ツーターン・スリーターン   作:ジェレミー

86 / 88
秋華賞(3歳・牝馬 GⅠ)


11パルトチェレステ牝3逃げ―△○―戸木ローズS①平坦なら
2カデンツァノワール牝3先行――――早川レインボーS④上位と差
23ノーブルエクリュ牝3逃げ――――長澤三面川特別①芝渋れば
4フルールバロネス牝3先行○▲▲○近藤ローズS④盛り返す
35ルナティックノート牝3先行――――守道クイーンS⑩折合えば
6エトワールリーヴル牝3差し―△――十和田紫苑S②垢抜けた
47ノエラニ牝3先行◎◎◎○桐島ローズS①一躍主役
8ディアナセレーネ牝3差し――――大城クイーンS⑦決め打つ
59ラウレアトリーチェ牝3先行△―△△波田紫苑S①祭の香り
10サミットジェダイト牝3追込▲○△◎長野オークス②夏休満喫
611クラルテブランシュ牝3先行△―――大迫西海賞①早抜出す
12フィオラディーチェ牝3先行――――小川関屋記念⑧距離長い
713ヴェルデクォーツ牝3差し―△――杉谷佐渡S②叩いて粘
14アルモニアカレラ牝3先行―――△中村春紫苑S③ど根性娘
15エヴァネッセンス牝3逃げ――――野上納屋橋S③快速逃る
816アルテローザ牝3先行△――△ルードルフクイーンS④夏に負ず
17ミストラルコート牝3差し――――渋谷紫苑S⑥まだ足ぬ
18オッカインパクト牝3追込――△▲中村優ローズS③叩き良化




大河の底の大きな玉石

 アンベストネヴァーの史上初となる凱旋門賞3連覇という偉業によって、すでにファン層の裾野が広がっている日本競馬界において新たな競馬ブームが始まるかと言えば、そうでもなかった。

 ネックになったのはアンベストネヴァーの血統だ。

 ステイゴールド血統はライト層からの人気が最も大きい血統と言っても過言ではないが、だとしても、ライト層にステイフーリッシュの名前を知っている者はほとんどいなかったのである。

 

 逆に気品の高さを窺わせるリンガスマイセッサは女性ファンからの人気も高く、秋華賞を観に行く為に早いうちから年休を取ってホテルや飛行機を押さえていたファンは、リンガスマイセッサの秋華賞回避に魂が抜けたような状態が2,3日続いた。

 それでもせっかく予定を組んだのだから秋華賞は観に行くという声も残っており、出走馬の顔ぶれとは関係のないところで集客が見込まれそうな一日となった。

 

 今年の秋先は台風も来ず、芝コースは散水が必要なほど硬い高速馬場になっている。

 今週はレコードを更新したレースはないが、それでも、2歳戦ながら古馬の準オープンクラスに匹敵するような決着が続いていた。

 

 秋華賞の出走馬にとってもここまで硬い馬場は久しぶりであり、昨年の秋先にレース経験が無かった馬に至っては恐らく初めての経験で、馬場に出るとやや脚下を気にする馬もいた。

 

 

<季節は夏から秋へ。春の実績か、夏の勢いか。

突如として勃発した、群雄割拠の大乱戦。

第43回秋華賞、本馬場入場です。

 

―絶好の最内枠。ハナを叩くか、控えるのか。

パルトチェレステ、戸木慎太郎。

 

―古馬を相手に培ったしぶとさを武器に。

カデンツァノワール、早川晶一。

 

―夏は牝馬。その格言通り目下2連勝中。

ノーブルエクリュと長澤奏多。

 

―初の京都で気分一新。最後の1冠を必ずこの手に。

フルールバロネス、近藤正文。

 

―2か月ぶりの出走。重賞の経験を活かせるか。

ルナティックノートと守道晋。

 

―春の不調からもう一度立て直し、距離延長も何のその。

エトワールリーヴルと十和田伊織。

 

―夏過ぎて、改めて魅せた破壊力。人事を尽くして天命を待つ。

1番人気ノエラニと桐島大地。

 

―オークスでは距離に泣いたか、2000mのこの舞台なら。

ディアナセレーネ、大城佳史。

 

―じっくり使われ重賞制覇。クレバーな競馬と立ち回り。

ラウレアトリーチェと波田和仁。

 

―豪脚一閃モノが違う。2歳女王が再び頂へ。

サミットジェダイト、長野大夢。

 

―抜け出してから突き放す。スピードを兼ね備えた先行馬。

クラルテブランシュと大迫春寿。

 

―初めての中距離戦。距離が延びてもそのスピードで押し切るか。

フィオラディーチェと小川綾乃。

 

