Re.ありふれない錬成師で最高最善の魔王、世界最強を超越する   作:天元突破クローズエボルハザード

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いよいよブルック到着です。今回はギルドでのやり取りがメインです。
今回のタイトルは、ギンガマンを参考にしてみました。


00:25/ブルックのギルド

周囲を堀と柵で囲まれた小規模な町が前方に見えてきた。

街道に面した場所に木製の門があり、その傍には小屋もある。恐らく門番の詰所だろう。

小規模といっても、門番を配置する程度の規模はある様だ。

警備がしっかりしている以上、安心してそれなりに買い物を楽しめそうだ。

 

流石にこのまま乗りつける訳にもいかないので、ストライカーを一旦収納し、徒歩で向かった。

街の門にたどり着くと、脇の小屋から武装した男が出てきた。彼が門番のようだ。

格好は革鎧に長剣を腰に身につけているだけで、兵士というより冒険者に見える。

その冒険者風の男が俺達を呼び止めた。

 

門番「止まってくれ。ステータスプレートを。後、町に来た目的は?」

規定通りの質問なのか、門番の詰所らしき小屋から出てきた門番が、どことなくやる気なさげに聞いてきた。

ハジメ「食料の補給がメインだ。旅の途中でね。」

俺は、門番の質問に答えながらステータスプレートを取り出した。勿論、偽装は忘れていない。

すると、ふ~んと気のない声で相槌を打ちながら、門番の男がステータスプレートをチェックし始めた。

 

ステータスプレートには、ステータスの数値と技能欄を隠蔽する機能がある。

冒険者や傭兵においては、戦闘能力の情報漏洩は致命傷になりかねないからだ。

まぁ、俺の場合は天職とレベルにも偽装はしてあるけどな。

 

門番「ほぉ~、その年で傭兵か。しかもレベルも中々高いじゃないか。……それで、そっちの二人は?」

ハジメ「俺の連れだよ。魅力的なのは分かるけど、あんまり詮索しないであげてくれ。」

じゃないと危ないぞ?と言外に告げると、少しビクッとなるも、門番は苦笑いで了承してくれた。

 

門番「ハハ、いやぁ、悪い悪い。通ってもいいぞ。」

ハジメ「ああ、どうも。……ところで、素材の換金場所って何処にあるか知らない?」

門番「あん?それなら、中央の道を真っ直ぐ行けば冒険者ギルドがある。

店に直接持ち込むなら、ギルドで場所を聞け。簡単な町の地図をくれるから。」

ハジメ「おぉ、親切な説明をどうも。」

情報を得た俺達は、門を潜って町に入った。後、こっそり門番の懐に余りものダイヤを入れといた。

 


 

門の所で確認したが、この町の名前は【ブルック】というらしい。町中はそれなりに活気があった。

前に行ったオルクス近郊の町【ホルアド】程ではないものの、露店も結構出ており、呼び込みの声や白熱した値切り交渉の喧騒が聞こえてくる。

 

こういう騒がしさは、訳も無く気分を高揚させるものだ。

RPGで言うエンディング後の喧騒のような光景に思わず、帰ってきた、と心の中で思ってしまう。

ユエも久しぶりの町なのか、楽しげに目元を和らげており、シアは初めての町に興味津々といったご様子で、目をキョロキョロと忙しなく動かしている。

 

そんな風に仲良くメインストリートを歩いていき、一本の大剣が描かれた看板を発見する。

かつて【ホルアド】の町でも見た冒険者ギルドの看板だ。規模は【ホルアド】に比べて二回り程小さい。

看板を確認した俺は、重厚そうな扉を開き中に踏み込んだ。

 

一歩足を踏み入れたそこは、清潔さが保たれた場所だった。ふむ、第一印象は中々に良いな。

入口正面にカウンターがあり、左手は飲食店になっている様だ。右手には依頼の掲示板らしきものがある。

何人かの冒険者らしい者達が、食堂のような場所で食事を取ったり雑談したりしている。

誰一人酒を注文していない事からすると、元々酒は置いていないのかもしれない。

酔っ払いたいなら酒場に行けってわけね。そりゃ御尤もだ。

昼間っから呑兵衛してる奴は叩きだされても、文句は言えないな。

 

