推しのペルソナ   作:のりしー

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ファーストステージ編 鬼と鬼退治

闇の青鬼が近づいてくる。

オーガよりも一回り大きな巨体。

普通であれば、その威圧感に気圧されてしまうものだが。

 

「がはは!んじゃ鬼の鬼による鬼退治と洒落込むかねえ!」

 

体格差など全く気にしないでオーガが闇の青鬼の懐に飛び込む!

迎え撃つ闇の青鬼がパンチを放つ。

 

「なんだよ、素人かよ!大ぶり過ぎだ!」

 

オーガはそれを躱しつつ、

「オラよ!!」

「ぐごおおおお!!!」

 

狙いすましたクロスカウンターを敵の顎に叩き込んだ!!

 

「オラオラオラオラ!!」

ふらつく闇の青鬼を逃がすまいと、オーガがラッシュをかける!

 

俺の動体視力では捉えきれないほど速いパンチの嵐が敵の胴体を、顎、その両頬を打ち据える!!!

 

……が!

 

「ぐかぁあああ!!!」

「よっと!なんだ案外根性あるじゃねえか!」

 

オーガの打撃にダメージを受けていないのか?先ほどのパンチと同等の威力を持った拳の雨をオーガに降らせる。

 

『暴れまくり』

 

無茶苦茶だ!

闇の青鬼は手に持った金棒を振り回し、手を薙ぎ払い、ヤクザキックを放ち、肘打ちも繰り出す。

オーガの洗練された武術の動きとは全く異なり、それは幼子がイヤイヤしながら手足を振り回すような拙い動きではあった。

 

だが、それがオーガを上回る巨体と筋力から繰り出されるとたまらない。

 

まるで暴力の台風だ。

 

流石に手を焼いたのかオーガが少し後退する。

 

「ペルソナ!お願い!ムーサ!」

『ジオンガ!』

 

「ぐごおおお!!」

 

あかねの放った電撃魔法が鬼を撃つ。

しかし、身体が大きい分耐久力に優れているのだろう。

「ぐるるるるる!!ガア!!」

 

ダメージをものともせずこちらに向けて突進してくる!

「行かせるかよっ!」

 

オーガが鬼の前に立ち塞がる。

オーガに向けて、鬼が巨大な金棒を振り下ろす!!

 

オーガは素早く相手の懐に入り、振り下ろされた腕の力を利用し、

「脳天落とし!!」

 

投げた!

まじかよオーガ!

 

自分よりも一回り大きな闇の青鬼を、このバカ投げやがった!!

 

無茶苦茶にもほどがあるだろ!!

 

投げの角度を調整したのか?背中からではなく頭から鬼をコンクリートの地面に投げ落とした。

 

「今だあねさん!」

 

「うん!!」

『アギラオ!!』

 

巨大な火球が鬼を焼く!

 

「ぐおお!!おん?おん?」

 

体が焼ける痛みに苦しみながら、鬼が混乱している。

 

「チャンスだぜ姫さん!バフとデバフ頼む」

 

「わかってる!!ペルソナ!!」

『タルカジャ!ラクンダ』

 

攻撃力アップをオーガに。

防御力ダウンを闇の青鬼に。

 

「おっしゃあ!行くぜペルソナ!!」

『アサルトダイブ!』

 

オーガが強烈な攻撃を闇の青鬼に仕掛ける。

『ザンマ!!』

 

その隙を狙いあかねが魔法で攻撃する。

『スクカジャ!』

 

俺はオーガが更に速く動けるようバフをかける。

 

あかねが加わった事により、戦術に幅が広がっていた。

 

タンク兼近接アタッカーのオーガ。

回復兼バフデバフ担当の俺。

そして遠距離アタッカーのあかね。

 

おそらく、この闇の青鬼のタフさから俺とオーガだけではかなり苦戦していただろう。

 

魔法で遠距離攻撃が出来るあかねのおかげで、戦況を大分有利に進めていた。

 

 

「はっはー!タフでいーじゃんよテメエ!!そう簡単にやられんじゃねえぞ!!まだ殴り足りねえかんな!!」

「えええ…もう倒れていいんじゃないかな…」

 

敵のタフさに大感激してるバカが1名いるが、俺もあかねと完全に同感である。

 

このタフさは何から来るのか?

闇の青鬼の元となった人の身体能力なのか?

いやそんな鍛えられた体型ではなかった。

とすると、心の耐久力の強さが今の敵のタフさに繋がっているのだろうか?

 

「…やめだ。今ここで考えても仕方ない」

 

自分を裏切ったと思い込んでいるアイドルに凶行を働こうとした男。

 

正直、思うところはある。

 

裏切りを感じただけで、人を殺すほど昂る激情。

強い意志。

きっと、それまでも何処か違和感などは感じていたのだろう。

それを強い意志で抑えつけて、彼は自分の推しのアイドルを応援していたに違いない。

それは、とても残酷な事だ。

 

アイドルというものに纏わりつく、1つの闇と言っていいだろう。

 

だけど…

 

「だからといって、誰かを傷つけていい理由にはならない」

 

だから…

 

「オーガ!!!」

「おうよ!!!」

 

俺の声に、オーガが一旦後退する。

「あかね!アイツを凍らせて動きを止めてくれ!」

 

「わかったよアクアくん!!ペルソナ!!!」

『ブフダイン!!』

 

今までをはるかに超える巨大な冷気の波が、闇の青鬼を襲う!!

足元を、下半身全てを凍らせていく!!!

 

「さあ、心のオペを始めよう」

 

「俺が切り」

隠し剣 鬼の爪

 

「俺が治す」

サマリカーム

 

 

凍った敵の心の闇を切り裂き、俺がその心を治す。

 

そして、心の闇の世界は、傷ついた男の心とともにゆっくりと消滅していった……

 

 

 

 

 

 

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