―着実に伸びる長い末脚。淀の坂を味方につける。

ヴェルデクォーツ、杉谷和智。

 

―前進前進、また前進。接戦で光る強心臓。

アルモニアカレラと中村春貴。

 

―テンの速さで一気に切り込む。ここは堂々逃げ宣言。

エヴァネッセンスと野上守。

 

―薔薇のメンコは一族の誇り。秋の京都でもう一度咲こう。

アルテローザとハリル・ルードルフ。

 

―待ちに待ったGⅠの舞台。成長見せて新しいステージへ。

ミストラルコート、渋谷蓮。

 

―大外枠でもチャンスあり。一瞬の切れを見逃すな。

オッカインパクト、中村優次。

 

以上、出走馬18頭の紹介でした。発走までお待ちください>

 

 

 単勝人気で言えばノエラニがやや抜けた1番人気。

 ただし三連軸視されているのは2歳女王のサミットジェダイト。

 事情はあったとはいえ、現在唯一リンガスマイセッサに土を付けた馬である。

 残念ながらかつてこの勝負服で一世を風靡した華麗なる一族の血脈ではない。

 それどころか牝馬にありがちなムラっ気も少なく、多少不器用さはあれど騎手との折り合いも良い追込タイプとなれば、おおよそイットー一族とは真逆のタイプであった。

 

 ローズSからは200mの延長。

 たかが200m、されど200m。

 紫苑S組がいるとはいえ、今年の秋華賞は2000mの経験が薄い馬が揃ってしまったのも予想の難しさに拍車をかけている。

 僅かな兆候すら見逃すまいと、本馬場入場までじっくり観察する馬券師も多く、投票締切が迫る中最後の買い足しで発券機の列が途絶えなかった。

 

 先述したように、秋華賞でリンガスマイセッサを一目見るために年休を取り、新幹線やホテルの予約を済ませていたライトな女性ファンも多く、スタンドの最前列、立ち見エリアは群衆で埋め尽くされた。

 

 ゲート入りはスムーズ。

 スタンド前の発走ということで、例によって観客は声を止め、息を潜める。

 普段ならその静寂もパンパンに膨らんだ風船のように、爆発寸前というプレッシャーを馬に与えることになるのだが、ライト層の女性ファンが立ち見エリアに多かったこともあり、ギャンブルに狂っていない彼女達は緩衝帯となっていた。

 

 揃ったスタートの中、やはり外からエヴァネッセンスが一気に切り込み先手を奪う。

 京都競馬場の2000m内回りはゲートから1コーナーまでが近く、コーナーまで競っておけば内枠の馬がハナを押さえやすいコースなのだが、パルトチェレステやノーブルエクリュは無理に抵抗せず番手に控えた。

 人気勢ではノエラニやエトワールリーヴルが比較的前目のポジションを取り、普段最後方を進むことが多いオッカインパクトも14番手ぐらいに上がっている。

 

 一方、いつも番手から先行しているフルールバロネスは中団の外側に落ち着き、最後方になったサミットジェダイトはハイペース気味の流れと判断した長野騎手の手綱にしっかり折り合っている。

「スローペースだったので下げました」

とは彼の父の名言ではあるが、長野大夢騎手は比較的正統派な競馬をする名手だ。

 

 エヴァネッセンスの単騎逃げ状態になったが、それ以外にも逃げ先行、そして後方勢と戦法が程よくバラけていることもあって、隊列は縦長になり最初の1000m通過は57.4秒のハイペース。

 1000m地点を過ぎると上りが終わり、約200mの平坦区間の後下りに転じる。

 そのタイミングで先行勢は一旦息を入れようとしたが、エヴァネッセンスと、追随するパルトチェレステ、ノーブルエクリュはややブレーキが遅れた。

 減速をしようとしたタイミングで下りに入ってしまったのだ。

 こうなるともはや後の祭りで、あとは勢いに任せて逃げ切るしか手はない。

 

 ノエラニやエトワールリーヴルはセオリー通り息を入れることができたが、4番手を走っていたクラルテブランシュも坂の下りで止まることができず、外から先行勢をマクって、4コーナーでエヴァネッセンスに競りかかる格好となった。

 後方の人気勢は外目に進路を取って追込態勢に入る。

 先に動いたのはオッカインパクトで、馬群の外を回りながら、脚を溜めるフルールバロネスを交わして先に先行集団に取りついた。

 

 馬群が詰まりながらも、あまりゴチャつくことなく横にばらけていく。

 サミットジェダイトは最後の末脚に賭けるべく前が開くコースを選び、先行勢総崩れと見たアルテローザに跨るルードルフは無理をせず内から2頭目をキープ。

 沈んでくるエヴァネッセンスをスンナリ追い抜き、直線を待った。

 

