Re.ありふれない錬成師で最高最善の魔王、世界最強を超越する   作:天元突破クローズエボルハザード

63 / 107
今回で戦闘パートは終了です。後2話挟んだら、第4章に移ろうと思っております。

そして神山以来のオリジナル戦闘パートもありますので、是非お楽しみに!それでは、どうぞ!


00:48/竜王伝説2068

???(何だ、これは……一体、何が起こっているというのだ!?)

【ウルの町】を襲う数万規模の魔物の大群の遥か後方で、1匹の大型の鳥のような魔物の上に乗った男――

今回の事件の黒幕である魔人族は、目の前の惨状に体を震わせながら言葉を失った様に口をパクパクさせていた。

ありえない光景、信じたくない現実に、内心で言葉にもなっていない悪態を繰り返す。

 

あのお方(・・・・)から授かったアーティファクトによって、異世界から召喚された魔術師を洗脳することには成功した。

おかげで、強力な魔物達を次々と配下にしただけでなく、一際強大な黒竜を1日で操れるようになった。

 

後は、この大群で攻め込めば、今回の計画――

"豊穣の女神"の殺害と【ウルの町】の壊滅を達成することができる。その筈だったのだ。

――あのイレギュラーが出てくるまでは。

 

ズドドドドドォォォン……ッ!!!ズドドドドドォォォン……ッ!!!ズドドドドドォォォン……ッ!!!

 

そんな轟音が響く戦場では、殺意を乗せた閃光が瞬く間も無く飛来しては、何が起こっているかすら分からない魔物達を一瞬の内に肉塊へと変えてゆき、【ウルの町】の前まで侵攻させた軍勢は、先程降り注いだ閃光郡によって、壊滅状態にあった。

 

操っていた魔術師――

黒ローブの男は即席の塹壕を堀り、出来る限りの結界を張って必死に身を縮めていることしか出来ない。

本当ならこいつも迎撃に向かわせたいが、今もなお軍勢を蹂躙し続けているあの男相手では、次元が違い過ぎる。

万が一やられてしまえば、折角アーティファクトを授かったというのに、何の成果も得られなかった事となる。

 

しかし、相手は制御下に置いていたはずの黒竜を従えている上に、見たこともない力を行使している。

それに今も降り注ぐ閃光の威力も、その前に立つ障害物全てを融解させる程な上に、まるで生き物の様に軌道を変えて飛んでくるので、避け様もない。

 

たとえ相手が空を飛ぼうが、地面に潜ろうが、標的を絶対に逃がさない閃光が幾重にも放たれている。

この状況下にある上に、遠くにいても理解させられた覆しようのない圧倒的な力の差が、男をその場でただ立ち尽くし、目の前の惨状を見ていることしか出来ない。

まさか、自分が操っているローブの男が、現在暴れ回っている謎の存在と親友であるとは、思いもしなかっただろう。

 

そんな事情も知らない魔人族の男が動けないでいて数分後位だろうか。

攻撃は止み、煙が晴れた先には――魔物の軍勢は跡形も無かった。

辛うじて、ローブの男は助かっていたものの、塹壕の外にいた魔物達は既に肉塊か塵と化しており、作戦は最早失敗以外の何物でもなかった。

 


 

大地を抉り、消し飛ばし、融解させる衝撃が生む風が、戦場から蹂躙され僅かに残った魔物の血の匂いを町へと運ぶ。

強烈な匂いに吐き気を抑えられない人々が続出するが、それでも人々は現実とは思えない"圧倒的な力"と"蹂躙劇"に湧き上がった。町の至る所から「ワァアアアアアッ―――!!!」と歓声が上がる。

 

町の重鎮やデビッド達騎士は、初めて見るハジメの力に魅了されてしまったかの様に狂喜乱舞の坩堝。

優花や淳史達は改めてその力を目の当たりにし、自分達とは比べようもないレベルの"差"を痛感して複雑な表情になっている。

 

本来、あの様な魔物の脅威から人々を守る筈だった、少なくとも当初はそう息巻いていた自分達が、ただ守られる側として町の人々と同じ場所から、ただ一人で立ち向かうクラスメイトの背中を見つめているのだ。

