桐藤ナギサは、頭を抱えていた。
まさかストーカーと間違われるとは…ですがさすがにあのやり方は大胆すぎて間違われても仕方ないですね。これからどうやって彼を調査しましょうか…。
桐藤ナギサは昨日見た光景を思い出しながらそう考える。ヘイローのない少年が不良から自分を助けたあの光景を…。
超能力、私たちでは計り知れないものでしょう。私も何が起こったか瞬時に理解できなかった。気づいたときには不良たちが吹き飛んでいた。
あの方が超スピードで動いたとかとてつもない超人とかではないということは確かです。
故にあの方のことがとても気になります。本当にトリニティに害のない存在なのか、あの方の力は何なのか。
超能力という概念があの方にあると分かった以上その力がどういうものなのか。…こういうオカルト的分野は私の専門外。古書館に行けば何か資料があるのでしょうか…。
「さっきから頭を抱えてどうしたんだいナギサ?」
「あ、いえ少し考え事を…」
「もしかして、この前助けてくれたこの事考えてたの?ナギちゃんにも春が来ちゃったのかな?」
「冷やかさないでください。」
確かにあの時は少し、ほんの少しだけドキッとしましたがあれはあくまで不慮に襲われたことによる吊り橋効果となって恋心に感じただけでしょう。
という言い訳を心のなかで並べるナギサ。実際ナギサもこの気持ちが何なのかはまだはっきり分かっていない。それ故にこの気持ちの制御は効かなくなっていくのは未来の話…
「そんな話はさておき私は少し調べ物をしに行きます。」
「ナギサが?珍しいね。」
「何調べるの?」
「最近少々オカルトに興味が出まして。」
「オカルト?」
「大丈夫ナギちゃん?変なツボとか買わされたの?」
「違います!ただ気になることができただけです。」
「気になること?」
「はい、超能力について。」
そのことを話すと途端に空気が重くなる
。
「超能力…もしかして助けてくれた子て上信のこと?」
「…!えぇ、それがどうかしましたか?」
「もしかして見せてもらったの?」
「何をですか?
」
「超能力。」
「み、見せてもらったというよりかは見たのほうが正しいかもしれません。」
「ふーん。そっか、ごめんね急に威圧して。」
「い、いえ…。」
なんですかあのミカさん…いつもの雰囲気ではなくあのまるで獲物を横取りしようとした動物を狩るような目は…。とにかくあまりこの話題はミカさんの前でするのはやめましょう。
「とにかく私はそろそろ行かせてもらいます。」
「分かった。行っておいで。」
「何かわかったらおしえてね☆」
「分かったらですけどね。」
ナギサはそう言って図書館に向かった。
図書館、古書館とともに図書委員会に管理されている場所の一つ。図書館では静かにする、遊ばない、元の場所に戻すは基本のルールである。このルールを守らなかった場合どうなるかは分からない。そんなナギサは記憶を頼りに前読んだ本を探す。
いつか忘れましたが確か興味本位で読んだ本に…
「あ、ありました。」
ナギサは一つの本を取る
。
「確か…この辺に超能力について…」
ナギサはページをペラペラと捲りながら探す。そしてそのページにたどり着き本の内容を見る。その本の名はオカルト初級本。中身をペラペラとめくり読むがその内容はどれも薄っぺらいものばかり。
…なんですかこの本。何かしら情報があると思いましたが当てにならなさそうですね。こんなことならまだ古書のほうが信憑性があります。
ナギサは本を棚に戻し古書館の方に歩き出す。古書館、トリニティに存在しているあらゆる古書を、保管修復を行っている。しかし半分私物化されているので安易に立ち寄れない。
その後もナギサは幾つかの古書を読んだ。
超能力について現代の本のように仮定で書いてあるわけではなく昔に起こった不可思議なことがごまかすことなく書かれている。不審火、ポルターガイスト、神隠し。このどれもが科学的に解明されているものもあるがその中には未だに解明されていないものもある。
ナギサは自分が見た光景を元にそれに近い現象を探していく。幽霊、悪魔そんな空想上のものまで徹底的に見る。しかし見たのがいきなり不良が吹っ飛ぶ光景だけ、他にどんな事ができるのか分からない。
「…だめですねこれでは。あまりにも情報が足りていません。」
となれば直接聞き出すしかないのでしょうか?まず直接聞いて教えてもらえるでしょうか?ミカさんに超能力と言ってお茶を濁すところを見ると知られたくないと隠しているようにも見えます。
と考えていると。
ガン!
