「デカ!顔怖!」
「はっはっはー!まあ言われ慣れてるからなんとも思わねーが、まずは自己紹介が先じゃねーかなお嬢ちゃんよ」
陽東高校の一般科の面接。
面接に向かう所、姫さんとジャリが見知らぬ女の子と話しているのを見かけたので声をかけてみた。
どうもよくわからんが強い感じのコミュニケーションに見えたので、興味が湧いて近づいたのだった。
「ああ、コイツは有馬かな。昔ちょい出た映画の撮影で知り合ったんだ」
「有馬かなよ。…確かに、いきなり失礼な物言いだったわ。ごめんなさい」
「ああ、かまわんよ。さっきも言ったけど言われ慣れてるからな」
まあ中学卒業前で2メートル超えの身長。
さらにこの強面だ。
ビビって腰を抜かさないだけ大したもんだ。
なかなかどうして、肝の座ったお嬢ちゃんだ。
「ちょいバカ鬼!!なんで私がジャリで、ロリ先輩がお嬢ちゃんなのよ!おかしくない!!!」
「ふむ…」
うるさいジャリと、お嬢ちゃんを見比べる。
「合ってるだろ」
「むかー!!!!」
またゲシゲシ俺の足を蹴っては、痛みに悶絶するジャリ。
面接前なんだ、勘弁してくれよ。服が汚れるだろが。
それを見ながら高笑いするお嬢ちゃん。なかなかいい性格してそうだなこりゃ。
「オーガはこの後面接か?」
「ああ、ちょうど入れ違いのタイミングだったみてーだな姫さん」
「プッ!ちょっとアンタ!!姫さんなんて呼ばれてるの!」
「言ってくるのはコイツくらいだ」
「…お兄ちゃん友達いないもんね…」
「やめろバカ妹」
「そーよジャリ妹!アンタはジャリらしく大人しくしてたら」
「ロリ先輩までー!!貴様のせいだー!このバカ鬼ー!!」
「うるせえジャリだなホントこのジャリは…」
「むがー!!!」
とりあえずしばし歓談し、
「っと、そろそろ面接の時間だわ。行ってくる」
「おう。頑張ってな」
「バカ鬼なんか落ちちゃえばいーのに!でも頑張れ!」
「…ま、頑張りなさい。せっかく知り合えたんだし、4月から同じ学校で学べると良いわね」
「おう、行ってくらあ」
3人と別れ、面接会場の部屋に向かう。
校舎を少し歩き、やがて目的地へたどり着く。
ドアをノックすると、部屋に入るよう促されたでドアを開けて中に入る。
「自由な校風に惹かれて来ました!」
「「「面接まだ始まってないから!!!」」」
掴みはオッケーかな?
まあ、面接頑張るとしよう。
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面接が終わると、姫さんから連絡が入っていた。
どうもさっきの有馬というお嬢ちゃんを監督さんのとこに連れていったようだ。
「へー、ふーん、姫さんがねえ」
中々いい傾向なんじゃないの?
姫さんは中々人を踏み込ませないような所がある。
それが久しぶりの再会だとしても、ここまで姫さんが他人を損得なく受け入れているのは珍しい。
彼氏彼女のような甘酸っぱい展開に進むかどうかはともかく、あの自罰的というか、自己犠牲的というか?そんな姫さんの傾向が改善されるような何かいい影響があるといいんだけど。
「しっかし、アテが外れたなー飯どーすっか?」
面接終わりに一緒に飯でもどうかと思っていたのだが。
まあ、向こうも俺が飯に誘うとわかってたから先に連絡くれたんだろうしな。
しゃーない。
この前に裏の地下格闘場で知り合った女の子にでも飯を奢ってもらうとしよう。
女の子に連絡すると、早速既読がついたので飯の約束を取り付ける。
「鬼ってえのは強欲なもんだからなあ」
まあこういう事もあるだろう。
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「オーガ君、姫さんからメッセ来てるよ」
「おーあんがとよ」
飯食い終わってのんびりしていると、連れの女の子が俺のスマホを渡して来た。
姫さんからの連絡は、
『急だがドラマに出ることになった。状況によってはまた力を貸してくれ』
「…全く、ホント人を飽きさせないね姫さんは」
また何か愉快なトラブルにでも巻き込まれたのだろう。
クックックと思わず笑みが浮かぶのを自覚する。
「…オーガ君。姫さんってだれ?」
「女みてーな面した男。俺の友達」
「ふーん…男もいけんだオーガ君」
「いや勘弁してくれよ…」
ぎゅうう、と横腹をつねってくる女の子を横目に、俺はまた愉快な闘争になればいいなあと願った。
この前の戦い。
アレは実に良かった。
人間に使ってはいけない力を、思う存分に震える快楽。
鬼の本性が滾る。
願わくば、また素晴らしい闘争が近く起こりますように。