★メルフィー
ゲスト?出演します(遊戯王から)。メインキャラではないので覚えなくて大丈夫です。森の公園のメルフィーのわくわくを思い出すんだ!読者さんたちの反応があるならそのままロボットにも乗るかもしれない。
トリニティの影から受けた呪いの影響は完全に抜けきった。聞けばほかに呪いを受けたミネや正実の面々はまだまだ全快とはいかないそうだ。自分で効率よく治せる私とは受けた損傷の度合いが違うので当然である。
とはいえ追加で損傷を受けたことは確かなので、最初の重症がまだ治りきるにはもうしばらくかかることだろう。"シスター服の恐怖"との戦いが結果的にはごく短時間で終了し、後に残らない形で終わったのはよかった。
病院で言うなら退院しても許されるくらいには回復したこともあって、この日の夕食は私がセリナの分まで作っておいた。スパゲッティのペペロンチーノだ。すぐ近くにスーパーがあったから買い物が楽で良い。
例の騒動でミネが倒れたから救護騎士団は忙しいのだろう、いつもより多少疲れた様子で帰ってきたセリナは私が用意した夕食を見てすごく喜んでいた。
気持ちはよくわかる。帰ってきたら家に誰かいて料理を作ってくれるのはそれだけでうれしいものだと私は知っている。実際私もメンタルが危ういやつを強引に連れて自宅で一緒にくらしたことが何度かある。
一番ヤバかったのはホシノの時か?懐かしいな。今も元気にしてるといいんだけど、あいつああ見えてメンタル面ダメだからなぁ。まあいまは後輩もいて一人じゃないし、ちょっと私がいなくなったくらい大丈夫だろう。……大丈夫だよな?*1
セリナと一緒にゆっくりくつろぎ時間を過ごしていると、いろいろ考え事が捗るかもしれないな。ふむ……今度マリーを連れ込んで一緒にくらしてみるのもいいか…と思ったけど、そういえばマリーの場合は私と一緒にいるだけで試練みたいなものだった。
「呪いはどうですか?」
「問題なく終わったよ。他人の体ならともかく、自分の体でならどうとでもできるからね。次の時は他人にも使える対抗術も開発済みだよ」
「すごいです、体も団長から呪いを半分も受け取ったとは思えません」
トリニティの影と戦うときのために、地鎮祭メンバーであれば全員が最低限呪いを何とかできる用意はしておいた。簡易的なものだからいずれは効率化してパッケージングを行うところだけど、とりあえずはこれで大丈夫。
物理攻撃が効かない問題もあるものの、物理でどうにもならないイレギュラーなんて今まで何度も戦ってきている。前回の私みたいに祈祷術をケチらなければ普通に対処可能だろう。トリニティの影についても確認できた情報は共有済みなので、フルメンバーの小隊なら三体を相手にしても撃退できるはず。
「戦闘中にはそこそこもらったけれど、本腰入れて対処できればこの通りということだね。まあそれでも合計したら完治が一日二日遅れるくらいの消耗はあったけど」
考えてみればもうセリナ宅にいる必要もそれほどないのか。こうして一緒にすごしてみて改めて実感するけど、やっぱり私は誰かと一緒にいるのが好きなんだな。なんかもうトリニティにいる間はずっとここにお邪魔させてもらってもいいかもしれないくらいの気分。さすがにセリナに悪いかな…?また今度聞いてみよう。
「明日は折角だから、体を動かすためにも散歩で少し遠出するつもり」
「遠出…場所は決まっていますか?」
「せっかくいい機会だからメルフィア自然公園にでも行ってみようかなと」
メルフィア公園自然。トリニティのはずれにあるそこそこ有名な大きな自然公園で、校区外からも観光客が訪れている。遊歩道が整備されていて歩きに行くには絶好のスポットだ。今は実際には使われていない古い大聖堂もあるほか、メルフィーと呼ばれる他では見られない不思議な生物が住んでいるとか。
「それなら…私もご一緒させてもらえませんか?その…心配ですし、私も、いってみたいです」
「それなら一緒に行こうか」
「はい、一緒に行きましょう!」
忙しいかとも思ったけど、セリナが行きたいというのだから止めるつもりはない。やりたいことをやるのは大事だよ。
当日。例によって身バレを防ぐための、地鎮祭ローブを身に着けてのお出かけだ。散歩するだけで大厄災エンカウントする世の中だ、もちろん装備は整えてある。……いや、あんなの相当なレアケースだけどね?
