それを脅かし奪おうとする輩がいるのであれば、答えは一つ!逆に相手のものを全部奪い取れ!

その位の心意気で、返り討ちにしてしまえ!自分達が強者となって、あらゆる障害を蹂躙しつくせ!

自らの手で、明日をつかみ取ればいい!その為に今こそ、心の火を燃やし尽くし立ち上がれ!」

思わず熱くなり始める。だが何だろうな、この高揚感は……!

 

カム「……ですが、私達は兎人族です。

虎人族や熊人族のような強靭な肉体も、翼人族や土人族のように特殊な技能も持っていません……。

とても、その様な……。」

しかし、彼等の脳内にはまだ、兎人族は弱いという常識がこびりついているようだ。

自分達は弱い、戦う事など出来ない。どんなに足掻いてもハジメの言う様に強くなど成れるものか、と。

 

ハジメ「強靭な肉体や特殊な技能さえあれば、相手よりも優位に立てるのか?」

カム「……へ?」

ハジメ「生まれながらに持っている力もない自分達じゃ、誰にも勝てない。

そう思っているのかって聞いてんだろ?」

その言葉に押し黙るカム。えぇい、うじうじしおって!

 

ハジメ「良いか、そういう奴に限って自分より弱者に対しては驕り高ぶっている。要は隙だらけなんだよ。

そういう奴はいざという時に、弱者に牙を突き付けられて死ぬことが多い。

ま、もっと強い奴に蹂躙されるという場合もあるが、それはそれ。だが、お前達は違う。

元から蹂躙される立場にあったお前達に、そんな慢心はない。だからこそ、状況判断力は他の奴等よりも高い。」

ハウリア『!』

おっ、少しは希望を見いだせてきたか?ならば更にもう一押し。

 

ハジメ「その証拠に、お前達は今まで生き残ってきた。

そこには運も含まれているのだろうが、決してそれだけではない。

お前達には、天性の聴覚と隠形が備わっている。それもあってお前達は、今日まで生き残ることが出来た。

ならばそこに自信と力が加わった時、どうなると思う?」

シア「強くなれる、ということでしょうか……?」

ハジメ「大体はあっているな。だが、ただ強くなれるだけじゃない。」

そう、この樹海において最も厄介であろう獣人とはだれなのかって?そりゃ簡単な答えさ。

 

ハジメ「深い霧の中から的確に相手の位置だけを見抜き、その命を刈り取る最強の暗殺者の出来上がりだ。

罠、ハッタリ、奇襲による連携を極めたヒット&アウェイ、そしてそれらを扱う覚悟と自信。

それさえあれば、この樹海はお前達の独壇場となる。

この濃霧の中、何処からともなく現れる刃によって首を刎ねられた仲間を見た時、敵はどう思う?

恐怖でまともな思考が出来なくなって、更に相手はお前達を認識できずに殺られる。

――そんな凄いお前達に、なってみたくはないか?」

まるで悪魔の誘惑の様に、手を差し伸べて言う。

すると、黙り込み顔を見合わせるハウリア達を尻目に、先程からずっと決然とした表情を浮かべていたシアが立ち上がった。

 

シア「やります。私に戦い方を教えてください!もう、弱いままは嫌です!」

樹海の全てに響けと言わんばかりの叫び。これ以上ない程思いを込めた宣言だった。

自身が原因である以上、責任感を感じていたのだろう。本来であれば、彼女に付きっきりで行きたい。

しかし、流石にユエ一人に残りを任せるわけにはいかないので、ここは逆パターンで行こう。

 

ハジメ「ほぅ、早速一番槍を上げるか!ではユエ、シアの修業を任せる。

合格基準に関してはユエに委ねるから。」

ユエ「……ん、任せるが宜し。」

 

おぉ、ユエもなんかやる気満々だ。

と、シアに触発されたのか、他のハウリア達も次第にその表情を決然としたものに変えていった。

結果、一人、また一人と老若男女問わず立ち上がっていく。

そうして全てのハウリア族が立ち上がったのを確認すると、カムが代表して一歩前へ進み出た。

 