愛子はただ只管祈っていた、ハジメと幸利、両方の無事を。

同時に、今更ながらに自分のした事の恐ろしさを実感し表情を歪めていた。

目の前の凄惨極まりない戦場が、まるで自分の甘さと矛盾に満ちた心をガツンと殴りつけている様に感じたのだ。

 

やがて数分ともたずほぼ全ての魔物が死に絶え、遠くに塹壕らしきものが見られ、そこからひょっこりと、こちらを覗く人影が見えた。

その人物の頭は、黒いローブで覆われていた。清水幸利その人だろう。中型の魔物2体を従えている。

 

一方のハジメさんはというと……

 


 

ティオ『……のぅ、ご主じ…コホンッ、ハジメ殿よ。妾のブレスに何をしたのじゃ?』

ハジメ『なに、威力マシマシで多重拡散型にした上で、浄化機能と追尾機能を付与しただけだ。』

ティオ『どう見てもやりすぎなのじゃが!?お主の友人殿が心配なのではないのかえ!?』

ハジメ『ターゲットを魔物だけに絞ってあるから、大丈夫だろう。』

 

一先ず、露払いは済んだ。それに、人と竜の共生への布石も敷くことが出来た。

これで後は、今回の黒幕をぶちのめして、我が友を救出すれば、ミッションコンプリートだ。

え?さっきのブレスに機能盛り込み過ぎじゃないかって?興が乗ってしまったのだ、許すがいい。

 

ハジメ『まぁ、それはさておき……最後のけじめは私がつける。ティオ、お前は竜化を解除して戻っていろ。』

ティオ『そうさせてもらうのじゃ。

いくらご主じ……ハジメ殿から魔力を貰ったとはいえ、少々キツかったからのぅ。』

そう言って民衆が歓喜に沸いている内に、さっさとティオには人間体に戻ってもらった。

 

ハジメ『ユエ、シア。私は決着をつけに行ってくる。ティオを頼む。』

ユエ『……ん、わかった。』

シア『は、はい……あの、ハジメさん。その口調は……?』

ハジメ『この姿になると偶にこうなる、気が立っているのもあるが……まぁ、慣れてくれ。』

そうして2人にティオを任せると、私は塹壕のある場所――ローブの男の下へと向かった。

 

地面から頭だけを出しているので、一瞬、誰かの生首かと見間違えるかもしれないが、私にはわかる。

友よ、何とも酷い有様だ……操られた結果が、こんな危険地帯でのスケープゴートとは、全く酷い黒幕だ。

だからと言って、奇襲を許すつもりはないがな!

 

そう思い、潜んでいた魔物に向けて、覇気を飛ばして焙り出すと、4つ目の黒狼の群れが転がり出る様に現れた。

あれだけの数なら、連携でそこそこ出来そうだが……如何せん、思ってたより弱いようで、全て気絶している。

結果、残すはローブの男一人となった。しかし、また呼び寄せられても面倒なので、狼共は武器で串刺しにした。

 

黒いローブの男、トシはそれを見て、癇癪を起こす子供のように喚くと、王宮より譲り受けたアーティファクトの杖をかざして何かを唱え始めた。

が、そんな隙を許す間もなく、私は肉薄して鳩尾に鋭くも軽めの一撃を叩き込んだ。

 

幸利「ガハッ……!?お、俺は……ゆう、しゃ……。」ドサッ

そう言い残して我が友は気絶した。

にしても勇者、なぁ……やはり洗脳系か何かか?などと、考察に耽っていた時だった。

 

ドシュウッ!

 

ハジメ「……。」

我が友諸共私を狙ったのか、蒼色の水流がこちらに向けて放たれた。"破断"か、それにしてはなんと稚拙な……。

無論、予測できているので問題はない。

 

――そこだな?

 

???「!?」

それだけ口にして、友を端に投げて射線上から外し、自分は超高速で水流とすれ違うように、狙撃手の下へと移動する。

 

???「くっ!?」

ハジメ「遅い。」

???「ガッ!?」ドガァッ!

相手もそれに気づいて反応したが、既に背後に回っていた私は素早く拳を振り下ろし、下手人を乗っている魔物ごと打ち据えた。

 

ドガァァンッ……!

 

そして地面に激突、土煙の中で私は更に拳を振りかぶる。

 

???「ゴハァッ!?」バキィィィンッ!!ドガァァァン……ッ!

