Re.ありふれない錬成師で最高最善の魔王、世界最強を超越する 作:天元突破クローズエボルハザード
特に今話が怪しそうなんですよねぇ……それはさておき、次回はハジメさんサイドで合流です。
追記:白河上皇さん、誤字報告ありがとうございます!
メイル「マ、ママ?それは予想外の反応ね。あ、ちょっと待ってね?」ズパンッ!
と言うや否や、メイルは腰から引き抜いたカットラスで飛び込んできた血肉狼を真っ二つにした。
更に、絶妙なタイミングで巨狼が反対側から飛びかかってくるが、勝手に砕け散ったカットラスはそのままに、水流の鞭を振るって迎撃。
その"水流の鞭"が当たった場所が、ごっそり削り取られている。
どうやら、水流の中に砕けた無数の刃が紛れているらしく、さながらチェーンソーのようになっているらしい。
抉られ、吹き飛ばされた巨狼は体勢を整えようとするが、
メイル「躾のなってない駄犬にはお仕置きが必要ね?――さぁ、豚のような悲鳴をあげなさいな。」ギュリリリリィィッ!!
そこへ"水刃鞭"の連撃が容赦なく殺到。悪夢のように血肉が飛び散り、巨狼から豚のような悲鳴が漏れ出す。
レミアそっくりのおっとりふわふわな雰囲気で、しかし、えげつない攻撃とえげつない罵倒を繰り出した目の前のメイルお姉さん。
メイル「ごめんなさいね、話の腰を折って。一応言っておくけれど、お姉さんはママじゃないわよ?」
ミュウ「あ、はい。ママじゃないです。」
巨狼はただの肉塊に成り果てた。
次は血肉狼共の番と言わんばかりに、片手間で振るわれる"水刃鞭"が更にスプラッタな光景を作り上げていく。
なのに、当のお姉さんはおっとり素敵な笑顔のまま。非常に怖かった。
ミュウ的に、一瞬でもママと似てると思ってしまった自分を張り飛ばしたくなるくらいに。
ミュウ「あの……助けてくれてありがとうなの。お姉さんは誰ですか?ミュウはミュウです!」
メイル「あら、ちゃんとお礼が言えて偉いわね。自己紹介もありがとう。」
にっこりうふふ。ついでに全方位へ激流。まるで汚物を便器に流すが如く、凄惨な現場が残党と共に綺麗に流されていく。
それを確認して、お姉さんは水流のアーチからミュウを守る水の結界の中へ飛び込んだ。
メイル「初めまして、同族のお嬢さん。私はメイル。メルジーネ海賊団の、船長様よ。」
水の結界が弾け、無数の水滴が浮かぶ中心で悠然と佇むお姉さんは、弾けるような素敵な笑みと共に正体を明かした。
ここに、本来あり得ない邂逅は果たされた。
光のクジラが、ミュウを救うために導いた"強き海の子"とは、そう、遥か昔に生きた神代魔法の使い手にして、西の海を牛耳る最強海賊団の女帝だったのだ。
何がどうなって、時を超えて二人の海人族が出会うことになったのか。
おそらく、その答えを知っているであろう光のクジラは、ミュウの頭の上に鎮座したまま反応なし。
どこかぐったりしているようにも見える。
ミュウ「みゅ?メイル?メルジーネ?んん?」
尤も、まったくこれっぽっちも分からないというわけでもなく、普段からパパの冒険譚をせがみまくっているミュウは、「はて、何やら聞き覚えがあるような……?」と首を傾げた。
だが、詳細を思い出す前に、ミュウの前にしゃがみ込んで目線を合わせたメイルが質問を口にした。
メイル「それで、ミュウちゃん。ここはどういう場所なのかしら?実はお姉さん迷子なのよ。」
心底困った様子で眉を八の字にするメイル。
