「私の一押しは鷲見ゆき!多分この子は純粋で良い子だよ!!」
「…お前は見る目がないからしばらく恋愛すんなよ」
「はあ!?」
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
「「「「恋愛リアリティショーとかクソです!!!!私たちは2人を応援してますからね!!!」」」」
「はいどもー貢ぎ物はそちらですー」
「…ヤレヤレ。高校でもこれか…」
時刻は昼休み。
高校の中庭のベンチでオーガと飯を食ってたら早速これだ。
ヤレヤレとしか言いようがない。
なんと言えばいいのだ?
公式の恋愛リアリティショーよりアングラのBL応援してると言われて…
「…まあ、よくわからんが出演番組が好評で良かったな姫さん」
「…結果的にな。俺は番組の質にはあまり貢献出来てないし」
俺の出演してる恋愛リアリティショーはぼちぼち佳境を迎えつつあった。とあるカップルを中心に。
…そこに、1人の少女が無理やり絡みに行き始めており、そこが心配事と言えば心配事だった。
だが、全体的には好評で進行していると言っていいだろう。
「姫さんも遠慮せず好みの女に行けばいーのに。皆可愛いし」
「仕事だしな。恋愛リアリティショーで自分出すのはなかなかしんどいぞ正直」
「まあカメラあるとそーなるかね」
「そんなもんさ」
食欲色欲暴力にと自由気ままに生きるオーガ。
わりとコイツには正直な本音も話せる。
恋愛に興味がないわけでもない。
でも、何か踏み込めなかった。
仕事というのもあるんだろうけど。
「あ、いた鬼くん」
「おーフーさんどしたん?」
「…おいおいバカオーガ…何天下の不知火フリルさんに向かって変なあだ名つけてんだコノヤロウ…」
「どーもフーさんです」
「いやノリが思ったより良すぎてなあ…これでなんでこんなノリいいんだろこの子不思議だけど」
「色々な諸々を気にせず絡める人は貴重だから。鬼さんは話してても男女の色恋とかでなく『まあオーガだし』で済むし」
不知火フリル。
テレビで見ない日は無いと言われるほどの売れっ子マルチタレント。
2人で話してる中庭のベンチ。
まさかと言うべき彼女が端に座った。
「お兄さん『今ガチ』好評ですね。早くMEMちょ押し倒して欲しい」
「…おいバカオーガ…実はこの人かなり困ったちゃんか?」
「てへ♡」
「…ん?てへ?♡」
「可愛くねーぞバカオーガの方は…」
小首を傾げテヘペロする不知火はともかく、遅れてのオーガのテヘペロとか誰得なんだ誰得…
「MEMちょのメス顔みたいんですよねー…お兄さん頑張ってくださいよ」
「あーダメダメフーさん。姫さんこれで実は童貞だから。そんな女の子メス顔させるとか期待しちゃダメよ」
「ほう…姫×鬼派としては、それは聞き捨てなりませんな」
「…情報量が多すぎてツッコミ間に合わないんだが…オマエラ落ち着きとか人の心はないんか」
「「ないでーす」」
イエーイ!って感じでハイタッチする2人。
いつの間にこんな仲良くなってるんだか。
「まあでも『今ガチ』好評ですね。私も楽しみにしてるんで頑張ってくださいね。…ちょっと心配な所もあるけど」
「…まあ、な」
不知火の言うことはわかる。
黒川あかね。
最近空回り気味の彼女。
空回りで済めばいいと、皆が心配している彼女。
この恋愛リアリティショーが人生の全てってことは無い。
失敗しても、次に活かせればそれでいいと思う。
実際、メインカップルの2人以外はそう割り切ってる感じがする。
黒川以外は。
「まあ、観てないから良くわからんけど、何かあったら姫さんがその子の面倒見てやればよくね?心の弱った女の子とかにつけ込むの得意じゃん」
「ほう…その辺詳しく」
「童貞の割に女の子の心につけ込むの上手いのよ姫さん」
「控えめに言っても最低だねえ」
「頭良いから弁護士とか裁判沙汰は上手く回避しそうだしな」
「イケメンに最後に必要なもの。それは弁護士と最後まで戦う勇気!ってか。控えめに言ってもゴミクズだと思う」
「だってよ姫さん」
「ゴーミ、クーズ」
「待って…俺は何も言ってなくないか…」
高校の中庭のベンチ。
楽しいのか楽しくないのか?そんな会話。
…平和なのはここまでだった。
黒川が、鷲見の頬に傷をつけた。
…ここから、事態は一変することとなる。