 

その一撃を受けて吹っ飛ぶ魔人族、そのままの勢いで岩盤に激突し、ピクリとも動かなくなる。

これで魔物騒動に関して、は……?

 

コロンッ……

 

ハジメ「これは……アーティファクトか?それにしては、何とも邪悪なオーラを放っているが……。」

魔人族の男の懐から、どす黒いオーラが込められたビー玉の様なものが転がり落ちる。

成程……呪いの類か何かということか。こいつで我が友を洗脳していた、と。

正直、今すぐにでもボコボコにしてやりたいが、今は我が友の方が優先だ。なので、

 

グシャ!

 

???「アーッ!?」

取り敢えず去勢しておく。これで大人しくなるだろう。

その証拠に、一旦目覚めた魔人族の男は、直ぐに気絶したしな。

黒幕は捕らえたので、後は凱旋して我が友を解放するのみだ。

なので、黒幕を引きずって私は皆の下へと向かうのであった。

 


 

ハジメ「ってなわけで、こいつが今回の元凶だよ。狙いは多分、作農師の先生だろうな。」

デビッド「まさか魔人族が関わっていたとは……清水も奴に操られていた被害者、という訳か。」

町はずれにて、俺は黒幕の引き渡しをしていた。因みに、既に拘束は済んでいる。

ここにはユエとシア以外に、ウィル、先生、園部達、騎士達、それと町の重鎮達が数人来ていた。

皆、今回の事件を引き起こしたのが魔人族であったことに、皆驚きを隠せないようだ。

 

ハジメ「それと、こいつは何かヤバそうなアーティファクトを所持していた。

相当強力な精神支配の類だから、オルクスにいる奴等でも抗えなかったと思うぞ。」

俺はそう言って隣に目をやる。そこには、未だに目を覚まさないトシが横たわっていた。

先生達が介抱しようとしていたが、まだ洗脳中かもしれないので、遠くで心配そうに見ることしか出来ない。

 

愛子「南雲君、清水君は助かるんですか?」

ハジメ「それはアーティファクトの仕様次第ですね、トシの魂が無事であることを祈っていてください。」

そう言うと、俺は橙色の宝石がはめ込まれた指輪を取り出し、トシの右人差し指にはめると、その指輪に込められた魔法の名を口にする。

 

ハジメ「……エンゲージ。」

すると、トシの身体からゲートの様なものが出現し、精神世界への入り口が開く。

その光景に、俺以外の皆が驚愕しており、代表してユエが聞いてくる。

 

ユエ「は、ハジメ?それは……?」

ハジメ「この魔法は他人の心に入り込める魔法だ、こいつで精神世界に行って元凶を直接叩いてくる。」

そう、エンゲージの魔法は所謂サイコダイブなのだ。

本来はファントムを追う為の魔法だが、洗脳を解く為に精神世界に入るのも同じだろう。

 

ハジメ「それじゃ、行ってくるわ。」

それだけ言って俺は、トシの精神世界へと潜っていった。

 


 

ハジメ「……思ってたよりも暗い場所だな?」

たどり着いた先は、真っ暗闇の世界だった。こういうとこにファントムはいるのだが……今回は違うようだ。

それに……臭うんだよ、ゲロ未満の臭いがプンプンするぜ!!

 

ハジメ「って、ん?これは……糸?」

すると、足元に何かが引っ掛かる感覚を覚えたので見てみれば、そこには粘着力の高い糸が張ってあった。

しかも先に目を向けるにつれ、その量は増えている。成程……ナーガの闇堕ち洗脳時パターンか。

 

ハジメ「ここか……見渡す限り糸ばかりだな。」

そして終着点で見たものは、まるで蜘蛛の巣のように糸が張り巡らされている景色だった。

最奥には不自然にデカい繭があり、おそらくそこにトシがいるのだろう。

 

???「キ、キ、キ……。」

ハジメ「……。」

そして頭上から聞こえる奇声に、顔を顰めて見上げると、ザ・寄生虫とでも言うべきゲテモノが壁に張り付いていた。

 