聞けば、海賊仲間フアミリーとは別の友人達と、"アンディカ"という船上村の近海を警備とお遊びがてら巡回していたところ、突然の濃霧と大渦に巻き込まれ、気が付けば友人達ともはぐれてここにいたのだとか。
なるほど。ミュウ達と同じ状況らしい。なので、ミュウはキリッとした表情で答えた。
ミュウ「メイルお姉さん、ミュウも迷子です!」
メイル「……この都?の子じゃないのかしら?」
ミュウ「メイルお姉さん。いくらなんでも、ここで普通に暮らすのは無理があると思うの。」
メイル「た、確かにそうね……あら?よく見るとあなた、ディーネに似てる……
妹に似た子に、呆れた目で正論を突きつけられるなんて……お姉さん、ちょっと傷ついたわ。」
しょんぼりし始めたメイルに、ミュウは内心で思った。
「このお姉さん、なんだか色々と凄いけど、色々と残念な人っぽいの……。」と。
メイル「ええっと、それじゃあミュウちゃんはどうしてここに?」
ごほんっと咳払いを一つ。メイルは気を取り直して質問を変えた。
それにミュウが答えようと口を開きかけた、その瞬間、先程の戦闘音が再び。
かなり近い場所から上空に向かって雷が飛び、一瞬空間が歪んだように見えたかと思えば廃墟の一角がまとめて木っ端微塵となる。
メイル「ミュウちゃん。お姉さんの傍から離れちゃダメよ。」
ミュウ「は、はいなの!」
メイルの後ろにぴっとりと寄り添うミュウ。
なぜだろうか。
助けてくれたとはいえ初対面なうえに、海人族には使えないはずの魔法を、それも凄まじい魔法を使う、海賊だと名乗る危険そうな女性を相手に、ミュウは強い安心感を覚えていた。
なんとなく、ミュウの深い部分が「この人は大丈夫」と訴えているのだ。
今、ミュウの頭の上で休んでいる光のクジラに対して感じるのと同じく。
メイル(こ、この子やるわね!人懐っこいし、素直だし、頭にマスコット?みたいなの乗っけてるしレベルが高い!
ディーネ並みに可愛かわいいわ!天使だわ!)
一方、メイルはメイルで、素直にくっついてくる同族の女の子に、思いっきり鼻の下を伸ばしていた。
妹のために都市一つ乗っ取ろうと画策したシスコン女帝である。
出会ったばかりの自分を信頼して身を寄せる同族の幼女に、幸福感が溢れ出そうになって急いで鼻を摘まむ。
最強の海賊、戦う前からノックアウト寸前の模様。だがしかし、そもそも戦う心配もなかったようだ。
メイルお姉さんのお鼻の堤防が決壊する前に、いくつかの建物を倒壊させながら馬車ほどの大きさの生物が吹き飛んできた。
10匹近くいるそれらは、黒と緑の斑模様をした、一見すると馬鹿でかいカエル。
けれど、その巨体以上に驚くべき、否、おぞましいというべき異様なカエル。
口から出ている舌は、無数に枝分かれした人間の手に見える上に、体の斑模様は流体のように常に変化し、それが悲鳴を上げる人の顔に見えるのだ。
発してる雰囲気もねっとりと絡みつくようなおどろおどろしいもので、見ているだけで不安の沼に沈んでいくよう。
ミュウは思わず、メイルの太ももにギュッと抱き付いた。悲鳴を上げなかったのは大したものだと称賛するに値する。
そんなミュウと、「大丈夫よ!メイルお姉さんが守ってあげるわ!」とデレ顔で言おうとしたメイルの前で、カエルモドキの怪物共は――
???「よっくも超絶美少女なミレディちゃんにヌルヌルな唾を吐きかけてくれたなぁっ!それも大量に!大量に!
