Re.ありふれない錬成師で最高最善の魔王、世界最強を超越する 作:天元突破クローズエボルハザード
そんなわけで、シアの修業風景、どうぞ。
<三人称視点>
ハジメがハウリア達の狂化に成功してしまう9日前……
ユエ「……ほら、早く身体強化して。早くして!」
シア「む、無理ですよぉイタッ。いきなり身体強化って言われてもぉヘブッ!?」ペチンッペチンッ
ユエ「……できないなら顔面ぷくぷくウサギになるしかない。ほらっ、ほらっ!」パシッパシッ
シア「ひぃっ、痛いっ!?痛いですよぉっ!」ヒリヒリ
樹海に軽快な音を響かせながら、ユエはシアに魔力操作と身体強化のやり方について教えていた。
正座するシアにひたすら往復ビンタするユエだが、これは決して体罰ではない。
シアのほっぺが既に真っ赤になっていて、瞳のダムが今にも決壊してしまいそうだとしても、だ。
たとえ、ユエの恨めしそうな視線がシアの双丘に突き刺さっていたとしても、だ。
ユエ「……訓練するにも身体強化できなければ意味がない!やる気だせ!女は度胸!」
シア「あうっ……わかってますぅ!」
ユエ「……その語尾はあざとい!あとハジメにベタベタひっつきすぎ!このエロウサギ!このっこのっ!」
シア「これ絶対に私怨入ってますよね!?」
ユエ「……私はユエ。下心スケスケウサギに私怨を隠さない女!」
シア「やっぱりただの私怨じゃないですかぁ!」
訂正、原作よりマシとはいえ、それはそれで嫉妬していたユエさんであった。
ユエ「……むぅ。固有魔法は使えているくせに、魔力を身体強化に使えないとはどういうこと?」
シア「そう言われましても……。」
ユエ「……魔法としてではなく、体内の魔力を直接操作しての身体強化なら誰もが無意識レベルでしているもの。
実際、シアは他のハウリアより明らかに身体能力が上。
無意識に強化できているんだから意図してできないはずがない。……例外はハジメ位だろうし。
シア「ユ、ユエさんが長文を喋りました!」
ユエ「……ふんっ。」ペチンッ
シア「あふんっ。」
余計なことを言って飛んで来たビンタに、涙目で頬を押さえるシア。
すんすんっと鼻を鳴らすシアの手を、ユエは溜息交じりに取った。両手でそれぞれの手を掴み、腕で円を作る。
ユエ「……魔力を直接操作する感覚は既にあるはず。強化するという感覚が分かっていないだけと見た。
私がやるから感じ取って真似して。」
シア「は、はいです!」
そんな感じで最初こそ苦労したようだが、半日もするとシアもコツを掴んだようだった。
派生技能に目覚めた時同様に、壁を越えた感覚にハッと目を見開くと、ユエの手を離しても自分で魔力を循環させ、肉体強度、膂力を増大させていく。
シア「やりましたよ、ユエさん!」
喜色をあらわにして、シアがユエに視線を向けた瞬間、
ユエ「……ふんっ」パァンッ
シア「ひぃっ、いたっ――くない?」
ユエが、今までで一番、渾身の力を込めて繰り出したビンタがシアの頬を打つ。
が、響いた派手な音に反して、シアはきょとんとするのみ。なんの痛痒も感じていないようだ。
強化成功の証である。
ユエ「……ん、んんっ。う、上手くできてる。この調子。」
シア「おぉっ、すごいです!ありがとうございます、ユエさん!」
ユエ「……ん。」
わぁい!わぁい!とぴょんぴょん跳ねながら大喜びするシア。
それに、ユエはなぜかそっと背を向けて、何やら小声で呟き出した。
ユエ「……い、痛いよぉ。手首折れちゃった……。なんなのアイツ。なんでいきなり、あんな固くなるの?」ヒリヒリ
油断して"自動再生"の派生である"痛覚操作"の発動が甘かったらしい。
直ぐに再生されたが、ちょっと涙目で手首をふぅ~ふぅ~している。
そんなこんなで、修行を続けている中……休憩がてらユエはシアにハジメとの思い出について話していた。
シア「えぇ!?じゃあハジメさんが気付かなかったら、ユエさんはずっと裏切られたって勘違いしてたんですか!?」
