Re.ありふれない錬成師で最高最善の魔王、世界最強を超越する   作:天元突破クローズエボルハザード

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今回、女神教の下りはありません。理由?ラキアン風に言うと、「……だる。」です。



00:42/信じるもの、貫く勇気

愛子「……で、では、私達はその"元人間の神エヒト"の遊戯の為だけに、人間族側の駒として召喚されたというのですか?」

ハジメ「あぁ、そもそもこの手の召喚で神など大概ろくでなしばかりだしな。

だから戦争などに参加するべきではなかったんだけどね……。」

散々愛ちゃん先生が吠えた後、俺は食事をしながらこの世界の真実について語った。

 

愛子「そ、そんな……。」

先生はショックの余り顔を青くしてフラついてしまい、慌てて支える。

他のクラスメイトも動揺のあまり、言葉も出ないようだ。しかし、まだ希望はあるのだがな……。

が、それを口にする暇もなかった。

 

デビッド「……貴様、黙って聞いておれば戯れ言を抜かしおって!この背信者が!」

何故か一緒に話を聞いていた騎士達が、剣を構えて怒鳴ってきたからだ。

やれやれ、ここをどこだと思っているんだ?

 

ハジメ「信じる信じないは勝手だ、だがここは飯屋だ。騎士なら食事のマナー位守ったらどうなんだ?」

デビッド「ふん、礼儀だと?その言葉、そっくりそのまま返してやる!

薄汚い獣風情を人間と同じテーブルに着かせるなど、貴様の方が礼儀がなってないだろ!

せめてその醜い耳を切り落としたらどうだ?少しは人間らしくなるだろう!」

……どうやら、人肉ミンチにされたい奴らのようだな?

 

ユエ「……小さい男たち。」

!言うねぇ、ユエ……こ奴らは運が良いなぁ?

デビッド「……異教徒め。そこの獣風情と一緒に地獄へ送ってやッ!?」ドゴォッ!!

その先を、目の前の騎士は告げることができなかった。俺が拳圧でぶっとばしたからだ。

 

奴はそのまま背後の壁に凄まじい音を立てながら激突し、上半身が見えなくなったところで足がガクンッと崩れ落ちる。

少し遅れて、放り出された剣がカシャン……と小さく音を立てて床に転がった。

所詮はこの程度か……ラインハルトやラウスと比べるまでもないな。

 

ハジメ「先程マナーを守れと言ったばかりだというのに……しかもレディへの礼節すらなっていないとはな。

この国の騎士は野良犬よりも野蛮なのか?だとすれば、騎士道精神が聞いて呆れる。」

そう言って余裕そうに紅茶を口にする。ふむ……隠し味の生姜が効いているおかげか、中々に美味しい。

 

とそこへ、騒ぎを聞きつけたのか店主がカーテンを開けて飛び込んできた。

そして、目の前の惨状に目を丸くして硬直するのと同時に、先生達が我を取り戻した。

が、他の騎士共も我に返ったようで、一斉に剣に手をかけてこちらにガン飛ばしてきた。

なので、遠慮なく覇王色の覇気をぶっ放す。別に殺ってしまってもよいが、先生達の前なので自重した。

 

当然、諸に喰らった騎士共は泡を吹いてぶっ倒れた。

しかしその余波を食らったせいか、先生達も顔を蒼褪めさせてガクガクと震えている。

店主や他の客には飛ばさないように抑えたものの……それでもやはり、調整は要るようだな。

 

ハジメ「さて、煩い奴等もいなくなったんだ……続きを話そうか?」

そう言って先生達にだけ"鎮魂"をかけ、精神を安定させる。

愛子「!……南雲君、この魔法は?」

ハジメ「そこについても話そう。それと店主、騎士達はそのままにしてやってくれ。死ぬほど疲れているんだ。」

俺がそういうと、店主は冷や汗をかきながらも「わかりました。」と言って、立ち去ってくれた。

これでやっと落ち着いたな。

 

シア「………。」

あぁ、シアの可愛い笑顔が奴らのせいで台無しじゃあないか。全く、本当に度し難い。

ハジメ「シア、あまり気にするな。あんな有象無象の声など、無視してしまえばいい。」

ユエ「……ん、シアのウサミミは可愛い。ハジメもシアのウサミミをモフモフしてる時、とっても嬉しそう。」

!?何故それを!?