装備がなくても真面目にやれば常時人に認識されずに外を歩くことも、カメラに映らないことだって可能だ。でもそんな風に常時隠密しながら歩くのは散歩って言わないし、外ではどこにカメラがあるか分からないから対策は必須である。対策なしで素顔で行くのは疲れる。
相変わらず仮面で顔を隠して素肌を出さないスタイルだけど、このくらいの見た目なら問題にならないから心配いらず。比較的トリニティでは目立つ格好ではあるものの、これから行く公園はそこそこ有名な観光地で校区外からの観光客もあり、装備の隠密効果も合わせれば余裕で埋没可能だ。これが百鬼夜行とかなら装備の隠密効果がなくても埋没できたことだろう。
今思うと一番最初、キヴォトス帰還直後にあれだけの戦力とぶつかったのはなんとも運が悪かった。あんなに消耗することってまずないし、本当にタイミングが悪かった。まあそのおかげでセリナと出会えたと思えばむしろプラスなくらいだけど。
セリナと共に家を出て、電車に乗ってしばらく。メルフィア自然公園は駅からもそう離れておらず、交通の便もいい。入り口で入園料を払ってチケットを購入、二人でパンフレットの地図を眺める。
ちなみに私は偽の身分証明書を持っているものの、学生用ではないため学生割引が効かない。実際のところゲヘナ学園を卒業済み(失踪前に手を打っておいたので、卒業してるはずだ)なので合っているものの、なんとなく微妙な気分になった。
「私も実はここに来るのは初めてです。行ってみたいと思わなかったわけではないのですが…」
「ならいい機会だったね。うーん…まずは大聖堂を見に行って、そのあとは歩いて回ろうか」
歩道の整備された森の中を歩くと、ほどなくメルフィア公園の目玉の一つが見えてくる。
文化遺産の大聖堂は大きさこそそこまでだったものの、トリニティが統合される以前を思わせるような証拠品が残っていた。そんな遺物たちの解説を読みつつも、分量自体はそう多くなかったことが幸いし、足に疲れを感じることなくメインの散歩に移ることができた。
美術館や展覧会などを見て回るのは疲れるけど、あれは歩いて止まってを繰り返すことによっておこる現象だからね。人間歩き続けるだけの方が疲れないものなのである。
手入れされてきれいに咲いている花々や、コイが泳いでいる池を眺めながら歩く。休日という訳ではないので人影はまばらだ。そんな中、よく見る類の看板が目に入る。
「コイに餌をやらないでください……注意書きを無視する不届き者が現れることに定評のある看板だな」
そういうとセリナがクスッと笑った。
「そうですね…こういう簡単なことこそ、守ってほしいことです」
公共のルールやマナーは人々の総合的な利益を守っている。これが自然と守られる社会であれば、治安と民度が高い社会であるといえる。
総合的にといった通り、これを破ることによって損失を受ける社会とは自分自身が所属しているものであるため、結果的には自分も損することになると言える。*2これが適用されないのはそもそも社会に属していない場合か。まあ自分さえよければ他人なんてどうでもいいというタイプの人間からすれば、守る意義など感じられないだろう。
問題はむしろ真っ当に社会に属してない人間が結構な数に存在していることの方か。キヴォトスは学園都市を銘打っておきながら学校に所属していないどこか、まともに生活すら送れていない生徒が一定数存在する。
何せトリニティというキヴォトスの中でも非常に治安の良い校区の中ですら、廃墟の建材を屋根替わりにして裏路地で寝泊まりするようなホームレスの生徒が存在するのだ*3。
