Re.ありふれない錬成師で最高最善の魔王、世界最強を超越する   作:天元突破クローズエボルハザード

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Q.46番目の戦隊、スペインの小説、ワンピースの効果音、ネクタイ付きゴリラ、ゴッドファーザー、これらの共通点は?
A.うp主「ドンだけ~!」
ハジメ「つまらん。よって、KO☆RO☆SU☆」
うp主「What's!?」ズガガガガガ!

ハジメ「大変、お見苦しいものをお見せいたしました。それでは、本編どうぞ。」

追記:六課さん、誤字報告ありがとうございます!


00:61/大激突!100ぴきのマグマへび

【グリューエン大火山】、恐らく50層辺り。それが現在、俺達のいる階層だ。何故"恐らく"なのかって?

そりゃあ、今置かれている状況が特殊過ぎて、はっきりと現在の階層が分からないからだ。

具体的に言うと、宙を流れる大河の如きマグマの上を、黒鋼色の岩石で出来た小舟の様な物に乗って、どんだk……ドンブラコ!と流されているのだ。

尚、その小舟の内部には冷気を放つ青銅色の石が敷き詰められているので、温度に関しては問題ない。

 

ハジメ「イヤッフゥ~~~ッ!」

幸利「どこの配管工だ……そこはインディさんだろ。」

何故、こんな状況になっているかというと……話は少し前に遡る。

 

少し前の階層で攻略しながらも静因石を探していた俺達は、相変わらず自分達を炙り続けるマグマが時々不自然な動きを見せている事に気がついた。

具体的には、岩等で流れを邪魔されている訳でも無いのに大きく流れが変わっていたり、何も無いのに流れが急激に遅くなっていたり、宙を流れるマグマでは一部だけ大量にマグマが滴り落ちていたりというものだ。

 

大抵それは通路から離れたマグマの対岸だったり、攻略の障害にはならなかったので気にも止めていなかったのだが、偶々探知の効果範囲にその場所が入り、その不自然な動きが静因石を原因としている事が判明した。

マグマそのものに宿っているらしい魔力が静因石により鎮静されて、流れが阻害された結果だった。

 

俺達は、構造上マグマの動きが強く阻害されている場所に"静因石"は大量にある筈だと推測し探した結果、確かに大量の静因石が埋まっている場所を多数発見した。

マグマの動きに注意しながら相当な量の静因石を集めた俺達は、予備用にもう少しだけ集めておこうと、ある場所へと向かった。

 

そこは宙に流れるマグマが、大きく壁を迂回する様に流れている場所だった。

俺が錬成を使って即席の階段を作成して近寄り、探ってみれば充分な量の静因石が埋まっている事が分かった。

壁の向こう側の様子に気を付けながら、分解系の技能を使い静因石だけを回収することに成功したものの、充分な量を採取することを最優先にしたせいか、その警戒も無駄になってしまったようだ。

 

何故なら、静因石を宝物庫に収納しその効力が失われた瞬間、静因石が取り除かれた壁の奥からマグマが勢いよく噴き出したからだ。

咄嗟に飛び退いた俺だったが噴き出すマグマの勢いは激しく、まるで亀裂の入ったダムから水が噴出し決壊する様に穴を押し広げて一気になだれ込んできた。

 

あまりの勢いに一瞬で周囲をマグマで取り囲まれたので、ユエとトネリコが障壁を張っている間に即座に鉱物を錬成、小舟を作り出したおかげで事なきを得た、というわけだ。

勿論、直ぐに灼熱のマグマに熱せられたが、外側に"金剛"、内部に氷系能力を付与してあったので、耐久性は問題なかった。

 

そして、流されるままにマグマの上を漂っていると、いつの間にか宙を流れるマグマに乗って、階段とは異なるルートで【グリューエン大火山】の深部へと、時に灼熱の急流滑りを味わいながら流されていき、現在に至るという訳だ。

因みに、マグマの空中ロードに乗ったとき、普通に川底を抜けそうになったが、シアが咄嗟に重力魔法"付与効果"*1で小舟の重さを軽減してくれたので、無事マグマの波に乗ることができた。

 

