本当は一章のつもりだったのですが、予定より一章が増えてしまっているため悩むより増やすことにしました。1.5章くらいのつもりですが。
2-Aはミネと吹雪の山の話ですが、終始星上が楽しそうにしています。
2-A1-サンタクロースもどきのエントリーだ!
先日のトリニティの影の件でお礼がしたいとティーパーティーから連絡があった。
表向きに用意されている地鎮祭の連絡手段の内の一つを用いてのもので、これは謎に包まれた地鎮祭に連絡を取るために用意したものだ。
とある掲示板に書き込むとか、特定のメールアドレスにメールするとか、いろいろ趣向を凝らした方法が用意されていて、大体は秘密結社という言葉の魅力に引き込まれたロマン勢がテンションぶち上げた結果用意されたものだ。
セキュリティ的にはしっかりしているが、効率的では全くない…ロマンってそんなもんだしな。
トリニティはいつも地鎮祭の秘匿性を考慮してか、何かあっても感謝文などを寄こして返信や会合を求めなかった。この辺はさすがにトリニティという律儀さだけど、さすがに人一人の命を救い、それが重要人物ともなればさすがにしっかりとした感謝を示すべきと考えたのだろう。
ウチは政治的なあれこれや学区間のパワーバランスにはあまり関わらないようにしているからどうするかは考え物(政治に関わらないための政治的配慮…?)。
ただトリニティ側がその辺のことも考えて、最大限地鎮祭の意に沿う形で行わせていただければ幸いです…みたいな感じでお願いします感がにじみ出てる文章送ってきていた。だから全部秘密裏にっていえばそうしてくれるだろうとは思う。サクラコさんのことはしらないけどナギサならその辺大丈夫だろうという信頼もあるし。
問題は私が出席するかどうか。せっかく潜伏していることを考えれば出席しない一択だけど…当然出た方が向こうの印象は良いだろう。久しぶりにナギサの顔を見たい気もするけど操夜として話せるわけでもないし、まあ出ないのがいいかな。
そんなことを思っていたら特殊なタイプのイレギュラーが出てきた。
朝のジョギングをしていた私のポケットから、同時にその他の人々の端末からも警告音が鳴り出した。聞きなれたという人もいるだろう、緊急イレギュラー速報だ。
内容を確認してみればそこには吹雪の山と表示されており、同時にパラパラ雪が降りだしてくる。おお!私も話には何度も聞いてるけど実際に巻き込まれたことがなかった奴じゃん。
シスター服の恐怖、メルフィー、吹雪の山と初見の相手が連続している。これで連続初見記録更新、昇進確定だぁ!(負けフラグ)
などと頭の中でふざけつつ、すぐさま周りを確認、よかったコンビニがあった!近くにいた人に声をかけながらコンビニに駆け込めば、一分もしないうちに外は視界がほとんどきかない猛吹雪へと変わってしまった。
こいつは吹雪の山といというイレギュラーで、街中だろうが南国だろうが関係なく雪山遭難体験を楽しませてくれるイレギュラーの鑑だ。ただ、残念ながら今まで私は遭遇したことはなく、話に聞くだけだったので今日が初体験の日ということになる。
内容的には吹雪いてる雪山に着の身着のままで放り出されると思えば大体あっている……これだけ聞くと余裕で死ねるな!外にいると一発で雪山の異界にとばされる…というかこっちが迷い込んでいるんだが、異界送りにされていることは変わらない。
幸い室内にいればそれだけで雪山遭難を避けられるという大変やさしい相手…かと思えば一歩出たらやられるから建物からしばらく出られなくなるという…ゲリラ豪雨かな?