キヴォトス三大校とも呼ばれるうちの一つで、裕福なトリニティですらこうなのだから、ほかの学区ではどうなのかは推して知るべきだろう。
そういう人たちはケンカには慣れているものの、実際の戦闘力は見た目よりも大分低いことが多い。理由はシンプルで、体にも心にも栄養が足りてないから。キヴォトスの闇の一つだな。
一度イレギュラーが暴れだすと抵抗するだけの力なんて持たないから、取るものとってすぐに逃げ出すのだろう。ただ、多分トリニティのホームレス…というか不良生徒は多分その手の嗅覚が他よりも鈍い。トリニティはイレギュラー被害が少ないのが一つあるし、ケガしても救護騎士団が無償で手厚く助けてくれる。
ゲヘナにはまともに学校にも来ないゲヘナ生徒がいて、問題を起こしまくっていても学籍がはく奪されるようなことはほとんどない。精々風紀委員会の牢屋で禁固・懲役を科されるくらいだ。それはそれでどうなんだって話だけど、トリニティの…というかゲヘナ以外のドロップアウトどもはそもそも学校に所属してない場合が多いんだよね。
ゲヘナの場合はあんなのでも生徒の身分があって、公共制度を利用できるし口座もあるから、実のところすごく慈悲深い、懐の深い学区なのだ。
一方学籍のないやつらは身分証明を持たないから病院にもかかれなければ家も借りれない、口座も作れない……難民みたいなものだ。
そう考えると救護騎士団はトリニティの慈悲を担っていると言うことができるのかもしれない。
ちなみに金持ちだから他人に優しくできるだけ、なんて考えは間違いだ。人間金を持った程度で寛容にはなれないし、正義に目覚めたりもしない。それは恵まれた財力をもってトリニティ総合学園へと入学し、政治闘争や陰湿なイジメに明け暮れている生徒を見ればよく分かるだろう。
もちろん"トリニティお嬢様しぐさ"が染み付いた生徒ばかりではないけど。同じように、単に救護騎士団や正義実現委員会の多くの面々が、ひとよりも清廉な心を持っているというだけだ。セリナなんかは筆頭だろう。
「…?どうしました?」
「いや…」
私がゲヘナにいたころ、ドロップアウト生徒を随分減らしはしたのだ。流星グループという団体を立ち上げて、大々的に雇用と継続的な職業訓練を受けられるようにした。
これによって作れた雇用は色んな意味でちょっと引くぐらいに多く、校区を問わず大きな影響を与えた。ゲヘナの星の異名が校区外まで広がっているのはその功績によるところも大きい。広大なキヴォトス全体から見れば、それでも氷山の一角な訳だけれど。
しっかり対処したものの、その過程で後ろ暗い悪徳企業を潰しまくった結果、尊法精神のかけらもない条件で雇われていた非正規雇用者が少なからず仕事を失くすという笑えないギャグが発生したりもしたし。
「いや、セリナはこう…いいやつだなぁと」
「え?えっと、ありがとうございます?」
見つめていたせいか、セリナが少し照れている。私も家でたまにじっとみられている時があるのでおあいこだろう。こうして顔を見ているのも悪くないことは確かだった。
国籍やビザを持たない人が少ない日本って実はすごい国なんですよね。島国だから難民が徒歩で渡ってくることもないし。 ……私は一体何の話をしているんだろう。ブルアカ…?そうだ、これもキヴォトスが悪い!
主人公以外のオリキャラ(主に地鎮祭の)について、どのくらい詳細に描写するかのアンケートです。あまり前面にオリキャラを出しても…と思いつつ、物語を厚くするならある程度はするべきでもあり。
-
全体的にガッツリ詳細まで記載
-
しっかり
-
そこそこ
-
少なめ
-
どれでもヨシ!