人の顔面の様な顔に、芋虫の様な胴体、その身体に無数に空いている穴からタコのような足が出てきており、吸盤の先からは糸が垂れている。

口は牙の様な物が内部に生えた蝶々の口で、そこからも気色悪い液が垂れており、それが地面に着いた瞬間、シュウゥゥ……という音を立てて、糸が溶け出す。

6つある目玉をギョロギョロさせ、背中からは蟷螂の鎌が8本出てきている。

しかも、尻には蠍の尻尾が鎖の様にジャラジャラしており、明らかに毒持ってますよと主張している。

 

ハジメ「……そうか、貴様が元凶か。」

普通の人間なら恐怖に怯えるだろうが、我が友はこの程度の相手に屈する程、軟弱者ではない。

おそらく彼も精神世界で立ち向かっていたのだが、この雑種の手数に対応しきれなかったのだろう。

だが、我が友を敵にしたのが運の尽きよ。今、貴様の目の前にいるのは……最高最善の魔王なのだからなぁ?

 

ワーム「キ、キキ、キキキキキィィィィィ!!!」

ハジメ「喧しいわ。」

そうとは知らず、ゲテモノは目の前の獲物を仕留めにかかる。それに対し私は、鬱陶しそうに返す。

同時に、視覚装置"エクスプレッシブフレイムアイ"から熱線を発射し、ドライバーを操作する。

 

ドライブの刻!』

 

あっという間に拡散されたそれは、ゲテモノを周りの糸諸共焼き尽くさんと襲い掛かる。

 

ワーム「キキキィィ!!!」

しかし、敵もさることながら、触手数本を犠牲にしつつも糸を巧みに使って致命傷は避けており、反撃と言わんばかりに口からは溶解液、尻尾からはありったけの毒針を飛ばしてくる。

 

ハジメ「くだらん!」

私は自然発火で針を、風を乗せた水球で溶解液をそれぞれはたきおとし、お返しに右手のギガントからミサイルを発射する。

放たれたミサイルは胴体に直撃し、その肉体にダメージを蓄積させる。

 

ワーム「ギギギィィィィィ!?」

思わず悲鳴を上げるゲテモノ、しかし私は追撃を緩めずにサイキョージカンギレードを振るう。

その瞬間、ゲテモノの背中の鎌と尻尾が、根元からスッパリ纏めて切れ落ちた。

 

ワーム「ギィィィィィ!!」

それに激高したのか、ゲテモノは粘着性の糸を大量に飛ばしてくる。

ハジメ「スゥ……フゥゥゥゥゥ!!!」ボォォォォォ!!

しかし、私が即座に放った鬼火で一気に焼け落ち、その直後に飛んできた溶解液をも蒸発させる。

 

ハジメ「む……再生能力持ちか?」

その先に見えたのは、先程受けた攻撃の痕を回復させたゲテモノだった。

どうやらこのまま戦闘を続ければじり貧になりそうだ。

 

ハジメ「成程……ならばプランAで行くか。」

そう言って右手に太陽、左手に魂魄を生み出し、両手を合わせて即興技を放った。

ハジメ「行くがいい――陽炎獣(ソルチェイサー)。」

その技の名の通り、太陽の炎を身に纏った猛獣達が、一斉にゲテモノへと襲い掛かる。

 

ワーム「ギギ、ギィィィィィ!?」

流石に太陽の炎の前では溶解液も通じず、ゲテモノはなす術もなく追い詰められていく。

噛みつかれた場所はマグマにも等しい熱で焼け落ち、再生能力が追い付かず傷跡が残り始める。

 

クウガの刻!』

 

ハジメ「トドメだ、煉獄炎王破。」

最後に私は、封印エネルギーを込めた衝撃破をゲテモノに向けて放ち、その肉体に刻み込んだ。

その紋章が肉体の全身に回り、再び再生能力が使用された時だった。

 

ワーム「ギィッ……!?」

叫び声をあげる間もなく、ゲテモノは内外共にその身を焼かれ、爆散した。

ボロボロと破片が焼け落ちるが、煉獄の炎が再生を許さず、あっという間にそれらを全て焼失させる。

これで、一先ず邪魔はいなくなった。次は……我が友を呼び起こさせねばな。

 

ハジメ「全く……面倒なものを残していくとは、不敬な輩だ。」

そう愚痴りながら、糸を無造作に引っ掴んで千切り続けること少し。漸く糸ではない、固い何かに当たった。

感触を確かめてみれば、コンコンという軽い音が響いた。なので弱めに叩いてみると、あっさり割れた。

 