ユエ「……ん、ハジメのおかげで、私は叔父様の本当の想いを聞くことが出来た。
それにハジメは、私の為に怒ってくれた。だから私は、ハジメの為に強くなりたい。」
シア「わぁ……ホントにラブラブですね~。いずれは私も……!」
ユエ「……今のままじゃまだ無理。ハジメについていくならもっと鍛えるべし。」
シア「ゆ、ユエさんが手厳しい……そういえば、ハジメさんってどれくらい強いんですか?」
ユエ「……分からない、ハジメが全力を出すのは本気でキレた時か、余程の事態じゃない限りなかったし……。
……それに、手加減された状態でも勝てなかった。」
シア「え!?ユエさんでもですか!?ハジメさん、強すぎません!?」
ハジメの強さに改めて驚かされるシア。
ユエ自身、ハジメとの模擬戦ではヒュドラの時の姿ではなく、生身の状態でしか戦ったことはない。
それなのに、身体強化と"瞬光"だけでユエの攻撃を難なく躱しては、魔法の核を全て打ち抜き、未だに無敗記録を破らせていない。
実は、これには2つ理由がある。
1つは、ハジメ自身、ライダーの力に慣れ過ぎないよう、生身での戦闘を基本にしているからだ。
でなければ、ライダーの力が使えない時にスペックが大幅にダウンすることは必至だ。
だからこそ、生身での戦闘スペックを最大限引き出すべく、修行に励んでいたのだ。
2つ目としては、負けたらユエに捕食(意味深)されるからなのだが……こちらはユエには気づかれている。
とは言っても、ユエ自身ハジメを無理やり襲ってしまうと心の距離が開いてしまうかもしれないと思い、一応は自重している……筈だ。
だからハジメから襲ってくれるように、ハジメを誘惑したりするのはセーフである。ユエの中ではそうだった。
ユエ「……正直、一人で勝てない以上、頼れる仲間は欲しい。
駄ウサギがもっと強くなれば、ハジメの動きをセーブできそうだから。」
シア「!そ、それって……!」
ユエ「かっ、勘違いしないで。ただハジメに一泡吹かせたいだけだからっ。」///
シア「ユエさぁん!」ヒシッ!
ユエ「んむぅっ!?」
実は少しずつではあるが、シアの諦めの悪さに絆されつつあるユエであった。
そうしてシアへの態度にも変化があり、終盤では名前を呼ぶようになっていた。
ユエ「どうしてシアは、辛いことでも必死になれるの?以前なら諦めそうだったのに……。」
シア「諦めるための理由を、ハジメさんとユエさんがぶっ壊してくれたからです!!
私、お二人と一緒にいたいんです!」
ユエ「んっ。か、家族を捨てる気?」
シア「家族を守る気です。よわっちぃ今の私じゃあ家族の傍にいられません。
誰が傍にいていいと言っても、私が許せないんです。
私が傍にいなければ、長老衆の決定に納得のいかない人達も一族には手を出さないでしょう。
お二人との旅で強くなれば、いつか戻っても力で押し通れます!」
何より、旅の中で恩人であるお二人に恩返しもできます!!」
ユエ「……本当は、ハジメに惚れてるからでしょ?」
シア「そ、それは確かにそうですけど……ユエさんも一緒じゃないと意味ないですよ?
そ、その……お、お、お友達になりたいっていうかぁっ!」
ユエ「……友達……。」
思い返してみれば、10歳の時から国政に関わっていたため、そこからは友と呼ぶ存在を作る時間すらなかった。
それまでの間は、過保護なウバルト爺の監視もあり、基準が厳しかった。
後、両親が揃って狂信者の類なのもあり、まともな精神を持った友達も見つからなかった。
……アレ?もしかして私、今まで友達0人だった?と、今更ながらにユエは思うのだった。
ユエ「……ん。か、考えておく。」
シア「!ホ、ホントですか!?ありがとうございますぅ!私、やり遂げて見せます!
応援してくれるユエさんのためにも!」
ユエ「んっ。が、がんばれ!」///
かくして、あっという間に運命の10日目となった……
ズガンッ!ドギャッ!バキッ!バキッ!バキッ!ドグシャッ!
