Re.ありふれない錬成師で最高最善の魔王、世界最強を超越する 作:天元突破クローズエボルハザード
ハジメ「皆、生きてるか……?」
ユエ「な、なんとか……。」
シア「し……死ぬかと思いましたぁ……。」
ティオ「……い、一瞬、向こう側が見えた気がしたのじゃ……。」
香織「うぅ……ハジメ君が捕まえてくれなかったなら、逸れるところだったよ。」
幸利「あ、危うく迷宮の養分になるところだった……。」
トネリコ「い、今までにない危機でしたね……。」
だんだんと緩やかになる流れの中、光を目印に一気に浮上した場所には、真っ白な砂浜が広がっていた。
周囲にはそれ以外何もなく、ずっと遠くに木々が鬱蒼と茂った雑木林の様な場所が見えていて、頭上一面には水面が揺蕩っていた。
実に広い空間だ。
一先ず休憩と着替えの時間を取ったのだが……何故に女性陣は俺に「見てもいい」とでも言いたげな視線を向けるのだ。
恥ずかし気にしているのが幸い……いや、誰とは言わんが一人だけ堂々と目の前で脱ごうとした吸血姫がいたか。
そして俺の着替えの時には、全員で乗り込んでくるという……仲良しか、お前ら!?
と、そんなこんなで態勢を整えた俺達は、遠くに見える密林に向けて、真っ白な砂浜をシャクシャクと踏み鳴らしながら進んだ。
鬱蒼と茂った木々や草を、バッサバッサと切り裂いて進んでいくが、魔物は全然見当たらない。
てっきり、オルクスみたく寄生生物でも出てくると思っていたが……ちょっと拍子抜けだ。
まぁ、道中では、普通にキモくて毒を持っているだけの蜘蛛*1に遭遇したが、
尚、その度にトネリコが気絶しかけたことが一番大変だった。そんな密林地帯を抜けると、その先は……
ハジメ「ここは……船の墓場か?」
ユエ「……すごい。」
シア「ホントです……。」
ティオ「うぅむ、今では見られぬ大きさじゃのう……。」
香織「帆船なのに、なんて大きさ……。」
幸利「沈んだ、ってわけじゃなさそうだな……。」
トネリコ「これが船、ですか……実際に見るのは初めてですね。」
密林を抜けた先は岩石地帯となっており、そこには夥しい数の帆船が半ば朽ちた状態で横たわっていた。
そのどれもが、最低でも100mはありそうな帆船ばかりで、遠目に見える一際大きな船は300m位ありそうだ。
全員思わず足を止め、その一種異様な光景に見入ってしまった。
しかしいつまでも見入っている訳にも行かない。気を取り直し、船の墓場へと足を踏み入れた。
岩場の隙間を通り抜け、或いは乗り越えて、時折船の上も歩いて先へと進む。
どの船も朽ちてはいるが触っただけで崩壊する程では無く、一体何時からあるのか判断が難しかった。
ハジメ「それにしても……ほぼ戦艦ばかりだな。荷電粒子砲や重力波干渉砲を載せるにしては、小さすぎるが。」
幸利「どこと宇宙戦争するつもりだよ……大体、色々と必要なものが全く足りてないだろ。」
ハジメ「いやぁ、どうせなら夢の一つだった"相転移砲と次元干渉虚数砲、その他ロマン武器満載!"な大型宇宙戦艦の鋳造に挑戦してみようかなぁ、って。」
幸利「お前、マジで世界丸ごと消し飛ばす気か!!」
だって、なんかこう……燃えるだろ?色んな意味で。
香織「アハハ……でも、あの一番大きな船だけは客船っぽいよね。装飾とか見ても豪華だし……。」
ハジメ「あぁ、見た感じ中世の船に似ている部分は多いな……ボロボロじゃなかったら、もっと良かったんだが。」
そう、香織の言う通り、墓場にある船には、どれも地球の戦艦(15,6世紀、所謂大航海時代のそれ)の様に横腹に砲門が付いている訳では無かった。
しかし、それでも戦艦と断定したのは、どの船も激しい戦闘跡が残っていたからだ。
見た目から言って、魔法による攻撃を受けたものだろう。
スッパリ切断されたマストや焼け焦げた甲板、石化したロープや網等が残っていた。
大砲という物が無いのなら、遠隔の敵を倒すには魔法しかなく、それらの跡から昔の戦闘方法が想像出来た。
そしてその推測は、俺達が船の墓場の丁度中腹に来たあたりで事実であると証明された。
──うぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
──ワァアアアアアアアアアアアアアアア!!!!
