推しのペルソナ   作:のりしー

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プライベート編 宮崎旅行

「お邪魔します」

「お邪魔しますンゴ」

 

「………」

 

「わー本物の黒川あかねちゃんだー!!!………して貴様は何故ここにいるバカ鬼」

 

ここは空港の国内線ターミナル。

B子町のMV撮影兼舞台の慰安旅行で宮崎に向かうところ。

オーガとあかねを連れてB子町チームに合流しての反応である。

 

 

「なんで部外者が付いてきてんのよ」

 

「お前が慰安旅行として一緒に来たらって言ったんだろ。オーガは俺達2人の殺陣の指導してくれたしな」

 

「後は最近誕生日だったんだよねオーガくん。それで指導のお礼も兼ねて私とアクアくんで旅費出したんだ」

 

「あーもうそーだけどー!!!」

 

ばたばたする有馬。

あかねと挨拶するルビー。

 

そして。

 

「はじめましだね!!MEMだよ!鬼×姫派です!!よろしくね!!」

 

「……鬼島凰牙太郎だ……初手で性癖暴露挨拶は勘弁してもらえないか………」

 

意外にもはじめましてだったらしい2人が挨拶していた。

 

「おうおうバカ鬼!!いくら誕生日込みだからって飛行機までお兄ちゃん達に出させるのはちょっと図々し過ぎない!!おうこらテメエは宮崎まで走ってこいよおうおう!!!」

 

「まあそれは確かにそうだなあ……宮崎かあ……明日の朝には着けるかなあ?」

 

「むしろ何で明日の朝には着いてるのかな!!!」

 

「まあ良いじゃないルビー。オーガくんには日頃お世話になってるし」

 

「ミヤコママ!!やっぱバカ鬼に甘過ぎない!!!」

 

やれやれ賑やかだな。

オーガと居ると大概どこもこんな感じで賑やかになる。

 

そんなこんなで飛行機に乗り宮崎に向かった。

 

宮崎に着くとレンタカーで移動。

B子町はMV撮影でアネモネという人とスタジオへ。

 

残ったのは俺達3人。

 

「あはは。バタバタだねぇ。私達はどうする?」

 

「2人のデート邪魔するほどヤボでもねえよ。俺は俺で行ってみたいところあるから姫さんとあねさんは2人で観光してきな」

 

「いいのオーガくん?嬉しいは嬉しいけど」

 

「かまわねえよ。なんかあったら連絡するさ」

 

「悪いなオーガ。気を遣わせた」

 

「かまわないって言ったろ。んじゃなまた後で」

 

そう言ったオーガと別れ、あかねと2人で観光した。

 

有名な荒立神社、高千穂峡、天岩戸などを2人で観光する。

 

その後俺たちもスタジオに向かい撮影の見学をする。

 

『見つけたぞ。場所は……』

 

「どうしたのアクアくん?」

 

「……ああ、オーガから連絡来た」

 

「そう言えばオーガくん1人でぶらぶらしてるんだもんね」

 

時刻は8時過ぎだった。

……まだ少し動けるか。

 

 

「すまないあかね。ちょっとオーガのおやつがてら軽く付き合ってくる。もし遅くなったらルビーの事頼めないか?」

 

「全然大丈夫だよ!!外は都内と違って明かり少なくて暗いから気をつけてね!!」

 

「悪いな。少し行ってくる」

 

「行ってらっしゃい」

 

撮影の最中俺はスタジオを抜け出し、オーガの元に向かう。

 

 

 

 

 

 

「来たか姫さん。こっちだ」

 

オーガと待ち合わせをし、2人で暗い森の中を歩く。

夜目の利くオーガと違い、俺はスマホの照明で足元を照らしながら進む。

そしてしばらくというよりはもう少し長い時間を歩いた後。

 

「あそこだ。あの祠の裏の空間だ」

 

そこには、年月が経ち朽ち果てた1人の遺体があった。

 

……俺は、それを確認する。

 

「姫さんの指示通り色々調べといたぜ」

オーガが報告してきた内容。

 

それは雨宮吾郎という男のあの後の記録。

 

勤めていた病院に急に来なくなり退職扱いになっていた事。

 

彼の住んでいた家は今は誰も住んでいない廃屋になっていた事。

 

そして、崖から突き落とされたであろう彼が、遺体が見つかっていない彼が、その後どうなったかという事を。

 

その言葉を、報告を一つ一つしっかりと聞く。

 

「報告はそんなところだな。姫さん、この後どうするよ」

 

「そうだな」

 

まずは、この遺体から身元がわかる証拠品を回収。

それを人目がつかないところに破棄するのが第一だ。

 

これは俺がやる。

 

「オーガ……お前この死体が見つからないようにこの空間壊して埋葬できるか?」

 

「まあ出来るけどよ……いいのか?姫さん……」

 

「かまわない。今さらこの遺体が見つかる方が都合が悪い」

 

「そうかよ。ならそうするか」

 

そうしてクレジットカードなどの身元が判明しそうな物を回収する。

 

「後は俺がやっとくからいーぞ姫さん。あねさんとかの所に戻っておけよ」

 

「重ね重ねすまんオーガ」

 

「よせやい。これ込みの旅費だろう?後の時間は素直に楽しませてもらうさ」

 

「そう言ってもらえると助かる」

 

本当にオーガには感謝している。

 

1人祠裏の空間を出て、暗い森の中を歩いてスタジオに戻る。

 

夜闇の中を、1羽のカラスが高い声で鳴いていた。

 

 

 

そしてスタジオに戻ると丁度10時。

この時間からは撮影不可なルビーと有馬、そしてあかねと4人で宿へと戻った。

 

 

「そーいやオーガは何してるのかしらね?」

 

「知らないわよあんなバカ鬼。どうせナンパがてら夜遊びしてるかその辺の地元のヤンキーか半グレ潰して遊んでるんでしょきっと」

 

「え!!そ、そうなのアクアくん……そういえばさっきオーガくんに会いに行ってたけど……」

 

「お兄ちゃん!!またバカ鬼と危ない遊びしてたの!!!辞めてってあんなに言ったのに!!!」

 

「誤解だ誤解!!少しアイツのおやつがてら飯に付き合ってただけだ!!!」

 

「ふんだ!!それで今ここにいないって事はじゃあナンパか夜遊びにアイツは行ってるわけね!!まったく宮崎に来てまでバカ鬼はバカ鬼なんだから!!!」

 

 

ぷんすかぷんすか起こるルビーを宥めながら、俺たちは宿に着いた。

明日も朝は早い。

それぞれの部屋に戻り、俺たちは眠りに着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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