UQ HOLDER!~影の魔法使いと闇の福音~   作:さゃなほりなの

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第八話:刀太VS九郎丸

 

「うわっ!ほっ!?はっ!?」

 

「斬魔剣 弐之太刀!」

 

次々と繰り出される九郎丸の剣技を紙一重で躱し、時には刀身を弾く刀太。彼らの戦いは既に数分が経過していたが、どちらも致命傷には至っていない。というのも刀太にとって九郎丸との戦いは望んでいないものだ。だからこそ自分自身から手は出さず、攻撃を避け続けている。

 

「お前はどちらが勝つと思う?」

 

「そうだな。あの不死者狩りがいくつもの死線を潜り抜けてきたのかは知らないが、俺が見てきた神鳴流の使い手と比べると所々で荒さが目立つ。対して刀太は荒い部分は多いが戦闘技術の吸収率は不死者になったばかりとは思えないほどに高い。それに戦闘での勘も悪くない方だ」

 

「ふむ・・・、であれば勝つのは刀太の方か?」

 

「いや、それは断言できない。正直なところ、2人の力量は互角だ。この戦いの勝敗を決めるのはどちらか一方が相手の予想の外にいけるかどうかだろうな」

 

雪姫と虚影は二人の戦いを見届けながら戦況がどうなるかを話し合う。未だ戦況に変化は起きず、どちらが勝てるかは雪姫達にも分からない。その間も刀太と九郎丸の戦いは続き、

 

「勝った方が負けた方の言うことを聞くの忘れんなよ、クローマル!」

 

「・・・わかった。受け取れ、どのみち僕の望みはエヴァンジェリンと決闘のみ・・・」

 

気づけばそんな話になっていた。

 

「・・・バカなのか、あいつは」

 

「あいつは前からあぁだろ」

 

一応、命をかけた戦いだと言うのに気の抜けるような約束を交わす刀太に呆れたため息をつく雪姫となんてことの無い表情の虚影。

 

「へっ、よっしゃ!そーゆーことなら俺にも戦うら理由があるぜ!!」

 

刀太は九郎丸から受け取った小太刀を投擲すると同時に距離を詰める。唐突な武器捨て行為に一瞬、同時に距離を詰めていた九郎丸の視線が宙を舞う小太刀に向けられる。その時間は2秒ほどだろう。然し、それが命取り。

 

「!!?」

 

その隙に体勢を下げた刀太の足裏が顔面に直撃する。更に続けざまの拳の連打が九郎丸を襲う。

 

「刀じゃ勝てねえ!距離を詰める、このまま押し切れ!」

 

執拗に顔面を狙い意識を刈り取ろうとする刀太。然し、不意をつかれたとはいえ、伊達にも不死者狩り【退魔の一族】ではある。直ぐに刀太の攻撃にも慣れ、対処する。襲いかかる拳を掴むと共に手首をへし折り、顎に肘鉄を一発お見舞し、みぞおちに強烈な蹴りを放つ。そして刀での一閃。

 

「く・・・な・・・んの!」

 

斬られた痛みに堪え、顎に一撃を返す刀太。そこからはお互いに一発かませばまた一発と。殴り殴られの攻防戦が行われる。

 

「ほぉ・・・面白くなってきたな」

 

「--まだ終わってなかったのか」

 

「ん?虚影(きょうか)、お前どこに行っ・・・その大量のガラクタはなんだ?」

 

いつの間にかどこかに行っていたらしい虚影に雪姫は尋ねる。そんな彼の背後には大量のボロ車が影によって運ばれていた。

 

「・・・動かせる車がないか探していた」

 

「どう見ても使えそうな物は見当たらないが?」

 

「・・・知らないのか? 大抵の車は適当にいじれば動くらしい」

 

虚影は大量のボロ車を地に下ろし、影の霊兵を複数生みだし、動く車がないかを確認するよう指示しておく。

 

「--戦況はどんな感じだ?」

 

「あぁ、見てればわかる。ちょうど勝敗が決まる」

 

雪姫がそういうタイミングで、刀太と九郎丸の戦いに変化が訪れる。拳と刃が入り乱れる中、一瞬の隙を九郎丸の刃が刀太の首を斬り飛ばす。勝敗は決した。誰もがそう思った--。

 

しかし--

 

「お・・・」

 

「・・・ふむ」

 

雪姫と虚影、そして九郎丸の予想を超える事を刀太はしてのけた。ガシッと宙を舞っていた自身の頭を片手で掴み、切断面にくっつけると共に、

 

「残念だったな、俺の勝ちだ」

 

驚く九郎丸の鳩尾に拳を叩き込んだ。ズンっという音と共に地面がえぐれ、完全に勝敗が決まった。

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