神様、あなたの推しを配信します~ダンジョンの中を配信するので俺にも世界を救えるように投げ銭ください~   作:犬型大

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木を燃やせ1

 ペースはかなり落ちたものの倒すべきモンスターの数は順調に減っている。

 邪魔にならないように遠くからモンスターとの戦いを見学していると最初の頃はバラバラだった覚醒者たちも集まるようにして強い敵と戦っていた。

 

「今は二人しかいないからあんまり明確な役割分担もないけどもっと人が多い戦いではああやって役割分担して戦うんだ」

 

 むしろ今のマサキとレイのように二人で活動しているなんて人の方が少ない。

 タンク、アタッカー、サポーターと大まかに三つに分かれ、それぞれの役割の中でさらに細かく色々役割がある。

 

 回帰前マサキはアタッカーよりのサポーター、レイは大技で敵にトドメを刺すことを目的としたアタッカーであった。

 マサキとレイはマサキのスキル瞬間拘束で相手を止めて、レイがスキルを叩き込むというパートナー的な動きをしていた。

 

 ただそれだって戦う時には周りに多くの覚醒者がいた。

 これから戦っていく上で枠割分担できる仲間は欲しいなとマサキは思う。

 

「二人きりじゃ……ダメですよね?」

 

「ダメってことはないが……少し厳しいかもな」

 

 マサキがもっと強ければ二人でもある程度戦えるだろう。

 しかしマサキの能力ではこの先も二人で戦っていくのは難しい。

 

 そのために強くなる計画はある。

 でももうちょっと仲間がいた方が戦いも安定するし神様に向けての配信という側面でもいいだろうと思う。

 

 最終的には神様のお気に入り軍団を作って配信でもできれば神様も満足なんじゃないかと思ったりする。

 

「そう……ですよね」

 

「あんまり他の人は嫌か?」

 

 レイは少し残念そうな顔をする。

 マサキはレイがそんなに人見知りする性格だったろうかと首を傾げる。

 

「い、いえ! 嫌とかそんなじゃないですけど……」

 

 少し頬を赤らめてブンブンと首を振って否定する。

 

「ど、どんな人が来るのかなって……」

 

「心配しなくても俺の勝手で決めないさ。レイと相談の上で決めよう。レイが嫌ならどんな優秀な人でもお断りだ」

 

「マサキさん……」

 

 集団で戦う上で能力も大事であるが人間性や相性も大事である。

 合わない人を入れても能力が十分に発揮されない。

 

 能力がありつつもマサキやレイと相性のいい人を仲間にしたい。

 当然ながらレイが嫌がるのにマサキが勝手に仲間を増やすことはせずに相談しながら決めていくつもりだ。

 

 神様からもらったリストにも多くの人が載っていた。

 その中からでも一人二人ぐらいは相性のいい人がいるだろう。

 

「個人的にはミカミでもいいんだがな……」

 

 マサキはボソリと呟く。

 

「美人な方でしたもんね……」

 

「え? ああ、いやいや……能力的に強そうな人だなって話だよ」

 

 確かにカスミは美人であるが、そんなことで人を選びはしない。

 カスミは戦いの後半まで生き残っていた人である。

 

 Sクラスの能力があってアタッカー向きのスキルを持っていたと記憶している。

 性格は少し難しい。

 

 正義感が強くて融通が利かないところがある。

 そこさえ上手く付き合うことができれば人としても覚醒者としても悪くない。

 

「まっ、今のところ誘いはしないけどさ」

 

 マサキの記憶ではカスミは大きな覚醒者ギルドに所属していた。

 今は単独行動をしているようだがもうギルドに所属している可能性もあるし、今でなくともそのうち所属することにはなるのだろう。

 

 未来を知っているマサキが行動を起こせば未来は変わる。

 カスミを誘って引き抜くことで未来にどんな影響があるのか分からない。

 

 もうすでにレイの未来は変わっているのだけど、あまり大きく未来が動いてマサキの記憶が使えなくなってしまっても困るのだ。

 

「そうですか」

 

 カスミを誘わないと聞いてレイは少し嬉しそうな顔をしている。

 

「ちなみに誘いたい人に心当たりはあるんですか?」

 

 マサキの口ぶりだと誰か誘いたそうな感じがあるとレイは思った。

 

「ああ、探してる人はいる。ただどんなやつか分からない奴とかどこにいるのかも分からない奴だからな」

 

 基本は神様のリストから探そうとは思っているがリストに載っているだけではどんな人なのか分からない。

 他にもリストになくともマサキの記憶にいる人で良さそうな人を誘えたらなとは考えている。

 

 だがそうした人たちも戦いが激化して寄り集まって戦うようになってから知り合った。

 以前にどこにいたのかまで知らない人の方が多いのである。

 

 どこにいたのか知っていて、それもすぐ近くにいたレイはかなり特殊なのだ。

 マサキにとっては非常に運がよかった存在である。

 

「どこにいるのかも知らない人を誘おうと探しているんですか?」

 

「秘密があるんだよ」

 

「秘密なら……聞かないですけど」

 

 マサキには色々と秘密なことがありそう。

 ただレイはそんなこと聞くつもりはなかった。

 

 話してもいいことは全部話してくれるしマサキは秘密なら秘密だという。

 きっとその秘密も話してくれる時が来るのだろうと信じている。

 

「ありがとな」

 

「いえ……信じてますから」

 

 下手に誤魔化さずに済むので聞かないでくれるのはありがたい。

 マサキが微笑むとレイも照れくさそうに笑顔を浮かべた。

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