何て思いつつギルドに入ると、冒険者達が当然の様に注目してくる。

最初こそ見慣れない3人組という事で細やかな注意を引いたに過ぎなかったが、彼等の視線がユエとシアに向くと、途端に瞳の奥の好奇心が増した。

 

中には「ほぅ」と感心の声を上げる者や、恋人なのか女冒険者に殴られている者もいる。

平手打ちでないのは冒険者らしいな。なんだか面白くなりそうだな。

幸いにもテンプレ宜しく、ちょっかいを掛けてくる輩はおらず、意外に理性的で観察するに留めている様だった。

なので、さっさとカウンターに向かった。

 

カウンターにはニコニコと人の良さそうな笑みを浮かべる、40代程の恰幅の良い女性がいた。

恐らく彼女がここの責任者なのだろう。……可愛い受付嬢の夢は見なかったのかって?

現実なんてそんなもんだろ、それに可愛いお嬢さんなら両手にもういるし。

それにまぁ、ギルド登録はこの世界だけじゃない可能性だってあるかもしれないだろ?多分。

なんて、誰にツッコんでいるのかもわからん独り言を内心で浮かべながら、カウンターの女性に話しかけた。

 

ハジメ「失礼、少し宜しいでしょうか?」

???「あら、いらっしゃい。冒険者ギルド、ブルック支部にようこそ。

両手にとびっきりの綺麗な花を持って登場なんて、一体どこのお坊ちゃんだい?」

ハジメ「ハハハ、俺はただの通りすがりだよ、レディ。彼女たちは旅のお供さ。

まぁ、綺麗だと褒められるのは、仲間である自分も嬉しいよ。」

???「あらやだ~、レディだなんて。口が上手いわね、アンタ?その歳で中々やるね。」

ハジメ「いやぁ、自分としてはまだまださ。

それに、ここの冒険者達が大人しいのは、貴女の手腕によるものだろう?もしや、ギルドマスターでは?」

???「いやいや、あたしは一介の受付人、キャサリンって者さ。」

お、彼女の言葉尻が随分軽くなっているのが分かる。ファーストコンタクトは上手くいったな。

 

ハジメ「ご紹介ありがとう。俺はハジメ、こちらの二人がユエとシアだ。宜しく頼む。」

キャサリン「これは礼儀正しいね。そういう純粋な子は嫌いじゃないよ。」

これで良し、ギルド内に一人は親しい人を作るのはテンプレでもあるからな。

 

キャサリン「あらやだ、つい話が弾んじまったね。ご用件は何かしら?」

ハジメ「あぁ、素材の買取をお願いしたい。途中に町が無かったものでね、大量にあるんだ。」

キャサリン「素材の買取だね。じゃあ、まずステータスプレートを出してくれるかい?」

ハジメ「?買取にステータスプレートの提示が必要なのか?もしかして、専用の資格とかがいるのか?」

俺の素朴な疑問に「おや?」という表情をするキャサリンさん。

 

キャサリン「あんた冒険者じゃなかったのかい?

確かに、買取にステータスプレートは不要だけどね、冒険者と確認できれば1割増で売れるんだよ。」

ハジメ「へぇ~、そうなのか。最近、冒険を始めたばかりだから、知らないことも多いので助かるよ。」

 

キャサリンさん曰く、冒険者になれば様々な特典も付いてくるらしい。

生活に必要な魔石や回復薬を始めとした薬関係の素材は、冒険者が取ってくるものが殆どだ。

しかし、町の外はいつ魔物に襲われるかわからない以上、素人が自分で採取しに行くことは殆ど無い。

なので、危険に見合った特典がついてくるのは当然だった。

 

キャサリン「他にも、ギルドと提携している宿や店は1~2割程度は割り引いてくれるし、移動馬車を利用するときも高ランクなら無料で使えたりするね。

どうする?登録しておくかい?登録には1000ルタ必要だよ。」

 

説明しよう。ルタとは、トータス――この世界の北大陸共通の通貨だ。

ザガルタ鉱石という特殊な鉱石に他の鉱物を混ぜることで異なった色の鉱石ができ、それに特殊な方法で刻印したものが使われているらしい。

値段と色としては、青=1、赤=5、黄=10、紫=50、緑=100、白=500、黒=1000、銀=5000、金=10000(ルタ)となっている。

 