ハジメ「喧しい!!」
幸利「お前もな。」
香織「ハジメくん!周りがっ!」
突然大勢の人間の雄叫びが聞こえたかと思うと、周囲の風景がグニャリと歪み始めた。
何事かと周囲を見渡すが、そうしている間にも風景の歪みは一層激しくなり──
気が付けば、大海原の上に浮かぶ船の甲板に立っていた。
そして周囲に視線を巡らせば、そこには船の墓場などなく、何百隻という帆船が2組に分かれて相対し、その上で武器を手に雄叫びを上げる人々の姿があった。
トネリコ「これは……大規模な幻術、ではないようですね。」
ハジメ「あぁ、神山のバーン大迷宮でも感じた雰囲気だ。恐らくだが、神代魔法を複合した仕掛けだろう。」
これまでの経験からして何となくそう考察すると、大きな火花が上空に上がり、花火の様に大きな音と共に弾けると何百隻という船が一斉に進み出した。
俺達が乗る船と相対している側の船団も花火を打ち上げると一斉に進み出す。
そして一定の距離まで近づくと、そのまま体当たりでもする勢いで突貫しながら、両者とも魔法を撃ち合いだした。
ゴォオオオオオオオオ!!ドォガァアアン!!ドバァアアアア!!!
ハジメ「……まるで映画だな。」
幸利「言っとる場合かぁ!」
轟音と共に火炎弾が飛び交い船体に穴を穿ち、巨大な竜巻がマストを狙って突き進み、海面が凍りついて航行を止め、着弾した灰色の球が即座に帆を石化させていく。
俺達の乗る船の甲板にも炎弾が着弾し、盛大に燃え上がり始めた。
船員が直ちに魔法を使って海水を汲み上げ、消火にかかる。
戦場──文字通り、この夥しい船団と人々は戦争をしている。
放たれる魔法に込められた殺意の風が、ぬるりと肌を撫でていく。尤も、俺もある程度は慣れているのだが……。
その様子を呆然と見ていると、背後から再び炎弾が飛来した。放っておけば直撃コースだ。
最初はそのまま拳で掻き消そうかと思ったが、直感が物理では無理と感じたので、一先ずドンナーを発砲してみた。
しかし、炸裂音と共に一条の閃光となって飛翔した弾丸は、炎弾を迎撃するどころか直撃したにも関わらず、そのまますり抜けて空の彼方へと消えていってしまった。
ならばと、今度は魔力を込めた水球をぶつければ、いとも容易く相殺出来た。
ハジメ「成程、魔法か魔力での攻撃で直接叩けば、大丈夫そうだ。
とはいえ、幻影でもダメージはありそうだから気をつけろ。」
皆にそう注意していると、すぐ後ろで「ぐぁああっ!」と苦悶の声が上がった。
何事かと振り返ると、年若い男がカットラスを片手に腹部を抑えて蹲っていた。
見れば足元に血溜りが出来ており、傍らには血濡れの氷柱が転がっている。恐らく被弾したのだろう。
思わず香織が「大丈夫ですか!?」と声を掛けながら近寄り、回復魔法を行使した。
彼女の放つ白菫の光が青年を包み込む。香織の"治癒師"としての腕なら瞬く間に治る……
こともなく、淡い光となって霧散してしまった。
香織「え?えっ?どうして……?」
ユエ「……バカオリ。魔力が籠っているから、回復も攻撃判定に入る。」
トネリコ「攻撃じゃなくても、属性や効果は関係ないようですね……。」
2人からの説明が入ると、香織も「あッ!」と気づいたが、気にせずそのまま回復を続けた。
その後も、全員魔法で応戦(シアのみ魔力を拳に纏わせた物理)しつつ、やり過ごしていた時だった。
不穏な気配を感じて周囲を見渡せば、雄叫びを上げながら、かなり近くまで迫ってきた相手の船団に攻撃する兵士達に紛れて、いつの間にか、かなりの数の男達が暗く澱んだ目でこちらを見ていた。
その直後、奴等は俺達に向かって一斉に襲いかかってきた。
「全ては神の御為にぃ!」
「エヒト様ぁ!万歳ぃ!」
「異教徒めぇ!我が神の為に死ねぇ!」
そこにあったのは狂気――
血走った眼に、唾液を撒き散らしながら絶叫を上げる口元。真面に見れたものではない表情だった。
相対する船団は明らかに何処かの国同士の戦争なのだろうと察する事が出来るが、その理由は当然、宗教戦争だ。
よく耳を澄ませば、呼ぶ神の名は違うが、相対する船団の兵士達からも同じ様な怒号と雄叫びが聞こえてくる。
幸いにも、先生にもあげた"鎮魂"付与のブレスレットのおかげで、圧倒的な狂気に気圧されることもなかった。
寧ろ、全員その光景を鬱陶しそうな表情で睨み、容赦なく攻撃を続けていた。
しかし、このままでは取り囲まれそうなので、空間魔法を応用して足場を形成、それを使って全員を浮かび上がらせた。
序に、4本のマストの内の1本の物見台にいた、監視役の兵士を撃ち落としておいた。
下方では、狂気に彩られた兵士達が血走った眼でこちらを見上げている。
今の今まで敵国同士で殺意を向け合っていたというのに、どういう訳か一部の人間達が俺達を標的にしている様だった。
しかも、こっちを狙う場合に限って敵味方の区別なく襲ってくる。
その数も、まるで質の悪い病原菌に感染でもしているかの様に次々と増加していく。
一瞬前まで目の前の敵と相対していたというのに、突然動きを止めるとグリンッ!と首を捻ってこっちを凝視し、直後に群がって来る光景は軽くホラーだ。
現にホラーが大の苦手な香織は、俺にヒシッとしがみついたままだ。