 最後の直線。

 先に一瞬だけ抜き出たのはクラルテブランシュだったが、息が入っておらずすぐに脚が鈍る。

 替わって意気揚々と先頭に立つかと思われたノエラニも最後のギアが入らず、直線に入って早々に桐島のムチが飛び、先行勢の中で進出してきたのはエトワールリーヴルとラウレアトリーチェだけであった。

 

 伸びを欠く先行勢とエンジンがかかった後方勢が、残り200m手前で一斉に入れ替わるような状況。

 こうなるとターフビジョンの映像を見ても、肉眼で横からレースを見ても誰がどこにいるのか見分けるのも難しい大混戦となる。

 

 そんな中で観客は一様にフルールバロネスを探していた。

 順調なら既に先頭に立っていてもおかしくはないのだが、その逆で、4コーナーでオッカインパクトに交わされた瞬間糸が切れたように失速。

 既に近藤は追ってすらおらず、先行勢と共に馬群に沈んでいたのである。

 

 そのオッカインパクト。

 今まで直線一気の戦法だったが常に一歩足りず、陣営はオークスの時から少し前目で戦う姿勢を見せていた。

 しかしそのオークスではリンガスマイセッサにピッタリ外に付かれたことで動くタイミングを逃してしまっていたのだ。

 今日もやや前目からレースを進め、直線入口で既にノエラニを追い抜いた。

 

 そして内回りの短い直線などお構いなく、誰にも邪魔されない大外からサミットジェダイトが次々と前の馬を呑み込み始める。

 先行勢総崩れを読み切ったルードルフは、アルテローザを内ラチから3頭目あたりのコースに突っ込ませた。

 脚が上がりかけているパルトチェレステとアルモニアカレラの間に割り込み、抵抗なく抜け出しを図った――。

 

 

<3歳牝馬、同世代で争う最後のレース。

明日からは先輩古馬たちとの戦いに身を投じることとなります。

最後は18番オッカインパクトが今ゲートに誘導を受けます。

 

いざ、群雄割拠、最後の一冠へ。

第43回秋華賞、スタートが切られました!

18頭揃ってのスタート。

さあ先頭争い、外から行った。エヴァネッセンス、逃げ宣言。野上守が行きました。

 

いいスタートを切ったノエラニも前の方に行って、エトワールリーヴルも同じような位置取り。

そして、フルールバロネスは中団の外目に控えた。近藤正文抑えました。

例によって後方から進むオッカインパクト、そしてサミットジェダイト、最後方でしょうか。

 

各馬が1コーナーに入っていきます。

先頭は15番エヴァネッセンス。1馬身から2馬身のリードで(ハナ)を主張。

2番手は1番パルトチェレステ、並んで3番ノーブルエクリュ。

その後ろ1馬身半空いて、4番手は11番クラルテブランシュ。半馬身後ろに7番のノエラニです。

 

6番のエトワールリーヴル、並んで外9番ラウレアトリーチェ。

その後ろも少し間が空いて12番フィオラディーチェ小川綾乃。2番のカデンツァノワール、外に14番アルモニアカレラ。

向こう正面へ。

 

1馬身離れて5番のルナティックノート、その外に4番フルールバロネス、この位置です。

それを見るように16番アルテローザ。

2馬身差外に18番オッカインパクト。並んでインコース8番ディアナセレーネ、13番ヴェルデクォーツ。

後方2頭、インコース17番ミストラルコート、わずかに最後方2歳女王10番サミットジェダイト。

最初の1000mは57秒7で行きました。飛ばしていますエヴァネッセンス野上守。

 

まもなく各馬が3コーナーに入っていくところ。

エヴァネッセンス先頭でリードは3馬身。外から早めに11番クラルテブランシュが先頭との差を詰めてきました。

インコースじっくり構えている1番パルトチェレステ。3~4コーナー中間点。

外からジリジリと動いていくノエラニ。桐島の手が動いた。

エトワールリーヴルはまだ動かない、馬群のインコース。

 

オッカインパクト、外目フルールバロネス手ごたえどうか近藤のムチが飛んでいる。

アルテローザ、ハリル・ルードルフ。

そして進出を開始10番サミットジェダイト、この位置から届くのかどうか400の標識を通過。

 

4コーナーから直線コースに入ります。

先頭11番クラルテブランシュ、馬場の真ん中7番ノエラニ。

外は9番ラウレアトリーチェ、18番オッカインパクト。

フルールバロネスはまだ馬群の中だ。

そして外から飛んできた10番サミットジェダイト、200を切った。

 

先頭18番オッカインパクト。頑張るエトワールリーヴル、間を割ってアルテローザ。

外から一気にサミットジェダイトが追い込んできた。

サミットジェダイト、アルテローザこれは3番手までか。

前2頭の争い。オッカか、サミットか。

オッカだ!オッカだ!オッカインパクトだ!

