掃除が終わり全員着替えて中に戻った。
「さて、明日から、本格的にテストに向けて勉強する。予定としては起床後、朝食を取り準備をして教室に集合。俺と先生が教科分けをして1限事に教える。そして1日の最後に毎回、実践式の模擬試験を用意する。合格ラインは前回のテストと同じ60点、今日やった授業から出題する。」
「すみません。」
「なんだヒフミ?」
「その模擬試験は上信さんと先生が作るんですか?」
「そうだな、半分ずつつくるつもりだ。」
「模擬試験のレベルはどれほどのものなのでしょうか?」
「内容は過去の復習+応用とその日習った範囲だな。」
"私が予想問題をいくつか作る予定だよ"
「ま、そういうことだ。さて、今日は掃除も色々あって疲れただろ。しっかり寝て明日に備えておけ。じゃ、俺はそろそろ。」
"うん、上信くんもお疲れ様"
そう言って上信は部屋から出ていく。
"じゃあ私もそろそろ行くね"
「お疲れ様でした。」
先生は四人に挨拶して部屋に戻る。
"…"
コンコンコン
先生が部屋で作業していると部屋に誰か来る。
"どうぞ"
「失礼します。」
ドアを開けて入ってきたのは上信くんだった。
"どうしたの?何かあった?"
「いや、その先生。貴方俺に何か隠してませんか?」
唐突な質問に先生は首を傾げる。
"何のこと?"
「この補習授業部のことですよ。貴方この部活について違う何かを知っていますよね?俺の知らない何かを。」
ずんずんと、先制に詰め寄る
"何でそう思うのかな?"
そう聞かれて指を一本立てて話し始める。
「まず一つ 一人の成績が問題なはずなのに全員連帯責任のテスト。おかしいと思いませんか?何で一人でも点数が足りなければ不合格なのか。次に二つ、使われていないここに移されたこと…合宿ならば別にちゃんとした設備でやればいい、留年の危機だからってこんな不遇な措置を受けなくてもいいんじゃあないかってな。」
先生は長い沈黙を見せたあとにやがてポツリとつぶやく
"…上信くんは鋭いね"
「やっぱり…何かあるんですね?」
"…。ごめんね上信くん。別に隠してたわけじゃないんだ"
そして重苦しそうに顔を下に向ける。
"うん、この部活はね…。"
先生は少し息を呑んで言う。
"退学させるためにあるんだよ。"
その言葉を聞いて周りの時間が止まったような気がする、やがて口が自然と動く
「は?どういうことですか?」
"ナギサがね…"
その後先生はすべてを話してくれた。補習授業部のこと、ナギサの心情、そしてトリニティの裏切り者のこと。
「何考えてるんだよあいつは…!」
"落ち着いて上信くん、きっとナギサにも何か考えがあるんだよ"
「だとしても退学させるための部活!?希望を与えといて救いはない…そんなのがあっていいわけがないだろ!」
クソッ!結局…結局お前も…!
"上信くん…君がどういう人物なのか私はまだ知らない。だけどこれは言える、ナギサを信じてあげて。確かに、このことに関しては裏で何かがあるのは私でも分かる。けどだからといってナギサを嫌いにならないであげて"
「ツッ…。」
…俺はいつまであの時のことを引きずってんだ。
頭を抱えて深くうなだれてから一息吐く
「…すみません…少し血が昇りました…」
ゆっくりと落ち着いて頭のなかで考える。…そうだ…ナギサにも守るものがある…汚い保身じゃない。ティーパーティーとしての責任を背負ってるんだ。
"上信くんの気持ちもわかるよ。けど今は信じてあげよう?"
