Re.ありふれない錬成師で最高最善の魔王、世界最強を超越する 作:天元突破クローズエボルハザード
え?あんま変わっていない?……そのようなことがあろうはずがございません。(早口)
ドット「話は大体聞かせてもらいました。証人も大勢いる事ですし嘘はないのでしょうね。
やり過ぎな気もしますが……まぁ、まだ死んでいませんし許容範囲としましょう。
取り敢えず、彼らが目を覚まし一応の話を聞くまでは、フューレンに滞在はしてもらうとして、身元証明と連絡先を伺っておきたいのですが……
それまで拒否されたりはしないでしょうね?」
ドット秘書長と呼ばれた男性は片手の中指でクイッとメガネを押し上げると、落ち着いた声音でこちらに話しかけてきた。
言外にこれ以上譲歩はしませんよ?と伝えるドット秘書長に俺は肩を竦めて答えた。
ハジメ「別に構わんよ。それに、そこの家畜がまだ生きているなら、寧ろ連絡して欲しいくらいだ。
また何か言ってくるようなら、一族諸共バラシて出荷するだけなのでな。」
俺はそんな事をいい、ドット秘書長に冷や汗を掻かせながらステータスプレートを差し出す。
ハジメ「連絡先は、これから滞在先を決めようとしていた所だ……そこのリシーさんにでも聞いてもらおう。
彼女の薦める宿に泊まるのでな。」
俺に視線を向けられたリシーはビクッとした後、「やっぱり私が案内するんですね。」と諦めの表情で肩を落とした。
ドット「ふむ、いいでしょう……"青"ですか。向こうで伸びている彼は"黒"なんですがね……
そちらの方達のステータスプレートはどうしました?」
すると、俺の偽装されたステータスプレートに表示されている冒険者ランクが最低の"青"である事に僅かな驚きの表情を見せるドット秘書長。
しかし2人の女性の方が飼育委員を倒したと聞いていたので、彼女達の方が強いのかとユエとシアのステータスプレートの提出を求める。
ハジメ「生憎、2人のステータスプレートは紛失していてね。再発行はまだだ、高くつくのでな。」
その問いに対し、俺はさらりと嘘をついた。
2人の異常とも言える強さを見せた後では意味が無いかもしれないが、それでも第三者にはっきりと詳細を把握されるのは出来れば避けたい。
ドット「しかし、身元は明確にしてもらわないと。
記録を取っておき、君達が頻繁にギルド内で問題を起こす様なら、加害者・被害者のどちらかに関係なくブラックリストに載せる事になりますからね。
よければギルドで立て替えますが?」
ドット秘書長の口ぶりから、どうしても身元証明は必要らしい。
しかしステータスプレートを作成されれば、隠蔽前の技能欄に確実にユエとシアの固有魔法が表示されるだろう。
それどころか今や、神代魔法も表示される筈だ。大騒ぎになる事は間違いない。
別に騒ぎになろうが、敵になるのであれば容赦なく潰せばいい。
しかし、それでは滞在の度に記憶操作の手間が付いて回る上に、まともな滞在もできない。
もう何だか色々面倒になってきたので、いっそのこと破壊しつくすか。
そんな物騒なことを思っていた俺の気持ちを察したのか、ユエが話しかけてきた。
ユエ「……ハジメ、手紙。」
ハジメ「?……あぁ、そういえば手紙があったな。」
ユエの言葉で、俺はブルックの町を出る時にブルック支部のキャサリンさんから手紙を貰った事を思い出す。
ギルド関連で揉めた時に、お偉いさんに見せれば役立つかもしれないと言って渡された謎の手紙だ。
駄目で元々、場合によってはO☆HA☆NA☆SHIするしかない事も想定に入れ、俺は懐から手紙を取り出しドット秘書長に手渡した。
ハジメ「身分証明の代わりと言っちゃあなんだが、知り合いのギルド職員からの手紙ではダメか?