 

シア「ハジメさん、ユエさん……私のウサミミお好きだったんですね……えへへ。」

すると、あっという間にシュンとなったシアのウサミミが一気に元気を取り戻してヒュパ!と立ち上がった。

そしてシア自身も赤く染まった頬を両手で押さえイヤンイヤンし、頭上のウサミミは「わーい!」と喜びを表現する様にわっさわっさと動く。

うんうん、やっぱりシアはこうでなくちゃ!

 

ハジメ「まぁ、教会の奴等の基準など、洗脳教育の時点で除外済みだ。

それに、あそこの男子共はシアのウサミミを見て喜んでいるようだしなぁ?」

淳史・昇・明人「「「!?」」」

図星なのかビクッとなる男子達。女子達からは物凄く冷めた目を向けられていた。

 


 

愛子「……じゃあ、その神代魔法を全て集めたら、元の世界へ帰れるかもしれない、ということなんですね?」

ハジメ「あぁ、その序にクズ野郎は始末するつもりだ。それまでに皆には生き残ってほしい。」

あの後、気絶させた騎士達を別室に放り投げ、改めて話を続けた。

それを聞いて、元の世界に帰れるかもしれない可能性があると知った先生達は、何処か安堵した表情になった。

まぁ、微かだが希望が見えたのは嬉しいだろうしな。

 

淳史「って、南雲!お前、それ銃だろ!?何で、そんなもん持ってんだよ!」

ハジメ「作った。だって俺、錬成師だから当然だろ?言っとくがやらんぞ、素材も貴重だし。」

驚くのも無理はないか、ファンタジーにミリタリーウェポンなんて持ち込むのは容易じゃないし。

だからと言って、譲ることはできない。ライダー武器あるだろって?それはそれ、これはこれ。

後、勝手に改造するのは失礼だと思うから。なので、武器とベルトには一切手は付けていない。

 

ハジメ「一先ず、話はこれで良いか。この内容については、まだ他言で頼む。

さっきの騎士共が何やらかすか、たまったもんじゃないしな。」

愛子「うっ、たしかにそうですね……。」

流石にもう一度ぶちのめすのは手間だしな、先生から言い含めてもらうよう言っておく。

 

ハジメ「さてと……ご馳走様。それじゃあ、俺達は明日の依頼の為に、そろそろ宿に行くよ。」

愛子「!待ってください、ハジメ君にお願いがあります。」

ハジメ「?出来れば簡単なものがいいんだけど……。」

すると、先生の口から出た内容は衝撃的なものだった。

 

愛子「私たちと一緒に、清水くんを探して欲しいんです。」

ハジメ「何?どういうことだ?」

何やら気になる内容だったので、詳しく聞くことにした。

どうやらあいつは、俺を探す為に先生に同行していたらしい。

 

トシの計画では、香織達から離れて捜索範囲を広げるつもりだったようで、道中でも隅々まで見回しては探していたみたいだ。

しかし、ウルに来てからつい2週間前。北の山脈に行ったっきり戻ってこないらしい。

……何かがきな臭いな。ウィルの件と言い、トシのことと言い、北の山脈地帯が怪しすぎる。

まるで誰かが裏で事を進めて、それに二人が巻き込まれたのかもしれないという疑惑が浮上してくる。

 

