Re.ありふれない錬成師で最高最善の魔王、世界最強を超越する   作:天元突破クローズエボルハザード

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今作は話の流れを基本原作準拠にしています。
ただし、キャラの性格などによっては違う展開になりますので、それをお楽しみいただけると幸いです。


00:45/Tの真実・友を救い出せ

ユエ「……何故、こんな所に?」

皆が驚愕に包まれる中、一早く正気に戻ったユエが動く。ユエにとっても、竜人族は伝説の生き物だ。

自分と同じ絶滅した筈の種族の生き残りとなれば、興味を惹かれるのだろう。瞳に好奇の光が宿っている。

 

黒竜『妾は、操られておったのじゃ。お主等を襲ったのも本意ではない。

仮初の主、あの男にそこの青年と仲間達を見つけて殺せと命じられたのじゃ。』

すると、黒竜の視線がウィルに向けられる。ウィルは、一瞬ビクッと体を震わせるが気丈に黒竜を睨み返した。

それにしても……やはり、洗脳だったか。

 

ハジメ「そのことは俺も気になっていた、順を追って話してもらおうか。

……ただ、その姿のままだと話しづらいだろうし、人型になれないか?」

黒竜『む、それもそうじゃな。では。』

 

そういうと黒竜はその体を黒色の魔力で繭の様に包んだかと思えば、完全に体を覆うとその大きさをスルスルと小さくしていった。

そして、丁度人が一人入る位の大きさになると、一気に魔力が霧散した。

 

黒い魔力が晴れたその場には……同じく黒い着物に身を包んだ、黒髪金眼の美女がいた。

腰まである長く艶やかなストレートの黒髪が風に靡く姿は、どこか艶めかしい。

見た目は20代前半くらい、身長は170cm近くあるだろう。

 

そのプロポーションは見事なもので、衣服から覗く二つの双丘は激しく自己主張しており、今にも零れ落ちそうになっている。

シアをメロンとするのなら、彼女はスイカだろうか?因みに、ユエは桃だ。

 

「なんてこった……こいつは凶悪だ。」

「これが、これがふぁんたずぃ~かっ。」

「くそっ、起きろよ!起きてくれよ俺のスマホっ!」

 

その正体がやたらと艶かしい美女だった事に、男子3人が盛大に反応している。

……思春期真っ只中とはいえ、場所と状況を考えてほしい。しかも若干前屈みになってるし……。

もう四つん這い状態になってしまえ。ほら、女性陣がゴキブリを見るような視線を向けているじゃあないか。

 

???「面倒をかけた、本当に申し訳ない。妾の名はティオ・クラルス。最後の竜人族クラルス族の一人じゃ。」

そういうと黒竜が変化した美女――ティオは頭を下げ、自己紹介をした。

ハジメ「俺の名は南雲ハジメ、異世界から召喚されただけのパンピーだよ。」

『どこが?』

おい、全員ハモるな。俺だって一般人の自覚位あるわ。

 

ハジメ「んんっ、さて、それでは聞かせてくれ。

アンタは誰にどう操られたのか、そして何故此処まで来たのかを。」

兎にも角にも話を聞くために、ティオを回復させながら話を促す。

 

ティオ「うむ、妾は……」

 


 

話を要約するとこうだ。ティオは、ある目的の為に竜人族の隠れ里を飛び出して来たらしい。

その目的とは、異世界からの来訪者について調べるというものだ。

詳細は省かれたが、竜人族の中には魔力感知に優れた者がおり、数ヶ月前に大魔力の放出と、何かがこの世界にやって来た事を感知したらしい。

 

竜人族は表舞台には関わらないという種族の掟があるらしいのだが、流石にこの未知の来訪者の件を何も知らないまま放置するのは、自分達にとっても不味いのではないかと議論を重ね、その末に遂に調査の決定がなされたそうだ。

 

ティオは、その調査の目的で集落から出てきたらしい。

本来なら山脈を越えた後は人型で市井に紛れ込み、竜人族である事を秘匿して情報収集に励むつもりだったのだが、その前に一度しっかり休息をと思いこの【北の山脈地帯】の1つ目の山脈と2つ目の山脈の中間辺りで休んでいたらしい。