困ったらギルドの上層部に渡せと言われてたものなのだが……。」
ドット「?知り合いのギルド職員ですか?……拝見します。」
俺達の服装の質から、それ程金に困っている様に思えなかったので、ステータスプレートの再発行を拒む様な態度に疑問を覚えるドット秘書長だったが、代わりにと渡された手紙を開いて内容を流し読みする内にギョッとした表情を浮かべた。
そして、俺達の顔と手紙の間で視線を何度も彷徨わせながら手紙の内容を繰り返し読み込む。
目を皿の様にして手紙を読む姿から、どうも手紙の真贋を見極めている様だ。
やがてドット秘書長は手紙を折り畳むと丁寧に便箋に入れ直し、俺達に視線を戻した。
ドット「この手紙が本当なら確かな身分証明になりますが……
この手紙が差出人本人のものか私一人では少々判断が付きかねます。
支部長に確認を取りますから少し別室で待っていてもらえますか?そうお時間は取らせません。
10分、15分くらいで済みます。」
ふむ……たった15分で済むなら別に良いか。
ハジメ「良いだろう、部屋はどこだ?」
ドット「職員に案内させます。では後程。」
そう言って、ドット秘書長は傍の職員を呼ぶと別室への案内を言付けて、手紙を持ったまま颯爽とギルドの奥へと消えていった。
指名された職員が俺達を促し、俺達がそれに従い移動しようと歩き出したところで、困惑した様な、しかしどこか期待した様な声がかかった。
リシー「あの~、私はどうすれば?」
……あぁ、そういえばリシーはまだいたのだったな。
しかも、ギルドでお話があるならお役目御免ですよね?とその瞳が語っている。
明らかに厄介の種である俺達とは早めにお別れしたいという思いが滲み出ている。ならば、言うことは一つ。
ハジメ「
リシー「……はぃ。」
ガックリと肩を落としてカフェの奥にある座席に向かうリシー。
その背中には嫌な仕事でも受けねばならない社会人の哀感が漂っていた。
これも社会人の
俺達が応接室に案内されてからきっかり十分後。遂に扉がノックされ、返事から一拍置いて扉が開かれる。
そこから現れたのは、金髪をオールバックにした鋭い目付きの30代後半くらいの男性と、ドット秘書長だった。
???「初めまして、冒険者ギルドフューレン支部支部長イルワ・チャングだ。
ハジメ君、ユエ君、シア君……でいいかな?」
簡潔な自己紹介の後、俺達の名を確認がてらに呼び握手を求めるイルワ支部長。
俺も握手を返しながら返事をする。
ハジメ「あぁ、構わないよ。名前は手紙に?」
イルワ「その通りだ。先生からの手紙に書いてあったよ。
随分と目をかけられている……というより注目されている様だね。
将来有望、但しトラブル体質なので出来れば目をかけてやって欲しいという旨の内容だったよ。」
ハジメ「トラブル体質……否定はできんな。それはさておき、肝心の身分証明の方は?」
イルワ「ああ、先生が問題のある人物ではないと書いているからね。あの人の人を見る目は確かだ。
わざわざ手紙を持たせる程だし、この手紙を以て君達の身分証明とさせてもらうよ。」
どうやらキャサリンさんの手紙は本当にギルドの上層部相手に役立に立った様だ。随分と信用がある。
キャサリンさんを"先生"と呼んでいる事からかなり濃い付き合いがある様に思える。
俺の隣に座っているシアは、キャサリンさんに特に懐いていた事からその辺りの話が気になる様で、おずおずとイルワ支部長に訪ねた。
シア「あの~、キャサリンさんって何者なのでしょう?」
イルワ「ん?本人から聞いてないのかい?彼女は王都のギルド本部でギルドマスターの秘書長をしていたんだよ。
その後、ギルド運営に関する教育係になってね。今各町に派遣されている支部長の5,6割は先生の教え子なんだ。
私もその一人で、彼女には頭が上がらなくてね。
その美しさと人柄の良さから、当時は僕らのマドンナ的存在、あるいは憧れのお姉さんの様な存在だった。
しかしその後、結婚してブルックの町のギルド支部に転勤したんだよ。
子供を育てるにも田舎の方がいいって言ってね。彼女の結婚発表は青天の霹靂でね。荒れたよ。
ギルドどころか、王都が。」
……情報量が多すぎる。
シア「はぁ~そんなに凄い人だったんですね~。」
ユエ「……ん、キャサリン凄い。」
ハジメ「中枢にいたのか、道理で腕の良い受付嬢だと思ったわけだ。人気があるのも頷けるな。」
