Re.ありふれない錬成師で最高最善の魔王、世界最強を超越する 作:天元突破クローズエボルハザード
その竜の体長は7m程。漆黒の鱗に全身を覆われ、長い前足には5本の鋭い爪がある。
背中からは大きな翼が生えており、薄らと輝いて見える事から魔力で纏われている様だ。
そのせいだろうか、空中で翼を羽搏かせる度に、翼の大きさからは考えられない程の風が渦巻く。
だが何より印象的なのは、やはり夜闇に浮かぶ月の如き黄金の瞳だろう。
爬虫類らしく縦に割れた瞳孔は、剣呑に細められていながら、なお美しさを感じさせる光を放っている。
その黄金の瞳が、スッと細められた。低い唸り声が、黒竜の喉から漏れ出している。
放たれる圧倒的な迫力は、かつて【ライセン大峡谷】の谷底で見たハイベリアの比ではない。
ハイベリアも、一般的な認識では厄介な事この上ない高レベルの魔物であるが、目の前の黒竜に比べればまるで小鳥だ。
その偉容は、正に空の王者というに相応しい。
現に先生達は、蛇に睨まれた蛙の如く硬直してしまっている。
特にウィルは、真っ青な顔でガタガタと震えて今にも崩れ落ちそうだ。
脳裏に襲われた時の事がフラッシュバックしているのだろう。
成程……川に一撃で支流を作った爪痕の主はこいつだった、というわけか。
ヒュドラ程ではないものの、相当な強さを誇っているようだ。だがこれは……闇魔法の気配がするな?
実際に確認ことはないが、魔人族程度ではあの黒龍を支配することは不可能だろう。
なら……いや、流石に考えすぎか。その可能性は出来れば消しておきたいしな。
なんて考えていると、黒竜が俺達(特にウィル)の姿を確認し、ギロリと鋭い視線を向けてきた。
そして、その場にいる人間達を前に、徐に頭部を持ち上げ仰け反ると、鋭い牙の並ぶ顎門をガパッと開けてそこに魔力を集束しだした。
キュゥワァアアア!!
ハジメ「全員、後ろに下がっていろ。ユエは"聖絶"を頼む。」
不思議な音色が夕焼けに染まり始めた山間に響き渡る。あれが例のブレスのようだ。
俺はそれを見て指示を出すが、先生達やウィルはその場に固まったままだった。
なので、シアが彼等を抱えては移動させ、全員が俺の後ろにいることを確認したユエが障壁を張った。
『刃王必殺リード!既読十聖剣!』
俺は"
そして、10個のエンブレムが浮き出た瞬間、俺は十聖刃のトリガーを引いた。
『刃王必殺読破!刃王クロス星烈斬!』
直後、竜からレーザーの如き黒色のブレスが一直線に放たれた。
同時に、円環の障壁が3重に出現し、迫りくるブレスを防ぐ。
それでも放たれ続けるブレスは、轟音と共に衝撃と熱波を撒き散らし、周囲の地面を融解させていく。
が、右手に持っている十聖刃の障壁はそれすらも容易く防ぎ、その間に俺は左手で4枚のカードを発動させる。
『Absorb Queen』
すると、障壁の後ろに更に魔法陣が展開し、ブレスの熱を吸収していく。
吸収された熱は、魔法陣の効果によって熱エネルギーを変換し、障壁の魔力へと変わっているのだ。
なので、ブレスが続けば続くほど、障壁は厚くなるという寸法だ。
ブレスは未だに続いている。周囲にあった川の水は熱波で蒸発し、川原の土や石は衝撃で吹き飛び酷い有様だ。
されど、障壁を破ることは敵わない。
別に防ぐだけなら、前に改良した大盾でも代用は可能なのだが、今回は非戦闘員もいる以上、念には念を入れておいて正解のようだ。
とはいえ、いつまでも防御に徹するわけにもいかないので、一旦ラウズカードをしまい、右手であるものを取り出すと、黒竜の真上からそれを落とした。
ドシャアッ!!
黒竜「グゥルァアアア!?」
轟音と共に強い衝撃を脳天に食らった黒竜は、衝撃に悲鳴を上げながらブレスを中断する。
落としたものは何かって?答えは勿論、"10tオモーリ"!