樹海の中で、凄まじい破壊音が響く。
野太い樹が幾本も半ばから折られ、地面には隕石でも落下したかのようなクレーターがあちこちに出来上がっており、更には、燃えて炭化した樹や氷漬けになっている樹まであった。
この多大な自然破壊は現在進行形で続いており、その中心ではユエとシアが激闘を繰り広げていた。
シア「でぇやぁああ!!」ズドォンッ!
直径1m程の樹を裂帛の気合と共に撃ち出すシア。
半ばから折られた樹は、シアの身体強化による豪速が追加されることで更に破壊力を増し、道中の障害を尽く破壊しながらユエへと突き向かう。
ユエ「……"緋槍"。」シュインッ!
それに対しユエは、全てを灰塵に帰す豪炎の槍で正面から迎え撃つ。
巨大な質量を物ともせず触れた端から焼滅させていく。砲弾と化した丸太は相殺され灰となって宙を舞った。
シア「まだです!」
"緋槍"と投擲された丸太の衝突がもたらした衝撃波で払われた霧の向こう側に影が走ったかと思えば、直後、隕石の如く天より丸太が落下し、轟音を響かせながら大地に突き刺さった。
ユエはバックステップで即座に離脱すると、再び"緋槍"を放とうとする。
しかしそこへ、霧の中から高速で飛び出してきたシアが、大地に突き刺さったままの丸太に強烈な飛び蹴りを放ち、丸太を破砕する。
するとその破片は散弾となり、ユエへと襲い掛かる。
ユエ「ッ!"城炎"!」ゴオッ!
その即席の散弾に対し、ユエも咄嗟に炎の壁を発生させて防御する。
シア「もらいましたぁ!」ダッ!
ユエ「ッ!」
が、その時既にシアは気配遮断を利用し、ユエの背後に回り込んでいた。
そこから超重量級の大槌を大きく振りかぶり、刹那、豪風を伴って振り下ろした。
ユエがその場を咄嗟に躱した直後、勢いよく叩きつけられた大槌により、激烈な衝撃が大地を襲い爆ぜさせ、砕かれた石が衝撃で散弾となり四方八方に飛び散った。
ユエ「"風壁"。」ギュルゥッ!
しかし、ユエは慌てずに余波を風の障壁により吹き散らし、同時に風に乗って安全圏まで一気に後退した。
更に、技後硬直により死に体となっているシアに対して容赦なく魔法を放つ。
ユエ「"凍柩"。」
シア「ふぇ! ちょっ、まっ!」カキーン!
その行動に気がついたシアは必死に制止の声をかけるが、ユエがそれを聞くはずもなく問答無用に発動。
せめて大槌を手放して離脱しようとするも、一瞬で発動した氷系魔法が足元から一気に駆け上がり……
頭だけ残して全身を氷漬けにされた。
シア「づ、づめたいぃ~、早く解いてくださいよぉ~、ユエさ~ん。」
ユエ「……まだまだ詰めが甘い、要精進するべし。」
最終試験にて模擬戦を繰り広げた二人だったが、経験の差と言うべきか軍配はユエに上がっていた。
しかし、今回の合格条件は別にあり、それをシアは既にクリアしていた。その条件とは……
ユエ「……でも、一先ずは合格。よく頑張りました。」
そう言ってシアに微笑むユエの頬には、小さな傷が付いていた。
実はこの傷こそが条件――シアがほんの僅かでもユエにつけることだったのだ。
おそらく最後の石の礫が一つ、ユエの防御を突破したのだろう。本当に僅かな傷ではあるが、一本は一本だ。
試験は、シアの勝利で幕を閉じたのであった。
シア「ホ、ホントですか!」
ユエ「ん。……後はハジメに報告して、認めてもらうだけ。」
それを聞いて、顔から上だけの状態で大喜びするシア。体が冷えて若干鼻水が出ているが満面の笑みだ。
ウサミミが嬉しさでピコピコしている。無理もないだろう。
この戦いには、ハジメとユエの旅に同行する為の最大条件だったからだ。
ユエがわざと手加減することはないとハジメも分かっていたので、合格基準はユエに任されていた。
なので、シアが勝った以上、ハジメも認めてくれることだろう。
シア「よかったぁ~、これで私も仲間入りです!ユエさんが認めてくれたんです!
ハジメさんだってきっと……ところで、そろそろ魔法解いてくれませんか?