シア「あっ、ハジメさん。またトンネルですよ!」

ティオ「そろそろ標高的には麓辺りじゃ、何かあるかもしれんぞ?」

シアが指差した方向を見れば、流されているマグマが壁に空いた大穴の中に続いていた。

マグマ自体に照らされて下方へと確かに続いている事が分かる。

今までも洞窟に入る度に階層を下げてきたので、普通に階段を使って降りるよりショートカットになっている筈だ。

 

ティオの忠告に頷きながら、いざ洞窟内に突入する。

空中のマグマロードは、広々とした洞窟の中央を蛇の様にくねりながら続いている。

すると、暫く順調に高度を下げていたマグマの空中ロードが、カーブを曲がった先でいきなり途切れていた。

否、正確には滝といっても過言ではないくらい急激に下っていた。

 

ハジメ「またか……全員振り落とされるなよ!」

俺の言葉にユエ達も頷き、小舟の縁や俺の腰にしがみ付く。

ジェットコースターが最初の落下ポイントに登るまでのあのジワジワとした緊張感が漂う中、遂に小舟が落下を開始した。

 

耳元で轟々と風の吹き荒れる音がする。

途轍もない速度で激流と化したマグマを、重力魔法で制御しながら下っていく。

マグマの粘性など存在しないとばかりに、速度は刻一刻と増していった。

それでも直ぐに迎撃できるよう、周囲の警戒は忘れない。何故って?そりゃあ、こういう時に限って……!

 

ハジメ「!やっぱり来たな……!」

俺は舌打ちすると同時にドンナーを抜き、躊躇いなく引き金を引いた。周囲に轟く炸裂音。

それが3度響くと共に3条の閃光が空を切り裂き、目標を違わず撃破する。

俺達に襲いかかってきたのは、翼からマグマを撒き散らす蝙蝠だった。

 

このマグマコウモリは、1体1体の脅威度はそれ程高くない。

かなりの速度で飛べる事とマグマ混じりの炎弾を飛ばす位しか出来ない。正直、雑魚同然の強さだ。

だが、このマグマコウモリの厄介な所は、群れで襲って来る習性だ。

「1匹見つけたら30匹はいると思え」というゴキブリの様な魔物で、岩壁の隙間等からワラワラと現れるのだ。

今も3羽のマグマコウモリを瞬殺したが、案の定激流を下る際の猛スピードが齎す風音に紛れて、夥しい数の翼が羽搏く音が聞こえ始めている。

 

ユエ「……ハジメ、後ろは任せて。」

トネリコ「では、私は左を。」

幸利「じゃあ、俺は右で。」

ハジメ「頼んだ。シア、ティオ、運転は任せる。」

シア「はいです!」

ティオ「うむ!」

作戦通り、シアとティオ以外は背中を合わせて円陣を組むと、マグマコウモリの群れがその姿を見せた。

 

それはもう、一つの生き物といっても過言ではない。

夥しい数のマグマコウモリは、まるで鳥類の一糸乱れぬ集団行動の様に一塊となって波打つ様に動き回る。

その姿は、傍から見れば一匹の龍の様だ。

翼がマグマを纏い赤く赤熱化しているので、さながら炎龍といったところだろう。

 

一塊となって俺達に迫ってきたマグマコウモリは途中で二手に分かれると、前方と後方から挟撃を仕掛けてきた。

いくら1体1体が弱くとも、1つの巨大な生き物を形取れる程の数では、普通は物量で押し切られると考えたのだろう。

だが残念なことに、ここにいるのはチート集団。

単純な物量で押し切れる程甘い相手でない事は、【ウルの町】で消し炭になった魔物達が証明済みだ。

 

ハジメ「水と氷を中心に、行くぞ!」

俺は右手で"タテガミ氷獣戦記"を読み込んだ"水勢剣流水"を振るい、左手でバッシャーマグナムを放つ。

序に、右足のランチャーモジュールから氷属性が付与されたミサイルを放ち、左足からは同じく氷属性を纏ったガトリング砲が火を噴き(?)、口からは欲望すら凍てつかす氷のブレスを吐く。

 

