人生満喫上位者in鬼門方面キヴォトスK-3   作:バージ

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とりあえず開幕。多分選手はオリンピックみたいな感じで、会場に整列してます。


2-B7-イレギュラー対策競技大会の開催

 

 当日、大方の予想通り、無事にイレギュラー対策競技大会が開催された。いくつか別々の場所に存在する巨大な会場にも非常に多くの人々が押し寄せている。クロノススクールを始めメディアの生中継も行われるものの、来れるなら現地に来たいというのが人情ならぬキヴォ民情だろう。

 この広いキヴォトスで一か所に集まろうと思ったら、移動だけで何日何週間とかかってしまいかねない。だからLWI(ラウィー)は実際の競技はシミュレーション上で行うという性質を利用して、会場を別々の場所に複数設けているのだ。まあそれでも人によっては数日掛かりの移動となるわけだが。

 

 イレギュラー対策競技大会は毎回異なるルールや部門で競技を行っている。今回行われる種目は集団戦部門とチーム戦部門の二つ。

 どちらもステージをクリアしたらより難しい次のステージに挑める、というところは共通している。基本的にイレギュラーと戦って勝てばいいところも変わらない。一番の違いは人数で、集団戦部門は30~100人で行い、チーム戦部門は8人以下で行う。

 

 大会は後のステージになるとかなり難易度が高くなる。そのため大会の歴史上、地鎮祭が用意したステージがすべてクリアされたことどころか、最終ステージに進んだことすら今まで一度もなかった。それは参加者が弱かったからというわけではなく、地鎮祭が用意する難易度の幅が広すぎることが理由だ。

 何せ戦闘力で言うところの3~3.5という相手が出てくるようになるため、一勢力がこれに抗するというのは極めて困難だ。現状は当然の帰結であった。

 なお試合は戦況や被害状況などによって採点が行われ、最終的に複数団体が同じステージまで到達した場合は、その採点内容によって優勝を決めることになる。

 

 戦いは地鎮祭の術によるシミュレーション演習によって行われる。ほぼ本物そのものの偽物、ほとんど現実と変わらない仮想空間と言っていい。

 当然そんなことができるのが地鎮祭だけなので、地鎮祭にしか開催できないイベントとなっている訳だ。

 

 この大会はあくまでイレギュラー対策を主題としているので、選手同士が直接対決するようなことはない。結果が政治性につながるのもできれば避けたいと主催者が考えていたため、参加者は本名も所属団体もデフォルトで伏せることになっている。とはいえ特別隠したいわけではないので公表する意思のあるものは普通に公表しているが。

 あくまで楽しく学びましょうというのが主題なので、それに反する手合いは運営からのおしおきをくらう。

 

 レクリエーションに研究成果のお披露目、安全なイレギュラー戦の訓練などいろいろできる場なので、積極的に参加してもらいたい。ちなみに私が一年生のころから毎回参加して、いろいろ高得点の記録を保持している。

 それでも一定以上のステージには到達していない。戦力4とか出てきたら私とヒナの二人でも無理筋だぞ。

 

 当時は私が出場したおかげでゲヘナでの大会の知名度が上昇し、ゲヘナからの参加者が増加。好成績者が多くなったことでトリニティ側が対抗意識を燃やして参加者が増加。三大校の内の二つが大きく参加することで更に知名度が上昇したこともあり、なんやかんやで今や大会の認知度はかなり大きなものとなっている。

 ちなみにワザとやったわけではない。というか参加自体はもっと前からしていて、ゲヘナで私の知名度が上がった方が後だ。ゲヘナに入学する前は、少なくとも表では特に有名じゃなかったし、お祭りに参加する理由なんて楽しいからってだけで充分だから。

 

 

 

 

 今回もゲヘナ、トリニティは両陣営共にガッツリと参加している。ゲヘナに関しては集団戦部門に複数チーム参加していることからも分かるように、数百人規模での参加となる。

 

 お互いに仲が悪いとはいえそれほど表立ってバチバチしているということもなく、じんわりと意識している程度のもの。様々な学区から人が集まってきている以上、全体から見ればどちらも小さな集団ということになるしな。

 そんな中で内輪の争いを表面化させることを恥ずかしいと感じる程度の羞恥心は持ち合わせているということだろう…言っててなんか違う気がしてきたけど。

 それでいうと外面を気にするトリニティよりも、フリーダムなゲヘナの方が問題を起こしそうなところだけど、あれはあれでいつものことだから経験の少ない人以外はみんな慣れているところが大きい。

 

 ……ここまで言っておいてなんだけど、スタッフが多種多様な校区から人が集まっている地鎮祭だから、慣れてるためというのも大きいだろう。

 これだけ幅広い範囲から人が集まるイベント何てそう多くはない。本来問題なんていくらでも起こって不思議じゃないだろう。それでも何とかなってるのはスタッフの多様性と尽力もあるし、会場を複数個所に分けていることもあるし、参加者それぞれの協力もあるからだ。

 

 地鎮祭の常として、この大会は割とノリで始められたところがある。それがこんなに大きな祭りになったのは、なかなか感慨深いものだな。

 白いローブに身を包んで正体を隠したチームメイトと共に、つつがなく進められている開会式を眺めながら、私はそんな風に思った。

 

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