さっきから寒くて寒くて……あれっ、何か眠くなってきたような……。」
ユエ「んっ!?しまった、忘れてた!」
先ほどより鼻水を垂らしながら、うつらうつらとし始めるシア。寝たら死ぬぞ!の状態になりつつある。
その様子を見て、慌ててユエは魔法を解いた。
シア「ぴくちっ!ぴくちぃ!あうぅ、寒かったですぅ。危うく帰らぬウサギになるところでした。」ブルブル
ユエ「……ん。面目ない。」
可愛らしいくしゃみをし、近くの葉っぱでチーン!と鼻をかむと、シアは、その瞳に真剣さを宿してユエを見つめた。
ユエは、その視線を受けて、我が子を見るように微笑んでいた。
シアは、本気でハジメとユエの旅に同行したいと願っている。
それは、これ以上家族に負担を掛けたくないという想いが半分、もう半分は単純にハジメとユエの傍にいたい、もっと二人と仲良くなりたいという想いから出たものだ。
何より、シアとて女だ。ユエのハジメに対する感情は理解している。
自分も同じ感情を持っているのだから当然だ。ならば、逆も然り。
だからこそ、まず何としてもユエに対してシア・ハウリアという存在を認めてもらう必要があった。
シアは、何もユエからハジメの隣を奪いたいわけではない。そんなことは微塵も思っていない。
ハジメへの想いとは別に、ユエに対しても近しい存在になりたいと本気で思っているのだ。
それは、この世界でも極僅かな<同類>であることが多分に影響しているのだろう。
想い人が傍にいて、同じ人を想う友も傍にいる。今のシアにとって夢見る未来は、そういう未来なのだ。
そんなシアの心情を汲み取ったのか、ユエも全力でそれを応援しようと思っていた。
その理由の4割は、やはりシンパシーを感じたことだろう。
ライセン大峡谷で初めてシアの話を聞いた時、自分とは異なり比較的に恵まれた環境にあることに複雑な感情を覚えつつも、心のどこかで<同類>という感情が湧き上がったことは否定できない。
僅かなりとも仲間意識を抱いたことが、シアに対する<甘さ>をもたらした。
そして、6割の理由は……ハジメの隣にいる自分のこれからについてである。
今のハジメの強さははっきり言って格が違う。
何せ、当時疲弊していたとはいえ、封印部屋のガーディアンを一撃で葬った上に、ラスボスのヒュドラですら簡単に蹂躙したのだ。
尚、ハジメ自身何も気にすることさえなければエヒト程度軽く捻り潰せるのだが、クラスメイトやユエの事情を加味して、パワーをセーブしているのはここだけの話。
そんなハジメの隣で戦い続けるのであれば、一人でハジメの全てをカバーできるかと言われれば、ユエは自信を持って「はい」と言えるわけではない。
しかし、他に信頼できる仲間が増え、その者達と共に協力できればあるいは、と思うのだ。
それは、何度へこたれても諦めないシアを見て確信に変わった。
ハジメのためにひたむきに頑張るシアであれば、一緒にハジメの背中を守り抜ける"戦友"になれるのでは、と思った。
だからユエは、シアの加入を後押しするのだ。勿論、ハジメの言葉もあったからだ。
ハジメ『多分、シアは合格する気がするよ。ユエもなんだかんだで絆されそうだし。』
そう言って微笑むハジメの言葉は、まるで未来が見えているかのように正確だった。
が、ユエは知らなかった。ハジメ自身未来よりが使えること、そしてこの展開を無意識の内に読んでいたことを。
今回はハジメさんの実力についての解説も兼ねてみました。
前作ではライダー能力無双が主流になりつつあったので、今作は生身戦闘を増やしつつ、ここぞという時に変身で大暴れできるような展開にしていきたいと思っておりますので、乞うご期待を!
アンケートその1の結果以外で、追加で登場させてほしいキャラは?
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ボボボーボ・ボーボボ
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五条悟
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ディアボロ(黄金の風)
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銀さん
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ブロリー
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ユウキ(SAO)
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カービィ
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ヨシヒコ
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鬼灯様
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アインズ・ウール・ゴウン
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シャドウ(影の実力者)
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エボルト
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篠ノ之束
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ルフィ(風船で飛んできた)
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エスデス(アカメが斬る)
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フリーレン
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リムル
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サーヴァントの誰か(活動報告で入力)
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東方キャラ(リクは活動報告へ)
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その他(活動報告でリクエスト受付)