カム「ハジメ殿……宜しく頼みます。」

少しの言葉ではあったが、そこには確かな意思――襲い来る理不尽と戦う意志がが宿っていた。

 

ハジメ「いいだろう、だがそれ相応の覚悟はしておけよ?生半可な覚悟で、強くなれることとは思わないことだ。

あくまでお前達自身の意志で強くなる、という事を忘れるな。俺はただ強くなる術を教えるだけだ。

だから、死に物狂いでやって見せろ。でなけりゃ、骸となって犬死にするだけだ。

その上で最初に言っておく。一人でも弱音を吐いた時点で即終了するからな?」

俺の言葉にカム達は全員、覚悟を宿した表情で頷いた。こうして俺は、ハウリア一同を鍛えるのであった。

 


 

ハジメ「じゃあ、早速これを解体してもらおっか。」

先ずは殺しに慣れさせる為に、以前片手間に倒していった樹海の魔物の遺体をバラしてもらう。

これくらいはまだまだ入り口だ。死体をバラす位子供でもできるだろうし。

 

カム「な、なぜそのようなことを!?」

ハジメ「何故?何故だと?決まってる。最初の目標は、お前達の軟弱な心を鍛え直すことだからだ。

そもそもこの程度、入門前の課題に過ぎん。文句があるなら止めても構わん。さっさとどちらか選べ。」

しかし、ハウリア達は未だに尻込みしているようなので、突き放すように選択を迫る。

それでも尚、「そうは言っても……」とか「だっていくら魔物でも可哀想で……」とか、甘ったれたことをごちゃごちゃ口にしている。

 

ハジメ「……もういい、訓練はこれで終了だ。後は好きにしろ。」

ハウリア『えっ!?』

なので、「やってられるか!」と言わんばかりに、俺はハウリア達に背を向け、ユエのいるであろう方へと歩き出した。

 

カム「お待ちを!終了とはどういう……!?」

ハジメ「最初に言ったはずだ、一人でも弱音を吐いた時点で即終了だと。

この程度の前座で値を上げる位なら、お前達の強くなりたいという覚悟もその程度だったってわけ。わかる?」

カム「しっ、しかし……!」

そして更に視点と解釈の変更を促す。

 

ハジメ「そもそも、キノコだの木の実だの植物からの恵みも、植物から次代の命を奪っているに過ぎん。

家畜の肉を食うのとさほど大して変わらん。」

カム「!?それは……。」

ハジメ「本当に他の生き物を慈しむのであれば、ただそこに突っ立ったまま霞か雨水だけで生きてみせると良い。

そんな馬鹿気たこと、お前等は出来るのか?えぇ?

出来もしない理想論を語るなど、ただ現実から逃げているだけだろうが!

生きる為に、他の命を食らうことの何が悪い!?命を頂き、口にしたからこそ、生き延びる責任がある!違うか!?」

ハウリア『ッ!』

責任から逃げるな、口には出さなかったものの鈍感なハウリア達も漸く気付いたようだ。だが、まだだ。

 

ハジメ「……ま、どうせ訓練は終了したしな。

さっさとシアを見捨てて、雲隠れしていれば、こんなことにはならなかっただろうに。」

カム「ッ!ハジメ殿、いくら何でも口が過ぎますぞ!私達がシアと共に樹海を出たことをお忘れか!?」

ポツリと零れたその言葉に、カムは拳を固く握りしめて反論する。……ふむ、後は火薬をぶち込むだけだな。

 

ハジメ「あ゛ぁ゛?知るかよ、んなこと。言っておくが、俺もユエもアイツを連れて行くつもりはない。

けれどあいつには帰る場所はもうないし、お前等一族は俺達がいなくなれば全員処刑の身。

だからお前等に迷惑が掛からないよう、あいつは一人で勝手に出て行く、ただそれだけだろ?

俺はただ真実を言っただけだ。お前等はそんなシアに勝手について来て、ただ傷を増やしただけの弱者だ。」

カム「ッ、シアのせいではない!ただ生まれてきたことが罪だとでも言う気か!?」

思わず熱くなるカムに釣られるように、他のハウリア達も歯を食いしばり、こちらを睨み始める。

 

ハジメ「だーかーらーさぁ!そんなシア一人守り切れない、よっわぁーいお前等がぁ、ぜぇーんぶ悪いんだろ?

