UQ HOLDER!~影の魔法使いと闇の福音~ 作:さゃなほりなの
銭湯での一件を終え、翌日の朝。
「雪姫殿!今日から弟子としてよろしくお願いします!!」
「うむ、よかろう。いつでも相手をしてやるぞ」
刀太によって色々と吹っ切れて心機一転の九郎丸は標的であった雪姫を師匠へと認識を変えた。その姿に満足気な刀太と、先を進む虚影。
「んじゃ、行くか〜!てか、九郎丸!お前、目的無くなっちまったな!」
「き、君のせいだろ!」
「はは!それもそっか!じゃあさ、俺の夢に付き合えよ!そしたら目的も出来んじゃん」
「え、えーと、君の夢って…」
九郎丸の問いかけに刀太は先を行く虚影の肩をガシッとつかみ、引き寄せながら、
「俺達の夢は宇宙に行って一旗揚げる!」
「・・・具体的な内容もない奴と一緒にするな」
「うわぶっ!? そういうお前だって、なんも無いだろ!?」
「・・・黙れ」
虚影は肩に乗る刀太の腕を掴み、回転させる。グギャッと音を上げて回転は腕から体へと向かい、捻れるように引き剥がされそうになるが、ギリギリでその回転は腕だけに被害を留めることに済んだ。
「あっぶねぇ!? お前、俺が不死身になったからって軽々と殺そうとすんなよ!?」
「・・・知るか」
刀太の文句に聞く耳を持たずに、そのまま虚影は構わず先を進んでいく。その背に対して大きなため息をついたあと、
「全くあんにゃろうは…。 あ、てかひとつ疑問なんだけどよ、村出て5日で九郎丸と出会えたってことは他にも不死身の不老不死っていんのか?」
雪姫にそう問いを投げかける。不死身という存在がこの世に沢山いれば誰しもが知っていておかしくない事だが、刀太自身は聞いたことも見た事もなかったのだ。
「まぁ、いるだろうな。現にお前の近くに私と虚影がいた訳だしな」
「ふふん、じゃあよ! お前以外にももっともっと不死身の仲間を集めてくってのはどうだ?んで、そいつらでチームを作る。 要するに不死身
刀太は最高の案を思いついたっという表情で告げる。その目標に一瞬ポカンっとなった雪姫は額に手を当てるほどに笑った後、
「アハハハ…。あ〜さすがだな刀太。 不死身な力を世のために使おうと言い出す人間はそういない。現に
「・・・当たり前だろ。お前をさっさと殺してこの忌々しい
話を聞かずに歩いていた虚影の首根っこをつかみ上げてゆらゆらとゆらしながら告げる雪姫に、淡々と答える。
「とまぁ、そういうわけだ。
雪姫は虚影をポイッと放り、話を続けようとした瞬間、車の走る音が遮るように鳴り響く。その音は徐々に虚影達の元へと近づき、ものすごい勢いで急停車した。そしてバタンと扉が勢いよく開き、中から現れたのは、
「
金髪に八重歯が特徴的なスーツ姿の男性。佇まいや仕草から貴族に仕える執事のような印象を感じさせる。続けて、その車を追いかけるように何十台もの車が急停車し、ゾロゾロと黒いスーツを身につけた男達が姿を現す。
「おわっ!?」
「何者だ!?」
唐突な状況についていけない刀太と、突然現れた謎の男達に臨戦態勢をとる九郎丸。
「やめておけ、九郎丸」
「え?」
制止する雪姫の言葉に疑問を抱きつつも、得物からは手を離さずに未だ警戒を解かない九郎丸とただただ情けなく驚いている刀太。
「お迎えにあがりました!!雪姫の姐さん!!そして虚影のアニキ!!!!」
レッドカーペットを敷き、挟むように左右にズラっと並ぶ黒スーツの男達の出迎えの声が響き渡る。未だ呆然とする刀太と九郎丸を放って、虚影はそのレッドカーペットを歩きはじめる。
「思ったより早い出迎えだな」
「雪姫様の命であればいつ何時でもお迎えに上がります」
「え、えーと」
金髪八重歯のスーツ姿の男性と親しく話す雪姫とガラの悪い男たちが出迎えている光景を見て困惑する刀太に、
「刀太・・・かつてお前と同じことを言ったやつがいてな。そいつと私で作ったのがこの・・・」
レッドカーペットの上を進みながら、
「不死人一家 『UQホルダー』だ」
と告げた。