ウルス・スターライザーは1~5段階まであり、5はデメリットが多すぎる暴走のため一番強いのは4段階目です(唐突)。
つまり、スターライザーフォーはマジの全力です。
「どうぞ、こちらに腰かけてください」
マリーが指示したのは大きめのベッド。今日出会ったばかりのシスターが謎の一室に相手を招き入れ、何故かベッドに座らせようとしている異常事態。しかしこんな事態にあっても私はあまり驚いていなかった。
個性的すぎる生徒をたくさん知っていたり、おかしな事態に直面したりすることが多すぎて、慣れてしまっているのだ。この程度で驚いていてはキヴォトスではやっていけないのかもしれない。
しかしベッドに腰かけた私の目の前でマリーが服を脱ぎだしたのには多少面食らった。単なる脱衣ではなく体をくねらせて強調した明らかに挑発目的のそれに困惑している間に冗談のラインを超え、ついには一糸まとわぬ姿になるころには、驚きよりも警戒心の方が勝っていた。
目をそらすでもなく、というか座ったままとはいえ準臨戦態勢に移行した私に目をそらすという選択肢などないが。奇襲や何らかの術理の効果がないかを探りながら、マリーの動向に注視する。
今日一緒にいただけの関係であるが、おおよそ清廉潔白なシスターであることに否はないだろう。そんな彼女が自ら望んで私を狙い撃ちして殺し間に誘い込んだとは考え難く、可能性としてはまだ何かしらそうせざるを得ない理由があってしている方があり得る。
そして息は荒く肌は上気しており、興奮した様子のマリーがストリップを終えたあたりで、急に脳にある一文が浮かんだ。
((目の前にあるのはあなたのために用意された新鮮な捧げものです。それはあなたが好きに扱うべきものです))
1番最外殻を抜かれて一発で4番外端末まで詰め寄られた!?臨戦態勢に入り本腰を入れて精神干渉に対処する。
唐突に始まったのは外部からの精神攻撃による私の精神防御陣との攻防。物質的な世界には影響を及ぼさず、目に見えることもない、その術的精神干渉という世界を知るものにのみ知覚することの敵う戦い。攻め手は不明(マリーではない?)で、明確に私という個人に対して精神攻撃が始まった。
事態の深刻度が一気に上昇した瞬間だった。
「ウルス・スターライザースリー」
即座に総合強化をかける。これは当然精神戦にも有効だ。
私のフェイズワンの防御はイメージするならば複数の城壁に囲まれた城塞による防衛線。1番から64番の単位に要素を振り分けており、4つの小城、24の防壁、36の起動ユニット(実質兵隊のようなもの)によって成り立っている。それに対して相手のはイメージするならアメーバのような、押し寄せる津波のようなもの。最初の攻撃で最外殻の1~3番防壁を抜かれ、4番小城端末にまで押し込まれて包囲された。
実際のところこれらの4単位は相手に突破されることを前提とした、誘いとしての役割もある弱いエリアだ。余裕の無い状態でもない限りは、わざと防御を緩めて突破させる想定のもの。なぜなら最外殻ですべてはじいてしまうと、相手の情報が得られないからだ。つまりわざと相手の攻撃をくらって情報を得ようとする訳だ。4番端末は送受信の機能を持っており、相手の干渉をわずかに受け取ることができる。
これによって相手の干渉による効果が分かるし、そこに至るまでの攻防で相手の出力や技術のほどを知ることができる。しかしいくら陥落することが前提の陣地であるとはいえ、ふつうはそんな一瞬で吹っ飛ぶようなものじゃないぞ!
今回の場合一瞬で城壁が吹っ飛ばされて小城が陥落した形になるので、この出力はフェイズワンの私から見て完全に格上ですね…精神干渉の出力ではほぼ間違いなく最強。最強格の一人とかじゃなくて、とびぬけて最強。私や地鎮祭や大人やイレギュラー全部ひっくるめて、最強。
本気でやり合ってもどれだけ時間を稼げるか……一対一で勝つのは無理筋だな。何ならポラリスでも純精神戦じゃ勝ち目無いかも。
このごく僅かな時間で5番防壁は完全に抜かれて6番にも穴をあけられた。40番台ユニットを代わる代わる使い捨ての栓換わりにして時間を稼ぐ。起動ユニットはやられても再起動できるが、そのたびにコストを消費する。ただそれによって私のリソースが尽きるよりも本丸が陥落して負ける方がずっと早いから、この戦いにおいてリソースを気にする必要はない。
50番から58番までダウン、再起動開始!津波のように面で襲い掛かってくるからこちらも横に広げて受けないとすぐに抜かれて飲み込まれる。まずい、マジでこのままだと三分と持たないかもしれん!
