『そんなわけで、有馬がルビーと一緒にアイドルやってくれることになった』
『あーあのお嬢ちゃんか。可愛かったしいーんじゃねえの?でも姫さん、前の地下アイドルの件もあるからやり過ぎ注意だぜ。刺されねえようにしろよ』
『確かにな。アレは俺のミスだった。気をつける』
『姫さん顔はいいのに俺と違って女の子と全然遊ぼーとしねーからなー。恋愛リアリティショーだっけ?せっかくだし楽しんでくればいーんじゃね?』
『そう気楽に言うな…仕事だぞ。まあ、適当に楽しめる時は楽しんでくるさ』
『おー頑張れよー』
姫さんとのチャットを終える。
お嬢ちゃんの人の良さにつけ込みアイドル勧誘とは、どーもあのジャリに甘すぎる気もするが。
まあ、姫さんの周りに女っ気無さすぎるし、これもいいキッカケにでもなればいーんだけどな。
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「で!なんでバカ鬼がウチの事務所いるのよ!ここは関係者以外立ち入り禁止でーす!」
「ああ、私が呼んだのよ。事務所の重い荷物まとめて片付けしたくて手伝いお願いしたの」
「ミヤコママ!」
「気の利くブルドーザーが室内にあると片付け楽ねえ。思ってたより綺麗になっちゃった」
「がははは!晩飯奢りのためなら頑張って働くぞバリバリー」
「オーガ君頑張ってくれたからね、いっぱい食べて帰ってね」
「あざまーす!いっぱいご馳走になりまーす」
「オーガ君美味しそうにいっぱい食べてくれるから料理のしがいがあるのよねー…あら、そう言えば唐揚げ足りるかしら?ルビー、ちょっとスーパーで鶏肉3キロくらい買って来てくれない?1分以内ね」
「ミヤコママ!なんかこのバカ鬼に甘過ぎない!!!」
「…そうかしら…でも、せっかく作るなら唐揚げに下味ちゃんとつけたいじゃない?やっぱりルビー、1分以内で買い出しお願いね?」
「違う!違うの!時間のことじゃない!」
楽しそうなミヤコさんとジャリ。
いい加減からかわれてるだけだとわからんものかねホント。
「…なんかアンタがいるとドコモ賑やかになるわねー」
「まーな、人徳だとでも思ってくれや」
こちらはお嬢ちゃん。
「そーいやジャリと一緒にアイドルやるんだってな?頑張ってな」
「…アクアから聞いたの?」
「まーね」
「…ふん。ホントはガラじゃないんだけど、何かいいキッカケになればと思ってね」
「キッカケなんてそんなもんだろ?普段やらない何かから、思わぬ所から何かアイデアやらキッカケは生まれるもんさ」
「…オーガの癖にいい事言うじゃないの」
「がははは」
「あ、そう言えばそろそろ始まるわよ」
ジャリをからかうのも一段落したのか、ミヤコさんがこちらにパソコンの画面を向ける。
『今からガチ恋♡始めます』
姫さんの出演する恋愛リアリティショーが始まった。
飯まで時間あるので結局皆で観ることになった。
まずは登場人物紹介。
流石にみんな外見整ってるなーとは思う。
ジャリとお嬢ちゃんが解説らしき事をしているのを、俺はその横から画面ごと観ている。
『めっちゃ緊張するわ〜皆よろしくね!』
「「いや誰!!」」
姫さん登場シーン。
2人の反応はわからんでもないが、あの器用な姫さんだぞ。
番組に合わせてこんくらいするだろよ。
『MEM ちょも可愛いね。めっちゃ照れる……』
「「は??死ね」」
「おいおいこんくらいで殺意高すぎだろ」
「でもコイツ!私には可愛いなんて勧誘の時しか言わないくせに…」
「ま、それは姫さんが悪いわな」
「女に囲まれて浮かれてんな…帰ったら説教だわ…」
「オマエはほんとにブラコンのジャリだなマジブレねえ」
「二人ともこれメディア用だから落ち着いて。そうしないと番組が成り立たないでしょ?身近な男が女にデレデレしてる所見ると腹立つのは分かるけれどね」
冷静なミヤコさんの言葉。
普通はそう思うんだろうけどねえ。
「でも…アンタはどーなのオーガ?」
「ん?俺か?」
お嬢ちゃんが俺に矛先を向ける。
「身近な男友達が恋愛リアリティショー出てデレデレしてたら『あーコイツ馬鹿だなー!』とか『可愛い子に囲まれてムカつく!』とかならないの?」
そう言われ、ふむと考えるが、
「いや、全然」
これは正直な意見である。
何せ…
「中学から俺と姫さんネタのBL本を目の前で売り捌かれたり布教されてる環境に慣れてるからな。恋愛リアリティショー?健全で結構ですなあ、としか思わん。むしろ俺がターゲットじゃないからありがたいくらいだ」
「ああ…そうね、それはそうか…」
「ご理解が早くて助かるね。流石『あるのがいけない!あるのがいけない!』って連呼しながら鬼×姫本買い漁ってただけのことはあるわ」
「は!何言ってるのよ!鬼×姫とか邪道!姫×鬼こそが正統でしょ常考!!!って!はっ!」
「そらすまんな。だがマヌケは見つかったようだ」
「ぐぎぎぎぎ…」
「あらそっち派なんだ。私は断然鬼×姫派なんだけど」
「ミヤコママ…」
そんな感じで仲良く姫さんの番組を視聴しましたとさ。
いいと思うんだけどね、恋愛リアリティショー。
姫さんも、別に恋愛楽しんでもいいんだから。
まあ、何かいい方向に進めばいいんだけど。