人生満喫上位者in鬼門方面キヴォトスK-3   作:バージ

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タイトル半ギレ。風評被害。マリーかわいそう。
あり得る未来があまりに悲劇的すぎるせいで星上すら真顔になってます。




1-D4-衝撃!清楚なシスターのえっちな真実!!(濡れ衣)

 

 当然というべきか自然というべきか、精神干渉能力を持つイレギュラーの被害を受けるのは弱った人であることが多い。

 キヴォトスの生徒であれば誰であれ多少の神秘的耐性を有していることもあり、真っ当な生活をしている生徒が影響されることは少ないのだろう。しかしキヴォトスには真っ当に生活できない生徒も大量にいるのだから、到底安心できる話ではないが。

 

 地鎮祭メンバーであれば鍛えているだけあって平時でも耐性が高く、いわんや臨戦態勢の私であれば、並の干渉なら簡単にはじける。

 にもかかわらず私の防御を貫き、こちらの思考に干渉を通してきている。これは相当な事態だ…ヒナが手も足も出ずに負ける様な事態とどっちの方が異常だろうか?これだけの強さの干渉圧力を持つとなると、相手は最上位のイレギュラー、大厄災級以上は確定だ。

 

 物質界の話をすると、こっちはこっちで遅滞戦闘を繰り広げている最中である。

 マリーの力が強いのもそうだがこれは明らかに過剰だ、力を出せば出すほど体が壊れていくタイプの。つまり私が下手に抵抗するだけでマリーが傷つくという、半ば人質を取られている状況。そもそも精神戦で手一杯なのもあってこっちはどうしてもうまく動けていない。

 年齢制限が必要になりかねないのであえて詳しいことは語らないが、上の服は全部脱がされた。残りの服も洗濯が必要だろう。マリーはツル植物であり、ナメクジであり、垢嘗めの状態である。

 もし敵でなかった場合はマリーが相当かわいそうなことになっているが、すまない、なんかいろいろすまない。

 

(見てください、××××った×××しい××××の××を。大いなる主へ献上される幸運を前に歓喜に打ち震えているではありませんか)

 

 相変わらず脳内には私の声で別人の思考が入り続けているが、私には効かない。

 そんなことより精神防衛戦の方が、始まった時から一貫してずっとヤバい。

 

 10番防壁が陥落して残りの防壁は15枚、消耗が大きいのを承知で起動ユニットでゾンビアタックを敢行する。この戦場で勝てないと分かった以上、正面では全力で遅滞戦闘を繰り広げて別の方向に活路を見出す。

 まずは防壁一枚を犠牲に地鎮祭に緊急事態を送信。救援要請じゃないのは、普通に援軍を送られてもむしろ敵にとりこまれかねないから。例えば生徒とイレギュラーが入りみだれた合計二百人の戦場に突入したら、一分と立たずに二百人の操られた兵隊が生まれていることだろう。準備なしの一対一なら精鋭でも一秒持たないかもしれない、それほどの相手だ。

 地鎮祭では全員が精神防壁陣を組んでるから対抗することはできるだろうけど、ある程度耐えられるだけで勝つのは無理。

 

 援軍をもらうにしても地鎮祭上位陣が複数でなければまずい。ポラリスもすぐに来れるのが一人はいるはずだが、逆に来れると分かっている切り札なので投入タイミングは測りたい。故に準備・待機の緊急事態を送った。

 

 次はこの空間に超簡易的な拠点化を施して地の利を得る…と思ったら相手も空間干渉してきてこっちでも押し合いが始まる。そっちの技術もあるとか只ものじゃないな!ただこっちは精神干渉戦の強さと比べて大分動きが甘く、何とか素早く勝ち切ることができた。

 ここまでで12枚目の防壁が潰されて二つ目の小城でも防衛戦を展開中、だったけど今落ちた!

 

 個人用の次元倉庫…つまりインベントリから物を取り出すために腕を動かそうとしたらマリーに掴まれて阻止された、ガッチリ拘束されてる。

 精神攻撃をしてきている術を逆探知して探査する独立自動探査機を精製して探査術を撃たせると、すぐに相手が対応して途中で遮ってきた。さらには物理に頼らない反撃が飛んできて探査機が破壊される。

 

 そのままたっぷり二分ほど主戦場ではない場所での戦いを続けた。精神戦では1:9でこちらが負けているが、それ以外の戦いでは8:2でこちらに分がある。最終的には主戦場を何とかしないといけないことを考えれば大いに不利だ、悪あがきに近いくらいに。

 

 マリーが上半身を甘噛みしたりなめまわしたりしているのはこちらの集中力を削ぐつもりなのだろうか?何も考えなくても対処可能な戦闘行動を仕掛けるよりも、こちらの方が有効だろうと判断したのかもしれないが、私には効かん!あ、でもズボンを下ろそうとするのはよせ!

