人生満喫上位者in鬼門方面キヴォトスK-3   作:バージ

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1-A2-時の狭間に流されて行くしかない

 

 

danger _ danger _ danger _ danger _ danger _ danger _ danger _ danger _ danger

 

 

irregular has appeared

 

"キ×××××××"

 

戦力評価:6 Pリスク:6 危険度:?

総合:滅亡

 

danger _ danger _ danger _ danger _ danger _ danger _ danger _ danger _ danger

 

 

 

 

 

 

Side:連邦生徒会長

 

キヴォトスを滅ぼしうる問題であれば、今まで何度も解決してきました。直接的には星上(せいじょう)…操夜さんが、間接的には私が対応することで、今日までキヴォトスは崩壊することなく維持することができていたのに。

 

始まりはもっと素朴なものでした。示し合わせてそうしたわけじゃなくて、お互いがお互いの存在を認識していながら深くかかわることはありませんでしたし。私が表で社会の力を、操夜さんが裏で直接戦う力を、それぞれで分担してキヴォトスを守ってきました。

 

そんな二人の間にある一番の違いは…操夜さんは全力でそれをしているわけじゃなくて、あくまで手助けするだけ…というと、悪く聞こえるかもしれないけど。でも善意でこんなに助けてくれているだけでありがたいのに、それ以上を求めるのは全くのお門違いです。

あなたは全力を出せばなんでも解決できるのだから、すべての問題を解決してくれよ…なんて、そんな馬鹿らしいことを言ったらもはや何が現実で何が夢なのかすらわからなくなってしまうと思いませんか。

 

だから操夜さんがしばらく留守にしている間にキヴォトスが滅んでしまうなんてことは、決してあってはならない、あれば情けないにも程がある話です。箸も持てず、食べさせもらわなければ生きていけないような赤ん坊と…変わらないと実証するようなもの。

あまりに無力で、むなしい結末。操夜さんという親が居なければ、キヴォトスという赤ん坊は死ぬしかないのが道理だと、そういわれているような。

 

目の前でキヴォトスが滅んでいく。連邦生徒会が所持するビルの上階から見下ろせば、この場所を守るようにしてそこら中で戦闘が行われている。

激戦で、全体的に見れば押されている…それも当然でしょう、相手はすべてが反転生徒であり、数もまた圧倒的にこちらを上回っているのだから。

 

あるところではピンクの髪の少女…ポラリスウーノ"日盛り"が、多数を相手に戦い続けている。裸と大差ないような服装で、その体温が高すぎるからか、体から蒸気を立ち昇らせている。ミレニアムサイエンススクールが壊滅し、同学校の生徒の大半が命を落とした後もずっと。

 

逆方向を見てみれば、大立ち回りをしている小さな赤毛の少女が目に付く。あんなに小さな体躯でありながら世間では最強の傭兵として知られる"テンニンカ"が…二度目の滅びを経験しようとしている今もなお、諦めることなく戦い続けている。

キィン、キィン、キィン、という銃弾によるものとは思えない斬撃*1を飛ばすテンニンカから目を離して空を見上げれば、まず目に入るのは一段階上の戦い。

 

反転した空崎ヒナと、ポラリスアイン"陽の入"という、ともに単独でキヴォトスを滅ぼしうるだけの力を持つ者同士の戦い。

ヒナが巨大化した羽の各所から数十という数の銃口を生やし、合計すれば一分間に一万発以上という驚異のレートで紫色のビームをを連射している。一発一発がデカグラマトンの予言者ビナーが持つ主砲に匹敵するだろう光線の雨を、"陽の入"は躱し、防ぎ、消し去りながら戦場の空を飛び続ける。

しかしそんなたった二人で繰り広げている、戦艦と怪獣の殴り合いのような戦いも、そう長くは続かないでしょう。

 

二人ともあれでまだまだ全力ではなく、そして"陽の入"には後がない。

二人の戦場たる空よりもさらに奥…上空に目を向ければ、そこには空一面にキヴォトスのものと思われる街並みがあった*2。キヴォトスから星やあるいは空という概念が奪われ、もはやそこにはもう一つの世界しかない。人がその目にできる空の果てまでその世界は続いているのだから、宇宙なんて見えるわけがなかった。

 

そんな巨大な町が落ちてきて、あっけないほど一瞬でキヴォトスは滅んだ。今は"陽の入"が力の多くを注ぎ込んでこの場所この空間を維持しているだけで、それ以外の場所はおおよそすべて物理的に潰れてなくなっている。反転したヒナが本気を出せば、この空間を維持するのに多くの力を割いている"陽の入"がすぐにでも押し負けて……すでに負けの確定した後のロスタイムが終わりを告げることになる。

 

キヴォトスにもはや組織といえるものは地鎮祭しか残っていない。いくら最強と言われる組織であるとはいえ、表では知られていない裏の組織が最後まで残るというのも可笑しな話ですね。

かつては猛威を振るった有名なイレギュラーでさえ、すでに私たちのキヴォトスと運命を共にしている。学園、沼女、デカグラマトン、終末の四騎士、納骨堂、サマ・ニー、ゲマトリア、黙せぬ怪談、アバドン、名もなき軍隊、すべてが滅んでしまった。

 

傷ついた体が思い出したように痛みを発した。

もうこれはすでに世界が、滅んだあとの、最後の悪あがきに過ぎない。もはやキヴォトスは滅び、この場にいる以外の生き残りといえば地鎮祭や"落日"のマリー、ごく一部のオーパーツがもつ特殊な能力によるものだけ。

そして逆侵攻を仕掛けた結果、キヴォトスの崩壊に巻き込まれず、その上でてまだ討たれていない"雪屑"などの一部の者たち。多分、二千人にも満たない。

 

だから………だから、すべては終わってしまったのか?もう何も希望は残されていないのか?ううん、それは違う。すべてをひっくり返す……私の命を使って。

先生がいれば、生徒は救われる。操夜さんがいれば、キヴォトスを存続させてくれる。

操夜さん、先生、キヴォトスをお願いします。

 

『仕方ないなぁキヴォ太君は』

 

そんな風に操夜さんが冗談めかして言う姿が見えた。操夜さんは他人であるのと同時に同胞でもあり、尊敬できる同胞であるのと同時にライバルの様でもあった。

 

星上。一緒に、先生のことも、お願いしてもいいですか。

 

その言葉は、音に乗ることはなかった。この日、連邦生徒会長はこのキヴォトスから消え去ったのだから。

 

 

 

*1
真銀弾

*2
まるで鏡か、スペースコロニーの様に





・テンニンカ
アークナイツのキャラクターにしか見えませんが、別人(ブルアカキャラ)です。そして反転生徒です。髪の色は反転しても変わりませんでした。

・陽の入
オリキャラ。生徒にあまりブルアカ以外のキャラは出さない予定ですが、比較的出番のある方。あんず色の髪のようじょ。

・星上
遠星操夜の呼ばれ方の一つ。聖上や主上と似たようなノリ。お星様と呼ばれることも。彼の影響は多岐にわたるが、アロナが不在になってしまったのもある意味彼の影響。
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