だったら弱っちいおツブはおツブらしく、ひっそり生きていればいい。化け物扱いのシアの事を忘れて、な。

簡単なことじゃないか。強者に屈して、怒るという感情すら忘れたお前等でもそれぐらいなら出来るだろ?」

カム「……黙れ。」

既に弱弱しい表情は消え、その顔は憤怒で歪んでいる。目の色にも強い光が宿り、炎のような輝きを放っている。

あと一押し、その為に最大限の煽りをぶち込む。

 

ハジメ「ま、その程度にしてはよく頑張ったと褒めてやろう。だから素直に喜べばいいだろ?

厄介者のシアが『自分は家族に迷惑をかけているようなものだから、見捨てられてもかまわない』って思い詰めて、自分から出て行ってくれるんだしな!

さぁ、諸手を挙げて喜ぶがい――」

カム「黙れと言ったぞォオオオオオオッ!!」

 

俺の言葉を遮るように、カムが血走った目で突進し、初めて自ら攻撃した。

よたよたした動きの無様な突撃だったが、俺は避けることも反撃することもしなかった。

胸ぐらを掴んでくるカムを、冷徹な目でただただ見下ろしていた。

 

カム「馬鹿にするな!シアは私の子だ!私達の家族だ!大切な大切な家族だ!忘れることなどできるものか!

一人になどするものかぁああああっ!」

弱々しい拳が俺の頬に当たる。

だが、その弱い拳に反してカムの瞳は気炎に満ち満ちていて、何かが変わったのがよく分かった。

それを見た俺は、無言で空中に手を翳し、とある場面を映し出した。そこには――

 

 

 

 

 

焼け野原になったフェアベルゲンの集落

そこには、涙を流しながら両親を探す子供や、瓦礫の下敷きになって動けなくなっている老人、体が火だるまになりながら悶えている者もいれば、その身を蹂躙されつくされている者もいた

兎人族は勿論、他の種族も例外ではなく、あっという間に蹂躙されていく

男と老人は殆ど殺され死体か労働力に、女子供は捕らえられ愛玩奴隷にと、凄惨な最期を迎えようとしていた

その光景を見て下卑た笑いを浮かべるのは、帝国の蛮族共だった

 

 

 

 

 

 

 

「なッ!?」

「これは……。」

「なんてひどい……。」

「こんなの、嘘でしょ……?」

「なんで……なんで帝国兵が来ているの!?」

そのIFの未来を目にしたハウリア達は、あまりの恐怖に震えだし、中には絶望的な未来に諦めかける者までいた。

 

ハジメ「これがさっきまでのお前等、そしてフェアベルゲンの亜人達に残されていた未来だ。

お前等、これを見ても本当にこのままでいいのか?まだ命を大切になどとほざく余裕があるのか!?あぁ!?

それとも皆仲良く、魔物の腹の中で一生を終えるか!?一瞬で苦しみが終わるから、そっちの方がいいか!?」

ハウリア達にどうなんだと問いかける。すると、

 

「そんなの……いい訳がない!」

ハジメ「……ほぅ。」

一人の兎人族の少年が声を上げた。それを皮切りに、他のハウリア達からも声が上がった。

 

「このままでなんて、終われない!」

「せっかく生き残ったんだ!こんなところで死んでたまるか!」

「魔物に何時喰われるか、怯え続けているなんて……そんなの嫌だ!」

「帝国兵に捕まるのだって嫌!あんな真似、されたくない!」

「ただ殺されるのを待つなんて、もう沢山だ!」

「私達の道は、私達が決める!あんな奴らに好きにされてたまるものですか!」

次々にハウリア達は立ち上がっていく。どうやら、シアの諦めの悪さは兎人族に元々備わっているもののようだ。

 

ハジメ「……ならばどうする?今のお前達はどうありたい?」

俺に問われたハウリア達は顔を上げる。その表情には、先程までの怯えや躊躇など一切なかった。

 

「………強く、なりたい……!」

「帝国兵も……!いや、帝国兵だけじゃない!他の襲い掛かってくる奴等にも、負けたくない……!」

「皆を守れて、戦えるように……!」

「「「「「「強くなりたい!!!」」」」」」

ふぅ、やれやれだぜ……これでやっと、訓練を始められるな。

 

ハジメ「それで?結局どうするんだ?