聞かされたキャサリンの正体に感心する俺達。想像していたよりずっと大物だったらしい。
尚、後に一時的な若返りの手段を手にしてキャサリンに試してみた結果、イルワ支部長に見せてもらった写真と同一の女性――
豊満かつ引き締まった抜群のスタイルに、妖艶でありながら快活さと清冽さも感じさせる独特の雰囲気を感じさせる受付嬢の姿に変身したことを、当時の俺たちは知る由もなかった。
ハジメ「ま、それはそれとして、問題が無いならもう行っていいか?」
元々、身分証明の為だけに来たので、用が終わった以上長居は無用だと俺がイルワ支部長に確認する。
イルワ「その前に一ついいかい?話は変わるが、少し待って欲しいんだ。」
しかしイルワ支部長は瞳の奥を光らせると、俺達を留まらせてきた。
そして彼は、隣に立っていたドット秘書長さんを促して一枚の依頼書を俺達の前に差し出した。
イルワ「実は、君達の腕を見込んで、一つ依頼を受けて欲しいと思っている。
取り敢えず話を聞いて貰えないかな?聞いてくれるなら、今回の件は不問とするのだが……。」
ハジメ「依頼?内容と推定日数によるけど……あ、後これ。」
そう言って俺は、部屋で待っている間にメモっていた紙を、イルワ支部長に渡した。
イルワ「?これは?」
ハジメ「さっきの豚とその血族が裏でやってきた悪行について。証拠品の場所とかも載ってるやつ。」
イルワ「なっ!?」
ハジメ「あ、言っとくが報告の義務を守っただけで、別に脅迫とかじゃないぞ?」
まぁ、確かに動揺するのはわかるけれども。
イルワ「……本当にすまない。聞く聞かないに関係なく、今回の件は不問にするよ。だから……。」
ハジメ「おう、話の続きを頼む。そのメモは処分するなり活用するなり、好きにしてもらって構わない。」
それにこれだけ証拠がそろっていれば、貴族であろうと実刑は免れないしな。
周囲の人間による証言によって原因は豚にあるとされる以上、過剰防衛ではなく正当防衛だと認めるしかないだろうからな。
イルワ「それは助かるよ。さて、今回の依頼内容だが、そこに書いてある通り、行方不明者の捜索だ。
北の山脈地帯の調査依頼を受けた冒険者一行が予定を過ぎても戻ってこなかったため、冒険者の一人の実家が捜索願を出した、というものだ。」
イルワ支部長の話を要約すると、つまりこういう事だ。
最近、北の山脈地帯で魔物の群れを見たという目撃例が何件か寄せられ、ギルドに調査依頼がなされた。
北の山脈地帯は一つ山を超えると殆ど未開の地域となっており、大迷宮の魔物程ではないがそれなりに強力な魔物が出没するので高ランクの冒険者がこれを引き受けた。
ただ、この冒険者パーティに本来のメンバー以外の人物がいささか強引に同行を申し込み、紆余曲折あって最終的に臨時パーティを組む事になった。
この飛び入りが、クデタ伯爵家の3男ウィル・クデタという人物らしい。
クデタ伯爵は、家出同然に冒険者になると飛び出していった息子の動向を密かに追っていたそうなのだが、今回の調査依頼に出た後息子に付けていた連絡員も消息が不明となり、これはただ事ではないと慌てて捜索願を出したそうだ。
イルワ「伯爵は家の力で独自の捜索隊も出している様だけど、手数は多い方がいいとギルドにも捜索願を出した。
つい昨日の事だ。
……最初に調査依頼を引き受けたパーティはかなりの手練でね、彼等に対処できない何かがあったとすれば並みの冒険者じゃあ二次災害だ。
相応以上の実力者に引き受けてもらわないといけない。
だが、生憎とこの依頼を任せられる冒険者は出払っていてね。
そこへ君達がタイミングよく来たものだから、こうして依頼しているという訳だ。」
ハジメ「成程、事情は分かったが……生憎俺は"青だ。実力不足だと思うのだが?」
イルワ「それはどうかな?」
ハジメ「なに?」
すると、イルワ支部長はまさかの情報を持ち出してきた。
イルワ「さっき"黒"のレガニドを瞬殺したばかりだろう?それに……君は3つの大迷宮を踏破したと聞いている。
その上、【樹海事変】と【終末予言】の張本人である"無敵の覇王"が相応以上と言わずして何と言うのかな?」
ハジメ「ちょっと待て。」
何故その情報を……いや、原因は大体わかっている。
ユエ「……【終末予言】は、この前のハジメの実験が原因。」
シア「あ、私もそう思います。【樹海事変】も、ハジメさんが長老衆に放った圧が原因でしょうし。」