 

ついにGⅠを掴み獲りました!

62年間の想いを結んだ、長い長い栄光の架橋!

 

勝ち時計は1分56秒8。

そして2着はサミットジェダイト。

こちらも長い歴史がある伝統の勝負服。長野大夢、最後はものすごい脚での急襲でしたが、あと一歩及ばず。

3着は薔薇一族の誇りと意地、アルテローザ。

 

新たな女王の座に就いたのは中村優次騎手を背に、オッカインパクト。

1977年以来62年間、受け継がれてきたこの勝負服、そして冠名。

春のチューリップ賞では2010年以来となるJRA重賞制覇となりましたが、秋の最後の1冠、国際GⅠの称号を、初めて手にすることとなりました>

 

 

【全報スポーツ】2038年10月17日 16時20分

~(秋華賞) オッカインパクト抜け出しV! サミットジェダイトの追撃凌ぐ~

 

単勝5番人気のオッカインパクト(牝3)が中団後方から早めに抜け出すと、2歳女王サミットジェダイトの急襲を凌いで優勝。勝ち時計は1分56秒8。

首差の2着は2番人気サミットジェダイト。3着は6番人気アルテローザ。

 

単勝(18) 1260円

馬連(10)(18) 2840円

馬単(18)(10) 6370円

3連複(10)(16)(18) 11260円

3連単(18)(10)(16) 68490円

____

 

【京浜スポーツ】2038/10/17 17:35

~(秋華賞結果&コメント)中村優オッカインパクトが最後の1冠掴む「歴史の重みを感じた」~

 

オッカインパクト1着・中村優騎手「やっと勝てました。強い馬ですね。春からもどかしいレースが続いていて、いろいろとアプローチを変えたりしていたんですが、ローズSの頃からいい方向に変わってきた感じがしていました。目に見えて成長していますね。コーナーでもスムーズに動けるようになったので少し前目から勝負に出ることができました。ずっと外を回していましたが、距離のロスも少なく運べましたし、前に壁を作らなくても折り合ってくれました。最後にサミットジェダイトに詰められた時はまた負けかと思いましたが、よく頑張ってくれました。この勝負服で勝てたのは嬉しいです。歴史の重みを感じますね」

 

サミットジェダイト2着・長野騎手「また届きませんでした。悔しいです。最後はすごいスピードだったんですけど、またチャンスはあるはずです。次、頑張ります」

 

アルテローザ3着・ルードルフ騎手「スムーズに抜け出せた。狙い通りインコースが空いたから、無理に外に出すよりいい結果になったと思う。ただ前の2頭も似たようなポジションからの競馬だったから止まらなかった。展開のアヤだね」

 

エトワールリーヴル4着・十和田騎手「力むことなく坂をクリアできましたけど、ペースが速かった分最後苦しくなりました。距離に不安がある中でも粘っていましたし、中距離でも十分やれますね。最後に坂があった方が良さが出るかもしれません」

 

ラウレアトリーチェ5着・波田騎手「ペースが速く、脚を溜めにくい難しい展開でしたが掲示板を確保できたのはよかったです。競馬を覚えてきたらGⅠの舞台でも戦えるはずです」

 

ノエラニ6着・桐島騎手「レース前からテンションが高くて、終始行きたがってました。力みもあったと思います」

 

クラルテブランシュ7着・大迫騎手「息を入れるタイミングが遅れて、下り坂でブレーキがかからなかった。行くしかない状況になってしまいました。申し訳ないです」

 

アルモニアカレラ8着・中村春騎手「常に周りの馬が入れ替わるようなゴチャゴチャした展開で、自分のリズムで走るのが難しかったです。馬はよく頑張っています」

____

 

【京浜スポーツ】2038/10/17 19:34

〜秋華賞・ノエラニ伸びず6着 厩舎関係者「前走がピークだったかも」〜

 

 前走ローズSでは力強い伸び脚を見せて他馬を圧倒し、単勝3,8倍の1番人気に推されたノエラニは持ち前の爆発力を発揮できず6着に終わった。

 

 好スタートを決めると無理なく先頭集団を見る位置につける。

 直線入口では馬場の真ん中から一瞬は伸びる気配を見せるも、先に抜け出したエトワールリーヴルに逆に突き放される格好となった。

 