何かが落ちてきて頭にぶつかる。
「痛っ!ツ〜!なんですかもう!」
ナギサは痛む頭をさすりながら落ちてきたものを見る。
「…?なんでしょうこの本?」
その本は年季が入っており、修復されたであろう痕跡は残っているが所々掠れている。本の題名は楽園(エデン)
「エデン…。」
ナギサはその本に引き込まれる。光に集まるコバエのようにナギサは自然にその本を読んだ。本を開き中の内容に目を通す。
楽園、そこにたどり着くには橋渡しをする者がいる。楽園にたどり着くのに必要なのは事象を超越する力である。その力を手にするためには強き精神がいる。その力はまだ見ぬ未知の力から送られた贈り物(ギフト)。力は人を選び運命に引っ張られる。然るべき時然るべき場所にて案内人は現れる。案内人に導かれるのは強い精神を持つものである。案内人に従い儀式を完遂すれば楽園(エデン)に導かれん。
…この未知の力。送られたギフトと言うものが彼の中にあるのでしょうか。強い精神と運命…。なんでしょうか、この本の内容は確証がないはずなのになぜかこの本の内容はすべて正しいと思ってしまう。まるでこれから起こることのような言葉では表せない何かを感じます…しかしありえませんねさすがにこんな内容のものが彼にあるとは思い難い。確かに彼には不思議な力があります。しかし事象を超越する力なんてものがあったらキヴォトスが滅びてしまいます。
ナギサは抜けている部分を探し本を棚に戻す。
無駄足に終わってしまいました…。仕方ありません、無駄だと思いますが直接聞くとしましょう。
……
私は安城上信を、呼び出して待っている
コンコン
来たようですね。
「どうぞ」
「失礼します。」
扉を開けて上信が入室してくる。
「貴重な時間をいただきありがとうございます。」
「いえ、特に何もすることなかったのでお気になさらず。」
…これまで色々なことを見てきたからわかりますがこれは作っている笑顔ですね。あの時の口調とは違い話し方も柔らかい。こちらを警戒してるのでしょう。
「今日来てもらったのは貴方に質問がしたいからです。」
「僕に質問ですか、答えられる範囲なら。まぁ、ただの生徒の僕に答えられることなんて少ないですが」
「私が聞きたいのは貴方の超能力についてです。」
「超能力?はてなんのことやら…。」
「以前私の知り合いから聞きまして、ミカという生徒をご存知でしょう?」
「えぇ、知り合いですね。」
「その方が以前貴方に見せてもらったと話していたのです。」
「あんなのちょっとしたマジックですよ。超能力て言っといたほうが夢あるでしょ?」
…ここまで隠そうとしますか…。なら仕方ありませんね。
「以前路地裏で一人の生徒が不良に襲われました。」
「はぁ。」
「その生徒はある男子生徒に助けられたそうです。しかもその男子生徒は不良を不思議な力で倒したそうです。まさに超能力で。うちの学校では男子生徒は貴方一人。貴方ですよね?」
私は少しづつ詰めていく。逃げ道をなくし確証を得るために
「トリニティの生徒とは限らない。ゲヘナ、ミレニアム、いろんな学校に大勢の生徒がいる。たまたまトリニティに来てて助けたのかもしれない。それに男子とも限らないでしょう。ボーイッシュな生徒もいる。」
「確かにそうですね。なら…」
ナギサは下から帽子とサングラスを出して身につける。
「この姿に見覚えは?」
ガタッ!
その瞬間上信は同様したように後ろに下がる。
「も、もしかしてお前あの時の…」
「ええ、あの時は」
「はぁ…何が目的だ?」
「その言葉は肯定と受け取っていいのですか?」
「構わない。何でこんなことを知りたいんだ?」
上信の口調は砕けたものになるが姿勢を崩さないところを見ると所作はちゃんとしているようだ。
「私は次期ティーパーティーのトップ。つまりトリニティの生徒会長の部分にあたる存在となります。トリニティに害をなす存在なのかどうか判断せねばなりません。」
「俺の能力を危惧してると。」
「はい、とりあえずは現状確認。超能力と言うものが存在するかの確認。ここまではできると考えていました。次の質問です。貴方の超能力とは何ですか?」
「答えなかったら?」
「貴方は今後平凡な学園生活は送れないかも知れません。」
「俺を脅すのか?」
「これは交渉です。貴方を縛り付ける権限は私にはありません。しかし、貴方をマークすることはできます。貴方がいつどこで何かトリニティでその力を悪用した場合もしくは使った場合即時捕縛危険対象として留置します。」
「…それは嫌だな。せっかくここまで普通に学園生活送れるように努力してきたのに…」
「…それは嫌だな。せっかくここまで普通に学園生活送れるように努力してきたのに…。このままじゃ趣味も」ブツブツ
上信はブツブツと言葉を並べる。
