推しのペルソナ   作:のりしー

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恋愛リアリティショー編 ガキを守る

あの後俺と黒川は警察署に保護?される事になった。

当然、お互いの両親にも連絡が行き、俺の方はミヤコさんが来てくれる事となった。

 

「よくやったわアクア、誇らしいわよ」

 

その言葉は正直嬉しかったが、ついついいつもの癖で照れ隠しのような反応をしてしまった。

 

「あかね!」

 

黒川が部屋から出てくると同時に、今ガチのメンバー達がやってくる。

鷲見が、黒川の頬にビンタし、抱きつく。

 

ある意味炎上のキッカケでもあったし、特に心配していたのだろう。

2人、泣きながら抱き合っていた。

 

俺は、彼女にこれからもこの番組を続けたいか問いかける。

彼女は、

 

 

このまま辞めたくない

 

 

そう、目の端に涙をまだ浮かべながら、強い意志の籠もった瞳でハッキリそう言った。

 

……分かった

 

 

ならば、ここから本当のリアリティショーを始めてやるとしよう。

 

腹が立って仕方がない。

使えるものは全て使って勝負してやる!

 

 

……そこから色々動いた。

 

まずは手始めに記者クラブに自殺未遂の情報を流す。

そのニュースは早速世に流れ、界隈では様々な議論が巻き起こった。

 

まずは世間の注目を強く集める。

そして、俺主導で『俺達目線の今ガチ』の動画を作成し、番組公式のSNSにアップした。

 

俺の身体は学生だ、確かに。

だが、この中の心は大人でもある。

大人がガキを守らなくてどうするんだ、って話だ。

 

この動画は世間の注目を集め、俺が望んだ方向へ大衆の意識を向けることに成功した。

当然、これで全てが解決出来た訳では無い。

だが、黒川が世間に復帰出来るレベルには状況を改善する事が出来ただろう。

 

 

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、

 

 

「動画好評みてーだな、姫さん」

状況が少し落ち着いた頃の事。

オーガといつものように高校の中庭ベンチで昼飯を食べる。

 

「意外だな。お前はこういうのに興味無さそうだけど」

「いや、俺は興味ないんだけど一緒に飯食ってた女の子達がウワサしててなあ」

 

「達?」

 

「おう。彼氏にDV受けてたガールズバーの子を助けて、お礼に飯おごってもらう事になったんだが、その途中で酔っぱらいに絡まれてるキャバ嬢を助けてなあ、何故か3人で飯行くことになった。んで、行きつけのスナックのチーママのとこ行ってご飯食べてたら姫さん達の動画の話になったのよ」

 

「…俺この何日かめちゃくちゃ自分の人生でも濃い日々を過して来てたと思うんだけど、なんでお前急にそんな面白くて濃い話ぶっ込んで来るんだよ…なんか俺の頑張り全部持ってかれた気分だわ…」

 

「知らね、運じゃね?」

「運かあ、そうかあ…」

 

…いつもこうだ。

なんかコイツといると、自分の悩みとかがちっぽけなものに思えてくるから困ったものだ。

 

「あ、オーガ君にお兄さんやん」

「ん、おお、みなみちゃんか」

「どうしたの寿さん?」

 

ルビーのクラスメイトの寿みなみ。

売り出し中のグラドルだけあってスタイルのいい美少女だ。

 

「いや、特に用があったわけやないんやけど。お兄さん、今ガチの炎上いい方に終わりそうで良かったですね」

 

そう言って、自然とベンチに座る。

オーガの横。

デカいオーガと並んで座るとまさに美女と野獣そのものである。

どうもこの男、こんななりなのに何故か女性の警戒心を解くのが上手いのは何故なんだろうか?

 

「いやーほんま毎回楽しみに見てたんで、そろそろ番組が終わっちゃうのが残念ですわ」

「そーなん?良くしらんけど、あの手のヤツって最後カップルとか出来るんだっけ?姫さんどーよいい子いた?」

「あーウチもそれ気になるなあ。お兄さん最後誰かに告白とかしないんですか?」

「ですか?」

 

ワクワクー!みたいな目をして俺を見てくる2人に、

「勘弁してくれ…正直無事に番組が終わればそれだけでいい」

 

「えーでも姫さんの好みって、とりあえず顔がいい女の子じゃんよ。可愛い子いっぱいいるしワンチャン告ってもいーんでね?」

 

「へーお兄さんの好みってとりあえず顔なんやなあ、ゴミやん」

 

「寿さん…ちなみにそこのオーガの好みは『胸とお尻がデカくて腰が細く、後腐れない子』なんだがどう思う?」

 

「オーガ君もゴミやん」

 

「どーもゴミゴミコンビですがはは」

 

「コンビにするな勝手に…」

 

「…鬼×姫はゴミ攻め×ゴミ受けって事やなあ…ちょっとこのネタ提供してきますわ!」

 

「あ、この子さては隠れ鬼×姫派だな!」

 

「隠れ◯◯派とかいうと、フツーはも少し隠れたり忍んだりするもんだと思うんだけど、なんでアイツら全然隠れも忍びもせず堂々としてんだろうなあ…」

 

「全くだ。せめて隠れキリシタンくらいには忍んでくれ…」

 

ルンルンとベンチから離れていく彼女を見送りながら、オーガと2人でぼやく。

 

慣れたけど。

慣れたけど。

 

なんだかなあ…とは思ってしまう。

 

恋愛リアリティショー…もう少し真剣にやっても良かったかもしれない…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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