ハジメ「うっ……あ、悪意はなかったから……。」
物凄い身に覚えのあることばっかりで、思わず頭を抱えた。*1
そんな俺を見て苦笑いしながら、イルワ支部長は話を続けた。
イルワ「生存は絶望的だが、可能性はゼロではない。
伯爵は個人的にも友人でね、出来る限り早く捜索したいと考えている。どうかな、今は君達しかいないんだ。
引き受けてはもらえないだろうか?」
懇願する様なイルワ支部長の態度には、単にギルドが引き受けた依頼という以上の感情が込められている様だ。
伯爵と友人という事は、もしかするとその行方不明となったウィルとやらについても面識があるのかもしれない。
個人的にも、安否を憂いているのだろう。……出来れば、真面な感性の持ち主であることを願いたい。
イルワ「報酬は弾ませてもらうよ?依頼書の金額は勿論だが、私からも色をつけよう。
ギルドランクの昇格もする。君達の実力なら一気に"黒"にしてもいい。」
ハジメ「それは別に構わないが……少し多すぎないか?友人の息子相手に、入れ込み過ぎな気がするぞ?」
俺がそういうと、イルワ支部長が初めて表情を崩す。後悔を多分に含んだ表情だ。
イルワ「彼に……ウィルにあの依頼を薦めたのは私なんだ。
調査依頼を引き受けたパーティーにも私が話を通した。
異変の調査といっても、確かな実力のあるパーティーが一緒なら問題ないと思った。
実害もまだ出ていなかったしね。ウィルは、貴族は肌に合わないと昔から冒険者に憧れていてね……
だが、その資質は無かった。だから強力な冒険者の傍で、そこそこ危険な場所へ行って、悟って欲しかった。
冒険者は無理だと。昔から私には懐いてくれていて……だからこそ、今回の依頼で諦めさせたかったのに……。」
……ふむ、要は実際の冒険者の過酷さを知ってもらう為に、体験のつもりで同伴させたってわけか。
しかし、いくら実力のあるパーティーであろうと、予想外の事態は冒険者につきものだ。
酷な言い方だが、自己責任位できないお坊ちゃんでは、却って足手纏いだ。
せめて自己防衛くらいはしっかりしなければ、最悪その貴族だけ犠牲になってしまう可能性も高いのだから。
まぁ、坊ちゃんがよっぽどのクズ貴族か、冒険者が実は詐欺集団だったとかでもなければ、そうそうそんな事態は起こりえないだろうが。
ハジメ「……支部長、アンタの譲歩できるラインはどのくらいだ?」
イルワ「!それはどういう……。」
ハジメ「例えば、ギルド関連での揉め事に関する後ろ盾になるとか、ステータスプレートを作る際に表示された内容について他言無用を確約するとか、そういった報酬は可能か?と聞いているんだ。」
正直、そういう後ろ盾があった方が、俺としては助かるのだがな。流石に無理か?
イルワ「それくらいなら構わないよ、キャサリン先生が気に入っているくらいだから悪い人間ではないと思うからね。
しかし、技能の口外禁止か……そう言えば、そちらのシア君は怪力、ユエ君は見た事も無い魔法を使ったと報告があったな……。」
ハジメ「あぁ、その辺りも教会から目を付けられそうだしな。出来るなら便宜もしてほしい。」
俺がそういうと、イルワ支部長は暫く考え込んだ後、意を決した様に視線を合わせた。
イルワ「……わかった。犯罪に加担する様な倫理に悖る行為・要望には絶対に応えられない。
君達が要望を伝える度に詳細を聞かせてもらい、私自身が判断する。
だが、できる限り君達の味方になる事は約束しよう……これ以上は譲歩出来ない。どうかな?」
ハジメ「!了解した。必ず生きて連れて帰る故、報酬は後払いで頼む。」
まさか通るとは思っていなかったが、最大限譲歩してくれるとは……
どうやら、思っていた以上にイルワ支部長とウィルの繋がりは濃いらしい。
すまし顔で話していたが、彼は内心で相当焦っており、正に藁にも縋る思いなのだろう。
生存の可能性は、時間が経てば経つ程ゼロに近づいていく。だから無茶な報酬も承諾してくれたようだ。
正直、ステータスプレートと後ろ盾だけでも、騒がれずにプレートを手に入れることができ、これからの行く先で身分証明の手間が減る上に、施設利用もしやすくなるので、十分助かるのだ。
更に便宜まで図ると約束された以上、責任感は重大だ。この依頼は、絶対にやり遂げねばならない。
まぁ、密告の可能性もあるので作成は依頼達成後にしたが。
どんな形であれ、心を苛む出来事に答えを知らせた以上、イルワ支部長もこちらを悪いようにはしないだろう。
