君のことが大大大大大好きな100人の彼女+αと行く異世界カオス物語 ~異世界現地彼女や別世界の主人公達も巻き込まれます~ 作:虹武者
「さぁ!いくわよ!」
レナフィリアが叫ぶ。静かな草原で魔法陣を描き召喚魔法を発動させた。初めて見る召喚魔法に羽香里と唐音は目を丸くさせる。そして、出てきたのは…
「全部ハズレだちくしょー!」
「「「・・・」」」
10連全て虫や鼠だった。跪き嘆くレナフィリア。それを黙って見る恋太郎達。
「ここは静が出てくるところでしょ。」
「そもそも召喚ガチャって完全にゲームね。」
「もう一度!」
レナフィリアは魔力回復薬をガブガブ飲んで再召喚した。「さぁ、来い。さぁ、来い。」と呟きながら待つ。結果、アメンボ、オケラ、ミミズが連続して出て来た。レナフィリアはまたかと倒れると最後に虹色に光り出した。それを見たレナフィリアは倒れた状態でガッツポーズした。
「来た来た来た来たぁぁぁ!」
「本当にソシャゲのガチャね。」
光が消えるとそこには小柄で可愛い少女がいた。その少女に恋太郎達は抱きついた。
「静~!」
『"ここは"「どこだ?」』
召喚されたのは好本静。詳しくは『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』を読め。
「本当に雑っ!」
唐音がツッコミする。それよりも気になったことがレナフィリアにはあった。静が持っているスマホで会話していたことだ。
「それ、恋太郎が持っていた物と同じね。」
「静ちゃんはスマホで話すんだ。」
「そ、そうなのね。」
レナフィリアは気になってはいるがこれ以上聞くことはなかった。小動物みたいな愛くるしさにやられかけている。
「可愛い。」
隣で聞こえたためレナフィリアが振り向くとウェンシアが既に静にメロメロにされていた。顔は無表情ながらも頬を少し赤く染めている。
『「話は」"恋太郎君"「から聞いた。」"つまりここは""物語の世界"「ということでやんすね。」』
(喋り方が独特すぎる。)
レナフィリアがスマホで話している静を気にしている。一方、ウェンシアは無言で静をナデナデしている。
「静の可愛さはエルフにも通用するんだ。」
「さすが静ちゃん!」
恋太郎は忘れずにレナフィリアとウェンシアの紹介する。
「こちらがレナフィリア・ダークノワールブラックシュバルツ・アグロクロムウェルさん。超絶天才魔道師です。」
「長いからレナでいいわよ!」
『「初めまして」"れな"「さん」』
「そして、こちらがウェンシア・ハートランドさんです。エルフという種族です。」
「…」
「いつまで撫でてんのよ。」
無言でナデナデするウェンシアにとうとう唐音がツッコミした。話が進まないとウェンシアを静から離す。
『「よろしくお願いします」"ウェンシア"「さん」』
「よ、よろしく。」
静も加わり旅を再開させる。向かう先はアルクマーデという街だ。そこに行くためにはヒトヤスミの森を抜けなければならないのだが…
「レナさん。」
「何?」
「もう一度、この森の名前を言ってくれませんか?」
「ヒトヤスミの森よ。」
恋太郎の質問にレナフィリアが答える。回答を聞き周りを見る。
木々が生い茂り太陽の光がほとんど届かない。
整備されていない草だらけの道。
度々聞こえるモンスターの息や笑い声。
「…全然一休み出来ないじゃない!」
唐音がツッコミした。本当に進んでいるのか分からないまままっすぐ歩く恋太郎達。静は恋太郎の背中に寄り添いながら震えている。
『「怖いでやんす〜!」』
「大丈夫だよ静ちゃん。」
震える静を慰める。羽香里と唐音もお互いの手を繋ぎながら震えて歩いている。ウェンシアが恋太郎の背中で震える静に質問する。
「それって何?」
『"スマホ"「です」』
静が答えた瞬間、猿みたいなモンスターが静のスマホを奪って森の奥へと逃げて行った。それに即反応した恋太郎が猿を追いかけて森の奥へと走って行く。
「世界一可愛い静ちゃんのスマホを返せぇぇぇ!」
「恋太郎!」