当然周囲には魔物もいるので、竜人族の代名詞たる固有魔法"竜化"により黒竜状態になって。

 

暫くして。睡眠状態に入ったティオの前に、黒いローブを頭からすっぽりと被った一人の男が現れた。

その男は、眠っているティオに洗脳や暗示等の闇系魔法を多用して徐々にその思考と精神を蝕んでいった。

当然、そんな事をされれば起きて反撃するのが普通だ。だが、ここで竜人族の悪癖が出る。

 

そう。例の諺の元にもなった様に、竜化して睡眠状態に入った竜人族は、まず起きないのだ。

弱点たる尻を蹴り飛ばされでもしない限り。

それでも竜人族は精神力においても強靭なタフネスを誇るので、そう簡単に操られたりはしない。

では何故、ああも完璧に操られたのか。それは……

 


 

ティオ『恐ろしい男じゃった、闇系統の魔法に関しては天才と言っていいレベルじゃろうな。

そんな男に丸一日かけて間断なく魔法を行使されたのじゃ。いくら妾と言えど、流石に耐えられんかった……。』

一生の不覚!と言った感じで悲痛そうな声を上げるティオ。でも、そんな風に言ったって誤魔化されないぞ。

 

ハジメ「それってさぁ、調査に来ておいて丸一日、洗脳が掛けられているのにも気づかない位爆睡してたってことだよな?」

俺の冷めた目で入れられたツッコミで、全員の目が、何となく馬鹿を見る目になる。

ティオは視線を明後日の方向に向け、何事も無かった様に話を続けた。

 

因みに一応、言い訳はあるらしい。

海を越えて飛んできたティオは割と消耗していたのだが、任務の事もあり短時間での回復を図る為に普段より深い眠りに入っていたのだ。

尤も、どちらにしろ失態である事に変わりはないので口にしないが。

 

そして、何故丸一日かけたと知っているのかという事については、洗脳が完了した後も意識自体はある上に記憶も問題なく残っていた様で、ローブの男が「丸一日もかかるなんて……」と愚痴を零していたのを聞いていたからということらしい。

しかし、闇魔法の天才……正直、信じたくはないが聞いてみるか。

 

ハジメ「まぁ、それでウィルたちを襲うことになったのは大体わかった。

ところで話は変わるが……この男に見覚えはあるか?」

そう言って俺は、携帯電話に保存されていたトシの写真を見せる。

 

ティオ「!お主、あの男と知り合いなのか!?」

ハジメ「その言い方からして、やっぱりか……出来れば、外れてほしかったな。

あのクソ野郎、腹いせに仕掛けてきやがったか。こんなことになるなら、もっと徹底的に消し飛ばしておけばよかった……!

 

一緒に話を聞いていた先生達は、「そんな……」と呟きながら驚愕していたが、直ぐに顔を蒼褪めさせていた。

どうやら、親友を利用されたことに腹が立ったのもあって、うっかり怒気が溢れ出てしまっていたようだ。

いかんいかん……最近何故か怒りやすくなってしまっているな、平常心平常心。金色の心を保たねば。

 

ハジメ「コホン……話をズラしたな、続けてくれ。」

サッと怒気を収め、俺はティオに続きを促した。

ティオも俺から放たれていたプレッシャーに驚いていたのか、一瞬固まっていたものの直ぐに話を再開した。

 

そして、その後ローブの男に従い、2つ目の山脈以降で魔物の洗脳を手伝わされていたのだという。

しかしある日、1つ目の山脈に移動させていたブルタールの群れが山に調査依頼で訪れていたウィル達と遭遇し、目撃者は消せという命令を受けていた為これを追いかけた。

 

そのうちの1匹がローブの男に報告に向かい、万一自分が魔物を洗脳して数を集めていると知られるのは不味いと万全を期してティオを差し向けたらしい。

そうしてウィルを見つけたと思ったら、俺と遭遇してフルボッコにされ、そのまま支配を解かれた、らしい。

 

ウィル「……ふざけるな。」

事情説明を終えたティオに、そんな激情を必死に押し殺した様な震える声が発せられた。

その場の全員がその人物に目を向ける。拳を握り締め、怒りを宿した瞳でティオを睨んでいるのはウィルだった。

 

ウィル「……操られていたから…ゲイルさんを、ナバルさんを、レントさんを、ワスリーさんをクルトさんをっ!