水と氷の両方が付与された斬撃は、水塊の弾丸と氷の息が合わさって、通った場所を瞬時に凍てつかせて砕く破壊の嵐となった。

更にその射線上から外れた個体も、凍てつくミサイルとガトリングによって、あっという間にハチの巣だ。

その結果、通り道にいたせいで木っ端微塵に砕かれたマグマコウモリの群れは、その体の破片を以て一時のスコールとなった。

 

ユエ「"嵐龍"!」

トネリコ「"氷槍・百連"!」

幸利「"破断"!」

後方から迫っていたマグマコウモリも同じ様なものだ。

 

先ず、ユエの右手から放たれた、緑色の豪風が集まった球体が瞬く間に、まるで羽化でもするかの様に球形を解いて1匹の龍へと変貌したかと思えば、緑色の風で編まれた"嵐龍"と呼ばれた風の龍は、マグマコウモリの群れを一睨みするとその顎門を開いて哀れな獲物を喰らい尽くさんと飛びかかった。

 

当然マグマコウモリ達は炎弾を放ちつつも、"嵐龍"を避ける様に更に二手に分かれて迂回しようとした。

しかしユエの"龍"は、その全てが重力魔法との複合魔法だ。

当然"嵐龍"も唯の風で編まれただけの龍ではなく、風刃で構成され自らに引き寄せる重力を纏った龍であり、一度発動すれば逃れる事は至難だ。

 

マグマコウモリ達はいつか見た"雷龍"や"蒼龍"の餌食となった魔物達の様に、抗う事も許されず"嵐龍"へと引き寄せられ風刃の嵐に肉体を切り刻まれて血肉を撒き散らし四散した。

因みにユエが"雷龍"や"蒼龍"を使わなかったのは、マグマコウモリが熱に強そうだった事と、翼を切り裂けば事足りると判断した為だ。

 

トネリコもユエに匹敵する魔力量に物を言わせ、あっという間に100本の氷の槍を作り出しては、正確かつノータイムで次々とマグマコウモリを蹴散らしており、その技術の高さが伺える。

一方、トシはまだその域には達していないので、何時ぞやのライセンで使用されてから改良が加わえられた水鉄砲擬き・改を使い、"破断"の乱れ撃ちでこちらも順調に撃墜している。

そして最後に、"嵐龍"が群れのど真ん中で弾け飛ぶと、その体を構成していた幾百幾千の風刃が全方向に撒き散らされ、マグマコウモリの殲滅が完了した。

 

ティオ「う~む、トネリコと幸利も凄い殲滅力じゃったが、やはりご主人様とユエの攻撃は、いつ見ても恐ろしいものがあるのぉ。」

シア「流石ですぅ。」

攻撃の余波を受けない様に身を屈めつつ、ティオとシアが苦笑い気味に称賛を送ってくれた。

とはいえ、まだ気が抜けない。念の為の予知を発動すると……!

 

ハジメ「次は上のようだ……皆、掴まれ!」

マグマの激流空中ロードを魔物を駆逐しながら進む俺達の眼前では、今まで下り続けていたマグマが突然上方へと向かい始めていた。

勢いよく数十mを登ると、その先に光が見えた。洞窟の出口だ。

だが問題なのは、今度こそ本当にマグマが途切れている事だった。

 

ハジメ「うおぉぉぉ!?せめて陸地まで連れていけぇぇぇ!?」

そんな俺の叫びも空しく、小舟は激流を下ってきた勢いそのままに猛烈な勢いで洞窟の外へと放り出された。

襲い来る浮遊感に慣れつつ、即座に小舟に重力魔法をかけた俺は、素早く周囲の状況を把握する。

 

すると、俺達が飛び出した空間は、嘗て見た【ライセン大迷宮】の最終試練の部屋よりも尚広大な空間だった。

【ライセン大迷宮】の部屋と異なり球体ではなく、自然そのままに歪な形をしている為、正確な広さは把握しきれないが、少なくとも直径3km以上はあるだろう。

地面は殆どマグマで満たされていて、所々に飛び出した岩石が僅かな足場となっている。

 

