「ほーん。じゃー次はその原作者の漫画家がターゲットってことね」
いつもの学校のいつものベンチ。
姫さんから状況を教えてもらう。
「ああ。それで今日はその漫画家の師匠の所にあかね達と行く予定だ」
「…ああ。漫画家とかもそーなの?師匠はやっぱり神様的な?」
「多少違いはあるだろうけどな。外野が言っても聞かないだろうが師匠の言葉なら多少は聞くだろ」
そこで原作者に演劇のチケットを渡してもらうようお願いするとのこと。
クリエイターであれば、あの劇を観れば元の脚本の良さもわかり歩み寄りが期待出来るのでは?だそうだ。
「んじゃお薬渡して心の病を治しましょうね!って事かー…暴れられないとつまらんなあ」
「毎度毎度外科手術ってのも芸が無いだろ。投薬治療で治せるならそれが一番だしな」
「俺の期待で盛り上がったこの気持ち…一体何処にぶつければいいのかしら?」
「知らん。いつもみたいに適当にその辺の半グレ組織でも潰して憂さ晴らししてくればいいだろ」
「そっかー…しょうがないにゃあ…それで我慢するかあ…」
「まあ、これで上手く行かなかったらその時はまたお前の力を借りる。そうなったら頼むな」
「りょーかい。そーなる事を期待しとくぜ」
「全く…」
そうしてその日の会話は終わる。
姫さんはあねさん達と放課後にその原作者の師匠の所に向かった。
俺は仮面ライダーのお面を取り出し、ちょい田舎の繁華街に向かった。
さーて暴れるぞー
手頃なヤンキーとか半グレかヤクザいないかなー?
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
「で、結局上手く行っちゃったのね…」
数日後。
俺の家の道場での事。
姫さんと
「え!オーガくんの殺陣の指導!私も一緒に行ってもいい?」
とついてきたあねさん。
2人への指導をしながらの会話。
結局、全て心のお薬やら師匠パワーで何とかなってしまったらしい。つまらないにゃん。
「そんで原作者と脚本家がタッグを組んでトンデモ脚本が出来てしまった…」
「私はこっちの方が好きだな!」
対称的な姫さんとあねさん。
まあ、姫さんもああ言いながら楽しんでいるのはいつもの事だ。
今日も熱心に殺陣の練習をしている。
基本的にやる予定の殺陣の演技を見せてもらい、それに俺が「こうしたほーがいーぞー」と口出ししたり見本を見せる感じ。
姫さんにも、あねさんにも比較的好評なようで良かった。
「でもアクアくん名案だね!オーガくんに殺陣の指導してもらうなんて思いつかなった!今後のいい財産になりそう!」
「こんくらいで良ければいつでも手伝うぞー。飯はおごってもらうけど」
「…うーん…オーガくんがそれでいいならいいんだけど…これ正直お金取れるレベルの指導だと思うよ」
「そーかい?そんなもんかね?」
「あかね。コイツはあんまそーいう世間の評価とか気にしないタイプだから、そういう褒め言葉は響かないぞ」
「そらそうだ。武術家の評価なんて殴って殴られての勝負の結果で評価するもんだからなあ。褒め言葉はありがたいけど殴れないし」
「うーん相変わらず修羅の国で生きてるなあオーガくんは」
そうして指導が終わり、本日はお開きとなる。
「オーガ、シャワー借りていいか?」
「いいぞー」
「うーん…オーガくん、私も借りていいかな?」
「いいぞー。姫さんと一緒に入ったりしなければ」
「あはは!大丈夫!アクアくん結構ヘタレだし」
「おーさすがよくわかってるなあねさんは」
「貴様ら…」
レディファーストということであねさんが先にシャワーを使う。
まあ軽く汗流すくらいだからすぐに終わる。
んで今度は姫さんがシャワーを使う。
じー……
「ん?どしたんあねさん?」
こちらをじーっと見つめるあねさん。
何か聞きたそうな感じ。
「オーガくん…洗面所に歯ブラシたくさんあったけど…大丈夫なのあれ?」
「あーそー言えばそうだな。みんな置きっぱなしにするからなあ」
「…普通さ、こういうのって隠したりするものじゃないのかな?」
「?なんで?」
「え?…だって、女の子たくさん来てるんでしょこの家?女の子って普通自分以外の子のそういうの嫌がると思うんだけど…」
「そうなの?なんか皆普通に歯ブラシとかシャンプーとか置いてくからそんなもんかと思ってるんだけど」
「えええ……」
「あかね。オーガにあまり常識期待しても無駄だぞ。ちなみに、この家に来るのは『まあオーガだし』で納得するような人達ばかりだ」
シャワー上がりの姫さんがやって来てそう言う。
「うーん…カルチャーショックだなあ…私なら彼氏の家とかに他の女の子の形跡あったら彼氏コロスけどなあ…」
「「怖っわ」」
「怖くないよ!普通だよ!」
そうして、今日の指導は終わる。
「姫さんこの後帰るの?メシどーする?」
「すまんオーガ。この後監督の家に行く予定なんだ」
「感情演技の練習だっけ?アクアくん、私にも何か出来ることあったら言ってね!いつでも練習とか付き合うから!」
「助かる」
そうして俺達は解散した。