別に俺としてはもう訓練は終わったわけだし、続けたきゃ土下座位すれば考え直してやらんでもないが。」

俺がそう言うと、ハウリア達は顔を顰める。が、互いに顔を合わせると、全員で土下座してきた。

 

ハウリア『……お願いっ、します……!訓練をっ、続けてください……!』

彼等の声は震えていた。恐怖ではなく、屈辱に対する怒りで。

その証拠に、彼等は言い終わると勢い良く立ち上がったかと思えば、カムが勢い良く叫んだ。

 

カム「立て、お前達!このガキに教えてやれ!兎人族は絶対に家族を見捨てないのだと!

こんな訓練くらいなんでもないと!帝国兵だろうが魔物だろうが、何悪蹴散らして見せるぞと、知らしめてやれ!」

他のハウリアも老若男女関係なく、瞳に気概と怒りを宿して立ち上がっていく。

 

カム「シアに、私達の家族にっ、縁を切らせるなぁっ!!」

『『『『『オォオオーーーーッ!!』』』』』

樹海に、初めて兎人族の雄叫びが響き渡った瞬間だった。

 

ハジメ「……良かろう、それだけの威勢なんだ。この先がどれだけ過酷だろうと、もう二度と弱音は許さんぞ。」

カム「上等だ!地獄でもなんでも持ってこい!

全て乗り越えて、二度とふざけたことが言えないようにしてやるっ!」

ハッ、中々に吠えるじゃねぇか!これは良い成長が見込めるなぁ!

 

ハジメ「良いだろう!ようこそ、地獄へ!ならさっさと、目の前の魔物をバラシて見せろ!」

『『『『『望むところだ!!』』』』』

一斉に魔物の死体を引っ掴み、次々に死体を千切っては臓物を投げ捨てていくハウリア達。

その様子を見て、心の中でほくそ笑む――計画どぉりッ!!と。

 

こうして、ハウリア達は自ら修羅道に飛び込み、打倒魔王を胸に掲げ特訓に臨むのであった。

そんな彼等に錬成の練習にと作ったナイフと小太刀を配布して、先ずは魔物との戦闘経験を積ませることにした俺であった。

尚、流石に言い過ぎたので、訓練後にそれぞれの専用武器を送ることにしたのは秘密だ。

 

勿論俺自身、武術を嗜んでいた時期もある上に、道場を出た後では自主練で漫画やアニメ、ゲームの技を実際に再現してみようと何度も試行錯誤した時期もある。

が、その原理全てを完全に理解しているわけではない。

なので、彼等に叩き込めるのは、それらの技術と俺自身の経験に基づいた戦法を組み合わせた我流殺法だ。

 

カム「バラシ終わったぞぉ!」

っと、今後の計画を立てている間に、既にハウリア達は殺しへの忌諱感を捨て去ったようだ。

じゃあ、次は魔物の急所を効率よく狙う方法を教えておくか。こうして、1日目は過ぎていった。

 


 

2,3日目

 

ハジメ「おい、どうした!ちゃんと相手の動きを見て、動作から隙を伺え!」

今日は実際に魔物を狩る訓練、最初は全員で1体を仕留められれば上々だったが、今現在数人でチームを組んでは、1チームごとに魔物を狩っては戦果を上げている。

後、弓矢を使いたいという者も現れたので、簡素だが作ってやった。

矢じりは木や石で作ったものだが、先は尖っているので十分に威力はある。

すると、更に短い時間で魔物を倒していたので、少々予定を繰り上げようと思う。

 

4~6日目

 

ハジメ「俺の動きを分析しろ!敵の癖を見極めてその隙をつけ!」

ハジメ「知恵を絞れ!毒花や痺れ粉の知識はあるんだろう!?なぜ使わない!?

