ツーターン・スリーターン   作:ジェレミー

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大阪杯(4歳以上・GⅠ)


枠番馬番馬名性齢脚質予想印騎手前走短評
11ライトニングバレル牡6逃げ――――渋谷蓮小倉大賞①単騎濃厚
2ノーブルエッジ牡6差し――――長野大夢京都金杯④内差警戒
23マラズギルト⑮牡5逃先――――西垣成明有馬記念⑮暴走注意
4テクニカルシフト牡5差し―△――桐島大地3勝クラス①格試挑戦
35クラウンレゾナンス牡5先行△―○△近藤正文京都記念③前残好材
6サラノサイクロン牡7追込――――早川晶一AJCC③老獪一発
47ジュライロンド牡4差し◎▲△△ハリル・ルードルフ小倉大賞③急襲する
8グレイスアコード牡5先行――――田沼康広中山記念②外圧役目
59ミュージカルレース牡5追込――△▲中村優次中山金杯①末脚警戒
10ダークレイヤー牡6差し――――杉谷和智京都記念④距離微妙
611アークフェイズ牡4差し▲△―△伊丹友樹小倉大賞②順当挑戦
12サージェントライン牡5差し――――嶋田良一中京記念②展開待ち
713リッチセレクション牡5差し△○▲○中村春貴有馬記念⑤堅実差し
14シビアレコード牡4差し△△△△進藤誠紅有馬記念②調整段階
815リヴェッティ牡5先行○◎◎◎柳裕則有馬記念⑥連覇濃厚
16コントラバース牡5先差――――波田和仁白富士S①相手強い


想定オッズ(人気順)
1 リヴェッティ     2.9
2 リッチセレクション  3.8
3 シビアレコード    5.2
4 ミュージカルレース  8.5
5 グレイスアコード   13.2
6 ジュライロンド    16.8
7 クラウンレゾナンス  22.5
8 アークフェイズ    26.4
9 サラノサイクロン   34.8
10 ライトニングバレル  48.0
11 テクニカルシフト   44.2
12 ダークレイヤー    58.6
13 コントラバース    72.3
14 ノーブルエッジ    92.0
15 サージェントライン  108.5
16 マラズギルト     162.0



復活者たちの反撃

 

 例によって谷間のGⅠ大阪杯。

 上位人気3頭が有馬記念からの直行となり、リヴェッティは連覇を狙って十分な仕上げを施してきてはいるが、シビアレコードは堂々と「ひと叩き」宣言をしており、リッチセレクションも鉄砲仕上げとは言いづらい状態であった。

 大阪杯の傾向としてはBコース替わり初週で先行勢が強く、前走もGⅠ、GⅡからの参戦馬が中心となる。

 前走GⅠ、GⅡで着外だったような馬でも、GⅢで1着を取って臨む馬と比べて好成績を残しているというのが見て取れる。

 

 そんな中で、リヴェッティ、リッチセレクション、シビアレコードに次ぐ4番人気に推されているのが、ジャスティンミラノ産駒のミュージカルレースだ。

 ジェルディサヴォア、アンベストネヴァーらが賑わせたクラシックレースでも存在感を示していた一頭だが、昨年の宝塚記念で大敗し、収得賞金も尽きたことで条件を下げてリステッドクラスから立て直しを図った。

 もともと自力はある馬なので、秋先からリステッドクラスに挑戦するととんとん拍子に連勝を重ね、余勢を駆って中山金杯まで勝利したのである。

 

 そして昨年の東京優駿2着馬で、骨折も完治し秋のジャパンカップから再始動したジュライロンドと、同じく共同通信杯2着の後故障でクラシックを棒に振ったアークフェイズなども小倉大賞典で接戦を演じ、復活をアピールしてGⅠに乗り込んできた。

 

 シビアレコードはパドックでもなんとなくイマイチ感が残っている。

 いつもの蹄鉄を叩きつける癖も出さず、ただダラダラと周回をしているようだった。

 その理由は明白で、今回、中村厩務員がこちらに来ていないからだ。

 進藤がシビアレコードに乗るために阪神に来ている以上、来週の桜花賞に出走するリンガスマイセッサから離れることができなかったのだ。

 今シビアレコードを引いているのはJRAの係員で、井野調教師は来ているものの、谷地オーナーは馬主席から降りてきていなかった。

 つまり、非常に心細かったのである。

 それでも周回が止められ、井野と進藤が近づいてきたときには嬉しそうに首をそちらに伸ばしていた。

 

