血を必要としない吸血鬼、ダンジョンにて配信者と遭遇す 作:博壱
それからラドゥは道中で遭遇したミノタウロスやサディノス、ドナレトを
「ふむ…ダンジョンボスのいる部屋の前まで来れたのは良いが、相手がどんな奴なのかがわからぬ。視聴者よ我に教えてくれると助かる」
{えーと、各階異ダンジョンの最下層ボスだったっけ?}
{そうだな。そんでボスの名前はティファノレイグだな}
{ディファ*1の一番の厄介な所は攻撃の通りにくさなんだよなー}
{並の攻撃力じゃディファの体に傷一つすら付かねぇ}
{それに攻撃手段も厄介だよな!}
{爪や牙、尻尾による物理は当然。岩系統の魔法に地震動も使ってきやがる}
{ラドゥ様、頑張ってください!!}
ティファノレイグ
モデルはTレックスで、大きさ10m
モデルとなったTレックスの身体の全体に鎧の様な鱗を纏った魔物である
ある一定以下の攻撃を無効化し、岩系魔法や地ならし*2を使う。
他には爪の引っ掻きや牙の噛みつき、尻尾での薙ぎ払い攻撃がある
「視聴者諸君、情報感謝するぞ! では行こうか」
ラドゥはそう言ってダンジョンボスがいる部屋の扉を開き、中へと入っていった
【各階異ダンジョン:ダンジョンボス部屋】
ラドゥがボス部屋へ入ると、空間の真ん中でディファノレイグが眠っていた
「…アレは眠っている…のか?」
{わぁ珍し}
{貴重なディファのおとなしい場面だ}
{これなら不意打ちできそう}
「そうしようか」
ラドゥは音を立てずに慎重にディファへ近づき、刀の刃先を首に向ける
「ふっ! …な!?」
ラドゥは思いっきりディファの首へ刀を振り下ろしたが、想定以上に鱗が硬く、弾かれてしまった
そしてその結果、ディファノレイグが目を覚まして咆哮を上げた
『GAAAAA!!!』
「あの鱗…想定外の硬さをしているな」
ラドゥは一度ディファから距離を取り、様子を見る
ディファは魔法で生み出した岩石群をラドゥへ総射する
「いくらなんでもデカくないか!?」
ラドゥは飛んできた1つ直径4mぐらいの岩石群を避けながらそう言葉を溢す
「貴様が岩なら我は風だ!
ラドゥも竜巻をディファへ飛ばし、反撃する
ディファは岩壁を作り、盾にする。その後、ラドゥへ岩石群を軽く飛ばし自身の隠れ蓑にしながら接近する
「壁で防いだ挙句、岩石群まで飛ばしてくるか!」
ラドゥは岩石群を突きの連続で放ち、衝撃波で破壊していく。結果、砂埃が立ち、視界が悪くなる
「全て破壊せずに避けていればよかったな…」
とラドゥは迎え撃った事に若干の後悔をしていると背後から気配を消したディファが大きく口を開けてラドゥへ噛み付く
『GAAA!』
「ぐふっ」
(岩石群を囮に気配を消して我の背後へ回ったか!)