ハジメ「わかった、依頼のついでに探してくるよ。だから先生達は心配せずに待っていてくれ。」

愛子「い、いえ!そういうわけにはいきません!先生も一緒についていきます!」

ハジメ「えぇ~……?言っとくけど、自己責任だよ?後、勝手について行くならちゃんと追いついけるの?」

愛子「それは……。」

やれやれ、全く世話の焼ける……。

 

ハジメ「じゃあこうしよう。俺達が出かけるまでに、先生達が追い付けたら一緒に連れて行ってあげるよ。

それなら簡単でしょ?」

愛子「!約束ですよ!?ちゃんと連れて行ってくださいね!?」

ハジメ「わかっているさ、せいぜい早起きすることだ。行くぞ、ユエ、シア。」

そう言って二人を促し、席を立つ。すると、覚えのある少女がいたので、声をかけておくことにした。

 

ハジメ「あぁ、それと……園部さん、で合っているよな?その様子だと、元気そうだな。」

その言葉に当の本人はおろか、他のクラスメイトや先生まで鳩が豆鉄砲を食らった様な顔になる。

が、俺はそんなことは気にせず、さっさと2階に上がった。今夜、先生に話しておくこともあるしな。

こっそり部屋の場所に探りを入れておくか。

 


 

優花「……本当に、生きてたんだ。」

何とも言えない微妙な空気の中、ポツリと改めて己の中の実感を確かめる様な小さな呟きが沈黙の静けさを破った。

その声に愛子達が視線を向ければ、優花が何とも言えない複雑な、本当に色々な感情を綯交ぜにした様な表情で階段の方を見つめていた。

 

優花「香織ちゃんの言う通りだったわね。

まぁ助けを求めるどころか、自分でどうにかしちゃったみたいだけど。」

奈々「優花っち……大丈夫?」

妙子「優花……。」

独白する様な声音で話す優花を見て、奈々と妙子が気遣わし気に声を掛けた。

そんな二人に、優花は苦笑いしながら肩を竦める。

 

優花「大丈夫って……そりゃあすんごいビックリしたけど、問題なんてある訳無いでしょ?

クラスメイトが生きてたんだよ?良かった、以外に思う事なんて無いでしょ。」

奈々「……うん、そうだよね!私なんか、まだ信じられないけど……性格も以前より厳しめそうだったし。」

妙子「確かにね。何だか、その……なんていうか、ワイルド?になってたよね。」

彼が怒った時、ベヒモス以上の魔物に遭遇してしまったと思うくらい怖かった。

とは言えず、妙子が言葉を選びながらそんな事を言う。

すると会話の糸口を掴んだ様で、淳史達も会話に加わり始めた。

 

淳史「しかも前は天之河以上に強かったけど、今じゃそんな次元の話じゃなくなってたしな。」

昇「だよな。普通にしていれば、前と同じだったけどよ……。

不機嫌な時の雰囲気とか、ハイリヒの王様とか前に見た皇帝なんかよりも王様感あったよな……。」

明人「それな、その上ハーレムまで作っていたしな。清水がこれ見たら、喧嘩にならないか?」

 

死んだと思っていたクラスメイトが生きていたのは素直に嬉しい。

それは優花の言う通りで、恐怖を感じていた奈々や妙子も含めて淳史達も同じだった。

心の奥で、ずっとズシリとした重みを与えていた何かが消えた様な気持ちだった。

単純な言葉で表現するなら、やはり安堵した、というのが一番近いだろう。

 

だが、それをそのまま言葉に出来なかったのは、あの誤爆(・・)事件の事から、ハジメに対する態度を決めかねていたからだ。

結果、誰もがハジメに対して積極的な態度を取る事が出来なかった。

と、そんな風に淳史達がハジメの変化に恐れややりきれなさ等様々な感情を抱く中、再び優花がポツリと呟く。

 

優花「お礼、言えなかったなぁ。」

その言葉に、淳史達はハッとした様に顔を見合わせた。

ハジメの変化やその圧倒的実力云々以前に、そんな事に関心を向ける前に、自分達にはすべき事があったのではないか……と。

 