 マリーが操られているにせよ実は敵だったにせよ、さすがに攻撃者と別陣営という可能性は低い……同一人物か同一勢力だと考えていいだろう。

 

 ちなみに干渉遮断結界を張って解決するなら楽だったが、どうも相手はマリーを通じてターゲットを取ってるっぽいんだよな。踏み台サーバー的な。だから外側を遮断したところでマリーというバックドアから攻撃され続けることになるだろう。

 じゃあマリーを弾き出せば良いかというと、ギリギリの精神戦をしながらこの密着状態のマリーを弾くのは困難。下手にそちらに意識を割いて本丸を落とされたら本末転倒、リスクが高すぎる。同じ理由で気絶させるのもダメ…てか気絶させたからってこれが止まるとも思えないし。

 

 どうもマリーを生贄か何かにさせたいらしい(のか?)攻撃者の干渉や、完全に年齢制限不可避のマリーを最低限対処しながら、明らかに不利な精神侵攻の対処に集中することしばらく。

 かなり奥まで攻め込まれ、一番防御力の高い最後の小城で決戦を繰り広げていると、ふと気になる言葉が差し込まれた。

 

(裸体は貧相でしたが、あなたはそれの精いっぱいの捧げものを大事に頂くことにしました)

 

 いや、貧相ではないが。マリーはきれいだぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 謎の干渉者の失礼なセリフに向かって思わず突っ込みを入れてしまったのだが、すると奇妙な沈黙が返ってきた。しかも精神攻撃まで鈍った!?そして惜しげもなく自らの裸体をさらして、描写できないようなことを繰り返していたマリーが急に照れだして体を手で隠す。

 

 何?どういうことだ!?急転直下すぎるだろ!!

 

 考える時間ができたから考えるけど、正直おかしい部分は多すぎる。時系列で言えば出会う前からマリーは精神干渉を受けていて、敵はマリーを操って私をこの部屋に誘い出し、そして精神攻撃を開始した。そういう流れのはずだ。

 マリーが今していることも操られているから……だと思うんだがそれにしたって不可解なことが多い。

 

 私とマリーの両方に干渉しているのであれば、こちらにも何かしらその気にさせるような干渉をして然るべきなのに、出てきたのは貧相なんて逆の単語であるのはちぐはぐだ。

 それに敵の正体にまるで見当がつかないのも珍しい。地鎮祭は連邦生徒会を除けばイレギュラーに世界一詳しいのに、こんな事をするイレギュラーなんて見たことも聞いたこともない。

 

 そもそもこいつはマリーに何をさせたいんだ?私の邪魔をしたり精神攻撃の補助や側面攻撃をさせたいなら多少は貢献しているかもしれないけど、もっと他にあるだろやりようが!場所的にも誘い込まれた形なのに、まるで敵の有利になるような要素が見当たらない。敵を誘い込むならキルゾーンとまでは行かなくても、自分の有利になる場所にするべきだろ。

 

 要するに相手が何をしたいのか分からない、あるいは目的と手段がちぐはぐだからわけわからんことになっているんだ。

 

 なら、こちらを混乱させ、何かしらの時間稼ぎをすること自体が目的ならどうだ?それなら確かに一定の成果を上げている。こっちからすれば時間をかければかけるほど得られる情報は増えるし援軍の戦力も増す、だから時間はこっちの味方である。しかしもしそう思わせて持久戦を仕掛けたいのだとすれば、一転して時間は敵になる。

 ただなぁ…正直相手の強さを思えばわざわざ時間を稼ぐんじゃなくて一気に攻め切っちゃった方が良い気がする。散歩してただけの私をここまでして足止めするのも変だし。時間稼ぎ説は信憑性が低いな。

 

 ならもういっそ相手に合理的な戦術や目的がないのかもしれない。事故・偶然の可能性はどこに行っても付きまとう。そうなると目的軸の考察は有効じゃなくなるなぁ。

 

 私が考察を深めている間にマリーの方は再起動して行動を再開したものの、精神戦の方は止まったままだ。敵を刺激しないように立て直しと防御固めを急いでいる。

 

 しかし何というか、今の恍惚としていて興奮しきったマリーを見ると、ベクトルが違うものの既視感を感じさせる。例えばそう、まだお互いに自重が足らなかった頃のリギルセクターとか、自分を生贄にして邪心を召喚しようとしてたやつとか。

 観察と思考を行いつつ勝手に微妙な気分になる。これ正気に戻ったらかなりかわいそうなことになるよな…記憶がないならまだしも、残ってたら悪夢である。

 

 実際のところ現時点ではまだマリーが操られているだけの一般人であるというのは可能性の一つに過ぎない。一般人じゃない、操られていない、イレギュラーである、実は犯人である、別の何かが起こっている、などなどどんな可能性もある。

 彼女が敵でないという材料がいまいち得られていないせいで行動を決定しづらい。

 ただまあ相手の脅威度の高さを考えれば、結構なところまでマリーを犠牲にしてでも実をとるべき状況だ。つまり助けられるのに助けないという選択を選ぶということ。

 

 状況が動かないままの奇妙な膠着の中、行けるところまで上り詰めたらしいマリーが震えて動かなくなった後、うわごとの様に口にした。

 

「いと高き大いなるお方。その御業にて亡き後の破滅を下し、もはや戻り得ぬものにも慈悲を与えたもうた。とこしえに変わることのなき星。お名前を口にすることをお許しください。いあ。いあ。遠星操夜様」

 

 音量が小さかったけど、何とか拾うことができた。滅茶苦茶不穏な賛美の言葉が聞こえた。一体こいつはどこまで見てしまったんだ?

 





作者が当初から決めているコンセプト通りですが、そこまで悲惨な事態にはならないのでそこは大丈夫です。やべー強敵はでてきますが、雰囲気としてはさっぱりで進むはず。
ただ地獄のエデン条約編だけは作者もどうなるか不透明だったり。

感想で応援をもらったおかげで今日投稿できた感じです。仕事の現場が変わったので投稿ペースは落ちるかもしれません…。

主人公以外のオリキャラ(主に地鎮祭の)について、どのくらい詳細に描写するかのアンケートです。あまり前面にオリキャラを出しても…と思いつつ、物語を厚くするならある程度はするべきでもあり。

  • 全体的にガッツリ詳細まで記載
  • しっかり
  • そこそこ
  • 少なめ
  • どれでもヨシ!
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