周囲の壁も大きくせり出している場所もあれば、逆に削れている所もある。

空中にはやはり無数のマグマの川が交差していて、その殆どは下方のマグマの海へと消えていっている。

グツグツと煮え立つ灼熱の海と、フレアの如く噴き上がる火柱。

まるで地獄の釜だな、とごく自然にそんな感想を抱いた俺達だった。

 

だが何より目に付いたのは、マグマの海の中央にある小さな島だ。

海面から10m程の高さにせり出ている岩石の島。

それだけなら他の足場より大きいというだけなのだが、その上をマグマのドームが覆っている。

まるで小型の太陽の様な球体のマグマが、島の中央に存在している異様は、誰からしても目を奪われるであろう光景だ。

 

飛び出した勢い小舟がでひっくり返りそうになるが、持ち前の重力操作で難なく制御すると、誰1人落とす事無く小島近くの空中で停止させた。

どうやらここが終点の様だな……ということは、だ。

 

ユエ「……あそこが住処?」

チラリとマグマドームのある中央の島を見ていたユエが呟く。

しかし、それでは大迷宮の試練としては味気なさすぎると思う。

 

トシ「中間地点、ってわけでもなさそうだな……。」

ハジメ「あぁ、階層の深さ的にも、ここが最終試験だと考えるのが妥当だ。……そうなると、だ。」

ティオ「最後のガーディアンがいる筈……じゃな?ご主人様よ。」

シア「ショートカットして来たっぽいですし、とっくに通り過ぎたと考えてはダメですか?」

トネリコ「いえ、そうもいかないようです。あちらを見てください。」

 

そう言ってトネリコが指を差した先にあったのは、大きな足場とその先に続く階段だった。

しかも、階段は壁の奥から続いているので、恐らくあそこが正規ルートからの出口なのだろう。

まぁ、いくらマグマの空中ロードに乗って流れてくることが普通は有り得ないことだとしても、大迷宮の最終試練までショートカット出来たと考えるのは楽観が過ぎるというものだ。

 

ハジメ「!……そろそろ来る、迎撃開始!」

俺がそういった瞬間、宙を流れるマグマからマグマそのものが弾丸の如く飛び出してきた。

ティオ「むっ、任せよ!」

その声にいち早く反応したティオの掛け声と共に魔法が発動し、マグマの海から炎塊が飛び出して頭上より迫るマグマの塊が相殺された。

 

しかし、その攻撃は唯の始まりの合図に過ぎなかった様だ。

ティオの放った炎塊がマグマと相殺され飛び散った直後、マグマの海や頭上のマグマの川からマシンガンの如く炎塊が撃ち放たれた。

 

ハジメ「全員退避!」

それを見た俺は、即座に頭上へ巨大な氷塊を放ち、全員に近くの足場に散開するように指示を出した。

序に小舟の内部にある小石群をばら撒き、今度は風魔法を付与して、風の足場とした。

そのおかげで全員が近くの足場に避難し終えたと同時に、凄まじい物量の炎塊が氷塊を飲み込み、小舟諸共粉砕してマグマの海へと沈めた。

 

そこからも俺達は其々別の足場に着地し、尚追ってくるマグマの塊を迎撃していった。

迎撃そのものは切羽詰るという程のものでは無かったのだが、いつ終わるともしれない波状攻撃に、皆鬱陶し気な表情を見せる。

それはマグマの海の熱せられた空気により、景色が歪んでいる事も原因だろう。

 

ハジメ「"アブソルート・フリーザ"!」

俺はそんな状況を打開すべく、ソルベとプトティラの能力をミックスした氷のブレスを、手元に呼び出した"醒杖レンゲルラウザー"に"トルネード"と"ブリザード"のラウズカードをスキャンすることで強化、更にシグナルカクサーンの能力でそれらを広範囲に行き渡らせる。

結果、冷気を纏った暴風郡が生み出され、炎塊を凍らせながら粉々に破壊した。

その意図を言葉は無くとも正確に読み取ってくれたのか、ユエが一瞬出来た隙をついて重力魔法を発動させた。

 

