Re.ありふれない錬成師で最高最善の魔王、世界最強を超越する   作:天元突破クローズエボルハザード

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今作は、セリフ以外ではクラスメイト達は基本呼び捨てです。


00:46/思いが交錯するDeal!

淳史「な、南雲~!もうっ、ちょっとぉ!何とかならないのかぁ!?」

昇「お、落っこちるぅううう!」

明人「昇ぅ!今助けっあべっ──舌がっ、俺の舌がぁ!」

ハジメ「だぁ~っ!五月蠅いぞ、男子!今、なる早で飛ばしてんだ!これくらい我慢しろ、男だろ!」

 

時の列車デンライナー、そのうちの一つであるゴウカが、行きよりもなお速い速度で帰り道を爆走する。

ただし、走っているのは地面スレスレで次々に作られていく線路の上だが。

そんな中、とある事情から爆走している車内では揺れが激しく、玉井が座席にしがみつきながら叫び、相川が窓際から体が投げ出されそうになり、仁村はそれを助けようとして舌に破滅的打撃を負ってのたうち回る。

しかし、そんなことにかまっている場合ではないので、彼等を叱咤しながら俺はデンライナーを飛ばした。

 

と、その時。

【ウルの町】と【北の山脈地帯】の丁度中間辺りの場所で完全武装した護衛隊の騎士達が猛然と馬を走らせている姿を発見した。

って、うわぁ……先頭には鬼の形相で突っ走るデビッド(ブ男)がいて、その横にも焦燥しまくりながら併走するチェイス達(犬っころ共)もいるじゃないか。

 

暫く走り、奴等も前方から爆走してくる大きな鉄塊(デンライナー)を発見したのか俄に騒がしくなる。

まぁ、この世界の奴等の観点からすれば、どう見ても未知の魔物にしか見えないだろうから当然だろう。

すると向こうは武器を取り出し、隊列が横隊へと組み変わる。

対応の速さだけなら、流石超重要人物の護衛隊と賞賛できる鮮やかさだった。

 

しかし、俺としては別に攻撃されたところで、轢殺してしまっても構わんのだろう?と思い始めていた。

が、流石に生徒達に攻撃が行くことを恐れたのか、先生が女子達に支えて貰って窓から身を乗り出し、大声を出して必死に両手を振りながら、騎士達に自分の存在を主張し始めた。

 

すると、魔法発動の準備に入っていた騎士達は、高速で向かってくる鉄塊の横からニョッキリ生えている人らしきものに目を細めた。

普通ならそれでも問答無用で先制攻撃を仕掛ける筈なのだが、先生LOVEの奴等は変態的電波を感じ取ったのか、攻撃を中断した。

 

そして、漸く近づいてきたデンライナーの窓から、先生の姿と声を確認できたのか、それともシチュエーションに酔っているのか、恍惚とした表情で「さぁ!飛び込んでおいで!」とでも言う様に、全員両手を大きく広げだした。

この場合、どうするのが正解なのかって?決まってる。

 

ハジメ「邪魔。」

そう言って気弾を数発ぶっ放し、道を開けさせた。勿論、距離的に明らかに減速が必要な距離でやってやった。

当然、騎士達はギョッとし、慌てて進路上から退避する。だが、もう遅い。

低火力だが体当たり程の威力の気弾を受け、騎士達は吹っ飛んだ。

先生が「なんでぇ~!?」とか言っていたが、緊急事態につきスルーした。

 

そしてそのまま素通りしたデンライナーを、「愛子ぉ~!」と、まるで恋人と無理やり引き裂かれたかのような悲鳴(笑)を上げて、騎士達は猛然とこちらを追いかけ始めてきた。

意外にタフだな……まぁ、道は空いたし別にいいか。

 

愛子「南雲君!どうして、あんな危ない事を!」

すると、何故か先生がプンスカと怒りながら座り込み、猛然と抗議した。でもね、先生。

はっきり言わせてください。

 

ハジメ「今時間もないので、止まって説明すると手間になりますから。

どうせ町で全体説明するんですから、この程度は許してくださいよ。」

愛子「うっ、た、確かにそうです……。」

 

若干納得いってなさそうだが、勝手に抜け出てきた事や俺達との件含めて色々面倒なのが分かったのか、先生は口を噤む。

すると、乗車中のマシンデンバードの座席後部で、俺に抱き着いていたユエが、耳元に顔を寄せそっと聞いてきた。

 