 桐島騎手は「パドックからテンションが高かった。馬場に出てもなかなか落ち着かず、折り合いを欠きました。常に力んで走っていた分スタミナ切れも早かったです」と振り返った。

 

 厩舎関係者によると前走のローズSの勝利が悪影響を及ぼした可能性があるという。

「もともとここ(秋華賞)に出るには賞金が足りない状況でしたが、無理せず仕上げた上で秋華賞に出られなければ自己条件に戻す予定でした。ですがリンガスマイセッサが秋華賞回避という情報が入り、何としても優先出走権を取りに行く方針に急きょ切り替えた。狙い通りローズSは勝てたが、そこでピークを迎えてしまったのかもしれない」と語った。

 この敗戦により、予定していた秋古馬GⅠ挑戦は一旦白紙とする方向。

____

 

 ノエラニの調整失敗は仕方がなかったと言えよう。

 最大目標の秋華賞は狙い通りとはいかなかったが、それでも、今後のことを考えたら早いうちにGⅡ勝利によって賞金を加算できたのは大きい。

 エトワールリーヴルも十和田伊織騎手との息が合ってきており、さらに距離を伸ばしてエリザベス女王杯への連戦を表明した。

 

 一方で主戦の近藤騎手も管理する北山調教師も首をかしげているのがフルールバロネスの凡走だ。

 追い切りのタイムも上々で、パドックでイレ込んでいる様子も見受けられなかったというのに。

 

 実はフルールバロネスはすでに壊れていたのだ。

 プレッシャーやマークを外すために中団外に位置した陣営の判断は正しかった。

 

 原因は春のオークス。

 悠々と抜け出しかけたところ、スタートから常にフルールバロネスを狙っていたリンガスマイセッサに約半ハロンにわたって半馬身後ろに張り付かれ、じわじわとプレッシャーをかけられた。

 いよいよ限界を迎えた坂の上りで一気に交わされると、次いで、リンガスマイセッサには届かないと悟った他の16頭の標的が2番手に残されたフルールバロネスに一斉に切り替わる。

 その恐怖が夏を過ぎてもトラウマとして残っていたのだ。

 

 ローズSでは最後の坂を前にして、府中の坂で味わわされた恐怖がフラッシュバックし足が竦み、今回もオッカインパクトに被せられた瞬間にレースをやめてしまっている。

 牝馬が陥りやすいメンタルの崩壊だ。

 時間が解決してくれる場合もあるが、とりあえずは一旦、完全放牧に出すことになった。




ここはカンテレ風本馬場入場と実況でお送りしました。

最終着順
18 オッカインパクト 1:56.8
10 サミットジェダイト(クビ)
16 アルテローザ   (1 1/4)
6 エトワールリーヴル(1/2)
9 ラウレアトリーチェ(1)
7 ノエラニ     (3/4)
11 クラルテブランシュ(クビ)
14 アルモニアカレラ (1/2)
1 パルトチェレステ (1 1/4)
8 ディアナセレーネ (1/2)
5 ルナティックノート(1)
4 フルールバロネス (3)
13 ヴェルデクォーツ (1 1/4)
17 ミストラルコート (1/2)
12 フィオラディーチェ(2)
2 カデンツァノワール(1 1/2)
3 ノーブルエクリュ (3)
15 エヴァネッセンス (5)

(余談)
オッカインパクト、初登場はリンガスマイセッサが出走したファンタジーS。
名前からしてディープ直系ですが、当初イメージした距離適性的には桜花賞で退場する予定でした。
いわゆる脇役馬なので、ストーリー外の戦績作成はAIと相談しながら一通り出走馬全頭揃えるのですが、
cGPTが「チューリップ賞・1着」にしちゃったんですね。
調整しようにも他の馬と戦績を比較するとここに置くしかなかったので、そのままオークスまで出走、好走しました。

オークスを終え、リンガスが海外送りになったタイミングで秋華賞勝ち馬をオッカインパクトにしよう、と決めました。
それまではそのままリンガス三冠か、サミットジェダイトが復権か、あるいは女性騎手を乗せたエトワールリーヴルでも面白いかと思いましたが、
現実のオークスで今村騎手が勝ったのでリーヴル案は一旦ボツ。

あとはサミットかオッカかの攻防となって、京都競馬はギリギリブラックタイド系よりディープ系の方が成績がいいので、強みを活かしたオッカインパクトへ軍配を揚げました。

同時に投稿した秋華賞番外編ではデータからの予想記事は書いていませんが、
騎手実名化、冠名正常化での出馬表と実況パートを掲載しています。
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