ハジメ「じゃあ折角だし、登録しておこう。悪いんだが、困ったことに持ち合わせが全く無くてな。

買取金額から引いて貰えないか?勿論、最初の買取額はそのままでいいからさ。」

キャサリン「ほ~ん、そうかい。ならさっきのお世辞の礼も兼ねて上乗せさせてもらうよ。」

俺は有り難く厚意を受け取り、ステータスプレートを差し出す。

 

キャサリンさんは、ユエとシアの分も登録するかと聞いてきたけど、それは流石に断った。

まず二人は、そもそもプレートを持っていないので発行からしてもらう必要がある。

しかし、そうなるとステータスの数値も技能欄も隠蔽されていない状態で、他の人の目に付くことになる。

 

俺としても2人のステータスを見てみたいが、技能欄にはばっちりと固有魔法とかあるだろうし、それを知られること考えると、まだ俺達の存在が公になっていない段階では知られない方が面倒が少なくて済むだろうし、今回は諦めることにした。

 

そして、戻ってきたステータスプレートには、新たな情報が表記されていた。

天職欄の横に職業欄が出来ており、そこに"冒険者"と表記され、更にその横に青色の点が付いている。

この点が、冒険者ランクなのだろう。上昇するにつれ赤、黄、紫、緑、白、黒、銀、金と変化していくようだ。

 

……おわかりいただけただろうか。そう、冒険者ランクは通貨の価値を示す色と同じなのだ。

つまり、青色の冒険者とは「お前は一ルタ程度の価値しかねぇんだよ、ペッ!」と言われているのと同義だ。

きっと、この制度を作った初代ギルドマスターの性格は捻じ曲がっているに違いない。

テンプレでも極稀にある、主人公を虐めようとするチンピラっぽい感じだろうな、と俺は思った。

 

因みに、戦闘系天職を持たない者で上がれる限界は黒までのようだ。

辛うじてではあるがステータスが4桁に入れるので、天職なしで黒に上がった者は拍手喝采を受けるらしい。

天職ありで金に上がった者より称賛を受けるというのであるから、如何に冒険者達が色を気にしているかが分かるだろう。

尤も、俺自身魔王と言う天職を持っているので、意味なんてあってないようなものだろう。

というか、色のバリエーションが少ない。白銀とか虹とか桃色とか、もうちょい増やせばいいのに。

 

キャサリン「男なら頑張って黒を目指しなよ?お嬢さん達にカッコ悪いところ見せない様にね。」

ハジメ「勿論!肝に銘じているさ。それで、買取はここでよろしいか?」

キャサリン「構わないよ。あたしは査定資格も持ってるから見せてちょうだい。」

 

どうやら彼女は受付だけでなく買取品の査定もできるらしい。優秀な人材だ。

俺は、あらかじめ"宝物庫"から大きめの袋に入れ替えておいた素材を取り出す。

品目は、ハウリア達が献上してきた、大量の魔物の毛皮や爪、牙、そして魔石といったものの一部だ。

 

流石に全部は無理だろうなと思い、バッグよりちょっと多めに入れておいた。

残りも日を開けて売り込みたいが……流石にここだけでは怪しまれそうだしな。別の場所でも売り払おうか。

カウンターの受け取り用の入れ物に入れられていく素材を見て、再びキャサリンさんが驚愕の表情をする。

 

キャサリン「こ、これは!」

恐る恐る手に取り、隅から隅まで丹念に確かめること少し。

息を詰めるような緊張感の中、ようやく顔を上げたキャサリンさんは、溜息を吐き俺に視線を転じた。

 

キャサリン「とんでもないものを持ってきたね。これは…………樹海の魔物だね?」

ハジメ「あぁ、ここに来る前に採って来たんだ。」

流石に、奈落の魔物の素材なんて未知の素材、こんな場所で出したら一発で大騒ぎだ。

樹海の魔物の素材でも十分に珍しいだろうと思ったので、今回はやめておいた。

オルクスの素材は、また今度ホルアドに行ったときに出すことにした。

キャサリンさんの反応を見る限り、やはり樹海の物でも珍しいようだしな。

 