ユエ「──"絶禍"!」

響き渡る魔法名と共に俺達の中間地点に黒く渦巻く球体が出現し、飛び交うマグマの塊を次々と引き寄せていった。

黒き小さな星は、呑み込んだ全てを超重力のもと押し潰し圧縮していく。

吹雪とユエの魔法により炎塊の弾幕に隙ができたので、俺は"空力"で宙を駆けると一気にマグマドームのある中央の島へと接近した。

 

俺達を襲う弾幕で一番厄介なのは、止める手段が目に見えない事だ。

場所的に明らかに【グリューエン大火山】の最終試練なのだが、今までの大迷宮と異なり目に見える敵が存在しないので、何をすればクリアと判断されるのかが分からない。

それならば、最も怪しい中央の島に乗り込むのが一番だと考えたのだ。

 

ハジメ『皆、中央の島に集合しよう。』

ユエ・シア・ティオ・トネリコ・幸利『『『『『了解(です)(したのじゃ)。』』』』』

その念話と共に、俺は駆けだした。

 

当然、ユエの"絶禍"の効果範囲外からマグマの塊が降ってくるが、目から熱線を発射して撃ち落とした。

シアもドリュッケンを戦鎚に展開せずショットガンモードで迎撃しており、ティオとトネリコが魔法で迎撃し、そこへトシが貸しておいたオルカンで援護に当たってくれた。

そのおかげで一直線に中央の島へと迫ることが出来た。しかし、現実はそう簡単に上手くはいかなかった。

 

「ゴォアアアアア!!!」

そんな腹の底まで響く様な重厚な咆哮が響いたかと思うと、直下から大口を開けた巨大な蛇が襲いかかってきた。

全身にマグマを纏わせているせいか、周囲をマグマで満たされたこの場所では"熱源感知"にも"気配感知"にも引っかからないようだ。

また、マグマの海全体に魔力が満ちている様なので魔力感知にも引っかからなかった事から、完全な不意打ちとなった巨大なマグマ蛇の攻撃。

 

ハジメ「良い攻撃だ、相手が俺でなければな。」

が、この程度であればいくらでも対処は可能なので、"ガシャコンソード"で即座に凍らせて真っ二つに砕いた。

ハジメ「ぬぅ!?これは……。」

しかし驚いたことに、マグマ蛇は確かに砕け散ったものの、それは凍ったマグマの破片が飛び散っただけであり、断末魔も上げることもなかった。

その上、中身もないので、猶更不可思議だった。

 

今までの【グリューエン大火山】の魔物達は基本的にマグマを身に纏ってはいたが、それはあくまで纏っているのであって肉体がきちんとあった。

断じてマグマだけで構成されていた訳ではない。

しかしどうやら、このマグマ蛇だけは、完全にマグマのみで構成されているらしい。

 

ハジメ「さっきの一撃で、魔石の有無は確認できたが……どういうことだ?」

そう考察していた時だった。

マグマの海からマグマ蛇が次々と飛び出し、その巨大な顎門をバクンッ!バクンッ!と閉じていった。

 

『Boost Tactical Victory』

 

それらを回避しつつ、"ギーツバスターQBⅨ"で魔石を正確に打ち抜きながら、後退して近くの足場に着地した。

すると、その傍にユエ達もやって来た。どうやら俺が襲われている間に、炎塊の掃射は一時止んだ様だ。

 

ユエ「……ハジメ、無事?」

ハジメ「あぁ、大丈夫だ。それより……どうやらこのマグマ蛇が、最終試練のようだ。」

俺を気遣うユエに対し、前方から目を逸らさずそっと触れ返す事で応える。

その視線の先には、ザバァ!と音を立てながら次々と出現するマグマ蛇の姿が映っていた。

 

ティオ「やはり、中央の島が終着点の様じゃの。通りたければ我らを倒していけと言わんばかりじゃ。」

シア「でもさっきハジメさんが倒したのに、すぐに補充されてますよ?倒しきれるんでしょうか?」

その言葉通り、先程倒した個体含めて20体以上のマグマ蛇が、鎌首をもたげてこちらを睥睨している。

シアのウサミミもピコピコと忙しなく動き回っている。が、推測は既にできている。

 