ユエ「……本音は?」

ハジメ「騎士達がなんか気持ち悪かった、後この前の分含めて吹っ飛ばしてやった。」

ユエ「……ん、同感。その方がいい。」

尚、シアも同感だった模様。

 


 

【ウルの町】に着くと、先生達は足をもつれさせる勢いで町長のいる場所へ駆けていった。

あまり急ぎ過ぎるといけないから道中急いだんだが……まぁ、別に良いか。って、あれ?ウィル坊が居ねぇ。

と思っていたら、先生達よりも早く飛び出していきやがった。あいつ……余計面倒なことを。

仕方ない、そう思って俺達は後を追いかけることにした。

 

町の中は活気に満ちている。料理が多彩で豊富、近くには湖もある町だ。自然と人も集う。

まさか1日後には、魔物の大群に蹂躙されるなどは夢にも思わないだろう。

俺達はそんな町中を回っては、屋台の串焼きやら何やらに舌鼓を打ちながら町の役場へと向かった。

 

そして漸く町の役場に到着した頃には、既に場は騒然としていた。

【ウルの町】のギルド支部長や町の幹部、教会の司祭達といった面々が集まっており、喧々囂々たる有様だ。

皆一様に信じられない、信じたくないといった様相で、その原因たる情報を齎した先生達やウィルに掴みかからんばかりの勢いで問い詰めている。

 

普通なら「明日にも町は滅びます」と言われても狂人の戯言と切って捨てられるのがオチだろうが、今回ばかりはそうそう無視など出来ないようだ。

何せ"神の使徒"で"豊穣の女神"の先生の言葉だ。発言の影響力はでかい。

それに、魔人族が魔物を操るという公然の事実もあって、無視出来ないのは当然だ。

 

因みに、ティオの正体と操られているトシのことについては、伏せておくことで一致している。

前者は竜人族の存在を公にしないため、後者はこの騒動の首謀者としてトシが挙げられるのを防ぐためだ。

万が一、ティオのことが知られれば、教会の奴等が余計に騒ぎだして、面倒な事態になりかねない。

そんな喧騒の中にいるウィルを見つけた俺は、ウィルの腕を掴んで言った。

 

ハジメ「ウィル坊、勝手に突っ走るんじゃない。お前はさっさとフューレンに戻れ。

また狙われたらたまらんからな。」

その言葉にウィルや先生達は驚いた様にこちらを見ていた。

他の重鎮達は「誰だこいつ?」と、危急の話し合いに横槍を入れた俺に不愉快そうな眼差しを向けた。

 

ウィル「な、何を言っているのですか?ハジメ殿。今は、危急の時なのですよ?

まさか、この町を見捨てて行くつもりでは……!?」

ハジメ「はっきり言わねぇと分かんねぇか?迎撃するにしても、保護対象のお前が居たら却って邪魔なんだよ。

それに、どうせこの町は戦場になる。なら女子供と一緒に逃がして、お前の安全を確保した方がいい。」

しかし、ウィルはそれでも納得しないのか、信じられないと言った表情で言い募ってきた。

 

ウィル「そ、それは……そうかもしれませんが……

でも、こんな大変な時に、自分だけ先に逃げるなんて出来ません!私にも、手伝えることが何かある筈!

ハジメ殿も「いい加減にしろ。」!?」

その先の言葉を言うのは、この街の住人で合ってお前ではない。

 

ハジメ「ただ守られていただけのお前が、魔物相手に何ができると思っている?

何時からそんな大層な妄言が吐ける程、大きくなったつもりだ?えぇ?

あんま舐めたこと言ってると、骨の2,3本は軽く折った上で縛ってから連れて行くぞ。」

ウィル「なっ、そ、そんな……。」

それを聞いてウィルは、顔を蒼褪めさせて後退りする。

信じられないといった表情を浮かべているが……勝手に期待しといて、裏切られたは無いと思うんだが?

 

ハジメ「俺のことをヒーローだとか思っていたなら、そいつは勘違いだ。

元の世界でのちょっとした手伝いならともかく、ここは異世界だ。

そんな場所で無償で何でも請け負う程、俺は安くはないし万能ではない。わかったら、諦めて帰る準備をしろ。」

まぁ、別にやっても良いのだが……それなりの対価が必要なのでな。

 

それを引き出すべく、敢えて冷たい態度で決断を迫る。

すると、思った通りというべきか、言葉を失って距離を取るウィルと、決断を迫る俺の間に、先生が立ち塞がった。

 

愛子「南雲君。貴方なら……貴方なら魔物の大群をどうにか出来ますか?いえ……出来ますよね?」

どこか確信している様な声音で、先生が問う。その言葉に、周囲で様子を伺っている町の重鎮達が一斉に騒めく。

ハジメ「出来るっちゃあ出来ます、条件次第ですけど。」

さぁ、運命の交渉開始だ!