キャサリン「樹海の素材は良質な物が多いからね、売ってもらえるのは助かるよ。」

ハジメ「やっぱり珍しいのか?」

キャサリン「そりゃあねぇ。

樹海の中じゃあ人間族は感覚を狂わされるし、一度迷えば二度と出てこれないハイリスクな場所だからねぇ。

好き好んで入る人はいないのさ。

亜人の奴隷持ちが金稼ぎに入ることもあるけど、そんな亜人族の神経を逆撫でするような奴は、それこそ命が幾つあっても足りないよ。

それに、売るならもっと中央で売るさ。幾分か高く売れるし、名も上がりやすいからね。」

成程、そういうものなのか……と、納得していると、キャサリンさんがチラリとシアを見る。

 

恐らく、シアの協力を得て樹海を探索したのだと推測したのだろう。

樹海の素材を出してもシアのおかげで不審にまでは思われなかったようだ。

代わりに、「若いのに無茶をして。」という心配そうな顔を向けられてしまった。

 

……実は【フェアベルゲン】に乗り込んだ挙句、ハウリアの魔改造、族長全員をノックアウトし、全種族を威圧で気絶させてきました、なんてやらかしを知られれば、それこそ大パニックだろう。

尤も、目の前のキャサリンさんは案外動じなさそうだが。そう思いながら、内心で苦笑いを浮かべる俺であった。

それからキャサリンさんは、全ての素材を査定し金額を提示した。買取額は537,000ルタ。意外と多いな。

 

キャサリン「これでいいかい?中央ならもう少し高くなるだろうけどね。」

ハジメ「いや、この額で問題ない。寧ろ予想以上の額だから、少々驚いている。」

俺は56枚のルタ通貨を受け取り、懐にしまった。

この貨幣、鉱石の特性なのか異様に軽い上、薄いので50枚を超えていてもあんまり重くない。

まぁ、既に懐の中でコネクトを使って宝物庫に移動させてはあるが。

 

ハジメ「ところで、門番の人にこの町の簡易な地図を貰えるって聞いたんだが……。」

キャサリン「ああ、ちょっと待っといで……ほら、これだよ。

おすすめの宿や店も書いてあるから参考にしなさいな。」

手渡された地図は、中々に精巧で有用な情報が簡潔に記載された素晴らしい出来だった。

広報部に一人、欲しくなるくらいの出来だったのが惜しい。

しかもこれが無料というある意味とんでもない逸材である。

 

ハジメ「おぉ……本当にいいのか?こんな立派な地図を無料で。十分金が取れる出来だと見受けられるが……?」

キャサリン「構わないよ、あたしが趣味で書いてるだけだからね。

書士の天職を持ってるから、それ位落書きみたいなもんだよ。」

ハジメ「そっか、これで落書きかぁ……。まぁいいや、ありがたく戴こう。感謝する。」

キャサリン「いいって事さ。それより、金はあるんだから少しはいい所に泊りなよ。

治安が悪い訳じゃあないけど、その2人ならそんなの関係無く暴走する男連中が出そうだからね。」

ハジメ「ハハハ、誰が来ても返り討ちにするつもりだけど、心もしっかり休ませたいし、そうするよ。」

 

キャサリンさんは最後までいい人で気配り上手だった。

俺は苦笑いしながら返事をし、入口に向かって踵を返した。ユエとシアも頭を下げて追従する。

食事処の冒険者の何人かがコソコソと話し合いながら、最後までユエとシアの2人を目で追っていたのは見逃さないぞ?

 


 

キャサリン「ふむ、いろんな意味で面白そうな連中だね……。」

後には、そんなキャサリンの楽しげな呟きが残された。




次回、ブルックの愉快(?)な人たちとのやり取りです。
後、リアルの事情もあり、毎日投稿は今月いっぱいまでの予定ですので、ご了承ください。

アンケートその1の結果以外で、追加で登場させてほしいキャラは?

  • ボボボーボ・ボーボボ
  • 五条悟
  • ディアボロ(黄金の風)
  • 銀さん
  • ブロリー
  • ユウキ(SAO)
  • カービィ
  • ヨシヒコ
  • 鬼灯様
  • アインズ・ウール・ゴウン
  • シャドウ(影の実力者)
  • エボルト
  • 篠ノ之束
  • ルフィ(風船で飛んできた)
  • エスデス(アカメが斬る)
  • フリーレン
  • リムル
  • サーヴァントの誰か(活動報告で入力)
  • 東方キャラ(リクは活動報告へ)
  • その他(活動報告でリクエスト受付)
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