ハジメ「いや、それも大丈夫そうだ。さっき、魔石を砕いた感覚があった。

多分、それを一定数行えばクリアなんじゃないか?」

推測を述べ終わると同時に、総数20体のマグマ蛇が一斉に襲いかかるのは同時だった。

マグマ蛇達はまるで、太陽フレアの様に噴き上がると口から炎塊を飛ばしながら急迫する。

20体による全方位攻撃だ。普通なら逃げ場もなく大質量のマグマに呑み込まれて終わりだろう。普通なら、ば。

 

ティオ「久しぶりの一撃じゃ!存分に味わうが良い!」

そう言って揃えて前に突き出されたティオの両手の先には、膨大な量の黒色魔力が瞬く間に集束・圧縮されていき、次の瞬間には一気に解き放たれた。

竜人族のブレスだ。

 

恐るべき威力を誇る黒色の閃光はティオの正面から迫っていたマグマ蛇を跡形も無く消滅させ、更に横薙ぎに振るわれた事によりあたかも巨大な黒色閃光のブレードの様にマグマ蛇達を消滅させていった。

一気に8体ものマグマ蛇が消滅し、それにより出来た包囲の穴から俺達は一気に飛び出した。

 

流石に跡形もなく消し飛ばされれば、魔石がどこにあろうとも一緒に消滅しただろうと思われたが、そう簡単には行かないのが大迷宮クオリティーだ。

俺達が数瞬前までいた場所に着弾した12体のマグマ蛇は、足場を粉砕しながらマグマの海へと消えていったものの、再び出現する時にはきっちり20体に戻っていた。

 

ハジメ「やっぱりな、となると……何処かにその数を示す何かがあるはずだ。」

トネリコ「!ハジメさん、見て下さい!岩壁が光ってます!」

ハジメ「ビンゴ!ざっと100体くらい、それもこの暑さの中でか……試練内容としては十分だな。」

言われた通り中央の島に視線をやると、確かに岩壁の一部が拳大の光を放っていた。

オレンジ色の光は先程までは気がつかなかったが、岩壁に埋め込まれている何らかの鉱石から放たれている様だ。

 

早速確認してみると、保護色になっていて分かりづらいが、どうやらかなりの数の鉱石が規則正しく中央の島の岩壁に埋め込まれている様だと分かった。

現在、光を放っている鉱石は13個……先程ティオが消滅させた8匹に、俺が倒した5匹の合計と同じだ。

 

しかし、中央の島は円柱形なので、鉱石が並ぶ間隔と島の外周から考えると……

ざっと100個の鉱石が埋め込まれている事になる。

ただでさえ暑さと奇襲により疲弊しているであろう挑戦者を、最後の最後で一番長く深く集中しなければならない状況に追い込む。

大迷宮に相応しい嫌らしさと言えるだろう。

 

確かにユエ達は相当精神を疲労させている。

しかしその表情には疲労の色はなく、攻略方法を見つけさえすればどうとでもしてやるという不敵な笑みしか浮かんでいなかった。

そうして全員がやるべき事を理解して気合を入れ直した直後、再びマグマ蛇達が襲いかかった。

マグマの塊が豪雨の如く降り注ぎ、大質量のマグマ蛇が不規則な動きを以て獲物を捉え焼き尽くさんと迫る。

 

俺達は再び散開し、其々反撃に出た。

先ずティオが竜の翼を背から生やし、そこから発生させた風でその身を浮かせながら、"砲皇"*2をぶっ放し、またもやマグマ蛇を撃破した。

 

ティオ「これで9体目じゃ!今のところ妾が一歩リードじゃな。ご主人様よ!

妾が1番多く倒したらご褒美を所望するぞ!勿論2人っきりで1晩じゃ!」

マグマ蛇を吹き飛ばし切り刻み終えたティオは、そんなことを言い出した。

思わず呆れてしまうが、そこへシアが割り込んだ。

 

シア「なっ、ティオさんだけ狡いです!私も参戦しますよ!ハジメさん、私も勝ったら一晩ですぅ!」

そんな事を叫びながら、シアは跳躍した先にいるマグマ蛇の頭部にドリュッケンを上段から振り下ろした。

インパクトの瞬間、淡青色の魔力の波紋が広がり、次いで凄絶な衝撃が発生。

頭部から下にあるマグマの海まで一気に爆砕した。弾け飛んだマグマ蛇の跡にキラキラした鉱物が舞っている。

"魔衝波"の衝撃により砕かれた魔石だ。

 