ぶっ潰れちゃえ!」
そんな元気いっぱいの怒声と同時に、潰れた。
グシャッ!と生々しい音を立てて、頭上に出現した黒く渦巻く球体に押し潰されて、地面の染みとなった。
ミレディ「うぇ~~んっ、オーくん!ミレディさん汚されちゃったよ~!」
スタッと地面に降り立った金髪碧眼の美少女――ミレディちゃんは、怪物に勝利したにもかかわらず頰をゴシゴシと袖で拭いながら涙目となり、後ろを振り返った。
そして、ちょうど瓦礫の山を越えて姿を見せた眼鏡の青年に飛びつこうとして――
???「うわっ、ミレディ!僕までヌルヌルになるだろ!」
眼鏡青年がサッと回避したために瓦礫に突っ込んでしまう。
???「……おい、オスカー。ここは黙って受け止めるところでしょ。」
瓦礫から汚れた顔を抜き出したミレディは、強烈なジト目を眼鏡青年――オスカーに向けた。
???「オスカー。今のはお前が悪い。」
眼鏡青年の後ろから、寡黙そうな長身の男も姿を見せた。
ミレディ「流石ナっちゃん!この鬼畜眼鏡にもっと言ってやって!」
涙目で、今度は長身の男――ナイズの背後に回り、オスカーに突き出そうというのか手を伸ばしたミレディ。
だが、その手が空を切る。ナっちゃんが物凄く機敏に避けたために。
ミレディ「…………おい、ナイズ。なんでミレディさんを避けた。」
ナイズ「……………………ヌルヌルだから、だな。」
この男共ぉーーーーーっ!と、ミレディちゃんの悲憤に満ちた絶叫が轟く。
そうして、意地でもヌルヌルをお裾分けしてやるぅっと飛び出したミレディと、わぁっと逃げ回るオスカーとナイズを、少し離れた場所から見ていたミュウは一言。
ミュウ「海賊さんって、愉快な人達たちなの。」
メイル「否定は……できないのだけど……少なくとも、あの子達を海賊の基準にするのはやめてもらえるかしら?」
そもそもあの子達は海賊じゃないし、とメイルは困った顔をしつつ、取り敢あえず水流でミレディを吞み込んだ。
丸洗いされてペッと吐き出されたミレディと、オスカー達がようやくメイルに気が付き、合流できたことに喜びながら駆けて寄ってくる。
ミレディ「メル姉!無事で良かった――てぇえええええっ、メル姉が美幼女を誘拐してるっ!?」
メイル「――"氾塊浪"。」
ミレディは再び水塊に吞み込まれ、丸洗いされる洗濯物の気持ちを味わった。
ペッと水塊から吐き出されて、今度は水分を飛ばしてもらえず、びしょ濡れのまま女の子座りでべそを搔かく。
ミュウ「あ、あの……大丈夫ですか?なの。」
ミレディ「や、優しい……天使はここにいたんだね。」
そろりとメイルの後ろから顔を覗かせて、なんだかとっても哀れで残念なミレディに声をかけるミュウであった。
オスカー「ミレディの馬鹿はおいておいて……メイル、無事で良かったよ。それで、その子は?」
ナイズ「何やら不思議な生き物、生き物?を頭に乗せているが……。」
メイル「名前はミュウちゃんよ。私達と同じ迷子ね。さっき妹にすることにしたわ。」
ミレディとミュウから同時に「えっ!?」と声が漏れる。ミュウはいつの間にか、メイルの妹にされていたらしい。同じ妹分のミレディと視線が合う。シンパシ~。オスカーが呆れ顔をしつつ、ミュウの前で片膝立ちとなった。
オスカー「初めまして、ミュウちゃん。僕はオスカー・オルクス。少しお話を聞かせてくれるかな?」
丁寧な挨拶を受けたミュウは、しかし、直ぐに返事をしなかった。というより、できなかった。
またも記憶の端に引っかかるものがあって気を取られたのだ。
ミュウ「……オスカー、お兄さん……オルクス?んみゅ?それって……。」
ナイズ「自分はナイズだ。」
ミュウ「ナイズ……お兄さん。」
物凄く戸惑った様子で、しきりに記憶を探るミュウに、復活したミレディが止めを刺すかのように自己紹介。
バッと立ち上がり、片足をくいっと曲げて、左手を腰に、右手を横ピースで目元に添えて~~
ミレディ「そして私が超絶天才美少女魔法使いのミレディ・ライセンちゃんだよ!」
バチコンッとウインク!その瞬間、バチコンッとミュウの頭に衝撃が!