彼も俺の意図は察しているのだろう。
苦笑いしながら、それでも捜索依頼の引き受け手が見つかった事に安堵している様だ。
イルワ「本当に、君達の秘密が気になってきたが……それは、依頼達成後の楽しみにしておこう。
ハジメ君、ユエ君、シア君……宜しく頼む。」
イルワ支部長は最後に真剣な眼差しで俺達を見つめた後、ゆっくり頭を下げた。
大都市のギルド支部長が一冒険者に頭を下げる、そうそう出来る事ではない。
キャサリンさんの教え子というだけあって、人の良さが滲み出ている。
そんな彼の様子を見て、俺達は立ち上がると気負いなく答えた。
ハジメ「あぁ、ウィルの為に美味しい物でも用意して待っていてくれ。」
ユエ「ん。任せるがいい。」
シア「分かりました!」
その後、支度金や北の山脈地帯の麓にある湖畔の町への紹介状、件の冒険者達が引き受けた調査依頼の資料を受け取り、俺達は部屋を出て行った。
バタンと扉が締まる。その扉を暫く見つめていたイルワは、「フゥ~。」と大きく息を吐いた。
部屋にいる間、一言も話さなかったドットが気づかわしげにイルワに声をかける。
ドット「支部長……よかったのですか?あの様な報酬を……。」
イルワ「……ウィルの命がかかっている。彼等以外に頼める者はいなかった、仕方ないよ。
それに彼等に力を貸すか否かは私の判断で良いと彼等も承諾しただろう。問題ないさ。
それより彼らの秘密……。」
ドット「ステータスプレートに表示される"不都合"ですか……。」
イルワ「ふむ。ドット君、知っているかい?ハイリヒ王国の勇者一行は皆、とんでもないステータスらしいよ?」
ドットは、イルワの突然の話に細めの目を見開いた。
ドット「!支部長は、彼が召喚された者……"神の使徒"の一人であると?
しかし、彼はまるで教会と敵対する様な口ぶりでしたし、勇者一行は聖教教会が管理しているでしょう?」
イルワ「ああ、その通りだよ。でもね……およそ4ヶ月前、その内の一人がオルクスで亡くなったらしいんだよ。
奈落の底に魔物と一緒に落ちたってね。」
ドット「……まさか、その者が生きていたと?4ヶ月前と言えば、勇者一行もまだまだ未熟だった筈でしょう?
オルクスの底がどうなっているのかは知りませんが、とても生き残る事など……。」
ドットは信じられないと首を振りながら、イルワの推測を否定する。
しかしイルワは、どこか面白そうな表情で再びハジメ達が出て行った扉を見つめた。
イルワ「そうだね。でももしそうなら……何故彼は仲間と合流せず、旅なんてしているのだろうね?
彼は一体、闇の底で何を見て、何を得たのだろうね?」
ドット「何を……ですか……。」
イルワ「ああ。何であれ、きっとそれは教会と敵対する事も辞さないという決意をさせるに足るものだ。
それは取りも直さず、世界と敵対する覚悟があるという事だよ。」
ドット「世界と……。」
イルワ「私としては、そんな特異な人間とは是非とも繋がりを持っておきたいね。
例え彼が教会や王国から追われる身となっても、ね。
もしかすると、先生もその辺りを察して態々手紙なんて持たせたのかもしれないよ。」
ドット「支部長……どうか引き際は見誤らないで下さいよ?。」
イルワ「勿論だとも。」
スケールの大きな話に目眩を起こしそうになりながら、それでもイルワの秘書長として忠告は忘れないドット。
しかしイルワは、何かを深く考え込みドットの忠告にも、半ば上の空で返すのだった。
次回、とうとう先生と再会です。
今後、登場予定のヒロインでハジメさんの正妻にするとしたら?
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勿論、ユエ!
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幼馴染の香織だ!
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その他①(読者リクエスト)
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その他②(別作品から更に追加)
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その他③(原作内から追加)