物質世界側ではマリーに押し倒されて上の服を脱がされているが今それどころじゃない、実害無いなら放置だ、それよりガチ決戦バフ開始!
「ウルス・
これを発動した私のステータスは最強格を超えて一般反転生徒のそれに匹敵する!それでもなお普通に干渉力で押される!!このままだと勝ち目無いぞこれ!!
((これはあなたのものです。あなたの望むままに扱われれば、これは大いに喜ぶでしょう))
精神攻防戦の方も愕然としたが、物質世界の方もおかしい!もう裸になったマリーにそのまま力づくでベッドに押し倒された後だが、その力は万力のように強い。ミカと腕相撲しても勝てるかもしれない…といったらミカに失礼か。でもまだこっちはそこまで深刻じゃない、ヤバいのは精神攻撃の方だ。
行われた、というか今も行われているのは精神への侵略行為であるがそれとは別に直接的に及ぼしている効果は別のものだ。これらは同時に行われる場合が多いし今回もそうだが、進行を途中でやめても何割かは効果を発揮することができるし、あるいは効果を一切発揮させずに精神だけ侵略してしまっていつでも効果を適用できるようにするという手もある。
今回発揮されている効果は大別すれば思考誘導であり思考の塗り替えとでもいえばいいか。これは何ら強制力を持ってなどいないのだが、比喩表現をするところの悪魔の囁きのようなもので、思考を誘導しようとしてくる。
これの何が危険かというと自分自身の思考と塗り替えられた思考の区別がかなり付きにくいことだ。
例えばそう、ラーメンを食べたいという思考を何度も叩き込まれたとする。すると干渉された人は自分がラーメンを食べたいと思っていると錯覚する。他人に思考を干渉されているなんて普通は分からないので、当然思わされたことは自分が思ったことになる。これを続ければその人は自分がラーメン大好き人間なのだと錯覚するし、そうすればもはやそれは事実と変わらないのだ。
何せ人の精神はその人自身に影響を及ぼし、その程度はかなり大きい。性格も癖も言動も、その人がそうだと強く思い込めば思い込んだことが本当になるのだから。しかも一度変わったものは干渉を終えた後も勝手に治ったりはしない。
これがラーメンを食べたいなんて言うかわいい願望ならその人の栄養バランスがひどく偏るだけで住むかもしれない。しかしこれが酒を飲みたい、金が欲しい、人を傷つけたい、壊したい、奪いたい、殺したいとなればどうだろうか。
つまりこの相手は、人間を殺人趣向にも変えてしまえるのだ。それも本人にも気付かれずに。これほどの精神干渉能力であれば、大勢の人間を同時に干渉することも可能。こいつの手にかかれば人間社会なんて簡単に崩壊させることができる……それも一人一人を変えるという、根本的な方法で。
現実が嫌ならば世界ではなく自分を変えろという言葉があるが、こいつは少なくとも他人と社会を変えることができる力を持っている。人間にとってそれは世界を変えているのと大差ない。
さらに言えば、もっと単純で乱暴な方法をとることもできる。そもそも精神攻撃で完全に敗北しているのであれば、もっと直接的なこともできる。やり方なんていくらでもある。何なら大して手間をかけなくとも、まともな倫理観を持っている人間であれば、四六時中人を殺したいと思っているような人間に自分がなってしまうことに耐えられない。やろうと思えば簡単に廃人、狂人、精神崩壊させることができる………あるいは、生徒を反転させることすらも。
地鎮祭であれば精神攻撃に対する訓練も施す。そう多くはないし強力でもないが、精神攻撃を行うイレギュラーは存在するし、そこの対策は大事だった。しかし一般人はそうではない。こいつにとっては一般人を支配することなど、ヒナが雑兵をなぎ倒すように容易くやってしまえるだろう。
要するにキヴォトスの危機だ。しかもその辺の反転生徒や大厄災などよりも遥かに脅威的な相手であった。
最初は単にお色気回をやりつつ強敵の初登場をする半分ギャグの回だったのですが、敵の能力が危険すぎてシリアスに振り切れました。温度差がすごい。
実際キヴォトスだとこの相手のせいで反転生徒という名の大厄災が量産される可能性があるので、ガチの危機です。
主人公以外のオリキャラ(主に地鎮祭の)について、どのくらい詳細に描写するかのアンケートです。あまり前面にオリキャラを出しても…と思いつつ、物語を厚くするならある程度はするべきでもあり。
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全体的にガッツリ詳細まで記載
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しっかり
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そこそこ
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少なめ
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どれでもヨシ!