ああ!思い出したの!そうだったの!と万歳しつつ、パパに聞かされた冒険譚そのままにビシッとミレディを指さして叫んだ。
ミュウ「残念でうざい人!」
ミレディ「ごふっ……。」
輝く笑顔で罵倒された天才美少女魔法使い、膝から崩れ落ちる。と同時に「ぶほっ」と吹き出すオスカー達。
顔を背け、あるいは肩を震わせ笑い声を上げる。ミレディちゃん、仲間をキッと睨むが……効果はなし。
目元をヒクヒクさせつつ、どうにか笑顔でミュウに向き合う。
ミレディ「あ、あれ~、おかしいなぁ。ミレディさん、ミュウちゃんと会ったことあったかな?」
ミュウ「ないの!お話で聞いただけなの!」
ミレディ「そ、そっかぁ。それで、誰に聞いたのかなぁ?
できればミレディさんの間違った情報を幼女に吹き込んだ人のこと知りたいんだけどなぁ。」
ミュウ「パパなの!」
ミレディ「パ、パパさん?」
ミュウ「そうなの!パパ言ってたの!
『本当は心優しくて、黙っていれば絵になりそうな美少女だけど、口を開いたら世界一レベルのウザさで、残念美少女ナンバーワンはミレディで間違いなしだろう。』って!」
オスカー・ナイズ・メイル「「「ぶはっ!!」」」
ミレディ「ええ~~いっ、オーくんもナっちゃんもメル姉も笑うなっ!」
ミュウ「あ、あと……。」
ミレディ「まだ何かあるの!?君のパパさん、どんだけミレディさんのこと嫌いで――」
ミュウ「『オスカーお兄さんと未だに結婚してないのに、実はむっつり』って、ユエお姉ちゃんが言っていたの。」
ミレディ「誰がむっつりさんだぁっ!?っていうか、オーくんとけけけ、結婚ってぇ!!」///
そこで笑い声が途絶える。ナイズとメイルが、ニヤニヤしており、オスカーは何故か目線を逸らした。
心なしか、頬が少し赤みを持っているのが気のせいだろう。
ミレディ「ち、違うよ!誤解だよ!ミレディさん、オーくんとはまだそんな関係じゃないからね!」///
この子のパパさんと、さっき言ってたお姉ちゃんって何者なの!?本当に面識ある!?と騒ぐミレディをおいて、ミュウは芋づる式に思い出した情報を嬉しそうに口にする。
その、物語の中の登場人物に出会えて心底嬉しい!みたいなキラキラ目がオスカーを捉えた。
ミュウ「お兄さんが"メイドとメガネとミレディお姉さん大好き"の、オスカーお兄さんですか!?」
オスカー「なっ!?」///
何故それを知っている!?と驚愕で眼鏡がずれるオスカー。
答えることもなく、人物当てに夢中なミュウの視線はメイルお姉さんへ。
ミュウ「"絶対にドSでぶきっちょで大雑把、ミュウはあんなはしたない海人族のレディになっちゃダメだぞ"の、メイル・メルジーネお姉さん!」
メイル「!?ミュウちゃんのパパとは、ちょぉ~っとお話が必要かしらね?」
ビキッと額に浮き出る怒りマーク。父親という存在には色々と思うところがあるメイルお姉さんのドS精神が疼く。
ミュウ「それからお兄さんは……。」
ナイズ「むっ。じ、自分もか?」
たじろぐナイズ。10年レベルの引き籠もりであるから、ミュウのパパが知っているはずはないと思うが……
ミュウ「"寡黙で苦労人、他と比べたら真面な方"の、ナイズ・グリューエンお兄さん!」
ナイズ「っ、グリューエンの名を、知ってる……のか?」
他の3人とは異なる意味での驚愕で、ナイズは目を見開いた。グリューエンとは、ナイズの生まれ故郷の名。
彼自身が滅ぼし、今は存在しない村の名前。
人前で、ナイズがグリューエンを名乗ったことはないのに……ミュウの異常性に、ようやく気が付き始めたミレディ達。
まじまじとミュウを見つめるが、ミュウもミュウではたと気が付いた。あり得ない、ということに。
ここに、"あの解放者達"がいるはずがない、ということに。いるはずのない人達が、目の前にいる。
偽物?解放者の名を騙っているだけ?