唐音も追いかけようとするがレナフィリアが止めた。
「さっきのモンスターはイビルモンキー!群れで旅人を襲いなんでも奪う危険度B級モンスターよ!」
「その危険度とかいきなりな設定過ぎるんだけど教えてくれない?」
唐音がレナフィリアに聞く。
「危険度はそのままモンスターの強さや凶悪さに比例するわ。E級からA級まであるわ。そして、最高クラスのS級はもう上級魔族に匹敵するわ。」
「どこにでも見る設定ですね。」
「それは言っちゃダメよ。」
羽香里の発言に真面目になるレナフィリア。ウェンシアは静に話しかけようとするも静はおどおどしている。そこに唐音が間に入り説明した。
「静はスマホで話したいのよ。」
「そうなのか?でもそのスマホという物がないと…」
「もしかしてこれ?」
レナフィリアが懐から取り出す。それは紛れもないスマホだった。
「なんであんたが持ってるのよ!?」
「お母さんがお父さんの物ってくれたのよ。」
「あんたのお父さん転生者なの!?」
唐音が突っ込む。レナフィリアが静にスマホを渡す。静はそのスマホでなんとか会話しようと試みた。
『"俺は闇黒天聖騎士ソードグラム!"』
「そのスマホに何が入ってるのよ!?」
スマホから聞こえた発言に唐音が突っ込んだ。そのスマホをレナフィリアが覗き込む。
「そうやって使うんだ。」
「あんたは知らないのね。」
「たまに使う人は見かけるけど私は使ったことはないから…」
「この異世界、スマホが普及しているんですか?」
羽香里が質問する。レナフィリアが「してるわよ。」とあっさり答える。ウェンシアは知らないのか「そうなのか…」と呟く。
「その…なんでスマホで話すのか聞いていいのかな?」
レナフィリアが羽香里と唐音に聞く。2人はニコニコするだけだった。すると、静が話してくれた。
『"私が""まだ"「本」"でしか"「話せなかった時です。」』
「う、うん。」
『「初めて」"恋太郎"「さん」「と出会った時」"衝撃を受け"「ました。」』
静は慣れない他人のスマホでなんとか話す。
『"恋太郎"「さん」「が」"普通に"「話す」「事が」「苦手な」"私"「のために」"スマホで"「会話」"できる"「ようにしてくれました。」』
「凄いわね恋太郎君。」
『「はい。」"恋太郎"「さん」「は」"私"「にとっての」"騎士"「です。」』
「お姫様を守る騎士って感じかな?カッコいいじゃん。」
レナフィリアが目をキラキラさせて聞く。すると、恋太郎が戻って来た。全身も服もボロボロで血も流れている。それを見た全員が慌てて駆け寄った。
「恋太郎君!?」
「大丈夫ですか!?」
「大丈夫だよ。ちゃんと静ちゃんのスマホは無事だよ。」
「そっちじゃない!」
恋太郎が静にスマホを返す。静は嬉しそうに受けとる。
「よく取り戻せたわね。」
「うん。いっぱいいたしでかいのもいたけどなんとか取り返せたよ。」
「え?」
レナフィリアは目を点にした。恋太郎に取り返した場所を案内させる。恋太郎が案内するとことには大量のイビルモンキーが山積みにされていた。その一番上には一回り大きくて角が生えているイビルモンキーが倒れている。
「あれ…グレートイビルモンキーよ。イビルモンキーの進化個体でA級モンスター。」
「その設定、インフレするか邪魔になるか忘れ去られる設定よね。」
レナフィリアが震える横で唐音が冷静にツッコミする。静は早速、スマホで思いを伝える。
『「ありがとうございます」"恋太郎"「さん。」"大好き"「です。」』
「うん。僕も大好きだよ。」
「大胆な告白…」
「カッコいい…」
レナフィリアとウェンシアが惚れる。再び旅に戻る恋太郎ファミリー。静がレナフィリアにスマホを返す。
『「ありがとうございました」"レナ"「さん。」』
「お礼なんていいわよ。」
『「また」"レナ"「さん」「の」「話を」"聞いても"「いいです」"か?"』
「もちろんよ。」
静にとって初めての異世界と初めての異世界での友達。静とレナフィリアはお互いの顔を見てニッコリ笑い恋太郎と共に旅を続けた。