手も少し震えているので、落ち着かせようと手を握ると、一瞬ビクッとなってから顔を上げ、俺を見て安心したような顔になった。
ハジメ「さてと……どうやって、この場を切り抜けようか?」
ユエ「……どこかに、脱出口がある?」
シア「ですね。でも、どこにあるんでしょう?」
香織「船のどれかが脱出口になっていたりしないかな?……ほら、ど○でもドアみたいに。」
ふむ、無難な考えではあるのだが……あまり現実的じゃなさそうだ。
幸利「……見た感じ、大体600隻くらいはあるぞ。これ、虱潰しに探すのは流石に鬼畜過ぎね?」
ティオ「ふむ、確かに。沈没する船もあるじゃろうから、それはないの。」
トネリコ「もしかして……戦争が終わるまで耐え抜くのが条件、ということでしょうか?」
ハジメ「成程、それなら少しキツイ位だろうけど……かかる時間が多いな。
よし、こうなりゃもういっそのこと、戦争ごと終わらせた方が早い。大技で仕留めよう。」
方針は決定した、後は作戦のみだ。
眼下を見れば、そこかしこで相手の船に乗り込み敵味方混じり合って殺し合いが行われていた。
俺達が攻撃した場合と異なり、幻想同士の殺し合いではきっちり流血するらしい。
甲板の上には誰の物とも知れない臓物や欠損した手足、或いは頭部が撒き散らされ、かなりスプラッタな状態になっていた。
誰も彼も、「神の為」「異教徒」「神罰」を連呼し、眼に狂気を宿して殺意を撒き散らしている。
兵士達の鮮血が海風に乗って桜吹雪の様に舞い散る中、やはり双方の兵士がこちらに襲い掛かってきた。
物理攻撃が一切通用せず、どの様な攻撃にも怯まない狂戦士の大群と船の上で戦わなければならないという状況は、普通なら相当厳しい筈だが……今この場にいるのは、常識はずれのチート軍団と、それすらも凌駕する時の魔王だ。
ハジメ「"ジャイアントストーム"。」クンッ!
早速全員で円陣を組むと、俺は中指と人差し指を揃えて天に向かって突き出した。
その瞬間、戦場の端から端までを光が包んだ。
ハジメ「静寂や、兵どもが、夢の跡。」
幸利「消し飛ばした奴がなんか言ってら。」
この技はとあるサイヤ人の代名詞だが……まさか、こんな場面で使う時が来るとは。
結果は言うまでもない。船団諸共、狂信者は一撃で消し飛んだ。
すると、再び周囲の景色がグニャリと歪み、気が付けば元の場所に戻っていた。
しかし、いくら魂魄魔法で精神の安定を図れるとは言え、流石にあの狂気は精神的にキツいので、少し休憩することにした。
"宝物庫"から取り出したリンゴジュースの様な飲み物を全員で飲みながら、談笑することで心身の疲れを癒していった。
ハジメ「神に縋るなとは言わないが……妄信して全てを委ねた結果がアレでは、狂気を宿すのは当然だな。」
幸利「この先、ああいう奴等を相手にしなきゃいけないと思うと……面倒だな。」
ティオ「ふむ……恐らくじゃが、これがこの迷宮のコンセプトなのではないかえ?」
シア「あぁ、言われてみれば……魂魄魔法が無かったら、相当キツかったですし。」
トネリコ「成程……嘗ての戦争を再現した上で、その幻影と戦わせ、当時の悲惨さを知れ、と。」
ユエ「ん……つまり、"狂った神が齎すものの悲惨さを知れ"、がコンセプト。」
香織「この世界の人達からしたら、この試練で今までの常識が否定されるようなものだね……。」
そんな会話をしながら、先程までの光景――狂信者共の行動を思い出し……気色悪いので、即座に止めた。
狂気の宿った瞳で体中から血を噴き出しながらも哄笑し続ける者、死期を悟ったからか自らの心臓を抉り出し神に捧げようと天に掲げる者、俺達を殺す為に弟ごと刺し貫こうとした兄と、それを誇らしげに笑う弟……
正に狂人のオンパレードだ。
戦争=悲惨というのは、分かっていたが……流石に予想以上の狂気だった。
そんなことを思いつつ、俺は気を取り直し、全員のコンディションが万全なことを確認すると、一番遠くに鎮座する最大級の帆船へと歩みを進めた。
恐らくだが、この先にも狂気じみた光景が広がっているのではと、億劫な気持ちを抱えながら。
戦艦の下りは、わかる人にはわかるネタです。因みに主はサイヤ人なら、ブロリーとゴジータ派です。
もしもfateとのトリプルをやるとして、どんな女性サーヴァントと組ませたい?(モルガン・トネリコは本編で準レギュラーなので除く))
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アルトリア(青王)
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モードレッド
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玉藻の前
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スカサハ
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レディ・アヴァロン
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