でもパパから聞いた彼等らの特徴は確かにあって……世界は"解放者"の詳細を知らないはずで……混乱が、ジリッとミュウを後退りさせた。
そして、ミュウに真剣な表情を向けて一歩近寄ったミレディが、何かを口にする――前に。
ミュウ「どうして生きてるの?」
ミレディ「ごふっ……。」
その一言で、ミレディは再び崩れ落ちた。
幼女から「生きてるのが恥ずかしくないの?」的なことを言われたと思って。
思わず、四つん這ばい状態で「い、生きていてすみません……。」と泣きそうな声で呟いてしまう。
オスカー「う、海人族はみんなドSなのかな……。」
ナイズ「こんな純粋そうな子でさえ、将来はこれになるのか……。」
メイル「ナイズくん?それどういう意味かしら?あとオスカーくん。眼鏡かち割るわよ?」
そんな解放者達のやり取りを見て、ミュウは、どうやらミレディお姉さんを傷つけたようだとおろおろ。
そうして誤解を解こうとして、しかし、オスカーが輝く笑顔で「放っておいていいよ。それより君の知っていることを教えてほしいな。」と口にして、ナイズとメイルも同意し、ミレディが「もっとミレディちゃんに優しくしろぉっ!」と咆えた――その直後だった。
ドゴォォォンッ!!
朽ちた都に、激震が迸ったのは。地下から突き上げるような衝撃の波が幾度となく押し寄せる。
空間が悲鳴を上げ、空気が震え上がっている。
「きゃっ」と声を上げて転倒しかけたミュウを、咄嗟にメイルが支えようとする。
だが、その前に温かな光がミュウを包み込んだ。そして、そのままふわりと浮き上がる。
ミュウ「わわっ!?――あ、クジラさん?」
そう、ミュウの頭の上で大人しくしていた光のクジラだった。
2mほどの大きさになり、その背にミュウを乗せている。
『――急げ。我、求む。二人の創造者。』
光のクジラの声が再び響いた。
力を振り絞っているのか、声に力はなく、続く激震と同じくらい震えているように感じられた。
ミレディ「つ、次から次へとなんなの!?」
すると、ミレディが混乱したように声を張り上げた。
遥か彼方、廃城の方を見れば、その上空にある暗雲が渦を巻き、塔からどす黒い瘴気が噴き出しているのが見える。
廃都を覆う黒い霧も刻一刻と濃度を増していき、いよいよ"終末世界"の様相を呈してきた。
しかしその直後、暗雲を切り裂くように黄金の閃撃が幾条も迸る光景も飛び込んでくる。
その光景を目にした瞬間、ミュウの表情が歓喜に彩られた。
ミュウ「パパ!」
どうやら、ミュウ達たちとハジメ達は、廃城を挟む形で北と南の逆方向に数キロ単位で飛ばされていたらしい。
そのハジメ達が廃城に近づき、現在、何者かと戦っているのは明白。
『――海の幼子よ。時間が……ない。』
ミュウ「っ、分かったの!直ぐにパパのところに行くから頑張って!」
オスカー「ミュ、ミュウちゃん?君はいったい誰と話しているんだい?」
なぜか光のクジラの意思はミュウにしか伝わっていないらしい。とはいえ、今は悠長に説明している時間もない。
光のクジラから伝わる焦燥と切実さは刻一刻と増しているのだ。
ミュウ「この光のクジラさんなの!この子が、オスカーお兄さん達をここに連れてきたの!」
オスカー「そいつが?」
思わず胡乱な目を向けてしまうオスカーだったが、それを片手で制するようにして、ミレディが前に出た。
先程までの残念さに満ちた雰囲気など欠片かけらもない。
ミレディ「ミュウちゃん。私達は何をすればいいのかな?」
必要なことだけを尋ねたミレディに、ミュウもまた必要なことだけを返す。
ミュウ「あのお城へ!」
刹那、おぞましい気配が充満した。
まるでミュウの願いを踏み躙ろうというかのように無数の血肉狼やカエルモドキ、タールの死神が湧き出してくる。
その数……廃城までの道が怪物の波で吞み込まれるほど。圧倒的な殺意と悪意が数の暴力となって襲い来た。
ミレディ「上等!」
しかし、その進むどころか生存すら絶望視されるべき状況で、ミレディは不敵に笑って、胸の前で拳を掌にパシッと打ち付けた。
逆境?絶望的状況?多勢に無勢?大いに結構!