優花の様に、直接救われた訳では無いけれど、あの時クラスメイトの為に身命を賭してくれたのは事実だ。

尚、優花が宿していた複雑な表情は、淳史達と全く同じ感情から来たものではなく、あの日のお礼をもう一度キチンと言えなかった事、言う事に意味が無い様に思えた事から来るものだった。

 

愛子「園辺さん……。」

そんな優花の様子に、愛子はどんな言葉をかけていいのか分からなかった。

愛子自身も、怒涛の展開と教え子の変貌に内心激しく動揺していたのだ。

なんとか、捜索に同行する為の言質は取り付けたものの、どう接していけばよいのか……

今の愛子自身はその答えを持ち合わせていなかった。

 


 

夜中。

深夜0時を回り、一日の活動とその後の予想外の展開に精神的にも肉体的にも疲れ果て、誰もが眠りついた頃、しかし愛子は未だ寝付けずにいた。

 

愛子の部屋は一人部屋で、それ程大きくはない。

置かれているのは、木製の猫脚ベッドとテーブルセット、小さな暖炉に革張りのソファーくらいだ。

冬場には、きっと揺らめく炎が部屋を照らし、視覚的にも体感的にも宿泊客を暖めてくれるのだろう。

 

愛子は今日の出来事に思いを馳せ、ソファーに深く身を預けながら火の入っていない暖炉を何となしに見つめる。

彼女の頭の中は整理されていない本棚の様に、あらゆる情報が無秩序に並んでいた。

考えねばならない事、考えたい事、これからの事、ぐるぐると回る頭は一向に建設的な意見を出してはくれない。

 

大切な教え子が生きていたと知った時の事を思い出し頬が緩むも、その在り方の変容に眉を八の字にする。

デビッドの言動から始まって垣間見たハジメの力に、その様に強くならなければ生き残れなかったのかもしれないとハジメが経験したであろう苦難を思い、何の助けにもなれなかった事に溜息を吐く。

しかしその後の2人の少女との掛け合いを思い出し、信頼できる仲間を得ていたのだと思い再び頬を緩める。

 

ハジメ「何故に百面相?」

愛子「ッ!?」

と、その時。突如誰もいない筈の部屋の中から声が掛けられた。ギョッとして声がした方へ振り向く愛子。

そこには、いつの間にか入口の扉にもたれながら腕を組んで立つハジメの姿があった。

驚愕のあまり舌が縺れながらも、愛子は何とか口を開く。

 

愛子「な、南雲君?な、何でここに、どうやって……?」

ハジメ「普通にドアから入ったけど?鍵は錬成でどうとでもなるし。」

飄々と答えるハジメに愛子は暫く呆然とした後、驚きでバクバクと煩い心臓を何とか落ち着かせながら、眉を顰めて咎める様な表情になった。

 

愛子「こんな時間に、しかも女性の部屋にノックもなくいきなり侵入とは感心しませんよ。

態々鍵まで開けて……一体、どうしたんですか?」

愛子の脳裏に一瞬、夜這いという言葉が過ぎったが即行で打ち消す。

生徒相手に何を考えているのだと軽く頭を振った。

そんな様子の愛子に苦笑いしつつも、ハジメは来訪の目的を告げた。

 

ハジメ「いや~、実はさっき伝え忘れていたことがあってね。

本当は明日でもよかったんだけど、早めに伝えておいた方がいいかなってね。後これ、精神安定用のお守り。」

ハジメはそういうと、乳白色のブレスレットを手渡した。

このブレスレットには、先程ハジメが使用した"鎮魂"が付与されており、少しでも精神的疲労を軽減出来るよう、ハジメなりにカスタマイズしたものだ。

 

愛子「あ、ありがとうございます。それで、伝え忘れていたこととは?」

ハジメ「それなんだけど、内容が内容なだけに伝えづらくてね……

ブレスレットを渡したのは、それを聞いた先生が苦しむかもしれないから作ったんだ。」

愛子「苦しむ、ですか……?」

その問いにハジメは気まずそうに頷き、話すべきことを口にした。

 

