カイリとアレッシアの参考画像張ります。あくまでイメージです。なのであんまりじっくり見ないでください。
カードについてはinscryptionというカードゲームで自作したオリジナルカードです。※公開していない自作MODなので、私のPCにしかありません。
作者的にはプレイしていて何度も見ているので、カードの方のイメージの方が強いです。
【挿絵表示】
ポラリス基幹メンバー最年少、ポラリスフィーア・新雪のカイリ。狼の耳と尻尾を持ち、真っ白な髪を真っ直ぐに伸ばした幼い少女。
背丈だけでなく、顔立ちや言動からも幼さを感じさせる彼女は、実年齢を見ればイブキよりもさらに下の正真正銘幼女だ。しかしその成り立ちには星上が大いに関わっていることもあり、思考も能力も普通の大人よりも高度なものとなっている。
戦闘力はポラリス基幹メンバーの中では低めであるものの、彼女の真価は全く別のところにある。
それは自らを長とした群れの配下の創造。もしくは一個の生命体としての分裂体の創造であり、自らを主とした奉仕種族の創造であり、あるいは単に我が子を創っているともいえる。
いずれにせよ彼女は女王アリのように一人で味方を増やし、勢力を拡大することができる能力をもっている。そのために必要になるのは、ざっくり言って他者のエネルギーを食べること。まるでどこかのキメラなアントのように、食べて生むを繰り返す群狼の長。
しかも生み出される玉雪はみな必要な各種能力を十分に備え、しかも上位勢の生徒にもまったく劣らぬ戦闘力を持っている。
ここまでくればカイリが如何に重要な存在であるかは分かるだろう。本来であれば隠され厳重に護衛され、一人で出歩くことなどもってのほか、そのように扱われるべき存在だ。
そうでありながら地鎮祭はカイリを一人の人間として、自由に行動させることを良しとする。効率や使命よりも幸福を優先、それが地鎮祭の社訓である。
とはいえポラリスのメンバー自体が基本的に秘匿されていることもあるように、カイリの能力を知る存在は地鎮祭の中でも限られている。効率的でないからといって隙があるわけではないのである。
地鎮祭においてカイリに特別な義務が課されているということはない。そのうえで、カイリは自らの特殊能力を生かして働いている。地鎮祭を群れであり家族のようなものであると定義しており、それらの為に働いたり何かするのが好きなのだ。
カイリは能力を用いての戦力増強を自ら業務として組んでおり(もちろん彼女以外の多くの人が協力し、あるいはその業務に携わっている)、言っては何だがどこか会社員のように働いている。
彼女の能力は一応機密だが、彼女自身は常識的な範囲でしか縛られていない。だからカイリは私的な時間で遊びに行くこともあれば、ほかのメンバーと組んで活動したり、自主的にイレギュラーを捕食したりもしている。
星上を父、ほかのポラリス基幹メンバーを異母姉妹と認識して慕うカイリが、父のいぬまにキヴォトスが一度滅んだと聞いて感じこと。それは、おおよそ憤りであった。
Side:カイリ
ここはキヴォトス、学園都市。ここでは学校に通い何かを学ぶ、生徒こそが主役であるという。おとーさんもカイリ達も、ある意味一緒、生徒の一人。カイリ達はここで人を学んでいる。
おとーさんは一度、キヴォトスの外へと旅立っていった。出張だ。外は広くて広くて、怖いやつもいっぱいいる。もしもそれがキヴォトスを壊してしまうようなものなら、キヴォトスの外で倒してしまうのが一番。キヴォトスの外で戦えば、キヴォトスを壊してしまうこともない。
守ることは難しい。敵を倒しても、守るものを守れなかったら負けだよね。