「…分かりました。……今は抑えます…ですが…抑えきれるか分かりません…」
握りこぶしからは血が滲み、先生はそれを見て目を伏せる
"その時は…一人で抱え込まず私は言って。何かしら手伝いになれるはずだから"
ゆっくり頷く
「先生、少し頭を冷やしたいので…外に出てます。」
"うん、気をつけて"
先制に背中を向けて夜風に当たる、目を瞑り色々と思考を巡らせる、裏切り者、補習授業部、ナギサ。どれだけ考えても答えが出ない。
すると、背後からトランスゴーストが現れる
「辛そうですね、ボス」
「まぁな…。お前はどう思う?」
「俺ですか?そうですねぇ…」
空中でふわふわ浮かび頭を悩ませている
「深く考えないほうがいいと思いますよ?」
「は?」
そのひと言の疑問が口からこぼれる。
「どれだけ深く考えても疑心暗鬼になるだけ、信じるなら今は考えずに心に残す程度で十分だと思いますよ?」
………深く考えて…疑心暗鬼を生むくらいなら最初から気にしない方がいい…か…。
冷たい夜風が頬をくすぐり登っていた血も自然と冷えていく。
「…そうか…そうだな…確かにな…」
もう一度目を閉じて、ゆっくりと目を開ける
「サンキュー。いろいろ整理がついた。何も知らないのに考えても無駄だよな。」
その言葉を聞いてトランスゴーストはニヤリとする。
「そうですよ、それでこそボスです。」
「よし、戻るぞ独り言聞かれたらあの4人に怪しまれるからか」
「へーい。」
そのまま、整理がつき、先ほどよりもスッキリした顔で戻って行こうとしたとき。
ふと動く影が見えてその方向を見ると白髪の少女…名前は確か…白州アズサ…こんな夜中にいったい何を……
…やめよう、今は戻って寝ることが先だ。プライベートを詮索するの恥ずべきことだ…今は…な…。
今度こそ、宿舎のなかに戻っていった。
翌日
全員がひとつの教室に集まる。
"私と上信くんで教えていくから、分からなかったら聞いてね。"
「遠慮も強がりもせず聞けよ。」
「ふん!あんた達の力がなくても私はすぐに満点を取ってやるんだから!」
そう言うとコハルは顔を赤くしてそっぽを向き強がる
一番心配なのはお前なんだがな…。アズサは…未知数…ヒフミは問題ないだろう。ハナコは……あいつは………今はそっとしておこう。
授業は先生、俺で交代交代に教えた。先生は仕事が残っておりすべての授業を先生一人ですると先生の仕事の時間がなくなるからだ。アズサは呑み込みが早い。頭が悪いと言うよりかは、テストのときに知らないところがあると解けないだけで、解き方さえ分かっていれば応用も簡単にとけてしまう努力型、ヒフミは既存の知識から派生させるタイプとみた。問題は…
「~!!全然分かんない!なにこれ!」
はぁ…と小さいため息をついて近寄る。
「何がダメなんだ?」
俺が近づくとコハルは瞬時に猫目になり、威嚇するように叫ぶ
「い、今のは違うから!その…ただ普段なら分かることが分からなくてイライラしてるだけだから!」
「それはそれで大問題だろ。ほら、教えてやる」
隣で懇切丁寧に教えてやる。こいつは無理を言ってでも教えないと学ばない…。…だが…気持ちも分からなくはないかもしれない…。
一瞬だけ暗い顔が現れるがそれに気付かれたかは分からない。
「分かったか?」
「べ、別に!分かってたけどね!解けそうな時にあんたが来ただけよ!」
はいはいと適当に流しながら授業は続く。
ある程度授業は終わり一息ついて四人を見る。
「さて…ここまでで分からないことはあるか?」
そう聞くと、一人が手を上げる。それは、ハナコだった。
「上信くんは、気になっている人とかいないんですか~♡」
その発言を聞いてヒフミは目を丸くし、アズサは頭の上に?を浮かべ、コハルは顔を真っ赤にして羽がパタパタと動いている。
そして俺は顔に手を当てて深いため息をつく。
「ハナコ……関係ないことをあまり聞くな。」
「そ、そうよ!エッチなのは駄目!死刑!」
「勉強の息抜きですよ♡」
息をのみ顔に影がかかる。思い口が少しだけ開き
「………いない」
小さくそれだけ呟く。
周りはその雰囲気になにかを察したのか、それともただ喋り出せないのかは分からなかったが、一瞬だけハナコの目がなにかを見抜いているようにも見えた。
「そうですか。」
それは淡白な返事だがなにかを察したようにも聞こえる。まただ、あの…何かを見据えまるで腹のそこを見据えてくるような目…こいつは…浦和ハナコは…今…何を考えて動いて…
疑念がよぎる頭をリセットして、今するべきことに意識を切り替え、手を叩き注目を集める。
「さ、模擬テストの時間だ。もうすぐ先生が持ってきてくれるから。」
ガチャっとドアが開く音がする。
「噂をすればなんとやらだな。」
"あれ?みんななにか話してたの?"