と、その時。1体のマグマ蛇を屠った空中のシアに、背後からマグマの塊が迫る。

シアはドリュッケンを激発させ、その反動で回避した。

だが、それを狙っていたかの様に、シアが落ちる場所にマグマ蛇が顎門を開いて襲いかかる。

 

しかし、シアは特に焦る事も無く、魔力をショートブーツへと流し込んだ。

途端、靴底に仕込まれた金属板に付与された能力が発動し、シアの足下で淡青色の波紋を広げる。

シアはその場所を足場の様にトンッ、と重さを感じさせずに蹴りつけ、再度宙を舞った。

 

実はこんなこともあろうかと、靴底に"黒渦"を付与しておいたのだ。

これにより、上向きに重力を発揮するので、"空力"や体重操作と合わせることで、文字通り"宙を舞う"ことが可能になるという寸法だ。

流石に"月歩"はまだ"剃"を完璧に出来ていないからまだだが……今度、魂魄魔法を覚えさせたら"舞空術"も教えてあげよっと。

 

目測を外されシアの下方を虚しく通り過ぎるマグマ蛇に、シアは変形させたドリュッケンの銃口を向けてトリガーを引いた。

撃ち放たれたのはいつもの散弾ではなくスラッグ弾だ。ただし、普通のスラッグ弾ではない。

こんなこともあろうかと作っておいた、俺特製の"魔衝波"弾だ。

着弾と同時に込められた魔力が衝撃波に変換されるので、威力だけならグレネード弾を遥かに凌ぐレベルだ。

 

ドリュッケンの咆哮と共に飛び出した炸裂スラッグ弾は、狙い違わず背後からマグマ蛇に直撃し、頭部から胴体まで全てを巻き込んで大爆発を起こした。

その衝撃で、再び、砕け散った魔石がキラキラと宙を舞う。

……って、呑気に解説してる場合じゃなかった。

 

ユエ「……ん!私も一晩!二人っきりデート!」

トネリコ「私だって!負けませんよー!」

って、言ってる傍から魔法チート2人も参戦し始めた!?

 

トネリコとの模擬戦では、これまで肉弾戦が主体となっていたのだが……改めて、彼女の魔法使いとしての技量の高さが伺える。

何処からか光の槍*3を召喚して射出したり、水流*4を発生させたり、水刃の乱れ撃ち*5にレーザーの雨*6を降らせたりと、割と殲滅力が高い。

 

おかげで、マグマ蛇が次々に穴だらけや細切れになったり、水流によって圧殺されている。

俺は勿論、ユエやティオすら知らない魔法も使用しているので、やはり彼女も別世界からの……

いや、今はそれは置いておこう。

 

そしてユエはというと、楽しみという雰囲気を醸し出しながら、しかし魔法についてはどこまでも凶悪なものを繰り出していた。

最近十八番の"雷龍"だ。熟練度がどんどん上がっているのか、出現した"雷龍"の数は8体。

それをほぼ同時に、其々別の標的に向けて解き放った。

 

雷鳴の咆哮が響き渡る。

ユエに喰らいつこうとしていたマグマ蛇達は、逆にマグマの塊などものともしない雷龍の群れに次々と呑み込まれ、体内の魔石ごと砕かれていった。

 

シア「やっぱりお二人が一番の強敵ですぅ!」

ティオ「どっちもバグっとるよ!絶対おかしいのじゃ!」

その光景を見て、シアとティオが其々焦りの表情を浮かべて悪態を吐きつつ、より一層苛烈な攻撃を繰り出し、討伐数を伸ばしていった。

 

幸利「モテてんなー、ハジメ。俺も参加するけど、優勝したらドライバーくれよ?」

ハジメ「次の迷宮をクリアすれば、どのみちくれてやるさ。それに……俺に勝てるとお思いで?」

無難に数をこなすトシにそう言って、背後から襲いかかってきたマグマ蛇の魔石を気円斬で真っ二つにする。

序に、右手にアックスカリバーを呼び出し、手のような形状をした魔法装置"ハンドオーサー"へと5回触れる。

 

『High!High!High!High!High Touch!』

 

そしたら、アックスカリバーを思いっきりぶん回し、大きくしていく。

 

『プラズマ・シャイニングストライク!!!』

 

ハジメ「行ってこーい!!」

それを勢い良く、ぶん投げる!後は、念じて動かすだけ!