〈阪神競馬場では、満開の桜が2週連続のGⅠ開催を祝福します。春の中距離王決定戦、第82回大阪杯。16頭の本場馬入場です。

 

軽快に逃げる快速馬、桜の香りを身に纏い、ライトニングバレルと渋谷蓮。

 

鋭い切れ味は内外どちらからでも、ノーブルエッジ。鞍上は長野大夢。

 

ペースを作り、波乱を呼ぶのはこの馬か。マラズギルトと西垣成明。

 

久々のGⅠ出走。同期の連覇を阻む復活を見せるか。テクニカルシフト、桐島大地。

 

名手を背に、王冠の響きを高らかに。クラウンレゾナンス、近藤正文の手綱です。

 

受け継がれる伝統の冠名。41年ぶりのGⅠ制覇へ。サラノサイクロンと早川晶一。

 

怪我は完治、調整順調。ダービー2着の末脚光るか。ジュライロンドとハリル・ルードルフ。

 

自分のペースでどこまでも。相手にとって不足なし。グレイスアコード、田沼康弘。

 

苦しんだ昨年。花開いた正月。桜をバックに勝利の旋律を。ミュージカルレース、中村優次。

 

急坂の強さは証明済み。中山巧者が初の阪神。ダークレイヤーと杉谷和智。

 

いざ復活の時。クラシックに出られなかった悔しさを。アークフェイズ、伊丹友樹の騎乗です。

 

あと一歩、わずかに届かなかった重賞制覇。その悲願をGⅠで叶えるか。サージェントライン、嶋田良一。

 

馬も騎手も崩れない、この安定感まさに人馬一体。リッチセレクションと中村春貴。

 

桜の花は若手にこそ似合う。4歳シビアレコードには、2年目進藤誠紅が騎乗します。

 

年度代表馬が連覇をかけて。中距離王者リヴェッティ。鞍上柳裕則です。

 

条件戦から連戦連勝。5歳になっていよいよ勝負の年へ。コントラバース、波田和仁。

 

以上、16頭の紹介でした。>

 

 競馬場の管理人たちが手を尽くして桜の開花を遅らせた甲斐あって、阪神競馬場の桜は満開だ。

 このままいけば来週まで十分にもつだろう。

 残念ながら今日の風向きは西寄りで、スタートとゴール地点では向かい風になるため、満開の桜の香りはすべて外に流れてしまっている。

 それでも人間の1000倍と言われている馬の嗅覚は桜の香りをしっかりキャッチしていた。

 シビアレコードは香りの元を探そうと首を上げて3コーナーの方をチラチラと見ており、このレースは2回目となるリヴェッティやリッチセレクションは僅かな香りを楽しんでいるようだ。

 

 桜の香りと反対方向から風に乗ってやってくるのはスタンドにいるファンの熱気である。

 昨年から下積みを積んで調子よく勝ち上がってきたようなジュライロンドやミュージカルレースなどは、熱気に乗せられてもう一段気合が入った様子であった。

 

 ファンファーレが鳴り、ゲート入りが始まると、スタンド前の発走ということでスタンドの声が小さくなる。

 ただしそれは気を落ち着かせたわけではなく、爆発する前のガスを溜め込んでいるようなもので、「雰囲気」をよく感じ取る馬にとってはむしろ受ける圧は強くなっていく。

 

 ジリジリとした高揚感がスタンドから迫ってくる中、一番スタンドから遠い最内1番枠からライトニングバレルが好スタートを決める。

 すぐ近くに先行争いをする相手のマラズギルトがいるため、渋谷騎手はとにかくスタートに集中していた。

 先にハナを取られたマラズギルトは無理には追わず、有馬記念同様、逃げるライトニングバレルの後ろを押さえた。

 

 昨年は出遅れて後方からの競馬となったリヴェッティは今年は好スタート。

 前目につけて、先行集団がばらけていく隙間を縫ってインコースに落ち着く。

 逆にシビアレコードは出たなりで馬群の外を回す。

 シビアレコードにとって2000mはまだ短いので、外を回して距離を稼いでも問題はないだろう。

 