特殊金属"G-プレスメタル"で作られたこいつを、重力魔法で加重して落としてやったというわけさ。
ハジメ「さてと……ウィル、どうやら奴の狙いはお前の様だな。取り敢えず、お前は先生達と隠れてな。
アイツは俺が何とかする。ユエ、シア、念の為護衛を頼む。」
ユエ「……ん、わかった。」
シア「はっ、はいです!」
一先ず障壁を解除し、攻勢に出る前の作戦配置についた。
愛子「わ、私たちも……!」
ハジメ「悪いが、今の先生達じゃ足手纏いだ。寧ろ、巻き込まれてケガするのは目に見えている。
それに……そんな状態じゃ戦えるわけもないだろ?」
俺の言葉でクラスメイトの何人かは、自分たちの置かれている状況を理解したものの、先生と他2人のクラスメイトは頭では理解しているが納得はできないらしい。
しかし、俺の言ったことは事実だ。
何せ、目の前で死にかけた男が生きていたと判明しても、死ぬという現実は誰だって受け入れがたい物だろう。
であれば、そのトラウマから解放されるのは簡単ではない。
現に、黒竜の咆哮で全員委縮してしまっているからな。そもそも、魔力操作もない彼等では5分と持たない。
ユエ「……死にたくないなら、私の後ろに。」
邪魔だから余計なことはするなと、俺の心情を代弁するように、ユエが先生達に苛立ちを露わにしつつ不機嫌そうな声で呟いた。
それを聞いて漸く、先生達はウィルと共にユエの後ろに隠れた。よし、これで心置きなく戦える。
黒竜「グルゥゥゥゥ……!」
すると黒竜は、こちらを忌々し気に睨み、威嚇してくる。
ハジメ「来いよ、黒竜ヤロー。」
なのでこちらも挑発し、クイックイッと手招きする。
黒竜「グルァアア!!」
それを受けとったのか、黒竜は火炎弾を飛ばしてきた。
ハジメ「温い!」
しかし俺はその炎を容易く払って搔き消し、お返しと言わんばかりに雷の槍を放つ。
黒竜「グルゥア!!」
すると黒竜も負けじと、雷槍を翼で弾き飛ばし、今度はウィル目掛けて突進しようと試みた。
ハジメ「行かせーねよ。」
が、そんなことを俺が許すわけもなく、黒竜は尻尾を掴まれその場でブレーキがかかる。
黒竜「グルゥゥゥッ!?」
ハジメ「もっと俺と……踊ろうぜ!」
そう叫んで俺は、尻尾を持ったまま回転する。
当然、黒竜も一緒に回り、羽ばたこうにも俺の膂力に敵わず、そのまま回され続ける。
黒竜「グゥルァアアアアア!?」ブンブンブン!
ハジメ「そぉいっ!」
そして勢いがついたところで持ったまま跳躍、背負い投げの要領で黒竜を叩きつけた。
黒竜「グルゥウォォォオオオ!!??」ドゴォォォォォン!!!
勢いよく叩きつけられた黒竜は悲鳴を上げる、しかし俺は追撃の手を緩めない。
ハジメ「"超重加速・堕天"。」
チェイサーの使用する超重加速の仕組みを、重力魔法で再現した魔法で地面に縫い付け、動きを封じる。
黒竜「クゥワァアア!!」
今度はくぐもった唸り声をあげる黒竜、だがこれで……チェックメイトだ。
ハジメ「トドメ、"衝魂・縛放"。」
俺は両手に発生させた光の波動を、黒竜の脳に0距離で直接叩き込んだ。
"衝魂・縛放"――俺流にカスタマイズした、魂魄魔法だ。
こいつは、魂魄についている余計なものを取り出す魔法で、洗脳などの状態異常にめっぽう強い。
元々は、教会による洗脳対策の為に作成したものだが、闇魔法による洗脳にも効くようだ。
その証拠に、黒竜の瞳から淀んだ闇の様なものが消えており、代わりに驚きと混乱が見えていた。
ハジメ「さてと、もう悪さするんじゃねぇぞ?とっとと、元の場所に帰りな。」
そう言って、黒竜に帰るよう話しかけ、俺はその場を後にする。
別に追撃してくるなら追撃してくるで構わんし、その時はドラゴンステーキが食卓に並ぶだけだし。
黒竜「……。」
しかし、意外にも黒竜は動き出さずにその場でジッとしていた。なんだ?まだ何かあるのか?
それにまだこっちを……って、あれ?ウィルじゃなくて、俺の方を向いてる?……まさか。
ハジメ「もしかしてお前……竜人族か?」
俺が試しにそう聞いてみると、黒竜は驚いたように目を見開いた。
その言葉に、先生達も信じられないといった表情だ。じゃあ何故、分かったのかって?
ハジメ「さっきから俺を見ているが……その目は、魔物が獲物を見る目じゃあない。
目の前の存在を、見定める目だ。そんな目をする竜が魔物なわけないだろ?」
俺がその訳を説明すると、黒竜は一度瞑目すると、こちらにゆっくり近づいてきた。
まだ来るのか!?と先生達は戦慄しているが、敵意は感じられない。それに、翼も折りたたまれているし。
そうこうしてる内に、黒竜は俺の目の前に来て、その場に伏せたかと思えば、聞きなれない声が聞こえてきた。
???『……如何にも。妾は誇り高き竜人族の一人じゃ。色々事情があってのぅ。』
突如発せられた声と知らされた事実に、周囲は驚愕に包まれる。
どうやら、この山脈地帯で起こった出来事は、事情が深いものばかりのようだ。
次回、状況説明&ティオの登場
後、"衝魂・縛放"は、後の王都襲撃で使用される縛魂への対策用の魔法(予定)です。
今後、登場予定のヒロインでハジメさんの正妻にするとしたら?
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勿論、ユエ!
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勇者シアでしょ!
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幼馴染の香織だ!
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ヒロインと言ったら雫だろ!
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原作と性格違うけどティオです!
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魔性のレミアさん一択!
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愛子と禁断のロマンス!
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王族同士でリリアーナを推す!
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頑張れ、優花!
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エンティ(アフターシア編)
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ローゼ(アフターティオ編)
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ミンディ(アフターまおゆう編)
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トネリコ(アンケートその1)
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星野アイ(アンケートその2)
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ユウキ(アンケートその3)
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大穴、ミュウに全乗せ!
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対抗馬リスティ、出る!
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その他①(読者リクエスト)
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その他②(別作品から更に追加)
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その他③(原作内から追加)