 

『キラ・キラ!』『キラ・キラ!』『キラ・キラ!』『キラ・キラ!』

『キラ・キラ!』

 

煌びやかな光を纏った巨大な刃は、あっという間にマグマ蛇を切り裂き、ユエ達が狙っていた奴等も仕留めて行った。

 

ユエ「……反則過ぎる」

シア「一番の強敵はハジメさんでしたぁっ!!」

ティオ「いきなり難易度上がり過ぎではないかのっ!?」

トネリコ「流石にやりすぎですっ!!」

ハジメ「勝てばよかろうなのだぁぁぁ!!」

幸利(大人げねぇな……。)

 

そんなこんなでマグマ蛇を倒し続けていれば、いつの間にか中央の島の岩壁の外周に、規則正しく埋め込まれた鉱石はその殆どを発光させており、残り8個というところまで来ていた。

本格的な戦闘が始まってからまだ5分も経っていないのに、だ。

 

【グリューエン大火山】のコンセプトが悪環境による集中力低下状態での長時間戦闘だという推測が当たっていたのだとしたら、俺達に対しては完全に創設者であるナイズ・グリューエンの思惑は外れてしまったと言えるだろう。

既に残りの7体がユエ達の攻撃(ブレス、ドリュッケン+炸裂スラッグ弾、レーザー、雷竜)の餌食になった。

そして遂に、最後の一体となったマグマ蛇が、直下のマグマの海から奇襲をかけてきた。

 

ハジメ「ビッグバンアタック!」

俺は真下からガバッと顎門を開いて迫るマグマ蛇の口内に向け、片手を構えて気弾をぶっ放した。

その特大気弾は、魔石諸共マグマ蛇を飲み込み、爆破させた。これで漸く終わり、そう思った時だった。

 

ズドォオオオオオオオオ!!!!

 

刹那、頭上より極光が降り注ぎ、俺の視界をその全てを塗り潰す様な光で覆った。

 


 

まるで天より放たれた神罰の如きそれは、【オルクス大迷宮】最深部に居たヒュドラ擬きのソレより遥かに強力かも知れない。

大気すら悲鳴を上げるその一撃は、戦闘終了直後最も無防備な一瞬を狙って放たれ──ハジメを呑み込んだ。

冗談の様にハジメの姿が消える。圧倒的な破壊の嵐の中へ。

*1
自身が触れている物の重量を、自身の体重と同じように調整出来るという魔法。

*2
風系統の中級攻撃魔法。真空刃を伴った竜巻を砲撃の如く放つ。

*3
"猛き狼の槍"というらしい……

*4
魔法名"エッヘウーシュカ"

*5
通称"贖いの雨"

*6
魔法名"アッハイシュケ"




次回、どうなるハジメさん!?

前置きの答え
ドン・ブラザーズ、ドン・キホーテ、ドンッ!、ドンキーコング、ドン・ヴィトー・コルレオーネ

もしもfateとのトリプルをやるとして、どんな女性サーヴァントと組ませたい?(モルガン・トネリコは本編で準レギュラーなので除く))

  • アルトリア(青王)
  • モードレッド
  • 玉藻の前
  • スカサハ
  • レディ・アヴァロン
  • 宮本武蔵
  • 沖田総司(オルタ含む)
  • 伊吹童子
  • ティアマト
  • ミスクレーン
  • 魔王信長
  • ククルカン
  • ジャンヌ(オルタ・メタ含む)
  • ネロ
  • アルテラ
  • 源氏鯖(頼光・義経・巴)
  • 河上彦斎
  • いっそのことカルデア入り
  • その他(活動報告欄で入力)
  • それって、貴方の癖ですよね?
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