おとーさんは危ないものの数を減らしたけれど、全部がなくなることはない。それに減らしたのは大きなものだけで、小さなものはそのまま。だからカイリ達は自分たちが生きる世界は自分たちで守るべきだし、おとーさんが返ってくるまでの間、私たちが守らなきゃいけなかった。
それなのに、キヴォトスは滅んだ。地鎮祭の家は守れたみたいだけど、キヴォトスは守り切れなかったんだって。
シア姉さんは、
ミーちゃん*2はいつも通りで、マキちゃん*3は辛そうだった。
シノちゃん*4には、まだ話してない。
情けない。仕方がないけど情けない。守れなかったことは仕方がないことだけど、それはそれとして情けないんだって。うん、そうだよね。おとーさんの留守を守りたかったのにね。
私は家族が無事で、家が無事ならいいんだけど。でも家族のみんながキヴォトスを大事にしているから、私も大事にしたい。それに今よりいい場所は、なかなか見つからないっておとーさんが言ってた。おとーさんがそういうってことは、ここはすごくいい場所だってことだから。
みんなが少しやることを変えて、カイリももちろんそうすることにした。やりすぎたらダメ、ずっとおとーさんがそう言っているように。楽しまなくちゃ、生きる意味がないって。
たくさん楽しんで、みんなと遊んでゆっくり休む。それと一緒に、対策をがんばることも全力で。
カイリの封を、一つ開ける。
今までは、私だけが食べていて、私だけが作っていた。みんながたまに良いものを見つけたら持ってきてくれるから、それを食べていた。
これからは、変える。娘たちも、食べる。
場所も変える。食べ物がいっぱいあって、どれだけ食べてもいい場所に。
候補地はいくつもある。アビス地下洞窟、銀夜月跡地、アビドス砂漠奥地、生まれた者の海、瘴気界浅層、アバドンワーム体内、蕩けた目の悪夢。
シア姉さんがバイキーとカリリンをたくさん狩ってきてくれるから、食べる担当の娘も必要になる。
Side:星上
地鎮祭本部シミュレーション演習場。
ここは限られた条件ではあるものの、現実そのものではないシミュレーション上での戦闘を可能とする演習場だ。そこに今挑戦しているのは、地鎮祭が誇る最強の戦士、ポラリス基幹メンバー。その一人、新雪のカイリ。
条件はスタート地点から約500キロ離れた位置にある目標物体を制限時間内に破壊すること。そして瞬間移動は強く制限されている。
立ちはだかる敵は多い。通常ではあまり考え辛い、複数勢力が同時に敵として出てくる場合の想定。
量産型ビナー*5数十体。自動起動兵器フェニキシオン*6。戦艦プランダラー*7。反転生徒を想定した敵生徒三名。
戦力評価で言えば4.5(学校千個を上回る)くらいだろうか。正直全部合わせたら明確にカイリ一人より上だが…もちろん一辺にすべてを相手にする必要はない。
開始から三十分以上が経過し、カイリは最後の門番である反転生徒役の三人との戦いを始めていた。それ以外の敵はすべて掃討済みだ。
戦いはここだけ抜き出したとしても、全体としてもすでに終盤戦、その上で最大の衝突がこれから始まる。その結果如何によって勝敗が決まるだろう。
先に動いたのは反転役の方。戦いの中でテンポをずらし、連携によって小さな隙間時間を生み出した。
これをもって、一人が大技を打つための待機時間を得た。見事な連携。しかしそれをまだ使わず、さらなる時間稼ぎの為に、急速に地面から生成された茨にカイリが飲まる。カイリの反応も決断的で、直後に炎を身にまとう様にして周囲の茨を消し炭にした。
そのままカイリが反撃で狙うのは別の相手、大技の準備をしている一人の生徒。しかしその攻撃を最後の一人が身を挺して庇う。結果的に反転側の大技、切り札が発動した。
「イアウルス イアウルス イアウルス イアウルス!