 全体的にスムーズな展開となって、後方のリッチセレクションも一旦内に控えることができた。

 中村春貴騎手は、シビアレコードやリヴェッティより後ろの弟が跨るミュージカルレースの方を警戒しているようである。

 最初の1000mは59秒6。

 ライトニングバレルが軽快に逃げていく。

 Bコース替わり初週ということで、そろそろ動かないと危ないのではないかと、スタンドのファンから焦れた雰囲気が漏れ始めた。

 

 その雰囲気を感じ取ってジュライロンドが行きたがるのと、ルードルフが促したのはまさに同じタイミングであった。

 3コーナーに入ると外に動いて前を確保しつつもまだ仕掛けるほどではないと、ジュライロンドの行く気を宥めるのではなく、弓を絞るように押しとどめている。

 その動きでまさかの不利を被ったのがシビアレコード。

 終始大外を回してあとは適当にゴーサインを出すだけだったのだが、外に動いたジュライロンドに一瞬前をカットされてしまい、進藤が手綱を引いた。

 

 一方でインコースから王道の先行抜け出しを図っているリヴェッティも、クラウンレゾナンスにピッタリと馬体を合わせ、インコースのルートをしっかり確保している。

 

 ライトニングバレルのリードが無くなり、マラズギルトは失速。

 馬群が固まって直線を向くと、阪神は庭とばかりにリヴェッティが持ったままでグレイスアコードを交わし先頭に立つ。

 必死に抵抗するグレイスアコードと共に、一瞬抜け出した形で直線に入っていく。

 その外目から、ギリギリと絞られた弓から解き放たれたジュライロンドが一完歩ずつ差を縮めていくのを、カメラがしっかり捉えた。

 スタンドの声援が一層大きくなる。

 一瞬仕掛けが遅れたシビアレコードは、先に動いたリッチセレクションをターゲットに、4角を回ってすぐ2連打のムチが入った。

 

 ジュライロンドがいよいよ先頭に立とうかとするとき、柳が右ムチをくれた。

 勝負の合図とともに、リヴェッティを少し外目に誘導したのだ。

 まだ食い下がるグレイスアコードに馬体がぴったり合うと、サトノダイヤモンド血統特有の闘争心と、その血統の弱点を克服しきったリヴェッティの坂の強さが同時に真価を発揮する。

 坂で一瞬止まったジュライロンドの外からリッチセレクションも加わり、4頭横一線も、完全に挟まれる形となったジュライロンドが怯んでしまう。

 

 大勢は決した。

 坂で止まらないリヴェッティのアドバンテージは凄まじい。

 テレビで見ていたファンは、突然リヴェッティが加速して突き放したように見えただろう。

 実際は他の馬が止まっている中で速度を落とさず駆け抜けただけなのだが、坂を登ってもう一度リッチセレクションとグレイスアコード、外から急襲するシビアレコードが差を詰めたとき、柳はすでにムチをくるりと回して片づけていた。

 

〈一番星を掴み、春の主役に名乗りを。第82回大阪杯、スタートしました。

きれいに揃ったスタートとなりました。

まずは先行争い、内から好スタートのライトニングバレル、逃げ宣言一気に先頭を奪います。

マラズギルトは今日も控えて2番手。

その後ろはクラウンレゾナンスを交わしてグレイスアコード。

そして連覇を狙うリヴェッティ、好位につけました。

 

そしてこの後ろ、青い帽子、7番ジュライロンド。

少し空いてシビアレコードと並んでいるリッチセレクション。

ミュージカルレースは最後方を進んでいます。

 

各馬が1コーナーに入っていく。

ライトニングバレルが逃げて1馬身のリード。2番手は3番のマラズギルト。

グレイスアコードとクラウンレゾナンスが並んで3番手4番手。

リヴェッティはその後ろ、インコースに入って、前を捌けるか柳裕則。

 

16番コントラバース、外には7番ジュライロンド。

それを見るように14番シビアレコードが付けました。

11番アークフェイズ、10番のダークレイヤー。

 

各馬が向こう正面に出てまいります。

4番テクニカルシフトの外に、13番リッチセレクションです。

後方にかけては2番ノーブルエッジ、インコースから6番サラノサイクロン。

そしてミュージカルレースが最後方、こんな隊形です。

 