ハジメ「手段を選ぶな!罠を張れ!連携して誘導しろ!敢えて油断したふりをして誘い出せ!」

ハジメ「ここはどこだ!?お前達のテリトリーじゃないのか!?もっと広く場を使え!」

今日からは鬼ごっこだ。勿論、俺が鬼でハウリア達が逃げる側だ。

本当は位置は全員把握しているが、敢えて索敵の度合いを調整しつつ、助言を与えて知識を身に着けさせる。

 

死に物狂いで食らいついていくハウリア達。

最弱にもかかわらず樹海で命を繋いでくれた才覚――

気配操作が凄まじい勢いで熟練度を増していき、情の強さがもたらす連係力がウサミミの聴力と合わさって一段も二段もレベルを上げていく。

 

ハジメ「カム!今のは良い指示だ!惑わされたぞ!」

カム「えっ、あ、ありがとうございます?」

ハジメ「パル!ちびっ子のくせに良い根性だ!お前は漢だな!」

パル「エッ、は、はい!僕は、いえ、俺は漢です!」

ハジメ「ネア、いいぞ!お前は視野が広い!対応力はお前が一番だ!」

ネア「ふぇ!?わ、私が一番?あ、ありがとうございましゅっ!」

 

そこに細やかな称賛を送り、長所を伸ばす。

身内以外に褒められたことのない彼等にとっては、必死に足搔いた自分を褒められることは、正に幸福だろう。

その証拠に、たった3日間の飴と鞭で更にその長所を伸ばし、応用を利かせてきた。

やはり飴と鞭の使い分けで、互いの競争力と戦闘意欲、モチベーションを効率よく高めるのは正解だったようだ。

そして日目、全員逃げ切りに成功したので、全員の得物に技能を付与してあげた。

 

7,8日目

 

「はっはー!これで一人脱落ゥー!」

「チィッ!あと少しで間に合ったのに!」

「ハイそこ隙ありぃ!」

「後ろに立つなクソがァ!」

「甘い!足元がお留守だぜ?」

「しまっ、って引っかかるかぁ!」

 

この日から2つの陣営に分かれて、暗殺合戦を始めることにした。

因みに、今回使用する得物は木で作った先端が丸いおままごとナイフに、良く見える塗料を塗り付けた物だ。

暗殺教室みたく、実際にどこにナイフを突きつけたのかが良く分かり、どこが敵の急所かがはっきりするからな。

因みに、遠距離担当は陣営の大将としており、如何に大将の射撃を防ぎつつ、敵の耳を欺くかがカギだ。

 

俺は何してるのかって?それで適性を確認し、一人一人にあったメニューの作成中。

2日間を通して、彼等に向いている戦法を伝えつつ、俺の思考の裏をかくよう自分達で作戦を考えさせた。

次回はとうとう、俺VSハウリア達全員だ。それを聞くと、全員待ってましたと言わんばかりに雄叫びを上げた。

そんなに嬉しいのか、それとも俺が憎いのか、はたまた楽しみなのか。

彼らの良く分からない行動が理解できずにいたが、やる気になってくれていることには変わりないので、早速明日に向けての準備を互いに進めるのであった。

 

9,10日目

 

午前0時、開戦の合図が鳴った。先制攻撃は勿論、俺。既に当日なので何も問題はない。

その証拠に、ハウリア達は奇襲に対して的確に対処している。それも文句の一つも言わずに。

自分達の領域に入ってきた獲物を狩るべく、抜き放たれたその刃はかつての彼等にはなかった物だ。

それらが今、俺の喉元目掛けて一斉に襲い掛かってくる。中には罠や毒で仕掛けてくる者もいた。

俺がそれらから逃れたら、今度は遠距離によるカウンター奇襲で更に動きを阻害してくる。

しかし、この程度の弾幕は裏・八重樫道場にて経験済みだ。直ぐに避けきり、1日目の終わりまで無傷だった。

 

翌日、休憩時に大量に仕掛けておいたトラップを半径20m内に大量に設置して迎え撃った。

勿論、俺が教えた解除法で向こうも即座に復活して獲物を突き付けてくる。

そして昨日の反省をもとに、更に洗練された刃は鋭さを増して襲い掛かってきた。

だがそれでも、やはりというか経験の差から俺には傷一つ付けられなかった。

しかし、たった10日間でここまで出来た彼等は冗談抜きで称賛ものだ。

彼等も俺に傷をつけられなかったにも関わらず、その顔は晴れやかであった。

 

ハジメ「……ベネ、試験はこれで全部だ。今日までよくやった!明日はシアを迎えに行った後、授与式だ!