 

愛子「条件、ですか……?」

ハジメ「あぁ、先生は2つ、ウィル坊は1つ、それぞれ条件を呑んでもらおう。なに、そう難しいものではない。

どちらも気持ち次第でどうにでもなるものだ。」

それじゃあ、先ずは先生への条件提示と行こうか。

 

ハジメ「先生への条件だが……1つ目は、味噌と醤油が欲しい。」

愛子「へ?」

いや、これ結構マジな話なんだけど。

 

ハジメ「最初は自分でも作ってみようと試みたんだが……麹の作成に手間取って、断念せざるを得なかったんだ。

先生なら、麴の作成も出来るだろ?俺も故郷の味を楽しめて、ユエ達にもそれを振舞える。

んで、先生は町を守れて、皆WIN-WINってわけさ。どうだ、簡単だろ?」

先生「えっと……そう、ですね。」

?もしかして作り方を知らないパターンか?

 

ハジメ「安心してくれ、作り方のメモは作成済みだ。何なら、言い値で買おう!」

愛子「あ、あはは……が、頑張ってみます!」

っしゃあっ!これで味噌汁が食える!

 

ユエ「……ハジメ、嬉しそう。」

シア「ですねぇ、よっぽど恋しかったんでしょう。」

2人の苦笑いする表情が見えた気がするが、それでも俺は喜んだ。

しかし、2つ目の条件を伝えるので真剣モードに戻る。

 

ハジメ「2つ目は……先生は、この先何があっても、先生でいてくれる?」

愛子「!」

この問いは、俺がたとえ最低最悪の魔王になってしまったとしても、叱ってくれる大人であってくれるかという意味だ。

 

愛子「当然です。」

一瞬の躊躇いもなく答える先生。きっと先生ならこう答えてくれるだろう、そう予想はしていた。

そこへ更に俺は続ける。

 

ハジメ「……俺がどんな決断をしても?それが、先生の望まない結果でも?」

愛子「先生の役目は、生徒の未来を決めることではありません。

より良い決断ができるようお手伝いすることです。

南雲君が先生の話を聞いて、なお決断したことなら否定したりしません。」

……その答えを聞けて良かったよ。

 

ハジメ「……わかった、先生への条件はこれでOKだ。ウィル坊、ちょっと耳を貸せ。」

ウィル「え?は、はい……。」

だから、取って食うわけでもないんだから、しゃんとせい。

そう思いながら、おずおずと近づいてくるウィルに近づき、耳元で条件を伝える。

 

ハジメ「……この状況を乗り切ったら、ティオとトシのことを許してほしい。それが条件だ。」

ウィル「!もしかして、最初からそれを…?」

その問いに対し、俺は肩を竦める。

まんまと一杯食わされたとでも言いたげな表情をしたウィルは、直ぐに耳元で条件に対する答えを告げた。

 

ウィル「ティオ殿は今回の働き次第ですが……清水殿は一度会って確かめさせてください。」

ハジメ「……わかった、それでお前が良いならな。」

そう言うと、ウィルは出来る限り許すつもりだと言うように頷いた。これで条件は整った。

 

ハジメ「それじゃ、さっさと片付けちゃいますか!」

愛子「!南雲君!」

その返答に、先生は顔をパァーと輝かせる。ま、俺も穀倉地帯の壊滅は困るのでな。

 

ハジメ「じゃ、動ける奴は全員指示に従ってもらうぞ。町を救いたきゃ、死に物狂いでけっぱれ!」

そう言って、ユエとシア、そして放置され置物化していたティオを連れて、部屋を出た。

ユエとシアは何故か嬉しそうな雰囲気をホワホワと漂わせており、ティオも何かに納得して満足げな表情で後を付いて来ていた。

そして、扉の向こうの喧騒をBGMに、俺は迎撃作戦を練るのであった。




ついに次回、いよいよあの変身シーン!
それと宣伝ですが、外食の日(11/23)の9:30にも別の作品で「エボルト×野原ひろし昼飯の流儀」のクロスオーバーを投稿しますので、興味のある方は是非、そちらも併せて見ていってください!

アフターの後で異世界旅行(別作品)編をやるとしたら、どの世界が良いでしょうか?

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