桐藤ナギサは恋を知る その1
「それでね、その子がね!」
「その話はもう3回目だよミカ。」
「あれ?そうだっけ?」
「そうですよミカさん。」
と三人の少女は机を囲みながら話す。
「どれだけ好きなんですかその人のこと…。」
「だってすごいんだよ上信君は!」
「また始まったね…」
「はぁ…」
彼女たちは次期ティーパーティーのホスト。仲がよく、3人でお茶会をするところはトリニティでは珍しくドロドロしたところがない。
(それにしてもあのミカさんをここまでさせる方ですか…。一体どんな方なのでしょうか。少し調べさせましょう。)
数日後…
「ナギサ様、調査が終わりました。」
「ありがとうございます。」
ナギサは資料を受け取り中身を見る。ふむ…安城上信、1年生でヘイローのない男の子。成績優秀、周りからの評価も高く1年から3年度の間でも人気な存在。しかし周りに女の陰はなく、行動的に避けているようにも見受けられるですか…。これだけ見れば特にミカさんに好かれるようなところがあるとは思えませんね。
「…?おかしいですね、ミカさんの言っていた話の内容が書かれていません。」
あの日も言っていましたが超能力のことが一切書かれていません。…これは私直々に出向かなければならなさそうですね。
ナギサは立ち上がりドアを出る。
「ナギサ様どちらに?」
「少しおでかけに行ってまいります。」
「お気をつけて。」
ナギサは情報を頼りに上信という男を探し後をつけることにした。
放課後、ナギサはカフェでくつろいでいるところを発見する。
「…。見るだけなら好青年って感じですね。でもどうせ化けの皮をかぶってるはずです。しっかり見ていなければ。」
と近くの植木の後ろで上信を観察する。
「ねぇ、あの人ナギサ様じゃない?」
「ほんとだ。あんなところで隠れて何してるんだろ?」
「あ、あれじゃない。きっとジョジョを見てるのよ。」
「確かに目線の先にはジョジョがいるわ。」
「さすがジョジョ!次期ホスト候補に興味を持たれるなんて!」
「でもあれってストーカーじゃない?」
「いや、もしかしたらジョジョを勧誘しに来たかもしれないよ。」
「ジョジョなら無くはないけど隠れる意味って?」
周りの人々が徐々にざわざわし始める。
…まずいですね。さすがにやり方がまずかったようです。このままでは偵察になりません。とりあえずこの場離脱しなければ。
そう思ってナギサはすぐさまその場を離れてどこかへ行くった。
「…。」
それから数十分後…
…、あのあと変装してから向かったら既にいなくて探すのに結構かかりましたね…。今度は周りに気をつけなければ。
ナギサは上信の数歩後ろを歩きながらついていく。なるべく不自然にならないように。なるべく彼に気づかれないように。
その後ナギサは、上信を観察し続けたが特に何もなかった。街の人々の手助けをする姿はまさに好青年。声をかけられても邪険にすることなく優しく笑いかけている。
…やはり考えすぎなのでしょうか?
と思っていると、上信はそのまま路地裏に入っていく。
「!?」
ナギサは急いで路地裏に駆け込む。
こんなところに一体なんの用が…やはり、超能力というものを使って怪しいことをしてるのでは…。
ナギサの中で悪い妄想がどんどん広がっていく。バレないように物陰に隠れながら歩いていく。そして曲がり角を曲がったところに駆け寄ると。
ドン!
ナギサは何かにぶつかり尻もちをつく。
「いたた…。」
ナギサが顔を上げるとそこにいたのは。
ドン!
上信が立ちつくし拳を振り上げていた。
ナギサは瞬時に理解する。つけていることに気づいており自分をおびき出すためにわざわざ入り組んだ道を歩いていたのだと。上信は拳を突き出す。
く、来る!
ナギサは目をつむって身構える。
ドゴン!
ガシャァァン!