今日はゆっくり休め。休まることを知らない刃は錆びつきが早い!よく覚えておけ!良いな!」

ハウリア達『『『『『Sir,Yes,My lord!!陛下、自主練の許可を願いますッ!!』』』』』

ハジメ『え……あ、うん。好きにしていいよ。』

ハウリア達『『『『『ありがとうございますッ、陛下ッッ!!!』』』』』

 

そして気がついたら陛下と呼ばれていた。何時の間にか敬愛されていたらしい。

戦意に燃える瞳、不敵な笑み、最早誰がどう見ても彼等に最弱の2文字が見当たらないレベルだった。

……アカン、もしかしたらやり過ぎてしまったかもしれん……。

何というか、人を強く成長させるために導ける王となりたいって、欲望が前面に出てしまったのかもしれない。

まぁ、強くなるに越したことはないし、別にいいか!

 


 

翌日……

 

ハジメ「……。」

何故か俺の目の前には、樹海の中でも上位の魔物の素材――牙に爪、皮に目玉、そして魔石の山があった。

しかも、優に10体分はある。その惨状を作り上げた張本人共は、不敵な笑みを浮かべたままだが。

 

カム「陛下、上位の魔物共、きっちりと狩って来やしたぜ?」

ハジメ「……俺、まだ何も言ってないんだけど?後、狩ってくるにしても一匹で良いんだけど……。」(-ω-)

思わず上のような表情になってしまう。が、カム達は笑みを崩さずそのまま報告を続けてきた。

 

カム「ええ、そうなんですがね?殺っている途中でお仲間がわらわら出てきやして……

生意気にも殺意を向けてきやがったので丁重にお出迎えしてやったんですよ。なぁ?皆?」

ハウリア1「そうなんですよ、陛下。こいつら魔物の分際で生意気な奴らでした。」

ハウリア2「きっちり落とし前はつけましたよ。一体たりとも逃してませんぜ?」

ハウリア3「ウザイ奴らだったけど……いい声で鳴いたわね、ふふ。」

ハウリア4「見せしめに晒しとけばよかったか……。」

ハウリア5「まぁ、バラバラに刻んでやったんだ、それで良しとしとこうぜ?」

おぉう……ここまでヤベーイ!精神状態になるとは思ってもいなかった。これは後でシアに謝罪しなければな……。

そう思いながら、ユエ達の所へと向かった。

 

シアは亜人でありながら魔力と魔力操作の技能を持っている。

ということは、知識さえあれば魔法陣を構築して無詠唱の魔法が使える筈だ。

魔法の天才のユエが、シアに専属で教えてくれているんだ。きっと向こうでも試練をクリアしている頃だろう。

……時折、霧の向こうから聞こえてきたシアの悲鳴から、特訓は順調の様……だと思いたい。




なんということでしょう。ハウリアは破兎理啊に進化した!力も知恵も運も精神力も上がった!
まぁ、これで後はギラつきを押さえつつ、ただ淡々と敵を狩る闇夜の暗殺者に仕上げるだけですからね。
次回はシアの修業光景です。
前作と少々類似している部分が見られますが、暖かい目で見守っていただけると幸いです。

アンケートその1の結果以外で、追加で登場させてほしいキャラは?

  • ボボボーボ・ボーボボ
  • 五条悟
  • ディアボロ(黄金の風)
  • 銀さん
  • ブロリー
  • ユウキ(SAO)
  • カービィ
  • ヨシヒコ
  • 鬼灯様
  • アインズ・ウール・ゴウン
  • シャドウ(影の実力者)
  • エボルト
  • 篠ノ之束
  • ルフィ(風船で飛んできた)
  • エスデス(アカメが斬る)
  • フリーレン
  • リムル
  • サーヴァントの誰か(活動報告で入力)
  • 東方キャラ(リクは活動報告へ)
  • その他(活動報告でリクエスト受付)
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