ハジメ「……俺が落ちた時の原因についてなんだけど、それってベヒモスと一部の魔法の誤爆のせい、ってことになっているんだよね?」

愛子「!ど、どうしてそれを!?」

ハジメ「そっちについては後で話すよ、それよりも原因の魔法だけど、あれは誤爆じゃない、わざとだ。」

愛子「え?わざと?」

訳が分からないといった表情の愛子。だがハジメは心を鬼にして、その事実を口にした。

 

ハジメ「そう……檜山だったか?アレが勝手に嫉妬心で狙ってきた、ということだ。」

愛子「ッ!?」

ハジメ「勿論全て避けたさ。それに、俺も別行動で自由探索もしたかったから気にしてはいない。

一応、香織と雫には気を付けるよう言ってあるから問題ないと思うが……寧ろ、先生の方が心配だな。」

そう言ってハジメは再び、愛子に鎮魂をかける。

 

愛子「……すみません、何度もご迷惑をかけて。」

ハジメ「それはこっちのセリフさ、俺も正直言うか言わないか迷っていたし。

後、香織と雫には俺が生きていることは伝えてあるよ。」

愛子「えぇっ!?そ、そうだったんですか!?」

気持ちが漸く落ち着いたかと思えば、今度は別の意味で衝撃的な事実が告げられた。

 

ハジメ「最初のうちは王宮の部屋の引き出しから、メッセージをこっちから送っていたんだけどね。

香織達がホルアドに留まるようになったらしいから、通信用アーティファクトをこの前渡してきたよ。

流石に毎回、バイクをかっ飛ばして王都からホルアドまで行くのは、結構骨が折れたからね……。」

そう言って苦笑いするハジメ。その様子に愛子は溜息をつくが、先程受けた衝撃は薄れたようだ。

 

ハジメ「それに、香織と雫の2人にしか俺の生存は話していない。あまり大勢にバレると面倒だからね。

でも特製アーティファクトは送ってあるから、100層までの魔物ならそう簡単に負けることはなさそうだよ。」

愛子「そうですか、それはよかったです……って、100層まで?」

迷宮内の生徒達の息災を聞けて安堵したものの、最後の一文が気になった愛子は、その部分を口にする。

 

ハジメ「あぁ、俺が落ちた場所はどうやら101階層みたいでな。

そこは単体でベヒモスクラスの魔物がうじゃうじゃいたよ、それも大きさは普通の魔物と変わらないし。」

愛子「そんな……。」

オルクスの魔物のレベルの高さに戦慄する愛子、しかしこれが現実なのだ。

 

ハジメ「この程度まだ序の口だぞ?神山にある大迷宮は対人戦な上に、オルクス以上の難敵ばっかりだし。」

愛子「し、神山ですか!?」

ハジメ「あぁ、因みに俺はもうクリアしたぞ。

道中もそこそこ面倒な奴が多かったけど、ラスト2人が鬼畜仕様だったから相当キツかった……。」

遠い目で経験談を語るハジメ、そんな彼の様子から大迷宮攻略中の生徒達の安否がますます心配になる愛子。

 

ハジメ「……言っとくけど、今の光輝達じゃあ迷宮攻略は無理だろうな。

表のオルクス程度で燻っている時点で、たかが知れている。

そもそも戦争というものの性質を根本から理解していない点で、あいつらは未熟の範疇を出ていない。」

香織達なら話は違うだろうけど、と付け足すハジメ。経験者からすれば、戦争を舐めるなと言いたくなるだろう。

 