鈍い音と金属音が路地裏で響き渡る。
「…。…?」
激しい音と殴ったような音が聞こえたのに痛みがいつまでたってもやって来ない。ナギサはゆっくり目を開けると自分に当たっていたのは拳ではなく優しく包みこんでいる手だった。
「え?あ、え?」
「お前つけられてたぞ。その身なりティーパーティーのやつだろ?護衛もつけず一人で出歩くのは命取りだぜ。しかもこんな路地裏によう。」
「は、はい…。」
キヴォトスには男はいれど自分の種族に近い男はいなかったためナギサは結構初心である。男性との関わりがないのでいきなりのこの距離感にナギサの頭はオーバーヒート寸前である。
「なんだ!何か問題か!」
ゾロゾロ!
するとさっきの不良の仲間と思わしき人たちが路地裏に集まってくる。
「チッ、やっぱりいるよな…。」
上信は少し考える素振りを見せる。
「おい、アンタ戦闘はできるか?」
「え!?えっと…護身程度には…。」
「なら問題ねぇ、目の前の奴らは俺が片付ける。お前の身を守りながら戦うのはちと厳しいんだ。もしものときは自分で身を守れよ。」
「で、ですが貴方ヘイローは!」
「問題ねぇ。そんなもんなくても一撃も当たりゃしねぇさ。」
上信は何も持たず向かっていく。
「あ?テメェ何も持たずアタシたちに向かってくるたぁ、なめてんのか?」
「ちげぇよ。余裕だよ。」
「へぇ、なら一発譲ってやる。テメェ見てぇな雑魚にアタシを倒せるならな!」
ゲラゲラゲラ!
そう言いながら不良達は上信を嘲笑う。
「へぇ、一発くれるのか。なら遠慮なく。」
ドゴン!
「姉御!」
再び鈍い音とともに不良のリーダー格が後方に吹き飛ばされる。
何ですか今の?殴った?いえ、彼は手をポケットに突っ込んでいる。それに拳が届く距離ではない。これがミカさんの言っていた超能力?
「テメェ、姉御に何しやがった!」
「何って、一発やるって言われたから一発お見舞いしてやっただけだ。」
「この野郎!」
不良達は銃を乱射する。
「危ない!」
「問題ねぇ。」
そう言うと乱射された銃弾はなぜか上信に到達することなくあらぬ方向に弾け飛んでいく。
「な!」
「もう終わりか?なら…次はこっちの番だ!」
そう言って上信が不良たちに駆け寄る。すると
「ぎゃ!」
一人
「うげ!」
二人
「あんぎゃあ!」
三人と次々に不良達は何もされていないにも関わらず吹き飛んでいく。
「なにが…起こってるんですか…」
ナギサはただその奇妙な光景を眺めている。そして不良たちを蹴散らし終えて上信がこちらにやってくる。
「お前、大丈夫か?ケガは?」
「あ、だ、大丈夫です。問題ありません…。」
「そうか、なら歩いて帰れるな。路地裏の出口はまでは連れてく。ついてこい。」
「は、はい!」
そうしてナギサは路地裏から抜け出し自室に戻ることができた。
…安城上信。ミカさんに好かれる理由がなんとなく分かった気がしますね。…?なにか忘れてるような…。
ナギサは紅茶を口に含みながら考える。
「…。…!超能力について聞くの忘れてました!」
目の前で見せてくれた謎の現象。超能力とはどんなものなのか。何がどうやってあのようなことが起こっているのか。ナギサは聞こうと思っていた。はぐらかされたなら後で24時間監視さればいいだけの話。聞けるならそれまで。
…今度また聞きに行きましょう。
ナギサの調査はまだ続く。
次の日
「ナギちゃんストーカーしてたって噂になってるよ?」
「知りません。人違いでしょう。」
ティーパーティーの次期ホスト桐藤ナギサはストーカー疑惑が浮上していた。
to be continue
キャラ崩壊は許してください。僕のナギサさんは初心です。
あとナギサ視点なのでスタンドは見えてません。
あと上信君は女性嫌いなんじゃあなかったのかって言う人がいるかも知れませんが補足しとくと彼の女嫌いはそのまんま女が嫌いです。つまりこの時をナギサのことをつけてきてる嫌なやつと思っています。しかし特に行動も起こさず何が目的か悩んでいたとこら不良が後を追っていたのに気づき、見なかったことにするのは後味が悪いので助けました。ジョースタ家の血筋は基本的に後味の悪いことは嫌なのかもしれませんね。