殺したのは仕方ないとでも言うつもりかっ!」

どうやら状況的に余裕が出来たせいか、冒険者達を殺された事への怒りが湧き上がったらしい。

激昂してティオへ怒声を上げる。

 

ティオ「……。」

対するティオは、反論の一切をしなかった。

ただ、静かな瞳でウィルの言葉の全てを受け止める様真っ直ぐ見つめている。

ウィルはその態度がまた気に食わない様で、更に食って掛かる。

 

ウィル「大体、今の話だって、本当かどうかなんてわからないだろう!

大方、死にたくなくて適当にでっち上げたに決まってる!」

ティオ「……今話したのは真実じゃ。竜人族の誇りにかけて嘘偽りではない。」

その言葉に、なおも言い募ろうとするウィル。だが、話が進まないので俺はウィルを諭す。

 

ハジメ「落ち着け、ウィル坊。

コイツの言っていることは嘘じゃねぇよ、誇り高い竜人族がそんな愚かなことするわけねぇだろ。

それに、もし本当に人を襲っていたのであれば、とっくに町にも被害はいっている筈だ。」

ウィル「っ、でも……!」

しかし、ウィルはそれでも納得しきれないようだ。と、そこへユエが口を挟んだ。

 

ユエ「……ハジメの言う通り。竜人族は高潔で清廉。私は皆よりずっと昔を生きた。

竜人族の伝説も、より身近なもの。彼女は"己の誇りにかけて"と言った。なら、きっと嘘じゃない。

それに……嘘つきの目がどういうものか私はよく知っている。」

 

ユエは、ほんの少しティオから目を逸らして遠くを見る目をした。

きっと……300年前の出来事を思い出しているのだろう。

孤高の王女として祭り上げられた彼女の周りは、一部を除いて薄っぺらい嘘で溢れていたのであろう。

アレが原因とはいえ、最も身近な者達ですら彼女を守るために、嘘をつき続けるしかなかったのだ。

 

それ故に、"人生の勉強"というには些か痛すぎる経験を経た今では、彼女の目は"嘘つき"に敏感だ。

初対面の俺に身を預けられたのも、それしか方法がないというのも確かにあったのだろう。

しかし、ユエ曰く一切の誤魔化しをしなかったというのが、大きな理由らしい。

 

ティオ「ふむ、この時代にも竜人族の在り方を知る者が未だいたとは……いや、昔と言ったかの?」

竜人族という存在の在り方を未だ語り継ぐ者でもいるのかと、若干嬉しそうな声音のティオ。

ユエ「……ん。私は、吸血鬼族の生き残り。300年前は、よく王族のあり方の見本に竜人族の話を聞かされた。」

どうやら、ユエにとって竜人族とは、正しく見本の様な存在だったのだろう。

話す言葉の端々に敬意が含まれている。

 

ティオ「なんと!吸血鬼族の……しかも300年とは……

成程、外界の情報から死んだものと思っておったが、主がかつての吸血姫か。確か名は……」

どうやら、ティオはユエと同じかそれ以上に生きているらしい。

しかも、口振りからして世界情勢にも全く疎いという訳では無い様だ。

 

今回の様に、時々正体を隠して世情の調査をしているのかもしれない。

その長きを生きるティオですら、吸血姫の生存は驚いた様だ。先生達ですら、驚愕の目でユエを見ている。

……そういえば、ユエが吸血鬼族の女王様だってこと、皆に言うの忘れてたわ。

 

ユエ「ユエ……それが今の、私の名前。大切な人に貰った、大切な名前。そう呼んで欲しい。」

そう言ってユエは、薄らと頬を染めながら両手で何かを抱きしめる仕草をした。

結果、ユエの周囲に、幸せオーラがほわほわと漂っていった。無自覚なのもあって、空気がより甘く感じる。

 