ハジメ「そんなに心配なら、次の迷宮に行く前に様子見にホルアドに立ち寄るよ。

攻略が無理そうならある程度はテコ入れしておくから、そんな不安そうな表情しないでよ。」

愛子「!す、すみません。先生なのに、生徒の皆さんを守れてなくて……。」

目の前の生徒はこんなに頼もしくなったというのに、自分は何をしているのだろうか。

教師として情けないと、自分で自分を責める愛子。すると、ハジメは愛子に励ましの言葉をかけた。

 

ハジメ「何を言っているんですか、先生は先生なりに皆を守ってきたじゃないですか。」

愛子「……え?」

ハジメ「確かに戦争参加は馬鹿どもが騒ぎ出して止められなかった。

でも未だに死傷者が出ていないのは、攻略組の努力の賜物だけじゃない。

先生が自分の能力を活かして、戦えない人たちを守ってきたからでしょう?」

愛子「!」

 

実は以前、ハジメは香織から愛子の活躍についても聞いていたのだ。

自分がいなくなった後、愛子がどれだけ生徒の為に奔走していたのかを。

そのおかげで、王宮で再会した他のクラスメイト達も元気そうにしていたことを。

他の者では出来ない、教師である愛子だからこそここまで出来たのだと、ハジメは知っているのだ。

 

ハジメ「先生は、戦えない生徒にとっては希望の拠り所なんです。

先生がいるからこそ、攻略組は安心して攻略できて、居残りの奴等も無理に戦わなくてもいいようになった。

こんなこと、先生以外に一体誰に出来るというのです?先生が先生であり続ける限り、誰も死にませんよ。

それに先生が自分を不甲斐ないって思っていたら、クラスの奴等も不安で一杯になっちゃうでしょう?」

愛子「南雲君……!」

それは掛け値なしの称賛だった。実力行使を取るハジメよりも、平和的に解決できる彼女の方がすごいのだから。

 

愛子「そう、ですよね……そうです!教師である私がくよくよしている場合じゃありませんよね!」

ハジメ「あぁ、先生は先生なりに出来ることをして、生徒を守っていけばいい。

帰還方法やアレの始末、それに檜山のクズに関しては俺が何とかしておくさ。」

愛子「危険なところを南雲君に任せるのは気が引けますが……分かりました。」

どうにか持ち直した愛子を見て、もう大丈夫そうだなと思ったハジメはオーロラカーテンを開いた。

 

ハジメ「それじゃ、もう遅いから今日は帰るよ。先生も早く寝なよ?寝不足はお肌の敵だからね。」

愛子「ふふっ、そうですね。それでは南雲君、おやすみなさい。」

疲れていながらも笑顔を浮かべて見送る愛子に頷き、ハジメは自分の部屋に戻っていった。

それを見届けた愛子は、明日の朝にハジメに追いつくべく、布団に潜るのであった。




本作のハジメさんも前作のハジメさんも、先人たちの武器はしっかりとリスペクトしているので、勝手に改造や魔法付与はしません。
……素材が揃ったら、類似品を魔改造しそうですが。

後、ハジメさんは波紋は持っていても、作物に直接作用できる技能はないので、愛子の力が少し羨ましく思っています。
次回はあのキャラが初登場?するかも。お楽しみに!

今後、登場予定のヒロインでハジメさんの正妻にするとしたら?

  • 勿論、ユエ!
  • 勇者シアでしょ!
  • 幼馴染の香織だ!
  • ヒロインと言ったら雫だろ!
  • 原作と性格違うけどティオです!
  • 魔性のレミアさん一択!
  • 愛子と禁断のロマンス!
  • 王族同士でリリアーナを推す!
  • 頑張れ、優花!
  • エンティ(アフターシア編)
  • ローゼ(アフターティオ編)
  • ミンディ(アフターまおゆう編)
  • トネリコ(アンケートその1)
  • 星野アイ(アンケートその2)
  • ユウキ(アンケートその3)
  • 大穴、ミュウに全乗せ!
  • 対抗馬リスティ、出る!
  • その他①(読者リクエスト)
  • その他②(別作品から更に追加)
  • その他③(原作内から追加)
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