その場の雰囲気に先生が気付く。
「いえ、ちょっとした恋ばなですよ♡」
ハナコがそう言うと先生が状況を理解する。
"なるほどね、私もその場にいたかったよ。さて、模擬テストの時間だよ!"
持っていた紙の束を配る
「時間は60分、合格点は同様に60点以上だ。」
"それじゃあ…始め!"
その言葉と共に一斉にペンを動かす。
それぞれ反応は違う。ヒフミは所々怪訝そうな顔はするがすぐに気付きを得ている。アズサは表情から読み取れないがペンは進んでいる。逆にコハルは表情から丸分かりだな、ハナコは……言うまでもない。
カチカチと時計の秒針が進む音だけが。静かにしなければならない…ならないのだが…
『なぁ、ボス、最近構ってくれなくて寂しいぜ、無視するなよ。なぁなぁ』
…目の前でプカプカするなよ…
最近は忙しいことが重なりよく人と話す機会ができた。昔は部屋でこいつと話すのが日常だったが今はそんな暇はない。手を払いながら、追い払おうとするがだる絡みしてきて余計うざい。俺はいつになったら承太郎さんみたいに操れるようになるんだ。
ヒフミが集中しているとふと動く影が見え見てみると、上信がなにかを追い払おうと手を振っている。
(何してるんだろう?)
その顔は苛立っているがヒフミにTGは見えないし、いることも知らないので頭の上に?が出てしまうが、すぐに集中し直す。
その後追い払うことを諦め、小声で呟く。
(後で付き合ってやるから我慢しろ。)
TGは不満げな顔を示すとふわりと消えていった。そして気付いた頃には60分は過ぎていた。
"そこまで!答案を回収するね。上信くん、採点手伝って"
「分かりました。」
短く返事をして隣に座り赤ペンをもって採点を始めた。
ペンを動かしていくとしだいに力がはいりだし、ビキビキと赤ペンが悲鳴を上げ始めている。先生はそれに気付き、上信の怒りのオーラを感じとり、汗が垂れている。やがて丸付けが終わり、答案を返す。
「なんだぁ?この点数は...」
ヒフミ 78点 合格
アズサ 53点 不合格
コハル 29点 不合格
ハナコ 4点 不合格
明らかな怒りから普段から強がってるコハルも怖気づき冷汗が垂れる、その横では明らかに自分よりやばいのに涼しい顔をしているハナコがいる。
「コハル、分かったって、言ったよな?なんだこの点数?」
「う、うるさいわね!今日はたまたま調子悪かっただけよ!!」
「悪かったどころの話じゃないだろ…」
頭を抱える。
男嫌いにはみえない。なにかプライドが邪魔してるんだろう、本当にめんどくさいこれだから…
その考えが出てきそうになってすぐに振り払う
だめだ、俺も変わらないといけないそのはずだ、そのためにじいさんは俺をここにつれてきたんだ…
一度深呼吸してから前を見る。
「わからないをそのままにするな。一人じゃできないことも、複数人いればできることもある」
その言葉を聞くと、コハルは少し口を開きまた閉じて、ちいさく「わかってるわよ」とつぶやいた。
「さて今日はいったん終わりだ、おのおの自由に過ごせ」
そう言って先生とともに教室を後にする。
”上信くんは大人だね”
先生からのその言葉を聞きうつむく。
「俺はまだまだガキですよいつでも冷静で頼りになるって噂の先生と比べればね」
その顔はどこか遠くを見ていた
この世界線だと、ヒフミが過去問をもってきませんね。まぁ、ぶっちゃけ小説初心者のぼくが書いてるし、創作の自由ですよね。あと、テストの点数は過去問ではないし、上信が隣で教えるので原作とは違います。寮生は寮になじめませんでした。あとモンスト楽しすぎ