周りに入れる建物があるかどうかで180度話が変わる…そして誰しもその条件を満たせるわけではなく、常に必ず少数の遭難者が出ることになる。避難できたなら一時間くらいで吹雪は止むんだけど、遭難者は異回に飛ばされて数日間強制的に遭難させられる。
イカイカダンサーズの時にも話したけど、前触れなくやってきて唐突に異界送りにしてくるのは大分無法なんよ。
ただ雪という名の水分があることと、キヴォトス人が丈夫なのもあって死者は出ない。多分怪我して動けない様な状態で放り込まれても命は助かるはず…終わってからしばらくは病院暮らし状態だろうけど。
いずれにせよ空腹で凍えて過ごすのは大変悲惨なので私は星を瞬かせるとしよう。
コンビニ内のパンや弁当など飲食料、および雑誌やタオル類を残らず全て買いつくして、低容量の四次元ポケットに格納してから外へ飛び出す。ポケットといっても空間にスッと安定した穴が開いてそこから中身を出し入れする形だけど。
今日は私がサンタさんだ!遭難者に食料と防寒具をプレゼントしてやるぜ!外に出て三秒で異界送りにされたことを感知する。
「ウルス・サーチャー!」
探査術ドン!まず広さは5km…10…50…100km…いやマジで広いな!聞いてはいたけど。それに被害者の人数は…二十組くらいか、結構散らばっているからまともな方法では全員は回れない。あとなんかなぜか知り合いがいるからそれは最後にしよう。
平和なトリニティだからこの程度で済んでるけど、場所によってはもっと被害がすごいことになる。建物の中にさえ入れればいいから、ホームレスが少ないトリニティだと被害も少ない。
「ウルス・神行踏破」
高速移動術を発動する。足元から幻の白い羽が舞い浮かび、本来であれば一歩を踏み出すだけでも足の半分以上が沈み込むはずの雪の上を高速で走る。
わざわざ地鎮祭正式ローブを赤色に変えて、サンタさん気分を満喫する。
吹雪のせいでほとんど視界の効かない雪山を走って、遭難者を見つけては三日分の食料とカイロなど防寒具を渡したら近くの風をしのげる場所を教え、なければその場に即席のかまくらを作って次の遭難者のもとへ。これを何度も繰り返す。
Wasshoi!辻サンタクロースのエントリーだ!こうしてみると大人も子供も無差別に巻き込まれている。ホームレスなせいで避難不能だったらしい生徒はなかなかかわいそうだったけど今は配給だけ。
まじめに働ける奴なら雇用のチャンスも与えるけど、誰でも無差別に助けるわけじゃないからね。そんなこんなで大体配達を終えたら最後に残していた知り合いの下へ。
そこにいたのは少し前にあったばかりの、青く長い髪で長身の騎士…救護者?
何故か蒼森ミネも遭難していた、お前入院中だったんじゃないのか。
「サンタクロースもどきが出たぞ!」
何かが近づいてくることには気づいていたらしいミネがこちらに目を向けていたので、そういいながら近くに着地する。
「あなたは…この前助けていただいたかた」
そう言うミネの様子を見るに、私がトリニティの影で出会った私と同一人物であるとわかっている様子だ。
「そうだけど、ミネはまだ入院中だったはずじゃ?」
「ちょうど移動途中に巻き込まれまして…」
「……もう出てきたのか」
少し呆れてしまった。もう少し体を労わろうよ。
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★吹雪の山
被害規模:1.5
戦力:0
対応難易度:3.5
活発性:4
特記:25
危険度:43.6
ポテンシャルリスク:2.5
評価が難しいイレギュラーの一つ。天候系・異界系。急に発生するため事前に予想することができない。
遭難する前に建物に避難できるかどうかで危険度が180度変わる。場合によっては相当数の人数が遭難することになるが、多くの場合は百人前後程度の人数で収まる。
誰が遭難するかでも話が変わる。何せ約三日間帰ってこられず、帰ってきても大抵病院送りになるため。
危険がないとは言うが、地鎮祭や元から雪国に住んでいる人でもなければ、大抵の被害者は二度と巻き込まれたくないと言う。飢えと凍えは、生物にとって等しく恐怖である。頭では死ぬことはないと分かっていようと、そのような理性など持ち続けてはいられないのだ。
場合によっては途中で切り上げて三章になったアビドス対策委員会編を先にやるかもしれません。
ただ私もハーメルンで小説を読んでいて、最新話がずれてどこまで見たか分からなくなる現象を何度か経験しているので、できるだけ過去話に話を挟みたくはないんですよね。
まあその時のことはその時になったら考えます。