当然、皆突然の惚気に当てられて、女性陣は何か物凄く甘いものを食べた様な表情をし、男子達は頬を染め得も言われぬ魅力を放つユエに見蕩れている。

そんなこともあって、ウィルも、何やら気勢を削がれてしまった様だ。

だが、それでも親切にしてくれた先輩冒険者達の無念を思ったのか、言葉を零した。

 

ウィル「……それでも、殺した事に変わりないじゃないですか……

どうしようもなかったって分かってはいますけど……それでもっ!

ゲイルさんは、この仕事が終わったらプロポーズするんだって……彼等の無念はどうすれば……。」

頭ではティオの言葉が嘘でないと分かっているものの、だからと言って責めずにはいられない。

つまり、心が納得しないようだ。というか、そいつは何故そのセリフを言った。完全にフラグじゃねぇか。

内心でツッコミつつも、俺はここに来るまでに拾ったロケットペンダントを思い出し、それについて聞いてみた。

 

ハジメ「なぁ、ウィル坊。このペンダントは、ゲイルって奴のじゃねぇか?」

そう言って俺は、取り出したロケットペンダントをウィルに放り投げた。

ウィルはそれを受け取ると、マジマジと見つめ嬉しそうに相好を崩す。

 

ウィル「これ、僕のロケットじゃないですか!失くしたと思ってたのに、拾ってくれてたんですね。

ありがとうございます!」

ハジメ「お前のかい。」

じゃあ写真の女性は誰なんだ?許嫁にしては、ウィルより少し年上な気がするが……。

 

ウィル「はい、ママの写真が入っているので間違いありません!」

ハジメ「……マ、ママ?」

悲報、ウィル坊はまさかのマザコンだった……。

写真の女性は20代前半と言ったところなので、疑問に思いその旨を聞くと、「折角のママの写真なのですから若い頃の一番写りのいいものがいいじゃないですか。」と、まるで自然の摂理を説くが如く素で答えられた。

 

その場の全員が「あぁ、マザコンか。」と物凄く微妙な表情をした。特に女性陣はドン引きしていた。

因みに、ゲイルとやらの相手は"男"らしい。そして、ゲイルのフルネームはゲイル・ホモルカと言うそうだ。

名は体を表すとはよく言ったものだ。……相手、クリスタベルさんとかじゃないよな?

 

母親の写真を取り戻したせいか、随分と落ち着いた様子のウィル。何が功を奏すのか本当に分からないものだ。

尤も、落ち着いたとは言っても恨み辛みが消えたわけではないようで、冷静になったウィルは、竜人族であるティオを危険だと述べ、殺すべきだと主張した。

また洗脳されたら脅威だというのが理由だが、建前なのは見え透いている。主な理由は復讐だろう。

そんな中、ティオが懺悔する様に声音に罪悪感を含ませながら己の言葉を紡ぐ。

 

ティオ「操られていたとはいえ、妾が罪なき人々の尊き命を摘み取ってしまったのは事実。

償えというなら、大人しく裁きを受けよう。だが、それには今暫く猶予をくれまいか。

せめて、あの危険な男を止めるまで。あの男は、魔物の大群を作ろうとしておる。

竜人族は大陸の運命に干渉せぬと掟を立てておるが、今回は妾の責任もある。

放置は出来ん……勝手は重々承知しておる。じゃが、どうか妾に悲劇を止める機会を与えてはくれんか?」

 

その言葉を聞き、ウィルや先生達が魔物の大群という言葉に驚愕を露わにする。

……だからって自然とこっちを見るんじゃあない。

いや、リーダーとして見て貰えるのは、信頼されている証だから嬉しいが。

というか、答えは最初の質問で既に出ている。

 

ハジメ「なら俺からの要求は3つ。

1つ、その男の作った大群の迎撃を手伝え。ただし主犯については、俺が直々に裁く。

2つ、竜人族について、後で話を聞かせてほしい。勿論、アンタ自身のこともだ。

そして3つ、俺達の旅についてこい。

この要求をのんだ場合、教会とドンパチする危険もある。これは断っても文句は言わん。」

まぁ、これくらいで手打ち物だろう。

 