その言葉は一瞬のうちに読み上げられた。いいや、一瞬というのは正確ではないかもしれない。それは時間という言葉で表現することすら不適切な時の一単位であり、おおよそ生物にとって知覚できないレベルで刻まれた刹那。しかし決して認識できないであろうその詠唱は、過不足なくそれを聞くものに届けられる。
瞬節詠唱と呼ぶ、"ウルスの祈祷"のシステムの一部。詠唱者が喉を振るわせて発声している訳ではなく、しかしてそこにある祝詞。これが使えるものは、詠唱という行為に一切のデメリットを負わない。
システムの一部と言えど祈祷に習熟したものしか使うことができない高等技術であり、詠唱に必要な数秒が大きな弱点になってしまうような高速度域の戦闘で使われる。
起動した大祈禱によって、空間が塗り替えられるようにして様変わりしていく。そこにあるのは鮮やかな夕焼けに照らされた街並み。空を見上げれば美しい茜色が覆っている一方、周囲の町並みは横から光を受けて大きな影を落としている。ポラリスアイン、アレッシアの力を借りて行使される大祈祷。
ただ今の状況で重要なのはただ一点。この世界に囚われてしまえば脱出には時間がかかる。その時点で時間切れ、ミッション失敗となることは避けられないということ。
しかし準備をしていたのは、カイリもまた同じ。
『おとーさん。おとーさん。カイリを見て』
止まった時間の中で、どこからともなくカイリの声が聞こえる。ほかの人には聞こえないテレパシーみたいなものだが、これもまた瞬節詠唱と同じようなもの。文字にすればどれだけ長いものだろうが関係ない。
カイリの声であれば、キヴォトスから離れていなければどこにいようと聞こえるだろう。そして今この呼びかけに答えることもまた同じ。
『見ているよ』
私はその呼びかけに答えて応じる。祈りとは、心の所作だと誰かが言ったけれど。確かに明確に形の決まったものではなく、であれば人によってあらわされる形が違っても、何もおかしなことではない。
カイリにとっての
カイリは確かに私とも関係の深い存在ではあるが、そんなこととは関係なく。
これは単なるカイリの望み。いわゆる必殺技を使う時には見ていてほしいという、ただそれだけのもの。そんなかわいいお願いを、断るわけにはいかないだろう。
『…おとーさん、大好き』
かわいいなあカイリは!これがウチの娘ですよ!いや娘じゃないけど。
『
放たれるのは、奇しくも先ほど放たれたそれと同じ種類の大祈祷。
製作者であるヘレニュエルが、本人の能力とは全く異なるアプローチから作り出した。地鎮祭の切り札の一つと認められたそれは、様々なものを忘れさせることによって機能不全を引き起こす。
夕焼けに浸食された空間が元に戻っていく。発動者が祈祷を維持できなくなったからだ。それどころか今まさに戦っていた三人は、自分が今何をしていたのかすら分からなくなっているだろう。
その程度で済んでいることすら、地鎮祭として高い実力を持つ者達だからこそだ。そうでなければ自分が何者であるのかも分からず、呼吸をすることすら忘れ、心臓は脈動することを忘れて動きを止めることとなるだろう。
彼女たちは棒立ち状態にはなっているものの、あくまで現状を忘れているだけだ。攻撃を受けるなど、必要に迫られれば即座に対応できるはずだ。
スターライザーという祈祷は作者である私が言うのも何だが、極めて高性能で対応範囲が広い。単純な身体能力、あるいは戦闘力の向上をおまけ扱いしてもいいくらいに、使用者を守ることに力を注いでいる。使用者が弱い人間であってもそうだし、強い使用者であればそれだけ上乗せされる。
それだけ高機能な祈祷が、今もより強く発揮されている。だから我を忘れている彼女たちも、何かあればすぐに行動に移せる。
今回はカイリが抜かりなく、それ以上の戦闘行動をとらずに駆け抜けていったために、演習は成功で幕を閉じた訳だが。
カイリの祈りは、某祈りが「天にまします我らの父よ」で始まることを思えば、むしろ先祖返りしてる祈りかもしれませんね!
というかそれでいくと「いあうるすいあうるす」も別に普通…?
キヴォトス民なら多少心臓が止まったくらいじゃ死にようがないので、事故はありません。ネオサイタマ風に言うなら「安心!安心!実際安心!事故が一切ない」みたいな。