ミレディ「さぁ、オーくん!ナっちゃん!メル姉!小さなお姫様のお願いだ!
一つ張り切って、神代魔法使いの力、見せつけてやろうじゃないの!」
言うや否や、向かってきた血肉狼の大群を超重力場により一瞬で地面の染みに。
オスカー「まぁ、帰るための手がかりもあそこにありそうだしね。」
オスカーはやれやれと肩を竦すくめ、直後、凄すさまじい数の小さな魔剣を召喚&掃射。
ナイズ「子供の願いとあらば、無視もできんな。」
ナイズは口元に笑みを浮かべつつ、腕を振り抜いて空間を真一文字に割断。
メイル「ミュウちゃんはもう、このメイルお姉さんの妹だもの。任せなさいな。」
メイルは「うふふ」と楽しげに笑い、先程の激流そのものを再生して全てを吞み込む。
襲いかかってきた怪物達が一瞬のうちに鏖殺された。冗談のように、廃城までの道ができる。
その笑えるほど圧倒的な力に目を丸くするミュウの前へ、ミレディ達が出た。
まるで、幼姫を守る近衛騎士達のように。
ミレディ「それじゃあ行こうか、ミュウちゃん。」
肩越しに振り返る解放者達。その姿は、ミュウの心を揺さぶるほど鮮烈――
ミレディ「君のパパとやらには、直接お話ししないと気が済まないからね!
誰が世界一うざくて残念な奴ナンバーワンだ!美少女がついているから、まだいいけども!」
というほどでもなかった。めっちゃ私怨が混じっていた。
メイルお姉さんまで「どうしてやろうかしら?」と嗜虐的なにっこり笑顔をしている。
ミュウ「よ、よろしくお願いしますなの!」
礼は尽くし、しかし心の中で「やっぱり残念な人達かもしれないの……。」と、ミュウは呟いたのだった。
あと、「パパ、面倒事を運んじゃうかもなの。ごめんなさい」とも。
ミュウ「あ!後、『絶対ストレスで禿げた、実は何処かの戦闘民族かもしれない』の、ラウス・バーンおじさんもいるって、パパ言ってたの。」
『ブハァッ!?』
その道中。
話題をどうにか逸らすべく、ミュウがポロッと口にした情報に、驚きと笑いが同時にこみ上げたミレディ達であった。
もしもfateとのトリプルをやるとして、どんな女性サーヴァントと組ませたい?(モルガン・トネリコは本編で準レギュラーなので除く))
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アルトリア(青王)
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モードレッド
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玉藻の前
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スカサハ
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レディ・アヴァロン
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宮本武蔵
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沖田総司(オルタ含む)
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伊吹童子
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ティアマト
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ミスクレーン
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魔王信長
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ククルカン
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ジャンヌ(オルタ・メタ含む)
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ネロ
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アルテラ
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源氏鯖(頼光・義経・巴)
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河上彦斎
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いっそのことカルデア入り
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その他(活動報告欄で入力)
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それって、貴方の癖ですよね?