ティオ「うむ、委細承知したのじゃ。時に……最後のはどういう意味じゃ?』

ハジメ「なに、向こうが勝手に騒いで襲い掛かってくるだろうから、覚悟しておけって意味さ。

別に俺は悪い事等何もしていないのだがな、精々空に浮かぶ目玉に風穴開けた程度だろう。」

すると、ティオは勿論、ウィルや先生達が驚愕して大声を上げた。

 

『あれ、(お主)(貴方)(お前)が原因かーッ!?』

ハジメ「?言っとくが、初撃は誤射だぞ?」

『違う、そこじゃない!?』

?じゃあ何が問題なのだろうか?

 

ハジメ「原因は向こうにある、ユエを嘗め回すように見ていたから撃った。正直、めっちゃ気持ち悪かった。」

ユエ「……ハジメ、人前で熱烈すぎ。」///

俺が弁明すると、何故かユエが両手で顔を抑え、いやんいやんしだした。何かまずい事でも言ったのか?

それにしては嬉しそうだが……まぁ、良いか。

 

シア「ハジメさんハジメさん!私の時は!?」

ハジメ「相手の尻に風穴開ける。」

シア「即答!?そして愛が重い!?でも嬉しいです!」

そりゃあ、自分の女に手を出す阿呆はこれくらいの覚悟をしてもらわないと、なぁ……?

 

ティオ「お、お主、本気で神とやり合う気か?」

ハジメ「別に神(笑)なぞどうでもいい。

俺は元の世界に帰るための手段を集める旅の途中で、俺の女を覗き見する変態に制裁を加えただけで、それがたまたま神(笑)だっただけだ。

というか、神(笑)のくせしてやってることがストーカーとか、しょうもないにも程があるだろう?」

 

文章としては間違ってはいない。なので、俺は無実だ。

それなのに、教会は冤罪で訴えようとしてくるんだよなぁ。何でだろ?

って、あれ?先生達、ドン引きしてね?この世界の真実は既に伝えたので、アレの悪辣さは知っている筈なんだが?

ウィルはドン引きしていてもおかしくはないが……ティオ、お前もか。

 

ハジメ「今はストーカー野郎のことはどうでもいいだろ。そんなことよりも、トシの居場所と魔物の軍勢だ。」

実は話の途中でオルニスを使って、トシと魔物の軍勢を捜索していたのだが……

その結果、とんでもない物を見つけてしまった。

 

ハジメ「……ティオ、念の為に聞いておくけど、軍勢はどれくらい?」

ティオ「む?妾が見た時は3000から4000程じゃったかのう。」

……それだけでもトシの闇魔法の腕が凄いとも言えるだろうが、今回はそれどころじゃない。

 

ハジメ「……俺にはどう見ても、その10倍はいるように見えるんだが?」

『!?』

そう、その数は爆発的に増えており、進路は既に【ウルの町】がある方向に定まっていた。

このまま進軍が続けば、半日後には山を下り、明日には町を蹂躙し始めるだろう。

 

ハジメ「一先ず、町に戻るぞ。この一連の騒動の黒幕についても、対策を練らなきゃいかんからな。」

愛子「そ、そうですね!早く町の皆さんに知らせないと!避難させて、王都から救援を呼んで……!」

いや、1日じゃ間に合わないって。先生、落ち着いてくれ。

 

ウィル「あの、ハジメ殿なら何とか出来るのでは……?」

ハジメ「出来なくはないが、また非戦闘員を抱えるのは御免だぞ?

取り敢えずお前をフューレン支部にぶん投げて、そこから参戦するくらいしか、今は思いつかん。」

それに必ず生きて返すと約束してしまったのだから、戦争でウィル坊に死なれると困るんですけど?