そのまま噛み切られ上半身と下半身が分離し、下半身を食べられてしまう
「さっさと再生して良い加減有効打を考えるか」
ラドゥは瞬時に肉体を再生して衣服を戻し、目眩しとして掌大の火球をディファの顔へ2,3発撃ち込む
『GA!?』
ディファは驚いて少し体勢を崩し、よろける。そして生まれた隙をラドゥが見逃す筈もなく…
「鱗がダメならその隙間を狙う!!」
ディファの胴体部分の鎧の様な鱗の隙間に刀を突き刺す
『GAAAAA!!!!』
ディファもただやられるだけにいかず、ラドゥの全ての羽の膜と右横腹を爪で裂く
「ぐっ…」
ラドゥもこれ以上の攻撃を受けるわけにはいかない為、刀を抜いてまたディファと距離を取る
(胴体や腕などの肉がある部分の再生はすぐにできるが、羽や膜は再生に少し時間がかかるな…何が来ても良い様に二枚だけ優先で再生させるか)
「それにしても四枚全て膜を切られるとはな…なかなかやるではないか」
{ラドゥが活き活きしてる}
{なんかまた楽しんでない?}
{てか鎧風とはいえ鱗の隙間に刀をブッ刺すとかできねぇよ、細かすぎて}
{てかドナレトの時の腕みたいにできないの?}
{そう言えばさっき下半身喰われてたな}
「あれは魔力を込めて行う技だ。咄嗟の事でな…魔力を込め忘れたのだ、なので爆血は使えん」
ラドゥがディファへの有効打を考えていると、ディファが片足を上げて地面へ思いっきり振り下ろした
すると、ボス部屋全体に振動が行き、地鳴らしが起こる
そしてディファを中心に地鳴らしの影響で地面に亀裂が入っていき、それがラドゥの足元まで伸びる
「!?」
ラドゥは再生させておいた上半分の羽を使って宙へと飛ぶ
「…流石ダンジョンボスだな。ここまでの威力をフィジカルで起こすとは…」
ラドゥが見下ろした先には地鳴らしによっては生まれた亀裂が広がり、所々地面が崩壊していた
「さっさと残りの羽も再生して攻めに行くとするかな…」
ラドゥはそのままディファの射程距離外へ飛びながら移動し、身体の全回復に勤しんでいた
「さて、羽は再生し終えた。有効打となる攻撃を一応の目処は付いた…殺るか!」
ラドゥはディファへ切りにかかるが気分が高揚していたか、ディファの尻尾の薙ぎ払いによって壁まで吹き飛ばされ、めり込んだ
「な…んだ、今の薙ぎ払いの…反応速度は…」
(気分が高揚していたのはアレだがそれでも油断はしていなかった筈だ…なのに何故我はこうして壁まで防御もできずに吹き飛ばされた?)
{ディファノレイグの尻尾振るの速度はっや}
{ディファノレイグさ、なんかおかしくねぇ?}
{確かにおかしいよな、あんな尻尾振る速度速くないよな}
{てかすっごい勢いでラドゥ吹っ飛んだんやけど!?}
(…そう言えば我が羽の膜を宙で再生していた時、ディファノレイグは我に攻撃してきたか? そもそも奴は動いていたのか? 何だ? この妙な違和感は…)
「…なぁ視聴者諸君。我が羽の膜を再生している間、奴は動いていたか?」
{そういえば動いてなかった様な?}
{仮に宙に飛んでても岩石群を飛ばしたりはできる筈…なのに何でなにもしなかったんだろ?}
{確かに変だな}
{んー、変異種? いやでも通常種だったよな}
「…もしかすると、変異種とはまた別のモノなのかもしれんな。少しディファノレイグの動きがあるまで待とうか」
ラドゥはめり込んだ場所から抜け出し、ディファを注意深く観察する
すると突如ディファノレイグの肉体に変化が起こった
鎧の様な鱗が体全体に広がって一体化し、全体的に尖っていく。顎と尻尾はより鋭く伸び、背中や両足の脛裏には
そうして大きさこそ変わらないが見た目が変わったディファノレイグはラドゥに向かって咆哮を上げる
『GAAAAaaa!!! …ぁ゛…あ゛…あ゛あ……あぁ、ぃい!』
「む? 今…少し言語を話さなかったか?」
『これはいいな! かんしゃするぞはねをはやしたヒトガタよ』
{?…?!}
{!?!?}
{はぁあ??!}
{喋ったぁあ!?!?}
「…何故急に言語を話すようになった」
『それはオマエのにくたいのはんぶんをクったからだ』
「なんだと!?」
『おかげでワタシはよりジョウイのソンザイへとしんかできた』
『おレイにキサマをコロしてクラってやろう!』
「断る! 我が貴様を狩るのだ!」
『ならトモにヤリあおうか!!』