ハジメ「やれやれ、ホントに手間かけさせやがって……。」

その中には我が友トシがいた。しかも本人は気持ちよさそうに寝息立ててやがる。

正直、重態ではあるはずなのだが……何故だろう、無性に腹が立つので、水球を弱めに浴びせる。

 

幸利「プハッ!?な、なんだ!?」

ハジメ「もう朝だよ、バーロー。」

水が鼻に入ったせいか、慌てて起きるトシ。が、そんな状況でも俺は気にせず声を掛ける。

 

幸利「えっ……は、ハジメ!?」

ハジメ「おう、久しぶりだなコノヤロー。目覚めの気分はどうだ、うん?」

周りを見回したトシは、目の前にいるのが俺だと気づいたようで驚いている。

それでもやっぱり気にせず、いつも通りに話しかける俺。

 

幸利「お前……生きていたなら、早く言えよ。」

ハジメ「すまん、諸々の事情があってな。それと一つ聞いてもよいか?」

幸利「なんだよ?」

そう、今から聞く質問は、とても重要なことなのだ。

 

ハジメ「敵の穀倉地帯を攻めるなら、お前はどうする?」

幸利「あぁ?商人に化けて穀物を偽札で買い占めてから、毒蒔いて兵糧攻めにすれば被害最小限で制圧できるだろ?

そうすれば、万が一敵に奪われても浄化するのは向こうだし、その隙に周りに拠点置いて孤立させるだけだし。」

ハジメ「だろうな、お前ならそう来ると思ったよ!」

このいとも容易く行われるえげつない行為を思いつく思考、やっぱりトシだ!

 

幸利「って、お前がいるってことは、あのキチゲーワームは倒したってことだよな!?」

ハジメ「あぁ、跡形も無く消し飛ばした。」

幸利「マジかよ……お前、前よりも圧倒的に強くなってねぇか?」

HAHAHA、それはそうだろうとも。だって俺、当時は本気出してなかったし。

 

ハジメ「まぁ、何はともあれ無事でよかったよ。先生達も心配していたぞ?」

幸利「それは悪い事をしたな……にしても、本当に助かったぜ。

お前の手がかりを見つけようと、北の山脈地帯で調査の傍らで魔法の修練をしてたら、魔人族の男が急に現れて、変なアーティファクトを使ってきてから体の自由が利かなくなって、それで……。」

ハジメ「あのゲテモノに襲われてしまった、と。」

原因、俺にもあるな……香織と雫以外には言ってなかったし。

 

ハジメ「取り敢えず、原因は排除したから一旦出るぞ。次は現実で会おうか。」

幸利「だな……俺の身体大丈夫だよな?」

ハジメ「案ずるな、ちょいと鳩尾が痛むくらいだろう。」

そう言って苦笑いしながら、俺はアンダーワールドを後にするのであった。

 


 

ハジメ「ただいまー。」ピョーン

無事に元凶の排除に成功した俺は、ゲートから皆の下へと帰還した。

ユエ「ん、おかえり……ハジメ、元凶は倒した?」

ハジメ「あぁ、ゲテモノが張り付いていたから、そいつ消したら解決したよ。」

こともなげに俺が言うと、今まで心配そうに見ていた先生が声を掛けてきた。

 

愛子「南雲君、清水君はもう大丈夫なんですね?」

ハジメ「あぁ、そろそろ正気になって起きる頃だろう。」

と、噂をしていれば……

 

幸利「う~ん……あぁ、皆……。」

『清水(君)!』

漸く目覚めたトシを、先生や園部達がのぞき込む。簡単な事情説明は向こうに任せるか。と、いうわけで。

 

ガシッ

 

ハジメ「フムフム……【シュネー雪原】の"変成魔法"、そして攻略者の将軍フリードねぇ……。」

頭を掴み、ゴーストの能力で魔人族の記憶を読み取ると、それなりに重要な身分だったようで、無視できない情報が次々に入ってきた。

どうやら、魔人族も神代魔法を狙っているようだ。こりゃあ、うかうかしていられないな……。

 