 

愛子「南雲君、黒いローブの男というのは見つかりませんか?」

ハジメ「残念ながら……多分、黒幕と一緒に隠れているんだろ。」

俺がそういうと、先生はまた俯いてしまった。やっぱり、ここぞという時に仕留めるしかないようだな……。

すると、園部さんが急にこんなことを言い出した。

 

優花「ねぇ、南雲。さっきから言ってる黒幕って、清水のことじゃないの?」

ハジメ「それはないな。確かに魔物を操っているのはアイツだが、戦法が余りにも杜撰過ぎる。

どう考えたって、アイツらしくない。というか、ウィルを襲った時点でアイツじゃないことは確信済みだ。」

優花「?ど、どういうこと?」

その言葉に困惑する一同、だが今は時間がない。

 

ハジメ「その訳は移動しながら話す……今回はこっちで行くか。」

そう言って俺は、黒いパスポート"ライダーパス"を取り出し、頭上の少し上に掲げる。

すると、空に穴が開いて線路が飛び出し、特徴的な音楽を鳴らしながら新幹線の様な時の列車"デンライナー・ゴウカ"が急停車する。

その光景に唖然とする先生達に対して、俺は「早く乗って!」と声をかけ、乗車を促す。

全員が乗ったのを確認すると、デンライナーを発進させて自動運転に切り替えた後で、先程の説明に移った。

 

ハジメ「さっきの話の続きだが……そもそもアイツは戦略家タイプだ。

見つかる見つからない以前に、情報漏洩を防ぐのであればブルタール数匹で十分どうとでもなる。

だが、虎の子であろうティオをああも簡単に差し向けてきた時点で、戦略家としてはたかが知れてしまうだろう?

そんなポカをやらかす程、トシの戦略は甘くはない。アイツは寧ろその対極、えげつなさMaxのドSだからな。」

優花「えぇと……つまり、どういうこと?」

おや、少し端折りすぎたか?では、実例を挙げてみよう。

 

ハジメ「そうだな……もし俺がアイツなら、川から毒を流して食料を汚染したりするかな?

若しくは病原菌でパンデミックを起こしたり、人間を魔物に変えるウイルスでハザード起こしたりするだろうな。

いや、魔物を洗脳しているから、擬態可能な奴等を使ってスパイ活動や裏工作もしているやもしれん。

その間に、複数の方向から潰しにかかるだろう。因みに、元の世界での経験談だ。」

『えげつない!?』

うん、やっぱりそう思うよね。俺もそう思う。アイツ、ゲームでも容赦無しで潰しにかかってきやがったしなぁ。

 

ハジメ「そんなわけで、だ。今のトシはただ魔物を操るだけの人形にされているに過ぎない。

……出来れば生きていることを願いたいが、いずれにしろ黒幕を捕まえて吐かすしかないだろうな。

その時はユエ、スマッシュ宜しく。」

ユエ「……ん、全力全壊でやる。」

そう言ってシュッ!と足を鳴らすユエ。それを見た男性陣は何故か縮こまっていたが。




因みに、幸利君のえげつない策略は、ハジメさんの部屋にあった資料から着想を得ました。
つまりハジメさんのせいです。

ハジメ「園部君、全て私のせいだ☆」

次回は香織サイドです。その後1話挟んで、今章最大の見どころですのでお楽しみに!

今後、登場予定のヒロインでハジメさんの正妻にするとしたら?

  • 勿論、ユエ!
  • 勇者シアでしょ!
  • 幼馴染の香織だ!
  • ヒロインと言ったら雫だろ!
  • 原作と性格違うけどティオです!
  • 魔性のレミアさん一択!
  • 愛子と禁断のロマンス!
  • 王族同士でリリアーナを推す!
  • 頑張れ、優花!
  • エンティ(アフターシア編)
  • ローゼ(アフターティオ編)
  • ミンディ(アフターまおゆう編)
  • トネリコ(アンケートその1)
  • 星野アイ(アンケートその2)
  • ユウキ(アンケートその3)
  • 大穴、ミュウに全乗せ!
  • 対抗馬リスティ、出る!
  • その他①(読者リクエスト)
  • その他②(別作品から更に追加)
  • その他③(原作内から追加)
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