「どうします?」
「分かった言うよ。俺の力それはスタンドと呼ばれる精神エネルギーの力だ。」
「スタンド?」
「そう、スタンドはスタンド使いにしか見えない。スタンドはそれぞれ固有の力を持ってる。姿形も違う。オレの場合は人形だからな。例えばほら。」
そう言うとティーポットが浮かび上がる。
「これが超能力…」
「超能力というよりかは俺が指示して操って…あ?んだと!やんのか!」
といきなり立ち上がり何かにつかみかかる上信
「何をしているのですか?」
「俺のスタンドちょっと生意気でよ。うるせぇな!テメェは一旦黙ってろ!」
というとティーポットが机の上に置かれる。
「という感じだ。スタンドは一般人には見えないから物を持ったり殴ったりするといきなりものが浮いたり弾かれたように見えるんだ。」
「それで貴方のスタンドの固有の能力とは?」
「体を変幻自在に変えられる。と言っても個体から気体になるだけだけど。あ、他にもこんな事ができる。」
すると懐から一匹の人形を取り出す。
「何ですかそれ?」
「ペロロ様。」
「カバの人形ですか?」
「どっからどう見ても鳥だろ。かわいいだろ?」
「かわ…え?…。」
「なんだよその微妙な表情…まあいい。」
そう言って人形を机の上に置く。
「トランスゴースト入ってくれ。」
「トランスゴースト?」
すると人形が少し動き始める。
「な、なんですか!?」
人形はゆっくり立ち上がりナギサの方向を向く
「よぉ!お嬢さん。俺はコイツのスタンド名前をトランスゴーストて言うんだ。よろしくな!」
と人形がいきなり挨拶してくる。
「に、人形が…」
「こんな感じに液体になって無機物に取り付くと一般人にも声が聞こえるようになるんだ。たいてい何にでも入れるが大きすぎると無理だな。」
「なぁなぁ、お嬢さんうちのボスに気があるのかい?」
「え!?」
「お前は何聞いてんだいきなり!すまん!俺のスタンドが!」
「いえ…その…確かにあの時は…」
「え?おーい。」
ナギサはなぜか顔を真っ赤にしてブツブツと呟いてる。
「異性にこんな感情を持ったことは今まで…やはり…」
「お、ボス脈ありなんじゃないですかい?」
「黙っとけ。」
それからどした
「すみません取り乱してしまって。」
「いやこっちこそすまん…」
トランスゴーストはもとに戻した。
「とりあえず貴方の力が常軌を逸しているわけではないことが分かりました。今回はすみません脅すような真似を。」
「あ、いやいい。俺もいずれミカには伝えようと思ってた。頭のおかしいやつと思われるのがイヤだっただけだ。」
「そんなことで?」
「不思議な力が使えるとか言ったら頭がオカシイ奴って思われるかもしれないだろ?そんなふうに思われたら学園生活がしづらくなる。だから黙ってたんだ。あとこういうのが好きなやつらに絡まれるのも嫌だから黙ってる。無闇矢鱈に言いふらさないように超能力てぼやかしてミカに伝えたんだ。曖昧なら信じるやつも少ないだろ?」
「確かに…明確でなければ信じられません。」
「なのに結構本気にしてたまに見せてって言ってくるし、最近はなんか雰囲気も怖いし…。」
「あ、あはは」
それわからなくもないです。
「とにかく今日はありがとうございました。貴方は安全と判断できて良かったです。」
「じゃあ、俺はそろそろ。」
「ありがとうございました。」
そう言って上信が、でていった静かな部屋で冷めた紅茶を一口すする。
…あの時はあの人のスタンドに言われたあの言葉…
「なぁなぁ、お嬢さんうちのボスに気があるのかい?」
…なぜでしょうあの言葉が頭から離れない。抱いたことないこれが原因なのでしょうか?分かりません。ただ…
トクン…トクン…
彼と同じ空間にいるだけで…彼のことを考えるとなぜか胸の高鳴りが止まりません…。これが恋というものなのでしょうか?分かりません…ただ危険な人物かもしれないと警戒してるのか、それとも彼のことが気になっているのか…。…この気持ちの真意に来づけるときが私に来るでしょうか?
とナギサはまた冷えているはずの紅茶を飲み頬を赤らめた。
to be continue
見てくれてありがとうございます。自分で読み返していてなんだこの話はと何度か思いましたがこれ以上の物を自分は作れないので投稿しました。不定期更新ですが見守ってくれるとありがたいです。感想や評価もできればお願いします。ちなみにこの話の中でトランスゴーストが上信に言った言葉を書いておきます。
「ボスボス。」
「ボス何カッコつけちゃてるですか操ってるだなんてwww。」
「やれるもんならやってみてくださいよ!返り討ちにしてやりますよ!」
…
「生意気ってなんすか!こんなにボスに尽くしてるのに!もしかして浮気でもしてるんすか!」