ハジメ「一先ず詠唱阻害用の猿轡をしといてっと……念の為に、四肢の関節部にも細工しておくか。」

流石に魔人族の護送まで面倒を見る気はないので、拘束を強化しておいた。

これで俺が居なくとも、安心して王都まで送れるだろう。後は、この町の連中に任せるか。

なんて思いながら、出立の予定を組む俺であった。

 

こうして、【湖畔の町ウル】を騒がせた一連の事件は、主犯の捕縛によって幕を閉じたのであった。

 


 

――6日後、早朝

 

愛子「……本当に、行ってしまうんですね。」

ハジメ「あぁ、そろそろフューレンに戻らねぇといけないしな。依頼の報告もしないといけないし。」

事後処理と宴会を終え、俺達は町の門にて見送りを受けていた。因みに、味噌と醤油は無事にもらえた。

それと、トシのこともウィルは許してくれた。まぁ、あの魔人族がどうなるかは知ったこっちゃないが。

 

幸利「次は大火山と砂漠越えだしな、デカい水筒とか必要になるな。」

ハジメ「あぁ、次の海底遺跡用の装備と纏めて整えるつもりだ。てか、本当についてくるのか?」

幸利「おう、5日間で相当鍛えて貰って、自分の実力を見直すことが出来たしな。

修行がてら相乗りさせてもらうぜ。」

なんともまぁ、我が友ながら良い性格をしているのものだ。

 

幸利「そういう訳で皆、先生のこと頼むわ。神代魔法持ってる奴は、何人いても困らないだろうし。」

優花「えぇ、こっちは任せておきなさい。精々頑張りなさいよ?」

淳史「そうだぞ!これから常に、南雲のハーレムっぷりを見せつけられるんだしな!」

おい玉井、嫉妬のつもりで言ってるならぶっ飛ばすぞ?

 

幸利「まぁ、ハーレム系主人公が毎朝ぐったりしている光景はスケッチし甲斐がありそうだな。頑張るよ。」

ハジメ「お前もかブルータス、頑張りどころが違うだろ。」

というか、俺が搾り取られる前提かい。

 

愛子「なっ、南雲君!そんな不純な関係、絶対にダメですよ!」

ハジメ「……先生、俺自身そういうのは結婚してからと決めているんですが。」

寧ろそういうのは2人に言ってほしい……いや、3人になりそうだけれども。

 

ティオ「ホホホ、ご主人様は相当モテるらしいからのぅ。この先も楽しくなりそうじゃ。」

ハジメ「心外だなぁ、てかホントにその呼び方でいいの?色んな意味で誤解されそうなんだけど。」

ティオ「妾としてはバッチコイじゃ!それに、普通のままでは2人に置いて行かれるからのぅ。」

……どうしてこうなった。

 

ハジメ「はぁ……まぁいいさ。旅の恥は搔き捨てともいうしな、一夜の過ち位なら大目に見るよ。

いいから皆、早く集まって。」

俺はそういうと、ユエ、シア、ティオ、トシ、ウィル、そして監視役のギルド職員さん(遠目に観察していたけど、宴会の時に気づいて誘った)と小さな円状に並ぶ。

 

ハジメ「それじゃあ、またどこかで!皆、それまで死ぬんじゃねぇぞ!」

愛子「はい、何から何まで本当にありがとうございました!」

そう言って笑顔で返す先生に微笑み返し、指輪の魔法を発動させる。

 

ハジメ「"テレポート"。」

その瞬間、足元の魔法陣に包まれ、俺達はウルの町を後にするのだった。

行き先は何処かって?それはついてからのお楽しみだねぇ……。




優花「……行ってしまいましたね。」
愛子「そうですね……。」

ハジメたちが去った後、恋する乙女2人の小さな呟きが、風に攫われていくのであった。

アフターの後で異世界旅行(別作品)編をやるとしたら、どの世界が良いでしょうか?

  • FGO
  • IS
  • SAO
  • Onepiece
  • 鬼滅の刃
  • 呪術廻戦
  • このすば
  • ハイスクールD×D
  • 銀魂
  • ヒロアカ
  • ブルーアーカイブ
  • アズールレーン
  • 原神
  • リリカルなのは
  • ネプテューヌ
  • カービィ
  • 転スラ
  • ダンまち
  • まどマギ
  • その他(活動報告欄へ)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。