血を必要としない吸血鬼、ダンジョンにて配信者と遭遇す 作:博壱
ドナレトによって包囲されたラドゥ、どう切り抜けるのだろうか*1
「ふむ、どれから潰そうか」
ラドゥは刀を構え、いつ襲いかかってきてもすぐに対応できる様に備えていた
するとドナレトは一斉にラドゥへと襲いかかってきた
「一斉にか! 面白い…全て捻り潰してやろう!」
ラドゥは攻撃が届く前に正面にいるドナレト1に近づき、首を刎ねた
残った二体のドナレトへ牙血衝を放つが、それぞれ左右に避けられる
{はっや}
{もう一体目仕留めたん!?}
{やっぱラドゥ規格外だな}
{良いぞー! その調子だー!}
「左右どちらから征くか…右から行こうか」
ラドゥは右へ避けたドナレト3へ飛んで向かう
その背後を左に避けたドナレト2が気配を消して追いかける
「どうした! さっきみたいに攻撃してこないのか?!」
ラドゥはドナレト3を追いかけるが、ドナレト3からは一向に攻撃してくる気配を感じずにいた
(何故逃げる? 魔物なのだから群れの一体がやられようとも襲いかかってくるはずだ…何が狙いだ? ……!)
とラドゥはドナレト3の狙いについて考えていると背後からの一瞬の殺気を感じ取る
「ぐっ! …左へ避けたドナレトか!」
回避が間に合わず、ドナレト2の翼の刃によって左腕を切り落とされてしまう
「……なるほどな、これが貴様等の狙いか」
先程逃走していたドナレト3もいつの間にか戻ってきており、次の攻撃に移るための構えをとっていた
{うわぁぁああ!!}
{嫌ァァアア!!!}
{マジか!}
{あ…あぁ…}
{マジかいな! ラドゥあん時全くと言っていいほど攻撃くらってなかったっちゅうのに!}
{!!!}
{わぉグッロ}
{↑モザイク処理されてるだろうが}
{ラドゥここに来て初の負傷か、しかも腕の切断ときたか}
{バケモンでも負傷するってわかったのはいいけど後どうするんだろ?}
{こーれはやっべぇな…}
(左腕を持ってかれたか…後で治せるとしてどうするかな……よし!)
ラドゥは切り落とされた自分の腕をドナレトの方へ向けて蹴り飛ばす
{はぁ!?}
{いやいやいや、何してんだ!!}
{自分の腕を何とも思わないのかよ…}
{切断されたとはいえ、自分の左腕だろ?? マジで何してんだこの吸血鬼}
ドナレト達は蹴り飛ばされてきたラドゥの左腕を避けずにドナレト2が口で咥えて食べ始めた
「食いついたな」
{えぇ…何しようとしてんだコイツ}
{
{遂にイカれたか?}
「我の左腕よ! 爆ぜよ!! “爆血”!!!」
ラドゥがそう唱えて指パッチンした瞬間、ドナレト2の胴体が内側から弾け飛んだ
{あぁなるほど、理解できん}
{自分の腕落とされたからってそれを攻撃に使うなんて誰が思いつくんだよ}
{ラドゥは思いついたから行動に移したんだろ}
{そもそもこれできるのコイツだけだろ}
{それはそうだが}
ドナレト2が弾け飛んだ様子を見てドナレト3は警戒する
「まぁそう警戒するな、もう既に貴様は我の血によって囲われている。さらばだ、
ラドゥはドナレト3の辺りに飛び散った自身の血を使って無数の血の棘を生み出し、ドナレト3の体を穴だらけにした
{結局はこうなるのか}
{やっぱラドゥの血って万能すぎじゃね?}
{攻撃面に関しては手数が多すぎて対処できないな}
{防御面も血の壁で全て防ぐしな}
{血の攻撃が無くても羽と刀があるからどっちにせよ対処できねぇよ}
「さて、とりあえず切断された左腕を戻すとしようか」
ラドゥは左腕の切断面に魔力を集め、再生を始める
左腕はまるで逆再生しているかのような感じで少しずつ元に戻っていった
最後に腕を回したり、手を握ったり開いたりして感覚を確認した後、刀を鞘にしまって魔法で服も戻して言った
「これで良いか、ではボスを探しに行こうか」
{もうめちゃくちゃだ…}
{腕治す時めっちゃ気持ち悪くなったわ}
{モザイク越しとはいえ耐え難いものがあるな}
{そしてさも平然とボス探しに行ってるし}
{誰かコイツを止めろ、せめて画面に映らないように治してくれって言ってきてくれ}
{無理だろこれは}
コメント欄はカオスとなっていた
が、ラドゥはそんなことを気にするそぶりもなく進んでいった
ラドゥが階層ボスの部屋を歩きながら探していると、突然ラドゥの背後から黄色い球体が飛んできてラドゥが刀でぶった斬る。
真っ二つになった黄色い球体はラドゥの背後で爆発した
「何だ、今の球体は? 背後で爆発した時に少し静電気のようなものを浴びたが…」
{なんだ!?}
{黄色い球体が後ろから飛んできたぞ!}
{それ雷のやつじゃね? ここ二十五階層だし}
{なるほど、サディノスの攻撃か}
「…サディノスとは何だ? 今我が斬った球体を放った本体の名か?」
{そうだよ!}
{サディノスは雷魔法を使う魔物で雷攻撃の他にツノに雷を纏わして斬撃を放ったりもしてくるめんどくさい奴}
{しかも雷に当たったら少しとはいえ麻痺したり痺れたりするから面倒くさい事には同意するわ}
サディノス
『黒』さんから借りた魔物でモデルはドラディア(龍と鹿のハーフ)、大きさ5m。雷魔法を使い、雷を纏ったり、普段は仕舞っているツノを剣のように形取り、斬術を扱う。
(あの球体は雷の球だったから爆発時に電気を浴びたのだな。少し離れた所であれなら直撃は避けた方が良さそうだ)
「要するに雷魔法には気をつけろという事だな?」
{そういう事}
{ドナレトみたいに油断するなよー}
{治るってわかってても見るのは嫌なんだからなー}
「善処しよう」
ラドゥは刀を構え、600mは離れている標的を見据える
(少し遠いな…飛んで行ったとしてもどのような攻撃が飛んてくるかわからぬ以上、危険だな。走るか)
ラドゥは一歩踏み込んだ瞬間、前方から三線の
「!!」
ラドゥは咄嗟に上へと飛び、回避する
「危ないな…これは長期戦になると面倒くさくなりそうだ」