ステージ1が午前の部だったので、午後の部であるステージ2が始まるまでにはまだ時間がある。そこで私たちも観戦に回ることにした。同じチーム戦部門の試合は見られないものの、集団戦部門の方の試合なら普通に見られる。
集団戦の部門の方はやっぱりゲヘナ学園の風紀委員の部隊がみられて個人的にはよかった。何せ多くが見知った顔だ。
かつての操夜体制のころの幹部は私を入れて六人で、半分が三年生だから多分卒業している。代替わりを見越して半分は二年以下から選んでいた訳だけど、少なくとも戦場では大きなほころびも見られないのは安心した。
特に"星の翼"と呼ばれていた幹部、リンは今回の戦いでも目立ちまくっていた。攻撃ヘリでおかしな戦果をあげていくのは見ていて気持ちがいい。
そんな風に時は過ぎ、午後の部が始まる。
大広間にチーム戦部門の参加者が集合し、第二ステージの相手が発表される。
敵は量産型ケテル。最近活動を活発化させているデカグラマトンの重量級機動戦車…で、分類があっているのかは微妙なところだけど。まあメタルギアだって二足歩行"戦車"な訳だし、こいつは四脚戦車と呼んでもいいだろう。
デカグラマトン勢力的には一番下っ端…というわけでもないんだろうけど、一番フットワークが軽くて出現頻度も高い。デカグラマトン勢力には同じく出現頻度の高いケセドもいるけど、一戦目の人型マシンと被るからこちらが選ばれたのだろう。
戦力評価で言えばこれは2、一区の治安維持戦力に相当する。ステージ1と比べればその戦力は数倍から数十倍はあるだろう。
ステージ1で互角だったチームは勝ち目がないと思われる人もいるだろうが、もちろんそこも考えられている。ステージ2に勝ち目がないと判断したチームは、自己判断で勝ち上がりの権利を放棄し、レイド戦へと変更することができるのだ。
レイド戦を選んだチームは大会側がうまいこと多くのチームを一つに統合して、大人数が同一陣営として戦うこととなる。
ある意味集団戦部門と同じような状態になるわけだ。当然こちらは多勢力による混成となるため、連携はかなり難しい。ちなみに前ステージでの敗者も参加できるので、負けても訓練の機会は減らないぞ。
二つの戦闘種類を甲種、乙種と分けている。単一チームで戦い、勝てば次のステージに進める甲種。複数チームを合わせて戦い、場合によっては攻略情報の事前共有などがあるが、勝っても次のステージの甲種に挑むことができない乙種。
乙種選んでチームも、あるいは敗北したチームも元気があるなら次のステージの乙種に参加することができる形だ。
対イレギュラー戦は大勢で戦う場面がよくあり、混成部隊ということもあるので、どちらにせよ訓練にはなるわけだ。
なお参加者戦力に合わせて無理ゲーにもヌルゲーにもならないように調整はもちろんする。ある程度苦戦するように合わせるので、皆には楽しんでいってほしい。
チーム専用の控室で、発表されたチーム分けを見たミネが口を開く。
「今回もほとんどのチームがレイド戦の方に参加するみたいですね」
「だね。まあステージ2の敵戦力評価は2、つまり一つの学校の治安維持戦力を全部一チームで相手にするわけだから、できるのは相当上澄みだけだよねって話だけど」
甲種に挑むのは見覚えのある人物やチームが多く、セリナも感心した声を出す。
「すごいですよね…参加者は見たことあるチームばかりです」
ソロで参加しているのはヒナとツルギのたった二人だけ。チーム戦なのにソロなのかって話だが、最強格と言われるのも伊達じゃない、まさに別格といった二人だ。
「水平線追跡団、仮装天人花団、爆裂芸術家、バット&ラケット、落下傘研究会、アカイアンズ、スペシャルハウンズ…」
ハナエが読み上げているのは多分、聞いたことのあるチームの名前だろう。それを見てゼレーナとミネが紹介を始めた。
「8人全員が最新鋭のパワードスーツ、オーダーメイドのハリファイバーMを装着した高級機械化傭兵団、水平線追跡団。最強の傭兵と言われるテンニンカが率いる傭兵集団仮装天人花団。視聴率…というか注目されている大会だから、宣伝で参加してるのかもね。集団戦部門にもちょくちょく傭兵団が参加してるみたい」
「爆裂芸術家はワイルドハント芸術学院、アカイアンズはオデュッセイア海洋高等学校、スペシャルハウンズはSRT特殊学園からの出場ですね。毎回出場している印象です。落下傘研究会はアビスニア大穴防衛大学から、バット&ラケットは確か日の出高校と青春学園でしたか」
さすがの注目度というべきか、ミネもまた有名どころは抑えているらしい。
有名どころは多いが、何せ敵がある意味学区に攻め込むような内容の戦力だ。果たして何組が甲種ステージを突破できるのか。
参加者、観客を問わずにボルテージが上がっている。