1000m通過は59秒6で行きました。

さあ勝負どころの3コーナー。

ライトニングバレルまだ先頭ですが、内からリヴェッティが差を詰めてくる。

外からジュライロンド、前を伺って。

インコースからはグレイスアコード。外からリッチセレクションで3,4コーナーの中間。

ライトニングバレルリードが無くなってきた。

リヴェッティ、そしてグレイスアコード。

シビアレコードは大外に持ち出して、4コーナーカーブから直線。

 

すでに先頭リヴェッティ、食い下がるグレイスアコード2頭が抜け出した。

3番手ジュライロンド、外からリッチセレクション。後方からはミュージカルレース。

リヴェッティ追って先頭、引き離しにかかる。グレイスアコード2番手。外からジュライロンドムチが飛んで、リッチセレクション懸命に足を伸ばしてくる。

シビアレコード、これは届かないか。

残り200、坂を登って、リヴェッティ先頭。リヴェッティ先頭。頑張っているグレイスアコード。

叩いて叩いてジュライロンド。一気にリッチセレクション脚を伸ばして2番手争い大接戦。

 

しかし完勝だ!年度代表馬の貫禄!リヴェッティ連覇達成ー!

 

得意の舞台では負けられない!

 

勝ち時計1分58秒7、ゴールまでの600mは34秒9、800mは46秒6でした>

 

 

【全スポ】2038年4月4日16:11

~【大阪杯】リヴェッティ連覇!坂で突き放す完勝 リッチセレクション2着~

 

阪神11R・第82回大阪杯(GⅠ、芝2000メートル)が行われ、柳裕則騎乗のリヴェッティ(牡5)が1分58秒7で優勝。昨年に続く連覇を達成し、中距離王者の座を改めて示した。

 

レースはライトニングバレルがハナを奪い、1000メートル通過59秒6の平均ペース。好位のインに構えたリヴェッティは3~4コーナーでロスなく進出し、直線入口でグレイスアコードを交わして先頭に立つと、阪神の急坂でも脚色は衰えず。そのまま後続を突き放し、危なげなく押し切った。

 

2着には後方から差を詰めたリッチセレクションが入り、3着は先行して粘ったグレイスアコード。さらに外から追い込んだシビアレコードが4着まで迫った。

 

昨年のダービー2着馬ジュライロンドは早め進出から見せ場を作るも5着、重賞連勝で臨んだミュージカルレースは最後方から追い込むも届かず6着に敗れた。

 

勝ったリヴェッティはこれでGⅠ・4勝目。得意の阪神内回りで改めて強さを見せつけた。

 

 

【京浜スポーツ】

~大阪杯レース後騎手コメント リヴェッティが連覇! 柳裕則「ここは普通にやれば」~

 

リヴェッティ1着・柳裕則騎手「スタートを決められた時点でこの馬の競馬ができるなと。去年は少し後ろからになってしまったので、今年はとにかくいい位置を取りたかったんです。内にこだわって、無理に動かずに前が空くのを待つ形でしたけど、手応えはずっと良かったですし焦ることはなかったですね。直線に向いてからも、追い出しを我慢できるくらい余裕がありました。坂に入ってからも全然止まる感じがなかったので、あとはどれだけ後ろを離せるかだけでした。もともと阪神は合っていると思っていましたし、こういう形になれば負けない馬です。連覇という形になりましたけど、特別なことをしたわけではなくて、この馬の力を普通に出せた結果だと思います」

 

リッチセレクション2着・中村春貴騎手「馬は頑張っていました。勝ち馬が強かったです」

 

グレイスアコード3着・田沼康弘騎手「展開は向いていました。あとは力の差です」

 

シビアレコード4着・進藤誠紅騎手「一瞬前を塞がれたのが痛かった。でもどっちにしろ厳しかったと思います」

 

ジュライロンド5着・ルードルフ騎手「勝ちに行った競馬。動いた分だけ最後甘くなった」

 

ミュージカルレース6着・中村優次騎手「展開が向かなかった。脚は見せていました」

 

 





次回は5/9(土)

普段ラジオNIKKEI風の実況をやっているので、
今回は本場馬入場も込み込みでフジテレビ(カンテレ)風でやってみました。

本場馬入場の口上考えるの難しい。


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